本文
教育長の部屋
ようこそ教育長の部屋へ
令和7年(2025年)1月1日メッセージ
明けましておめでとうございます。
新春を迎え、県民の皆様方に謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、平素から本県教育にお寄せいただいております温かい御支援、御協力に対しまして、心から感謝申し上げます。
さて、私たちは、人口減少・少子高齢化の更なる加速や、グローバル化の進展、生成AIによるデジタル分野の急速な技術革新など、社会の変化が加速度を増し、まさに、将来の予測が困難な時代を迎えています。
このように社会が大きく変化し、多様な課題が生じている今日、学校教育においては、各教科等の学びを基盤としつつも、文系・理系といった枠にとらわれず、様々な情報を活用しながら、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質能力の育成が求められています。
このため本県では、今年4月、岩国高校、徳山高校、山口高校に、これまで県内の理数教育を牽引してきた理系学科と併せて文系学科を新設するとともに、宇部高校、下関西高校、萩高校の探究科も名称を統一し、県内6校にハイレベルな文理横断的・探究的な学びを推進する文理探究科を設置します。
この文理探究科では、「探究的な学習」「発展的な学習」「先進的な学習」を軸に、大学での高度な学習につながる高い学力を育成するとともに、こうした学習を通じて、自ら課題を発見し、多様な方法で情報を収集・分析しながら解決方法を生み出す、これからの社会が求める人材を育成していくこととしています。
そして、文理探究科での文理横断的・探究的な学びの成果を小・中学校も含め県内に広く波及させ、県内全域において文理横断的・探究的な学びの充実を図っていきます。
一方で、本県教育を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、いじめ重大事態の発生件数や小・中学校の不登校児童生徒数が過去最多となるなど、極めて憂慮すべき状況にある、いじめ・不登校への対応や、よりよい教育の実現に向けた教員確保や学校における働き方改革の推進など、課題が山積しています。
私は、こうした本県教育が直面する喫緊の課題にも、真正面から向き合い、その克服に全力で取り組んでまいります。
県教委としましては、学校・家庭・地域をはじめ、市町教委や関係機関等とも緊密に連携しながら、教育目標である「未来を拓く たくましい『やまぐちっ子』の育成」に向けて、本県教育の一層の充実・発展に努めてまいりますので、県民の皆様方の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
山口県教育委員会教育長 繁吉 健志