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知事記者会見録・令和6年1月23日実施分

ページ番号:0242424 更新日:2024年1月25日更新

知事記者会見録一覧へ

日時 令和6年(2024年)1月23日(火曜日)

11時00分~12時22分

場所 県庁2階 記者会見室

発表項目

〇性の多様背に関する理解増進施策につて (PDF:365KB)

〇台湾訪問について (PDF:336KB)

〇ニューヨークタイムズの記事を契機とした県の取組について (PDF:1022KB)

 

知事 

本日、私の方からは、まず初めに、性の多様性に関する理解増進施策についてご説明させていただきます。

 私は、これまでもLGBT等の性的マイノリティの方々に対する偏見ですとか差別、こうしたものはあってはならず、多様性が認められ、それぞれの生き方が尊重される、そうした必要があるとの認識のもとで、性の多様性への理解増進に向けた普及・啓発に取り組んでまいりました。

 こうした中で、昨年6月のいわゆるLGBT理解増進法の施行を受けまして、庁内にワーキンググループを設置し、理解増進の加速に向けて、県としてどのようなことができるか検討してまいりました。また、この間、当事者団体等から要望等をお聴きして、当事者の方は、日常生活のさまざまな場面で生きづらさを感じておられることが分かりました。

 このため、私はこうした生きづらさを軽減し、当事者の方が安心して暮らせるように、次の新たな取り組みについて検討することといたしました。

 最初に、「生きづらさを軽減し、安心して暮らせる環境づくり」ということです。まず、同性パートナーシップ制度の導入に向けた検討を開始します。検討に当たりましては、今後、学識経験者や当事者団体、市町等で構成する「調整会議」を設置して具体的な制度設計を進めてまいります。これとともに、導入に際しては、県民の皆さまに御理解を深めていただけるように、丁寧な周知広報を実施してまいります。

 次に、当事者の方々の不安や悩みにしっかり対応できるよう、相談体制を充実させます。具体的には、専門の法律相談の定期的な実施や、県・市町の相談員への研修実施等による体制の強化・充実を検討してまいります。また、職場での理解が進むよう、LGBT等の方々への配慮などをまとめた事業所向けハンドブックを作成し、広く普及させていきたいと考えています。

 次に、県民の意識を醸成するための取り組みです。性の多様性に関する県民の理解は必ずしも十分でないと認識しており、理解増進に向けた取り組みを強化する必要があります。このため、同性パートナーシップ制度の周知をはじめ、性の多様性に関するリーフレットの配布先拡大や、セミナーのオンデマンド配信など、県民向けの広報・啓発の取り組みを一層充実させてまいります。また、行政へ提出する各種申請書等の性別欄の見直しに係る周知広報等を行うことにより、県民の意識の醸成に努めていきたいと考えています。さらに、事業主である県として、職員相談窓口の設置や、県職員向けの研修も充実させてまいります。

 私は、こうした取り組みを通じて、LGBT等の性的マイノリティの方々の生きづらさを軽減し、安心して暮らせる環境を整備していく。これとともに、県民の理解を増進し、「性の多様性を認め合う社会の実現」に向けて、取り組んでまいります。

 次に、台湾への訪問についてです。私は、2月23日(祝日・金曜日)から3日間の日程で、4年ぶりに就航する本県と台湾とのチャーター便を活用して、台湾を訪問します。県では、県内企業の海外展開や農林水産物等の輸出拡大、インバウンドの拡大等の戦略的な海外展開を推進しております。中でも台湾は、重点市場としてこれら各分野での取り組みを強化しているところです。このたびの台湾訪問では3つの行事があります。

 一つ目は、半導体産業に関する本県産業支援機関と台湾関係機関とのMOU(覚書)締結式を台北市で行います。式典には私と日本の経済産業省にあたる台湾経済部の方も立ち会うこととしております。今回の締結を契機に、取引や研究開発等の産業交流の拡大につなげていきたいと考えています。

 次に、農林水産物等の輸出拡大に向けた取り組みとして、「やまぐち和牛燦(きらめき)」、これを初めて台湾に輸出することになり、そのタイミングにあわせて、生産者や取扱店等の関係者の皆さまと一緒に、現地プロモーションを行います。また、関連行事として、台南市の百貨店において山口県物産展を開催します。

 最後に、台湾ランタンフェスティバルについてです。昨年覚書を締結し、交流を進めている台南市から台南建城400年を記念して開催されるランタンフェスティバルへの参加要請があったことから、このたび、山口県をPRする大型ランタンの展示や観光PRブースを出展するとともに、開幕式へ出席します。台湾ランタンフェスティバルは、台湾観光署の主催で毎年開催されており、世界中から延べ1000万人以上が来場する大規模なイベントです。折しも、ニューヨーク・タイムズにおいて「2024年に行くべき52カ所」の3番目に山口市が選ばれ、海外からの注目度が高まっていることから、積極的にPRする絶好の機会になると考えております。詳細な日程につきましては、後日、改めてお知らせをさせていただきます。

 最後に、ニューヨーク・タイムズの記事を契機とした県の取り組みについてです。

 ご承知の通り、先日、本県の観光の振興において大きなニュースが飛び込んでまいりました。ニューヨーク・タイムズの「2024年に行くべき52カ所」、この3番目に山口市が選出されました。歴史や文化、街並みなど、その深い魅力が高く評価されて、世界に発信されたことを大変嬉しく思っております。

 県としては、インバウンドの誘客等に向けまして、これが絶好のチャンスとなると考えております。山口市と連携して、県内周遊につながる効果的なプロモーション、また受入環境の充実に取り組んでまいります。早速、観光連盟のホームページ内に特集サイトを開設し、SNSによる集中的な情報発信等を行っているところです。

 そうした中で、記事でも最初に紹介されている国宝「瑠璃光寺五重塔」につきまして、現在、70年ぶりとなる全面改修を行っているところです。外壁シートで覆われている状況となっております。建立以来600年近く、修復を重ねていくことで、この五重塔はその美しさを後世へと受け継いできた、そうした歴史があるわけであります。今、絵がありますけど、今言ったように改修をして、全面がシートで覆われていますので、せっかく山口市に訪問していただいたのに、全然見れなかったとがっかりされないように、できるだけこれを見えるようにしていきたいと、実物が見えるようにしていきたいというふうに思っております。それとともに、せっかく70年ぶりの改修でありますので、その匠の技術というか改修の伝統技術を見ていただく、そうしたこともやっていきたいと思っております。

 具体的には、正面は絵も描いてあるのですが、ここは前の立ち入りが難しくて、ちょっと離れて見ざるをえないし、ここは日光が当たって反射するので、こちらの側面、側面の方はすぐそばまで寄れますので、ここをできるだけ透明のパネルに替えていくということをやっていきます。技術的にできるところを最大限やっていきたいのと、ここ真ん中は階段がべったりとあるので、ここを開けても何も見えないというところで、見えるところ、技術的にできるところ最大限、今ちょっとこう書いていますが、もっと広げられればもっと広げていきたいと考えていますが、最大限透明のパネルに切り替えて、できるだけそばで見えるようにしていきたいと思っています。

 それから、この中にカメラを設置しまして、常に作業の様子がリアルタイムで見れるようにしていきます。それを見れるモニターを設けまして、改修の作業の状況を見れるようにしていく。かつ折角モニターがありますので、そこで例えば伝統の技術を紹介していくであったりとか、近隣の観光地を紹介していくですとか、県全体の観光地を紹介していくですとか、そうしたことの発信も行っていけるようにしていきたいと思っております。これを早速行っていきたいと思っております。

 こうしたことをやるのですけれども、これに加えまして市の方でも、令和の大改修「今だけ体験できる大内文化を感じる特別プログラム」を実施しております。今行われておりますけど、プロジェクションマッピングですとかAR動画などを、県の取り組みとも合わせて、国内外に積極的に情報発信をしていきたいと思います。

 こうした取り組みを進めることによって、世界中から訪れる多くの方々に、こうして末永く受け継がれてきました歴史あるいは文化、そうしたものの深さ、魅力をしっかりと伝えていきたいと思いますし、改修が終わった後はぜひ、また山口を訪れてもらって、美しい庭園に映える五重塔を見ていただきたいというふうに考えております。

 私の方からは以上です。

 

