本文
知事記者会見録・令和6年1月4日実施分
発表項目
〇年頭に当たって
〇「男性育休が当たり前」になる社会の実現に向けた、県庁から始める男性育休の取得の強化について (PDF:885KB)
知事
今年最初の会見となります。
報道関係の皆さまには、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、今月1日、「令和6年能登半島地震」が発生し、甚大な被害が生じています。お亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。
県としては、必要な支援物資の提供や今後の被災地域の復旧・復興支援など、全国知事会等と連携しながら、全力で取り組んでいきたいと考えております。
なお、この度の災害で被災された皆さまの支援に向けて、義援金を募集することとし、本日、午後から県庁1階受付、そして各県民局及び長門土木建築事務所に義援金箱を設置することといたしましたのでお知らせいたします。
先ほど開催しました「公務始め式」の訓示におきましても、職員に、今後の被災者の皆さんと被災地へのさまざまな支援への対応を求めました。その上で、この度の地震の発生や、昨年の本県での大雨災害も踏まえ、県民の皆さまの命と暮らしを守るため、防災・減災対策について万全の備えを行うとともに、どのような災害・危機事象が起こっても、迅速かつ的確に対応できるよう、常日頃から、危機管理の意識を強く持って職務に当たることを、改めて指示を行ったところです。
また、今年、デジタル化・脱炭素化等のさまざまな社会変革を推進力にしながら、本県の経済や暮らしをより高いレベルに引き上げ、同時に、人口減少の克服に向けて確かな道筋をつけていく、そうした私の強い決意を伝えた上で、私と同じ思いを共有して、それぞれの立場、仕事で積極的に挑戦していくように指示いたしました。
さらに、今後、県政を推進していくに当たって留意してもらいたい3点について伝えたところです。
1点目は、「やまぐち未来維新プランの取り組みの加速」についてです。
われわれを取り巻く社会環境等の変化に的確に対応し、本県の成長につなげていくため、常に、社会の動向に目を配り、各分野の現場の声に耳を傾け、取り組むべき施策のアプローチや内容、目指すべき到達点などを、しっかりと適合させ、取り組みを進化させていくよう指示しました。
2点目は、「人口減少の克服に向けた挑戦」についてです。
人口減少の大きな要因は、加速している少子化と女性を中心とした若者の県外流出であります。当事者である若い世代の声をしっかりと受け止め、来年度に向けて、実効性の高い、きめ細やかな施策を構築するよう指示を行いました。
3点目は、「行政DX・新たな価値を創出する働き方改革の推進」についてです。
県民目線に立った行政サービスの創出につなげていくため、改革にスピード感を持って取り組み、「やまぐちワークスタイルシフト」として、その成果を県内の市町や民間企業等にも波及させていくよう、それぞれの持ち場で、率先して行動するよう指示を行いました。
県としては、さまざまな課題を乗り越え、将来にわたって、県民誰もが山口ならではの豊かさと幸せを実感できる「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現に向けて、一層力を尽くしてまいりたいと考えていますので、県民の皆さまの御理解と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
次に、先ほど職員の訓示でも指示いたしましたが、「男性育休が当たり前」になる、そうした社会の実現に向けた、県庁から始める男性育休の取得の強化についてご説明をいたします。
県政の最重要課題であります人口減少、これに歯止めをかけるためには、その大きな要因である少子化を克服していかなければなりません。
現在、共働き世帯の割合が高まって、女性が子育てとキャリアの両立を望む中で、家庭内で女性に家事・育児が集中する、いわゆる「ワンオペ」の実態があり、それが少子化の要因の一つとなっております。
若者や子育て世帯から、子育て等に関するさまざまな意見を伺ったところ、夫婦共働きを前提にしたライフプランをイメージされている方が大半であって、男性の積極的な家事、そして子育てへの参加を求める声が多くありました。
私は、男性育休の取得促進が、夫婦の共働き・共育てを定着させるための第一歩であり、「男性育休が当たり前」になる、そうした社会を実現していかなければならないと考えています。
少し数字を整理していますが、本県の合計特殊出生率、これは1.47で全国11位ということでありますので、決して低いわけではなく、むしろ上の方にいる状況であります。一方で、出生数は2年連続8千人を下回る、特にコロナ渦の中でがくっと減っている面がありますので、少子化が加速しておりますので、ここに対してしっかりと対策をしていかなければいけないということであります。
