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アパート退去の際、敷金の返還を求めたところ、賃貸人から原状回復の工事費用が敷金を上回っていると言われ、逆に不足分を支払うよう請求された。原状回復とは、どういうことを言うのか。
国土交通省が民間賃貸住宅の退去時における原状回復について一般的なルールを示した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によれば、「原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とされています。
賃借人が借りた当時の状態に戻すことではありません。
契約する前に、退去時の原状回復などについて、賃貸借契約書の内容をよく読み、契約事項をしっかりと確認しておくことが大切です。
退去時はもちろん、入居時にも賃貸人・賃借人双方が立ち会い、物件の状況を確認し、チェックリストを作成しておくことが有効といえます。写真を撮っておくこともひとつの手段です。
通常損耗分とそれ以外の区分については、契約書の内容や当事者間の協議事項にもよりますが、契約書の条文があいまいな場合などは、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に一定の判断が示されているので、これを参考にしながら賃貸人と話し合いをするとよいでしょう。