NHK

 性の多様性に関連して質問します。パートナーシップ制度の導入が、県としても必要であろうと感じた理由、知事の考えをぜひお聞かせください。

 

知事

 昨年の6月にLGBT理解増進法が施行されました。国としても取り組みが始まり、県としても、性の多様性に関する理解増進の加速をしていく、そうしたことが必要であると考えております。そうした中でワーキンググループを設置し、検討を進めてまいりましたが、先ほど言いましたが、当事者団体の方々からもいろんな意見、要望等も聞いた中で、やはり生きづらい状況に置かれている、そういった生きづらさを感じているという声がありました。そうしたことを軽減して、安心して暮らしていける、そうした環境を整備していく必要があるだろうと、そのように考えております。そうした取り組みの一環として今回、本県におきましても、同性パートナーシップ制度を導入していく、そうした方向で検討していくことといたしました。

 

NHK

 具体的には、制度設計を調整会議で検討されるということですけれども、知事としてはそのスピード感といいますか、結論を出す時期はどのぐらいを想定されているんでしょうか。

 

知事

 これは関係者と言いますか、先ほど言いました学識経験者、関係団体、市町の関係、課長クラス、これを構成員として調整会議を2月に設置をしたいと思っております。その中でいろんなご意見も聞き、制度設計ですとか、導入時期の調整等を行っていきたいと思っております。

 時間的にどの辺かというのは、これから議論をしてからということになりますけれども、論点としては、例えばパートナーであることを届出にするのか宣誓にするのかですとか、対象者の要件、手続きの方法、認証の方法、そうした具体的な制度について検討していきたいと思っておりますが、そうたくさんの論点があるわけではありませんので、そうしたことを整理して、整い次第、速やかにその制度案をお示しして、また施行につなげていきたい。施行するまでには、やはり周知期間とかいろんな体制の整備とかいりますので、一定の期間いると思いますけれども、そうしたことを進めてまいりたいと思います。

 

NHK

 それから、具体的にスライドで示していただいたこのハンドブックですとか相談体制なんですけど、これは確か去年の6月議会だったと思うんですけど、公明党の石丸県議との議会のやりとりの中で、こうしたハンドブック作りますとか、研修しますとか相談窓口を作りますってのはすでに表明されていたかと思うんです。知事が確か答弁されたと記憶してるんですけど、これはこれからやるっていう話なんでしょうか、あるいはもうすでにやっているっていうことなのか、その辺、ちょっと教えていただけますか。

 

男女共同参画課長

 方向性は6月の時点から決まっておりましたが、予算要望等も今やっている段階でございますので、来年度以降、実施をしていきたいというふうに考えております。

 

NHK

 このパートナーシップ制度、山口市も今、導入に向けて検討されていると思うんですけど、なかなか山口市議会の間で結構意見が分かれたりして、結構表明されるまで時間かかったなという印象はあるんですけれども、県の中でもこれを導入するに当たって、結構例えば反対意見があったりだとか、そういった綱引きみたいなものはあったんでしょうか。

 

知事

 綱引きというようなことはないですけれども、もちろん議会の方でもいろんなご意見なり、ご議論があったところですね。そうしたことも踏まえて、われわれとしても検討してきました。また要綱案、これから具体的に作っていくことになりますので、そのことについては、県議会に報告をして意見を聞くということにしているところですので。そうした中でまたご意見等も踏まえながら、実施に向けて取り組んでいきたいと思っております。

 

NHK

 それから話題変わって、ニューヨーク・タイムズに関連した県の取り組みなんですけれども、五重塔の透明パネルに取り替えだとか、あるいはモニターの設置っていうのは、これは県が予算付けをするんでしょうか。

 

知事

 これは今年度、県の予算で行いますが、県の既定予算の中で対応していきたいと思います。今予算はないのですけれども、今ある予算の中の余裕を使って実行していきたいと思います。新年度でという、きちんと出してという考え方もあるのですけれども、そうすると非常に遅くなってしまいますので、やっぱり今、話題になっている、ここでこういうふうに見えますよっていうふうにしていく、この発信が重要だと思っております。

 

NHK

 このシートの取り替えだとかパネル設置っていうのは、それこそスピード感としてはいつぐらいに完了したいとお考えでしょうか。

 

知事

 すぐにでも、どのようにやるのかということは調整をし、実行していきたいと思いますが、遅くとも年度内には絶対終わります。

 

NHK

 透明パネルは分かるんですけど、モニターってなると、雨とかに弱い気がしてしまうんですけど、五重塔って外だと思うんですけど、どういうふうに設置されるお考えなんでしょうか。

 

知事

 ここはちょっと場所についての選定は今、しておりますけれども、2カ所ぐらいでしたっけ。外で何か屋根かなんか置くんですか。

 

文化振興課長

 屋外の風雨に耐えられるモニターを設置したいと思っています。

 

NHK

 ちょっと話題変わります。発表事項ではなく、まず、能登半島地震について関連して伺いたいと思います。今朝も職員の派遣があって、知事の訓示もあったと思うんですけれども、改めて多くの職員、順番に派遣されるということで、そうした派遣される皆さまにどういった活躍を期待されるかメッセージをお願いできますか。

 

知事

 今回の能登半島地震も、本当に甚大な被害が発生しているところです。当然、地元の自治体で対応できる、そうした能力を大きく超えておりますので、もうこれは近隣だけではなくて、全国の自治体が力を合わせて最大限応援して、それによって1日も早く復旧復興が叶い、被災者の皆さんが元の生活を取り戻せるようにしていかなければいけないと思っております。

 そうしたことで、県としてもいろんな応援要請に対応できるように、しっかりと準備を整えてきております。物というよりは、具体的にこれまでの経験からしてもそうですが、人的な面での支援、ここが求められてくる部分だろうと思っております。これまで第1陣としては保健師の派遣も行いましたし、今日は住家の被害認定ですとか、罹災証明の発行のために職員を追加で派遣を行いました。

 これからもそうした事務職員であったり、あるいは技術を持っている職員の派遣というものが想定されますし、しっかり対応していきたいと思っております。被災されている地域、今日も今季最大の寒波が来て、大雪が降るといわれています。大変過酷な環境の中で避難生活を送り、不安な毎日を過ごされているわけでありますので、そうした皆さんの助けになるように、いろんな困難、それから不安、そうしたことに寄り沿って、しっかりと対応して1日でも早い復旧と元の生活の回復、こうしたことにぜひ力を発揮していただきたいと思っています。

 職員自身も、本当に現地で十分なインフラ等もない中で、自活できるような形で活動を行いますし、また山口と比べて遥かに寒い、過酷な環境の中での業務となりますので、今日も1人1人声をかけましたけれども、自身の健康管理もしっかり行いながらしっかりと頑張ってきていただきたいと、そうしたことを添えて送り出しをしたところです。

 

NHK

 関連で石川県の地震では、被災したときに使うはずだった緊急輸送道路が壊れて使えなかったりだとか、あるいは地域防災計画見直しの最中だったりとか、いろんな想定外の事態が起きたと思っています。

 翻って山口県の災害への備えというのは、今十分だとお考えなのか、何かしら、例えば点検したりだとか、インフラだとか、地域防災計画を見直すとか、そういった動きというのは何か今、お考えのものはあるんでしょうか。

 

知事

 地域防災計画については、常に毎年のように、さまざまな見直しを行っておりますし、これは不断の見直しを行いながら、あらゆる災害に、あるいは事故等も含めて対応できるようなものにしていかなければいけないと思っています。

 今回の能登半島地震も踏まえて、さらに強化すべきところというのを検討して反映をしていくということも、これから考えていかなければいけないと思います。

 現時点、まだ被害の全容もわかっていない状況でありますし、対応についての教訓といいますか、そうしたこともこれからだと思いますけれども、そうしたことは知見としてわれわれも生かしていきながら、これから山口県の災害対応力の強化につなげていきたいというふうに思います。

 

NHK

 話題変わりまして、また新型コロナが増えていまして、一部では第10波というふうに指摘する声もあるんですけれども、知事としてはこのコロナの現状をどう認識されているかとか、改めて注意喚起をお願いできますでしょうか。

 

知事

 新型コロナについては、直近の1月8日から14日までの定点医療機関当たりの1週間の報告数は8.61人ということで、増加している傾向にありますので、動向に注意をしているところです。