今、話しているのが男性育休の話でありますが、特に山口県は非常に取り組みが遅れておりまして、6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間というのが全国46位と、ワースト2位ということであります。それから地方公務員(首長部局)、これは県と市町あわせたもの[都道府県]でありますけれども、1カ月を超える男性育児休業取得率、これが全国47位ということで、全国最下位ということであります。
これから少子化対策、いろいろな取り組みをしていかなければいけませんけれども、特に山口県について言うと、この男性育休というところが特にウィークポイントであって、力を入れていくべき大変重要なポイントであります。そうしたことで取り組みを進めていこうということなのですけれども、取り組みの効果ということでいうと、さまざまな効果があります。
いくつか主体に分けていますけれども、まず女性についていうと、当然家事・育児の分担によって女性に集中している負担が軽減されるということになります。それから、もう一つは特に最近女性の自殺が増えてきております。その中で、産後うつという問題もクローズアップされています。男性が、長期にしっかりと育休を取って、特にお子さんが産まれた最初の段階で、しっかりと夫婦が共に子育てを行うことで、こうした産後うつの予防、こうした面も非常に意義があるものだと考えております。
それから、やはり女性が育児の時間、かなり縛られるとキャリアロスの問題、その期間の短縮ですとか、山口県、特に女性の活躍も進めていかなければなりませんけども、女性の活躍の促進ということにもつながってまいります。
それから一方で男性の方について言いますと、ワークライフバランスの向上、それから仕事に対するモチベーションの向上、また家事・育児が習慣化する、先ほど言いましたように全国ワースト2位なわけですから、そこが家事・育児が習慣化して育休後も継続するということが期待できるのではないかと思っています。
男性、女性合わせた家族について言うと、家族の絆が深まり、そして出産への前向きな気持ちが高まっていく。これは具体的なデータとしても、政府、日本全体のデータですけれども、夫の家事・育児の時間が増えると第2子以降の出生率が大幅に増えるというデータがあります。これは、夫の休日の家事・育児時間別に見た第2子以降の出生割合ですけれども、夫は家事・育児時間、していない場合は第2子以降出生が36%という数字なのですけれども、6時間以上しっかり家事・育児に関わっていると第2子が産まれる割合というのが88.8%、ほぼ9割近いということでありまして、こうした意味でも、男性育休というのは、具体的にデータとしても、大きく、こうした第2子以降の出生にもつながっているということが言えます。もちろん、男性育休はこうした共働き・共育て、男性が家事・育児に加わっていく、その第一歩でありますので、それが増えることによって、女性だけではない、男性・女性が共に育児の苦しみ、大変さを分かち合って、そして喜びは共有すると、子育て楽しいなという認識を持つことでこうした出生率の向上にもつながるのではないかと思っていますけれども、こうしたデータもあるわけであります。
それから一方で、企業の方について言いますと、やはり男性育休を取るというふうにしていくと、いろいろな働き方の見直しもしていかなければいけません。効率的な働き方への見直し、また就業意欲の高まり、これによって労働生産性が向上するとか、今、人材確保も苦労していますが、企業のイメージ向上による人材確保の促進、また社員にすれば、企業への帰属意識が高まって定着率が高まる、そうしたことも期待できるであろうというふうに考えておりますし、そのようにつながるものだとされているところであります。
そうしたことで、まず、県庁自身が率先して、長期の育休の取得率を上げていきたいと思っています。ここに書いていますが、県庁が率先して男性の長期育休の取得率、これを全国トップレベルの水準へと引き上げていきたいと思います。
具体的には、男性職員の育児休業、これは2週間以上の取得率を100%にしていく。現在の目標は長期に限らず短期のものであっても取得する、その割合が30%というのが目標であります。これを2週間以上の取得にして、さらにそれを100%にするということです。
それから、もう一つは男性の育児関連休暇等ということで、こちらも出生後1年までの間に1カ月超の育児関連休暇等取得率を100%にするということです。これは、2週間以上連続の育休の取得ですが、関連する休暇も含めて分割してその時取りたい、それぞれ子育ての状況でその時に取りたいというのがあるでしょうから1年間の間にトータルで1カ月超の取得をするということ、これも100%にしていくという新しい目標を掲げることにいたします。