 これから大変寒い、もうすでにだいぶ寒いですけれども、冬本番の最中であります。さらなる増加も懸念されますので、引き続き県民の皆さまには十分な換気ですとか、こまめな手洗い等の基本的な感染対策、インフルエンザ等もありますし、気をつけていただきたいと思っています。

 

NHK

 次、政治資金めぐる関係でお聞きしたいんですが、自民党の政治資金を巡る事件、一旦捜査終結しまして、多くの議員がキックバックを受け取って収支報告書に記載をしていなかったということが明らかになりました。

 一連の事件の受け止めとですね、今後、今、自民党の党改革について議論されていますけれども、期待することをお願いします。

 

知事

 昨年の終わりごろから一連の報道等により、さまざまな政治とお金の問題について、国民の皆さんのいろんな疑念とか、そういったものが増大している状況にあると思いますし、政治不信というところで非常に危機的な状況にあるのではないかということを懸念しております。

 今、自民党の方でも刷新本部のところで、中間取りまとめが行われているというところでありますけれども、ぜひ、今回明らかになった点を含めてしっかりと検証して、政治の信頼回復につなげていただきたいと思います。ここで大きく変わるのだという、そうした決意とか覚悟とか、そうしたものが示される必要があるのではないかというふうに思っています。

 

NHK

 次で最後の質問にしますが、また話題変わりまして、ガソリン税のトリガー条項に関連してなんですが、トリガー条項の凍結解除を巡る議論、今、自民党、公明党、国民民主党の3党で実務者協議が始まりました。

 トリガー条項が発動されると、ガソリン価格大幅に引き下がりますんで、一消費者としては歓迎する声が多いと思うんですが、一方で大幅な税収減になりますんで、当然国だけではなく地方の県税収入というふうにも影響が出てくると思います。知事はトリガー条項についてどういった考えをお持ちでしょうか。

 

知事

 トリガー条項を含め一般論として、経済のさまざまな動きに機動的に対応するということでは、税制でやるよりも歳出でやるということがよりいいのではないかと思っています。やはり税制でやるとなると、そもそも法律改正という手順がいり、そこに大変時間がかかる。またこのトリガー条項という今の規定は、ガソリンの基幹統計調査の数字によって税率が変わってくるということですので、そこのタイムラグが2カ月ぐらいあるのですね。だから実際、状況把握したときと、その措置が行われるときの間に時間が生じるので、逆のことが起きてしまう。例えばガソリン価格が上がっているのに税率が上がるとか、そんなことも起こりうるわけです。いろんな意味で、機動的に経済の変化に対応する上では、税制でやるというのはあまり向いてないのではないか、とそもそも思っております。

 それに加えて、特にこのガソリン税、トリガー条項が発動した場合は地方財政全体でも5千億程度の減収が生じるということで、山口県にも大きな税収の穴が開くというところは大変に懸念をしておりますし、そうしたことを懸念しながら動向を注視しているというところです。

 それから特にもう一つ言うと、地方の方では零細なガソリンスタンドが多いですので、これに伴ってさまざまな事務負担というか、トリガー条項が発動された場合に、さまざまな事務負担も生じてきますし、もう一つ言うと、価格はすぐに下げられるのですけど、買っている値段は高い値段で買っているので、その間資金繰りが苦しい、税の還付がいずれされるのですけれども、その間のタイムラグがあって、キャッシュフローが非常に厳しいというのも、零細のガソリンスタンドの場合には大きな影響になるのではないかということも懸念されます。それから発動前の買い控えとか、終わる前の駆け込み需要とか、そうした流通への影響等についても懸念を持つところです。そうしたところでさまざまな懸念がありますので、そうした観点で動向を注視しているというところです。

 

朝日新聞

 ニューヨーク・タイムズの記事関係と、性の多様性関係でそれぞれ質問をさせていただきます。

 まず性の多様性関係なんですけど、これは基本的にもう、パートナーシップ条例的な条例を制定するというのを前提に、こういった話し合いの場を設けて審議するという理解でよろしいのかっていうのがまず1点目。あとニューヨーク・タイムズの件なんですけど、県がシートを付けるっていう、今年度予算で措置するということですが、ざっくりいった予算額はどの程度考えていらっしゃるのかと、以上2点についてお答えください。

 

知事

 まずパートナーシップ制度についてですけれども、多くの自治体、ほとんどの自治体は要綱で、条例ではなく要綱によって行っているということです。これは制度自体が同性カップルを認証する制度でありますけれども、認証そのものが新しく権利義務を発生させるものではありませんので、要綱での制度導入、他の多くの自治体が行っているように、要綱での導入ということを現在検討しているところです。

 それからパネルの予算は。

 

文化振興課長

 透明パネルへの変更の予算については、現在積算中でございます。今、位置をだいたい特定しようかというような状況でございまして、積算はこれからということでございます。

 

朝日新聞

 ニューヨーク・タイムズの記事に関連してなんですけど、知事は今年度台湾に傾注して、インバウンドの需要喚起などをされていますが、やっぱりニューヨーク・タイムズになると欧米系の人がよく読まれている新聞ということで、欧米系の方々がたくさん来ることが予想されるんじゃないかと思いますが、新年度、そういった韓国とか台湾とか中国とか、そういったところへのプロモーションだけじゃなくて、例えば知事がヨーロッパに行かれるとか、アメリカに行かれるとか、そういった形でのプロモーション活動というのは検討されてますでしょうか。

 

知事

 直接行くというところは、今考えているわけではないのですけれども、日本によく欧米の方が来られていますので、そうした方にしっかり届くようなことはしていかなければいけないと思っております。

 例えば、直接来られた方でいえば、空港とか新幹線とか、東京のあるいは大阪等で、ポスターを作って張ってしっかりと目に見えるようにしていくですとか、あるいはターゲティング広告とかSNSを使って、しっかりと届けていくということをやっていきたいと思います。

 これまで、やはりアジアがインバウンドのターゲットの中心でした。これは何も山口県に限らず、傾向としては中国四国九州、だいたいアジア系が多いのですね。広島だけは欧米系の方が、原爆ドームとか平和資料館とか、あるいは厳島神社とかあってそこには欧米系が来られるのですけれども、そこ以外になかなか欧米系が広がっていかないというのが、これは中国(地方)知事会でも課題であるし、九州なんかもほとんど欧米系ではなくてアジア系の方々がインバウンドの中心ですので、何とか欧米系を呼べないかというところが課題でありました。そうした意味では、この欧米系の方が注目をしてもらえる大きなチャンスが来たと思っていますし、われわれの方ではそれをしっかりと捕まえていくという、取り込んでいくということを取り組んでいかなければいけないと思っております。

 ですので、観光のホームページも、特集のサイトを設けて多言語化を図ったりですとか、今言ったように欧米系向けにしっかりと刺さるようなPRを首都圏等でしっかりと見えるところにポスターを張っていくとか、SNSとかターゲティング広告でしっかりと届けていくということをやっていきたいというふうに思っております。それは新年度に限らず、もうすでにできることは始めていきたい、既定予算の中でも取り組んでいきたいと思っています。

 

朝日新聞

 今年度、台湾3回行かれるということですけど、新年度以降、例えば韓国なんかにも行かれるご予定はあるんでしょうか。

 

知事

 ちょっとまだ予定を聞いていませんが、新年度予算の中でまた議論されると思います。これまでインバウンド、中心はアジアでしたので、引き続き直接行くかどうかは別にして、そこは力を入れてやっていきます。韓国も連続チャーターが、全席予約で埋まるという非常に好調でありますし、台湾のチャーターも、4年ぶりに再開をするということになりました。

 そうしたことを、これからにもつなげていきたいと思っておりますし、その勢いは引き続き維持してというか、むしろ高めて行きたいと思っておりますので、PRはしっかりやっていきたいと思います。

 そうした中でこのニューヨーク・タイムズが選ばれたというのは、アジアの方にもしっかりアピールできると思います。元乃隅神社もCNNで紹介されて、欧米系の方が来て、それからアジアの方が来てということになってきていますので、やはり欧米系の方が注目されるところというのは、その後アジアの方々にとっても非常に注目されると、そうしたことにもつながっていくし、つなげていかなければいけないと思っています。

 

YAB(山口朝日放送)

 今の関連です。今後の取り組みで、受入環境の整備にも取り組んでいくという発表がありましたけれども、今回のことでどのような国からどんな方が来るか、数も含めてよく分かってない中で、具体的にどんな環境整備を考えていらっしゃるんでしょうか。

 

知事

 県としての環境整備はあるのですけれども、山口市内について言うと、山口市の方でさまざまな取り組み、観光案内所の機能強化とか、ボランティアガイドとの連携強化とか、さまざまキャッシュレスとか、外国語対応メニューを作っていくとか、そうしたきめ細かい部分をやっていくということに予定をされております。県としてもしっかり後押しできる部分はしていきたいと思っております。

 われわれとしては、今言った、もう少し対外的にしっかりと発信をしていく部分、欧米豪をターゲットに念頭に置いて、どのような内容なり、場所なり、やり方で訴えを強化していくべきか、アピールを強化していくべきかというところをしっかり考えて取り組んでいくことにしますし、また、広域的な交通、特に二次交通をしっかり充実させていくということで、これは新年度予算の中で考えていきたいと思っております。

 山口に来られて、山口市も見ていただき、また他の地域も見ていただく。山口市として紹介されましたが、おそらく検索されるときは「山口」と検索されるので、山口県全体の魅力を広くアピールできることにもつながるだろうと思いますので、そうした意味で県内を周遊できるような二次交通をさらに強化していく。そうしたことは、新年度の予算の中でしっかり考えていきたいと思います。

 

YAB(山口朝日放送)

 例えばですよ、宿泊施設ですね。どれぐらい十分なのかどうかという検討も必要だと思いますし、欧米系の方だったら英語表記ですとか、英語を使えるスタッフですとか、そういったソフト面の対応も必要と思うんですが、その辺りの考え方はいかがでしょうか。

 

知事

 基本的に、それぞれの地域地域での英語対応とかというのは、各地域の観光場所でやっていただく、山口市は山口市の方でやられるということで市長も言われていますので、それをしっかりとやっていただきたいなと思っております。またそれ以外の観光地も、どのぐらいの波及効果があるのかというのは、今分からないところがありますけれども、そうしたことを想定して、備えをしていただきたいなというふうに思いますし、われわれの方も後押しをできればなと思っております。

 宿泊場所、そうですね。結構コロナが終わって[5類に移行して]、だいぶその観光客が戻ってきております。湯田なんかもコロナ前を超えているということでありますので、そのキャパというのはどれだけ余裕があるかというと、そうたくさんあるというわけではないのだろうと思います。ぜひ、新しいところにも参入してほしいなと思いますけれども、それだけではなくて、県の立場とすれば、県内広く周ってもらって、他の地域にもぜひ足を運んでもらって、宿泊をしてもらうということをぜひ進めていきたいと思いますし、今、状況とすれば、湯田温泉は非常に戻りがいいのですけれども、北浦の方というか、萩・長門の方は、まだコロナ前と比べるとかなりまだ戻っていない状況もありますので、そうしたところにつなげていくといいますか、足を運んでもらうということもできたらなと思います。

 

YAB(山口朝日放送)

 例えば、ホテルの誘致でですね、補助金を出すとか、県のお金として何かを投入するようなサポートっていうのは今のところないですかね。

 

知事

 あらかじめ予算を構えてということは考えているものは今のところないですけれども、おっしゃる通り、受け皿が足りなくなれば、そこを整備しなければいけないという、整備があるといいなというふうに思います。

 ただ、なかなかそういう投資というのが、われわれが思ったところで思い通りになるわけでもありませんけれども、そうしたことを検討しているところがあれば、できるだけのサポートといいますか、いろんなサポートの仕方はあると思いますけれども、していきたいとは思います。

 

山口新聞

 性の多様性に関してと、ちょっと瑠璃光寺の関係で伺いますが、ちょっと関連して瑠璃光寺の関係から伺いますが、外国の方が来られて、がっかりされてはならないという話が冒頭ありましたけれども、山口駅の状況について、ご覧になられるとがっかりされるんじゃないかと思うんですが、あの辺りは県としてはどういうふうにお考えでしょうか。

 

知事

 市の方で、今、特に売店の閉店がありましたので、そのことに関して言いますと、山口市で後継事業者の掘り起こしを進めていると聞いていますので、県としても協力できることは、もちろん協力をしていきたいと思います。JRに対しても、駅の利便性の向上を働きかけていきたいと思っております。

 

山口新聞

 それから性の多様性に関してお伺いします。まず、庁内ワーキンググループについてなんですけれども、これ一応、庁内ワーキンググループは、今後も会議としては残って何か議論をされるということになるんでしょうか。

 

男女共同参画課長

 ワーキンググループは、今後、継続しまして、必要に応じて個別に協議というか、打ち合わせ等も行ってまいりたいと思います。一堂に会してというものももちろんあるのですけれども、個別に関係課同士で協議をするということも、ワーキンググループの取り組みと考えておりますので、そうした面で継続をしていきたいというふうに考えております。

 

山口新聞

 分かりました。それから続けてですけれども、ワーキンググループ、いただいている資料の中で「庁内ワーキンググループの検討結果や」とあるんですが、ワーキンググループの中での検討結果が今回の制度導入に向けた検討に、どのように結びついているのかというのを、もう少し分かりやすく教えていただけますか。

 

男女共同参画課長

 ワーキンググループの検討結果につきましては、知事の方に報告をいたしまして、先ほどもスライドで説明しましたように、パートナーシップ制度の導入する方向に向けて検討していくということや、相談窓口の充実ですとか、広報の充実ですとか、そういったことが、どういったことができるかというのを知事の方に報告をして、今日に至るというようなことでございます。

 

山口新聞

 ワーキンググループの中では、そのパートナーシップ制度の導入を検討すべしっていうふうな結論になっていたってことなんですか。

 

男女共同参画課長

 ワーキンググループの中では、パートナーシップ制度を導入した場合に何ができるのかと、県として何ができるのかというようなことを検討しまして、そしてまた、当事者団体からの要望ですとか、聞き取り等もあわせまして、知事の方で判断をいただいたということでございます。

 

山口新聞

 それで知事にお伺いしますが、知事ご自身は、当事者の方から直接何か思いを聞かれたりとか、そういった場面というのはあったんでしょうか。

 

知事

 直接ということはないですね。ただ、県の方には寄せられているので、そうした中でこうした生きづらい状況があるですとか、そうしたことはお聞きをしているということです。

 

山口新聞

 分かりました。それから、庁内ワーキンググループの関係で、前、私が質問したときにスケジュール感、結論に関して具体的に持っていないというお話がありましたけど、今回こういった前進するような取り組みが発表されているわけですけれども、知事ご自身の当事者団体の思いや、声を聞いたということでしたが、そんな中、思いをこう変えられた、変えられたというか、今回決断をされた、何か大きな理由っていうのはどういったところにあるんでしょうか。

 

知事

 理由は先ほど来、述べている通りであります。国の方でLGBT理解増進法が施行されて、そうした中で県としても、性の多様性に関する理解増進を加速していくと、そうしたことに取り組んでいかなければいけないと考えていたところです。

 そうした中でワーキングも設置をして、さまざまな観点から検討なり、情報の整理なりをしてきたところであります。そういう過程の中で、当事者団体の要望の、あるいは聞き取りを行ったところ、当事者の皆さま方からは生きづらいという状況に置かれていると。それを軽減していかなければいけない、安心して暮らせる環境の整備をしていかなければいけない、それとともに県民の理解の増進も進めていかなければいけない、そうした中で、同性パートナーシップ制度を導入するということを決めたわけであります。

 

山口新聞

 山口県は、良くも悪くも保守王国というふうによく言われて、確かに、さっき別の方の質問にもありましたけれども、一部に抵抗を示される方もおられるのではないかと思うんですが、さっき理由をお話しいただきましたが、今回、知事がこの導入に向けて何か政治判断をされた、もう少し何か率直な思いっていうのをちょっとお聞かせいただきたいんですけれども。取り組みとしては前向きでいいことなので。

 

知事

 いろんな考え方はあると思います。これ何か特定の考え方を、価値感を決めるとか強要するとかそういったものではなくて、やはりいろんな性についての認識等がある中で、多様な選択を示すものでありますので、そうしたことで何らかの特定の価値感なり、性についての認識を、何か一定のものを決めるとか、押しつけるとか、そうしたものではなくて、多様なものを許容していくということであります。