この取り組みを進めていくために、やはり環境をしっかりと整備していかなければいけません。まず、上に書いてある「職場の支援」といたしましては、職員が安心して育休を取得できるように、所属長面談、これの必須化をしていく。それから育休プランシート、ここは例えば業務分担シート、例えば育休を取るとしたらその間の業務をどのように分担しあうのかというところをきちんと職場で話し合ってプランを作っていく。そうしたものですとか、あるいは収入見込みシート、これは育休を取ると、今いろんな共済とかの制度でかなりの補てんがあってほとんど収入的にはマイナスの影響はないのですけれども、漠然と減るのではないかという、トータルで減るのではないかという意識があって取っていないというケースもあるようでありますので、そうしたところをしっかりと見える化して不安を解消していくということ。それからあと家事分担シートとか、そういったいくつかのシートがあるのですけれども、そうした育休プランシートを作っていくと、これによって職場のサポートなどを実施していきます。
それから、「意識の醸成」としては、やはり男性育休、これが当たり前となるようにしていかなければいけませんので、まず男性育休、これを取ることが原則であるということにし、そして不取得、取らない場合には所属長に理由を確認する、理由をきちんと説明してもらう、ということをすることで、全職員の意識転換を図っていくということにしていきます。
それから、併せまして、やまぐちワークスタイルシフトといたしまして、行政DXの取り組み、これも推進して、デジタル技術を最大限活用する、これによって業務の効率化等を図って、属人的な仕事をできるだけ減らしていって、職員が育休を取りやすい、取れるようなそうした環境づくり、これをしっかりと進めていきたいと思います。
そして、こうした取り組み、県庁だけでなく、県内に広げていく、こういうことが重要であります。まずは県が率先してやって、これをさらに広げていくと、そういうことで県内全体に、長期の男性育休をしっかりと普及していきたいと思います。このため、男性の長期育休の取得、そして育休を取得しやすい職場環境づくりを広げていくための働きかけを強力に展開していきます。まず、市町に対しましては、県と同様の取り組みをお願いを個別にしていきます。それとともに、企業に対しましては、働きかけに加えまして、支援策等につきましても、これは新年度予算編成において、重点的に検討していくことにしております。育休取得を後押しする奨励金の創設ですとか、きめ細かく対応していくことを目指して議論をしていこうとしているところです。
県庁が率先して、男性の長期育休の取得を進めて、これを全県に広く展開して、山口県においては「男性育休が当たり前」、そうした社会が実現するように、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
次に、スペイン・ナバラ州への訪問についてです。
昨年の11月、山口県とスペイン・ナバラ州、姉妹提携から20周年を迎えました。この節目にあたりまして、今月14日(日曜日)から19日(金曜日)までの日程で、県議会と合同で5年ぶりに訪問団を派遣します。
今回の派遣は、県から平屋副知事、県議会から島田県議会副議長が参加されて、ナバラ州主催の20周年記念式典に出席します。
今回の訪問に合わせて、ナバラ州政府・州議会のほか、山口市と姉妹都市提携をしているパンプローナ市をそれぞれ表敬訪問し、両地域の交流活性化に係る意見交換を行います。
併せて、ナバラ州では再生可能エネルギー、特に風力発電の導入を積極的に進めていることを踏まえ、同州の協力を得て風力発電関連施設を視察する予定です。今回の視察で、現地関係者から再エネ導入の実情を聞き取り、本県の再エネ導入促進策の参考にしたいと考えています。
また、山口県立大学との学術協定締結から20周年を迎えたナバラ州立大学を県立大学の岡理事長とともに表敬訪問し、両大学の今後の交流の更なる活性化や、交換留学の継続などの意見交換を予定しています。
このほか、山口大学教育学部附属山口小学校がパートナーシップ協定を締結しているパンプローナ市内のサン・ファン・デ・ラ・カデナ小学校を訪問し、日本文化を学ぶ児童たちとの交流を予定しています。
詳細な日程につきましては、関係機関と調整中であり、決定され次第、改めてお知らせをさせていただきます。
私からは以上です。
NHK
まず、男性育休の件についてお聞きしたいと思います。分かりやすい説明ありがとうございました。男性育休のことで2点お伺いします。まず、1点目なんですが、この取り組みを市町や企業にも広げていかなければならないということで、市町と連携した取り組みの推進というのが検討例に挙がっていますが、もし、現時点で何か具体的な取り組み例とか考えていらっしゃることがあれば教えてください。
知事
まず、各自治体において、今回われわれが作ったような、事業主の特定事業主行動計画というのをつくるのですね。育休についての具体的な目標設定するということになっています。そこの目標を大きく、ぐっとこう上げていくということで、100%、2週間以上100%ということも書いているわけでありますけれども、こうしたことを各市町においても、それぞれ計画を作っておりますので、県と同様の取り組みをしてもらうように働きかけ、協力の要請をしていきたいと思っております。あくまでも各それぞれの主体ですので、お願いをしてまわるということになりますけれども、これは個別に担当部局の方で、各市町に対して説明をして、県の取り組みを、まず、しっかりと主旨と、どういうことをするのかということを説明して、市町においても同じような取り扱い、取り組みをしてもらうようなお願いをしていきたいと思っております。