 やはりそうした認識を持った方がいらっしゃり、生きづらさを感じているという以上、やはり社会として受け入れられるような、そうしたことを考えていかなければいけないと思っております。

 

山口新聞

 私から最後の質問ですが、県が取り組みをされる、導入に向けて検討されるということで、今、山口では宇部があって、来年[今年]の春に山口市が導入する見通しですけれども、広域自治体である県が、導入する意義っていう、導入を仮にされればですね、導入される意義っていうのはどこにあるか、周辺市町への、当然、波及も影響してくると思いますけれども、県が導入する意義についてお聞かせいただけますか。

 

知事

 より広域で制度の運用が可能になる。各市町ごとにしますと、それぞれの市町ごとの運用になりますので、そこは例えば制度認証の仕方に違いがあったりですとか、あるいは移動に伴って、また認証を再度受けなければいけないですとか、ちょっと分かりませんけれども、それぞれがあるとそういったことが、非常に煩雑になってくるというふうに思います。やはり利用される方の利便性ですとか、そうしたことを考えると、県全体で取り組むということがふさわしいのではないか、というふうに考えております。

 ちなみに、この導入といいますか、今回、導入するということは決めているわけでありますけれども、それに当たりまして、各市町にも、導入する方向で検討すると言う旨は事前に伝えております。どこからも、特に、反対意見はなかったので、これについては、各市町でも、それを前提にこれからさらに、どのような制度が行われた場合には、どのような形で対応していくのかということは考えられるとは思います。

 

日本経済新聞

 ニューヨーク・タイムズ関連を3点と、あと、昨日、出光興産と西部石油が発表された山口製油所のことについて、1点お伺いします。

 まず、ニューヨーク・タイムズ関連なんですけど、先ほどいくつか出ていますけど、効果を生かすためには、かなり宿泊施設の新規投資を促すとか、自治体間を連携させることでのルートの確立とか、この辺りが必要になってくると思うんですけど、年度かかわらずとはおっしゃってましたけど、新年度予算については、こうしたことの対策については、やっぱり盛り込まれるのかという確認と、あと、ニューヨーク・タイムズばっかり注目されていますけど、ウォール・ストリート・ジャーナルが九州を行くべき場所を10カ所[ベスト10]として選定されています。山口県って九州(地方)知事会にも参加されていて、観光の推進機構にも、メンバーになっていると思うんですけど、この辺りについて、こちらも生かしていこうという考えがあるのかと。あと、先ほども説明されていますけど、これまで中国四国全体がそうと言えばそうなんでしょうけど、かなりアジア重視でやるべきだと思うんですけど、今後は欧米豪もインバウンドの誘致として重視してやっていくという戦略を少し転換されるか、そのあたりのお考えがあるのか。まずこの3点お願いします。

 

知事

 まず予算について言いますと、今できることは、先ほどのパネルもそうですけれども、それ以外でもやっていこうと思っていますが、新年度においても、今回のニューヨーク・タイムズの発表を受けて、これに対応することをやっていきたいと思います。

 個別にいろいろありますけれども、一つはプロモーション、効果的にしっかりと山口の情報が届くような形で、SNSですとか、ターゲティング広告ですとか、ポスターですとか、さまざまな媒体。あとホームページも活用し、しっかり届けていく、発信をしていくということをやっていきたいということ。

 それから2点目は、二次交通の充実、県内をしっかりと周遊してもらえるような形で充実を図っていきたいと思っております。

 それから受入環境の整備については、これは各市町とも連携してということになると思いますけれども、特に欧米豪の方、来られることを念頭に取り組みを進めていくということ、この大きく3つの柱が必要かなと思っております。

 それから、ウォール・ストリート・ジャーナルで九州だったですね。それもわれわれに、とても追い風だと思います。九州もちょうどアジア系の方ばかりで、欧米豪を何とか呼べないかということを考えていろんな取り組みをしているのですね。ツールド九州とかもその一環だと思いますけれども。そういったことを進めている中で、九州も山口も非常に近いですし、われわれ特に、欧米の方来られるときに、いきなり山口に入ってくるというよりは、例えば広島から来るとか、福岡から来るとか、特にJRがレールパスといいますか、新幹線とか在来線とか、一定のものを払えば乗り放題っていうサービスをやって、多く利用されていますので、そうしたものを使って来られるということが、かなりのウェイトを占めるのではないかと思っています。そうした意味では、九州、山口に来たついでに九州でもいいですけど。九州と山口と連携して周ってもらうということにもつなげられるのではないかというふうに思っております。これは九州でなく、東北と言われると行けませんけれども、九州と山口なので、非常に隣接しているところでありますから、相乗効果も狙えるのではないかというふうに思っております。それから最後、何でしたか。

 

日本経済新聞

 欧米豪も今後は重視していくのか。

 

知事

 そうですね。元々、欧米豪のところが弱いのですが、なかなかきっかけがなくて、ここをどのように開拓していくかというところが難しかったのですね。そうした意味では、今回絶好のチャンスがやってきたと思っております。

 そして、あとは関西万博とかも見据えて、欧米豪の方が日本に来られた際に、特に関西の方から山口に引っ張ってくるために、どういったことが必要かという議論もしておりましたので、それと合わせて、欧米豪の方々に効果的な発信をし、山口への誘客につなげていく。このことは、今回のニューヨーク・タイムズの報道もそうですし、大阪万博という機会をとらえて、特に力を入れてやっていきたいと思っております。

 

日本経済新聞

 もう1点。昨日、西部石油と出光興産が山口製油所の3月に機能停止する、その今後の利用策として、GX西部ですか、そういう構想を掲げられたんですけれども、停止するという発表があったとき、かなり県の方としても懸念を表明されたと思うんですけど、今回のその発表を受けて、それに対する評価でありますが、懸念について今後、どう産業活性化に生かしていくのか、そのあたりをちょっと教えていただきたいと思います。

 

知事

 令和4年の6月、山口製油所の精製機能停止の決定がありました。大変驚きましたし、地域経済、また雇用に与える影響、これを大変懸念をしたところです。ですので、私自ら、宇部・山陽小野田の両市長とともに、東京の出光興産の本社を訪ねて、従業員の雇用の安定ですとか、あるいは跡地での新たな事業展開、特に脱炭素化関連等の新たな事業展開を進めていただきたいと、そうしたことに最大限努力をお願いしたいということを要請してきました。新事業展開については、県としても、山口製油所が持っている設備とか技術、これは宇部・山陽小野田地域でのコンビナートの低炭素化に不可欠であると考えておりますし、この地域での企業間連携の参画を働きかけ、コーディネートに努めてきたところです。

 そうした中で、昨日、新しい新事業、GX西部という形で発表をされました。大変喜ばしいことだというふうに思っております。地域の活性化はもとよりですけれども、内容的にもこれからのGXに対応した形で拠点となるものでありますので、コンビナートの低炭素化を進めていく上でも、大いに期待をしているところです。

 

日本経済新聞

 要するに、要望されたことはかなり聞いてもらえた、あまりもう懸念はほぼなくなったっていう感じなんでしょうか。

 

知事

 そうですね。大きな懸念という点では、雇用の面でも、かなり本人の希望に沿った形で、雇用先がほぼ決まってきているという状態であります。それから跡地を使った新しい展開ということでも、これはGXに向けて、カーボンフリーの電力供給センター、それから技術開発実証試験センター、バイオマス資源循環センターという形で生かしていくということで、大変素晴らしいコンセプトのもとでの取り組みが進んでいくと期待をしております。県としても地元の市ともよく連携をしながら、このプロジェクト事業化をしっかりと進んでいくように後押しをしていきたいと思います。

 

中国新聞

 ニューヨーク・タイムズの件についてなんですが、ニューヨーク・タイムズで言及されていた五重塔が2026年まで工事中ということで、その一部、透明パネルを設置されるということですが、この工事中のタイミングで山口市が選ばれたっていうことについて率直にどうお感じなられましたか。

 