NHK
もう1点ですが、企業の方なんですけども、こちらの検討例で奨励金というようなことも書かれておりますが、情報でですね、企業への奨励金は10万円を軸に検討しているんではないかというようなこともありますが、ここの制度の規模感とか、そういったものを、今決まっていることがあれば、教えていただけますか。
知事
今、決まっていることはなくて、まさに今予算で議論をしているところです。いろいろと単純に奨励金ではなくて、それぞれ取り組みを促していかなければいけないと思っております。まず、その取り組み自体を始めてもらうってこともあるのですけれども、やはりそういった環境を整えていく、休みやすくなるような環境を整えていくために、いろんな企業としての取り組みが必要でありますし、また、休んだ後に戻ってくるときの支援ですとか、さまざま、その企業として整えていかなければいけない環境がありますので、そうした実状を踏まえて、きめ細かなサポートができればと思いますし、規模的にもかなりしっかりとした規模のものができればと思っておりますので、今金額の話が出ていましたけど、それは今、全然決まっている話では何でもなくて、これからしっかりと議論をしていくということになります。
NHK
企業ということで、これはまだ決まってないかとは思うんですが、いわゆる中小企業が対象なのか、それとも県内の全ての企業というようなイメージなのか、どういった。
知事
そこもこれから議論ですけれども、やっぱり中小企業は、なかなか取り組みが難しいと思うのですね。ただ一方で、県内は圧倒的に中小企業が多いわけでありますので、そこをしっかりと後押しをしていくというところは、特に必要性が高いところだと思っています。そういった問題意識のもとで、検討を進めていきたいと思います。
NHK
追加で、説明の中でもありました公務員の育児休業取得率が全国で最下位というところなんですけども、今、これを改善しようということでいろいろ取り組まれていることと思いますが、この最下位であった要因って主に何があると知事、お考えでしょうか。
知事
まず、職員も実はアンケートを取っているのですね。育休取得しなかった理由というのが、業務上の理由というところが約8割なのですけれども、職場のサポートとか、上司からの取得の勧奨とか、取得しやすい雰囲気があればよかったという声が非常に多くあるのですね。だから、本人は取りたかったのだけれども、やはり職場、「自分が休んで迷惑をかけるんじゃないか」とかですね、「上司がどう思うか」とか、そういうところがやっぱり心理的に影響して取れてなかったっていう声が非常に多いんですね。これ、県庁だけではなくて、多分、県内全体そういう雰囲気で非常に真面目で、組織で仕事をするっていうことを特に重要視するというか、自分が迷惑かけてはいけないというところの意識が非常に強いのではないかなと思いますので、そこはそうした声を踏まえて、やはりトップダウンというか、組織としてそれを進めるのだと、これを取るのがまず原則なのだというふうに転換をしていかなければいけないというふうに思っています。なので、先ほどもこれは原則ですということも言いましたけれども、実際に先ほどのプランシートとかの話の資料があったと思うのですが、一つは育休取得が、まずこれが原則ですと、所属長も「皆さん取るのが原則なんです」というふうに意識をもう根本的に変えてもらうということです。それからもう一つは取らない場合には、当然原則から外れていることをしているわけなので、取らなかった、不取得の場合は、所属長が理由を出してもらうと、なぜそれができないということですね。そうしたことを徹底することによりまして、これはもう取るものであって、取らないということは、何かよほどの理由があると、取ることができない、それはいろんな要因があるのかもしれませんけれど、それはしっかりと理由書を出してもらう。これがもちろん中身を見て必要なことであれば、さらに環境改善ということもやっていって、それじゃどうしたら取れるのだというふうに変えていくということにつなげていきたいというふうに思っております。
それから、あとはもう一つ、所属長面談の必須化と書いてあるのですけれど、要は、育休って、突然病気になるとは違っていて、あらかじめ何カ月も前から分かるわけですね。いつ産まれるかという。なので、それを見越してどのようにその業務を分担するかというのはかなり早い段階から準備ができるわけです。ですので、所属長面談、そういった対象の職員がいたら、所属長がまず面談をして、産まれたとき、その後、育休をどうするかということを具体的に話し合っていくと。それでその間の業務の分担をどうするかということも、このプランシートを作り、こうやっていったら支障ないということをやって、ということを作ることによって職員が取れるような環境ができていくということにつなげていきたいと思っております。