知事

 そうですね。本当は一番、こういう状態ではない状態で姿を見てもらえるのが一番良かったのですけれども。そういった意味では、この工事中のタイミングで、決まったというのは、若干ちょっと残念と言ったらちょっと語弊がありますけれども、そういった面もありますが、ただ、そもそも選ばれるということ自体が、非常に名誉なことでありますし、観光にとって大変大きな弾みになりますので、そう贅沢は言っていられないなと思います。ただ一方で、囲まれている状況でありますので、せっかくニューヨーク・タイムズでも、一番最初に瑠璃光寺五重塔と、国宝だと紹介されている中で、来たものの、全面囲われてて全く見えませんでしたということは非常にがっかりされることがあるのではないかなと思いますので、最大限見えるようにしていきたい、実物が見えるようにしていきたいと思っております。

 そういった意味で今やっているのは、さっきも言いましたけれども、技術的にとかあるいは物理的にここ開けられるところというのが一定の制約はありますけれども、最大限見えるようにして、できるだけ近くで見てもらう。それからさらに言えば、せっかく70年に一度の機会でありますので、そうした600年もこの美しさが受け継がれてきた五重塔でありますので、それをどのようにして維持していったのか、そうしたことを知ってもらう意味でも、この修復をしているという、伝統の技術を見てもらうというのも、これは本当に今しかできないことでありますので、そうしたものを最大限生かして、できるだけこの伝統技術を見てもらうということも行っていきたいと思っております。

 

中国新聞

 透明パネルで見える部分っていうのは、だいたい全体の何分の一ぐらいなんでしょうか。 

 

知事

 そばに行けば全体は見えるのだと思いますけど、上までですね。ただどのぐらい見えるかというのは今、言えるものありますか。もちろん、この画面上はそうですけど、そこからまたいろんな角度で、色が着いてない部分もちろん見えるわけでありますけれども、そこは数字的にはないですよね。近づき方とかにもよると思いますけどね。

 

中国新聞

 何メートルかける何メートルの透明パネル。

 

文化振興課長

 パネル、今のシートの横幅が1枚が1.8メートル、高さが5.4メートルですね。

 

知事

 高さが5.4(メートル)。

 

文化振興課長

 この1枚がですね。

 

知事

 この1枚。

 

文化振興課長

 そちらでいうと10メートル程度。

 

知事

 ここは10メートル。この高さは、15(メートル)くらい。

 

文化振興課長

 15(メートル)弱ぐらいでしょうか。はい。

 

知事

 ここはだから5(メートル)ぐらいか。

 

文化振興課長

 ここは5メートル弱。はい。

 

知事

 15メートル弱、5メートル弱、ということですね。

 

防府日報

 性の多様性に関することについてまずお伺いしますが、パートナーシップ制度の導入の時期なんですけれども、できるだけ速やかにということでしたけれども、やはり、いろいろ話を聞く中で、やっぱりこういった制度がなかったりですとか、あるいはこういったことに理解がないということで、若い人たちが県外へ行ってしまうというような話も聞いたりもいたします。

 いつ頃、せめてですね、例えば、今年度中というのは、なかなか難しいと思うんですけれども、来年度中とかですね、やっぱり数年かかるものなのか、それぐらいのめどを示していただけないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 

知事

 制度案そのものはですね、要綱案、これについては、でき次第、議会等に報告をしていきたいと思いますので、直近の議会でもできればそれはそうしたいと思っておりますが、これはまだ会議を開いていませんので、確実にこうしますとは言えませんが、論点としてはそうたくさんあるわけではありませんので、そうしたところは集約でき次第、お示しをする。もちろん早ければ2月の議会にもお示しをするということにしていきたいと思います。

 それから、実際の制度をスタートするには準備期間ですとか周知期間とかいりますので、そこは他の自治体の例も見ながら、おのずと合理的な範囲があると思いますので、そうした範囲でやっていきたい。いたずらに伸ばしたりとか、あまりにも拙速にやるとかいうと、やはり問題がありますので、これまでの自治体の取り組んだ事例を見ながら無理なくできるといいますか、そうした円滑にできるような期間をとって進めていきたいと思います。

 

防府日報

 それから、やっぱり何回か話に出ていますが、どうしても山口県というところはですね、こういったことに対する理解が進んでいないというふうに言われがちなんですけれども、広報啓発活動も強化されるということですけれども、今回、全県にわたってこういった制度を導入するということも踏まえてですね、知事自らがですね、先頭に立って、そういった理解増進ですとかといった活動に取り組まれていくようなお考えというのはありますでしょうか。

 

知事

 自らどうするかというところは、今、具体的に検討しているものはありませんけれども、やはりしっかりと趣旨等については、お伝えをしていかなければいけないと思います。どのような方法が適切なのかということは、またよく考えていきたいと思っております。

 特に伝統的な家族関連とか、文化風土が変わってしまうのではないかとか、そういった懸念を持たれる方もいらっしゃるかと思いますけれども、これはあくまでもその多様な選択肢を、選択を示すというものでありますので、何か変容させてしまうということを目指しているものではありません。そうしたことも含め、一方でそうした当事者の方々からは、やはり生きづらいという声がある以上、そこはできるだけ許容していくという、その寛容な社会にしていくということも一方で必要だと思っております。そうしたところの理解をしっかり進めていくことが大変重要だろうと思います。

 

防府日報

 それから、ちょっと話変わりますが、JRの不通区間に関する話なんですけれども、どうも何か近々、JRの方がですね、山陰線の方についてまた今の状況を公表するというような話もあるんですけれども、まずお伺いしますが、美祢線にしても山陰線にしても現在の不通区間について、復旧を求めていくという方針については現時点でも変わりはないでしょうか。

 

知事

 そうですね。JRにおいて、住民の皆さんの不安、心配を解消するためにも、1日も早く復旧の方針を示していただきたいと考えております。

 

防府日報

 それを踏まえてというとあれなんですけれども、能登半島地震ではですね、能登半島に行く七尾線が不通になっているんですけれども、一方でJRはかなり早い段階で、一部区間復旧させているというような状況があります。七尾線自体は決して廃線の議論が起こっているような区間ではありませんけれども、同じ会社としてですね、一方では廃線の議論があるので復旧の時期を明言しないと、しかし一方では被災後速やかに復旧していると、こういうある種ダブルスタンダードのような姿勢がJR側に見られるんですけれども、そういったところについて何かご感想など、思うところがあればお願いいたします。

 

知事

 社内でどのような検討が行われたのかは分かりませんけれども、いずれにしても特に不通になっている区間、やはり日頃これまで、住民の皆さんが日常生活で生活に欠かせない足として利用されていたわけですから、災害なり事故なり何かあったらそれは速やかに復旧をするというのが、私はJRとしては原則としてそうした対応を行っていただきたいということを思っておりますし、このことは、従来から述べているところであります。

 特に、美祢線、山陰線について、調査が進められていながら、かなり時間がたっているところでありますので、いずれにしても一刻も早くそうした調査についても終えてもらい、復旧の方針を示していただきたいと思います。

 

朝日新聞

 能登半島地震の関係で先ほどの話に絡めてお伺いしたいんですけれども、今回いわゆる救命に重要な72時間までに、幹線道路の寸断などで、救助作業や安否確認が妨げられるというような事態が起こったと思うんですが、同様の地震が山口で起こった場合に、同様な問題が生じるとお考えでしょうか。またその対策として何かございましたら、お伺いできればと思うんですが。

 

知事

 そうですね。特に緊急輸送道路というところで、災害において特に重要な道路という指定を行われているところでありますけれども、そうしたところの防災対策、のり面の安全の確保ですとか、そういったところは大変重要だと思っておりますから、順次進めているところであります。

 やはり改めて今回の災害を踏まえて、インフラがしっかりと機能するということの重要性を強く認識したところであります。特に、今回の場合は、半島というところでの復旧なり、応急対応の難しさというところを痛感しました。

 やはり山口県の場合はそうした能登半島のような半島はないですけれども、しかし道路がネットワークでしっかりとつながっているということが重要だと思います。多重化といいますか、一つのところがやられても他のところでカバーできると、そうしたネットワークは大変重要だと思っております。

 今、さまざまな道路がありますけれども、山陰道ですとか、そうしたことも含め、あるいは下関北九州道路もそうですけれども、道路の多重性ですとか代替性、ここはやはり災害において特に重要だと思います。そうした観点で、やはり国土強靱化を進めていかなければいけませんし、県が今進めている、国の方で進めていただいてる整備についても、さらに加速をしていただく、このことを求めていきたいと思います。

 

朝日新聞

 今回被災地で、過疎地の高齢化が進んでいるというようなことで、被害が拡大したという側面があったと思うんですが、山口県におかれましても高齢化や人口減少でコミュニティの担い役が少なくなる中で、災害時の住民の共助の仕組みというのが困難になっているとか、そういった側面というのはお感じになられてますでしょうか。

 

知事

 そうですね。それはあると思っておりますので、特に、地域の災害対応力の強化というところは、山口県の防災力向上においてとても重要な部分だと思っております。

 もちろん行政として、できる対応というのはしっかりやっていかなければいけませんけれども、やっぱり地域地域でまずすぐに動いて、お互いが助け合って、まず身の安全を守ったり、避難をするということは、これはまず地域でやってもらうということが重要です。やはり行政の支援というのは時間がかかってしまいますので、起きた瞬間にすぐに動けるような地域にしておく必要があるわけですね。そうした意味では、県としては逃げ遅れゼロということを、県内でしっかりと整えていこうということで、各地域地域でお互いに仕組みづくりを行い、いざ災害が起こった時には誰がどういうふうな行動をして、地域全体の皆さんを1人でも多く守っていくのかということの仕組みづくりをしているところであります。

 今後順次、各市町ともよく連携をしながら取り組みを進めておりますので、いわゆるソフト対策ということになりますけれども、ここも初動といいますか、起きた瞬間においては極めて重要な部分だと思っておりますので、さらに意識を高めて取り組みを進めていきたいと思います。

 

朝日新聞

 最後に、いわゆる過疎地の基礎自治体の防災力ですとか、発生時の対応力というものに課題があるというふうにお考えになられていますでしょうか。

 

知事

 もちろん。そうですね。

 

朝日新聞

 それにつきましては、何か取り組みがございましたらお伺いできたらと思います。

 

知事

 例えば、避難をするときに誰がまとめていくのかとか、そういう地域の中での役割分担というのをしっかり決めていくということが重要だと思います。特に高齢化が進んでいる地域の中では、そうしたことを担える人というのは限られておりますので、そうした役割をしっかりと決めて、いざというときに機能するような仕組みを作っていくということが、特に過疎地域においては、とりわけ重要ではないかと思います。

 

読売新聞

 1点だけ、台湾の関係で1点だけ。今、日本とアメリカのマーケットは半導体の関係ですごい相場が上昇傾向にありますが、今回の覚書の締結なんですけれども、純粋に経済的な意味合いなのか、はたまた先だって台湾の総統選がありまして、民進党の候補が総統になられましたが、ご承知のとおり、日本と台湾は特殊な関係にあろうかと思いますので、地方自治体としてこの関係を補完する思いも込めて、台湾との関係を強化されるのか、そこら辺をお願いいたします。

 

知事

 特に後者の方の意識ということでやっているものではあまりなくて、やはり今回の、特に半導体なことで言うと、まさに経済的な面での効果ということを期待しております。台湾はTSMCがあり、熊本に進出をしています。山口県でもそれに関連して半導体関係の既存のものも活気づき、また新しい企業の誘致というのも進んできておりますので、これをさらに強化していきたい、特に半導体・蓄電池の関係は県内で企業同士のネットワークを作り、大いにこれを盛り上げて取引を拡大していこうということをしているところです。

 そういう中で台湾の電子設備協会、これは事業者の団体ですね、それから工業技術研究院、これは台湾政府の研究機関ということでありますけれども、そうしたところと県のそれに対応する産業振興財団ですとか産業技術センターですとか、こうしたところが協定を結ぶということは、研究開発の面でもそうですし、企業の取引の拡大という面でも大いに期待をしているところです。

 実際に県内の企業も、この商談等もこれに前後して行うことも予定をしております。今でもすでに、例えばトクヤマさんとかは、台湾に拠点を設けて、半導体の関係のプロジェクトも進められているところでありますし、いろんな研究も行われています。そういう既存のベースもありますけれども、それをさらにこうした協定を結んで、より広く関係を深めていく、これによってさまざまな取引の拡大とか、そうしたことにつなげていきたいと、そういうねらいで行っております。

 

時事通信

 パートナーシップ制度の導入の話に戻るんですけれども、先ほど当事者団体の方からの声があってというお話ありましたが、逆に知事や県のところに反対するような声っていうのが寄せられたりとかってしてるんでしょうか。

 

知事

 声としてはありますか。

 

男女共同参画課長

 そんなに多くはないのですけれども、一部の方から課の方に電話でそういった声が寄せられたという事例はございました。

時事通信

 知事として、これまでこういった制度が県内で広がってこなかった要因というのをどういうふうに分析されているかっていうのをお聞かせください。

 

知事

 やはり、これまで当事者の方々からの声というのが実際にあったんでしょうけれども、それほどあがったり届いたりっていうことは少なかったのではないかなと思います。これが最近増えてきているというところは、実際のニーズといいますか、そうしたことの必要性という意味では大きな後押しになっているというふうに思います。

 もちろん国が法律を作り、県としてもそうした認識なり取り組みを進めていかなければいけないということは背景としてありますけれども、実際に当事者の方が声をあげたり、そうした求めをされるというところは、やはり実際にその制度を作ってそれに対応していかなければいけないということにつながってきているというふうに考えております。

 

時事通信

 瑠璃光時の話に戻るんですけれども、これ透明パネルの設置っていうのをいつごろ検討を始められて決められたのかっていうのと、あと改めて知事の思う山口市の魅力っていうのは何かっていうのを聞かせてください。

 

知事

 決めたというかやろうと思ったのは、ニューヨーク・タイムズの話が出て、すぐに私はやらなくてはいけないと思っておりました。市長にも話をして、ぜひそうしたものが要るだろうという話をしたところです。そういう中で、お寺の方とも、実際、改修工事自体は瑠璃光寺が、お寺の方が主体ですので、そうしたことができるかどうかということもよく相談をし、調整をして、こうした形でできるというところでコンセンサスを得られましたので、やるということにしたということです。 

 それから魅力ですね。たくさん魅力がありますけれども、やはり、山口市は特に大内氏がまちづくりに、特に京都のようなまちづくりをぜひこの山口で実現をさせたいというそういう強い思いを持ってまちづくりをされて、瑠璃光寺もそうですけれども、クレイグ・モドさんという方が今回の記事、今回のニューヨーク・タイムズで3位[番目]に取り上げられる推薦人というか、その人のおすすめで実現しているわけですけれども、その方がブログとかいろいろ書いているのですけれども、五重塔ももちろんそうですし、一の坂川、そこが非常に美しくて桜並木が綺麗だとも紹介をされております。それ以外にも、祇園祭ですとか、そうしたことに由来するまちづくりもそうですし、さまざまな行事ですとか、そうしたものも室町時代のその美しい街並みや建物、あるいは行事というものが今に受け継がれておりますし、また明治維新の関係でも、ここにも藩庁門もありますけれども、そうしたところの歴史の転換点でさまざまな建築物もあり、また非常に現代的といいますか、昭和以降の素晴らしい建築物等もありますけれども、そうしたものがうまく融合しているというか溶け合っているなという感じがします。いろんな時代時代でそれぞれのコンセプトでまちがつくられたり、建物を作られたりしてるのですけれども、それがうまく融和をしているというふうに私は感じております。それが山口市のとても魅力だと思いますし、落ち着いてそうした素晴らしいものを見て回れる。観光地が非常に今、京都なんかも大変な状況ですけれども、やはりゆっくり楽しんでもらえるという意味では素晴らしいまちではないかなと思います。

 もちろん湯田温泉もあり、美味しいグルメもあり、さまざまな魅力が満ちていると思いますので、ぜひゆっくりと訪れていただきたいなと思います。

 

日本経済新聞

 ニューヨーク・タイムズの件なんですけど、当面の県の取り組み例として、山口市との連絡調整会議の開催っていうのがあるんですけど、これはどんなものなのか、それともこれがこれまでもこういう市と何か連絡調整会議、こんなことをやったことがあるのか、このあたりどうなんでしょうか。

 

観光政策課長

 これまでやったことがあるかということですが、これまではですね、こういった会議という名前ではなくて、個々でいろいろと連絡調整しながら連携していくということをやっていましたが、今回改めてニューヨーク・タイムズに選ばれたということもございますので、これに関してしっかりと連携を図るということで、山口市と連携会議という形で開催させていただきたいと思っております。

 

日本経済新聞

 どなたかが出て、何かやるとかそういうのは何かあるんですか。構成メンバーみたいなのは。

 

観光政策課長

 今ちょっとまだ検討しているんですが、基本的には観光だけではなくて、文化とかいろいろな、例えば飲食関係とか、それも含めて今調整しているところです。市の方についても同じように、いろんな課、いろんなあと団体ですね、観光団体、そういった方たちの参画を今予定しております。

 

KRY(山口放送)

 2点だけ。ニューヨーク・タイムズの報道を受けて、ちょっと気が早いんですけれども、インバウンドの変化の兆しとか、打診とか、問い合わせとか現地で何か情報あったりするんでしょうか。

 

知事

 そうですね。山口市もそうだと思いますが、県の方にもさまざまなメディアからの問い合わせとか、旅行会社からの問い合わせとか、そうしたものがありますので、ニューヨーク・タイムズで出たのもそうですけど、他のものでもどんどん紹介されていくのかなという期待をしております。実際、ネットで見ても山口市の魅力とかというのを、ニューヨーク・タイムズのものを受けていろんな記事を書いたりとか、写真を出したりとかということもよく見られるようになってきておりますけれども、こうしたことが続いていくのかなというふうに期待をしています。

 そうしたように持続的に、山口市の魅力というのを伝えてもらうものが、どんどんと継続して広がっていくのかなというふうに期待をしております。

 

KRY(山口放送)

 知事は、この報道を受けて、ようやく気付いたと、もともと山口市の魅力を十二分に理解されていたんだろうと思うんですが、多くの人はなぜだと思った方が多かったんじゃないかなと想像するんですけれど、改めて日本人と海外の人から見た日本の良さの価値観の違いというかですね、そういった辺りをどのように改めて感じていらっしゃいますか。

 

知事

 山口が選ばれたのはとてもありがたい、嬉しいことですし、私自身もいろんな県に赴任をして、これまでも住んだこともありますけれども、実際にこれ知事だから言うわけではなくて、本当に山口県って魅力ある場所たくさんあるのですね。

 他の県って観光地と言われている所は県内で1、2箇所とかありますけれども、それ以外の地域ってそんなに何か観光と呼べるだけの素材があまりなかったりするところが多いんですけれども、山口県って本当に各地に素晴らしい歴史があったり、遺跡があったり、あるいは温泉があったり、グルメがあったり、どこの地域にも魅力がたくさんあるというふうに思っています。それ全部結集したらものすごい私は魅力だと思っているのですけれども、そこが実力以上、実力よりもずいぶんと評価が低いなというふうに常々感じているところです。そうした意味では山口の魅力に多くの人に気付いてもらう、そうしたきっかけということでは、今回大きな取り上げ方をしてもらったということで、大変大きなチャンスが来ているというふうに思っております。

 それで、ごめんなさいなんて言いましたか。最後。

 

KRY(山口放送)

 海外の人から見ると、日本の良さがよく分かっていらっしゃるということなんでしょうか。

 

知事

 そうなんですね。私も、今回ニューヨーク・タイムズで取り上げられたのは嬉しいし、価値はあると思っていますので、それに値すると思っておりますけれども、書いた人というか、薦めた人はどういうふうに思っているのかなっていうところは知りたくていろいろ調べたのですけれども、さっきも言いましたが、クレイグ・モドさんという方ですね。アメリカ人で、日本にもう2、30年ぐらい住んでる方なんですけれども、写真を各地で撮ったりとか、物を書いたり本も書かれたりしてるんですけども、そうした方があちこち見て回っている中で、山口市にも何度も来られているんですね。その方が御自身のブログで山口市の魅力について書いています。それを見るとなるほどと思ったのですけど、まず一つは他のところと比べてずいぶんと観光面ではあまり害されていないというか、静かにゆっくり見れるというところがまずあるわけでありますけれども、それだけではなくて、山口市にはちょっと私もさっき触れましたけれども、素晴らしい歴史がある美しい塔があったり、一の坂川があったり、素晴らしい祭があったりということで伝統が引き継がれている、それとともに新しいものとがうまく融合してるということを言っていました。いろんなコーヒーショップも紹介されていましたけれども、非常に古く歴史のあるものもあれば、新しく勢いがあるものもあると、一の坂川沿いにもさまざまなお店があって、特徴があって非常に面白いということで言っていました。

 またもう一つ、萩も紹介されたのですけれど、萩往還も歩かれているようなのですけど、日本海につながる萩というのも、これからまた改めて訪れてゆっくりしたい場所であるということで、いろんな魅力を感じておられるなというふうに感じました。

 新しいものと古いものとがうまく融合しているということ。それから、あとはちょっとこれ上手い表現だなと思ったのですけど、レコードに例えて、例えば、日本の観光地、京都とか広島とか金沢とか、それをレコードのA面とすると、山口とか盛岡というのはレコードのB面みたいなもんなんだと。そこはなかなか目立たないけれども、実はそのアーティストの優れた本当にすごい点というのはそこに実は潜んでいたりする、そういう面なのだということ言っていました。なるほどと思って聞いたのですけど、ぱっと見わかりやすい、これ見てくださいというようなことではないのだけれども、実はよく見ると素晴らしいものがそこにありますよ、ということが書いてありました。 

 そのクレイグ・モドさんという人は、実は去年盛岡を推薦したのもその人なのですよね。盛岡を推薦して今年は山口を推薦してくれているということなのですけれども、そこにそうしたことが書かれておりました。最後に何てこう素晴らしい街なのだということ書いてあって、とても嬉しい気持ちになりましたけれども、それを読むと、なんとなくその人が感じている山口市の良さ、さらに言えば欧米系の方が感じられる日本の地方の素晴らしい都市の魅力というものを、雰囲気を感じることができたなと思っています。

 私のフェイスブックではシェアしているので、それを見てもらったら分かると思いますけれども、それを読んでもらったら欧米の方が感じられる魅力とはこういうことなのだな、こういうもの を今これから求められるのかなというふうに感じられると思いました。

 

中国新聞

 ニューヨーク・タイムズの記事についてお聞きしたいんですが、知事は常にトップセールスを企業誘致なりされてると思うんですけど、今回取り上げられたことで、もう一つ大きな武器じゃないですけど、PR要素っていうの持てたかなっていうご感想はありますでしょうか。

 

知事

 そうですね。それは非常に大きいと思いますね。もちろん今回のニューヨーク・タイムズのこと、企業誘致にPRにこれから生かせるかということですか、そうですね。山口というところが世界のニューヨーク・タイムズで取り上げられて、3番目に取り上げられているというところは、非常にアピールできるところだと思います。

 ここは観光だけではなくて、いろんな面でしっかりアピールしていきたいと思います。今年訪れる場所と言われているので、今年しっかりPRをしますけれども、これから先もPRできるのかなというふうに思っております。さまざまな面で山口の魅力を、こんな魅力があると評価されるところなのですよと、自分で言っている、もちろん自分たちも言うのですけれども、そういうふうにニューヨーク・タイムズという、世界的なメディアでですね、3番目に取り上げられる。そうした外から見ても魅力的なところなのですよというところは、非常に大きな今回記事になったと思っておりますので、それは最大限生かしていきたいと思います。

 

中国新聞

 あと1点なんですが、山口の魅力を世界がようやく気付いたという言葉っていうのはかなり準備されて。

 

知事

 準備していないですよ。その日の朝、知ったのです。ちょうど宇部に行く前、宇部であの日は韓国のチャーター便の就航のときだったのですね。だから、そういうことは聞かれるだろうなと思っていましたけど。そんなに準備でずっと待っていたわけではないですよ。そんなこと想定してないですから。

 

中国新聞

 かなり職員さんから聞くと、知事は言葉を常々、こうワード力というんですか、気にされているというのをお聞きしているんですけど、その辺何かキャッチーなものをというお考えはあったんですか。

 

知事

 すごく注目されるところでありますので、どういったことを言うかというのは考えなくてはいけないなとは思っておりましたけど、私自身は常々思っているのですけど、やはり山口はすごく観光という面では非常に魅力がたくさんありますので、これになかなか気づいてもらえないというもどかしさをずっと感じていましたので、そのことはとても嬉しく思いますし、それは表現したいなという気持ちがありました。

 

 

※広報広聴課編集

[ ]の箇所は当課で修正しています。

 

 

作成:山口県総合企画部広報広聴課

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