人事課長
先ほど、このご質問に関連してですけれども、「地方公務員(首長部局)の1カ月を超える男性育児休業取得率」のところです。先ほど知事の方から地方公務員(首長部局)これ、都道府県と市町村と申し上げましたけれども、都道府県のみ。
知事
これ県なんだ。失礼。ごめんなさい、間違えました。
知事
じゃあ、まず山口県が一番最下位ですね。はい。では市町の方の状況は分かりませんけれども、おそらく、このように全体的に育児の時間は山口県、全然少ないので、そう大きく傾向は変わらないだろうと思いますけど。
NHK
ちょっと話題が変わりまして。上関のことでちょっとお聞きをしたいと思います。知事が年末の会見の際に、いわゆる原発本体と別の地域から出る使用済核燃料を保管する中間貯蔵施設、この二つが同じエリアに存在するっていうことは負担が過大だというような趣旨の発言をされたかと思いますが、これについて、その趣旨っていうのは何ていいますか、端的に申しますと、「県として、二つ受け入れるっていうことはできない」「どちらか一方しか受け入れられない」というような意味になりますでしょうか。
知事
それは説明した通りの意味でありまして、やはり全国にない、これは具体的に言うと一つの市町村の中に、原発施設があり、中間貯蔵施設がありというところは全国にないわけですね。そういった意味で、やはり全国にない形での負担、不安というものがあるだろうということをもって過大な負担だということを私は認識として申し上げました。ですので、今の段階では、そうした認識をお伝えしているということでありまして、具体的に今、上関町の今回の中間貯蔵施設につきましては、中国電力の方からまだ具体的なものが何も示されていない状態でありますし、そもそも立地可能なのかどうかという調査に着手をしたばかりというところでありますので、県として今回の具体化された際にどう判断するかというのは、その時点でまた中国電力等の計画を踏まえて判断をしていきたいと思っておりますので、現時点において、それが認めるか認めないかという話ではなくて、私としては、現時点における私の基本的な認識を示したということであります。
NHK
現時点では判断するまだ段階ではないということと、県としては認識として二つあるっていうのは全国の市町村の中で、一つの市町村の中にあるのはないので負担が過大だという認識を示したということですね。
知事
そうです。
朝日新聞
能登半島を震源とする地震の被害についてお尋ねです。まず、全国知事会と連携しながら支援していくってことおっしゃっていましたけど、一方で、緊急事態に対して、積極的なプッシュ支援というのも重要だと思うんですけど、県として災害の食料とかあるいは暖房器具とかそういった資材等ですね、プッシュ型で県として被災地の皆さまに届けることを考えてらっしゃるのかっていうのがまず1点と。あと2点目はですね、知事会で集まったりして、いろいろ対応を考えられると思うんですけど、知事会の今後のご意見というのですかね、今回の地震に対応するご予定について、以上2点について、お尋ねしたいと思います。
知事
まず、プッシュ型の、本当に被災地が困られているのでいろんな支援をしていきたいという思いはあります。一方で、こちらからの一方的な思いで届けるということについては、それが本当にいいのかどうか、逆にかえって混乱を生じさせるのではないかということもあります。そういった問題意識の中で、特に石川県の方からは、今は道路とか空港等のインフラが被災していることから、石川県においては支援希望者に対して、支援をしばらく待つように要請をしているというふうに伺っております。われわれとしては、最大限、支援をこうした事態でありますから、県としてできることは最大限、支援に協力をしていきたいと思っておりますけれども、そうした中で、今は全国知事会、あるいは国の方からの要請を踏まえて、対応していくことにしております。現状におきましては、私もいろんな情報収集、知事会の会長とも、いろんなメールのやりとりとかやっている中でありますけれども、そういう中で、今は中部圏の知事会、それから関西広域連合、ここがまず近隣ということで、いろんな支援を具体的に要請もされ、行っております。ただ、そこでの支援だけだと多分足りないことになるのではないかと思いますので、そうしたものについてはより広いエリアで、当然山口県も含め、さまざまな支援要請が来るのだろうと思っております。知事会の方からは、そうした場合にはぜひまた協力をしてほしいということで伺っておりますので、当然われわれは、そうしたものにしっかりと応えて、要請があれば迅速に対応していきたいと思っています。
朝日新聞
加えまして、新年度予算案の編成過程において、やはりその防災と減災は大変重要な視点の一つになると思うんですが、改めて知事として今回の能登半島を震源とする地震を踏まえて、新年度でですね、昨年度末までは決めてなかったけど、改めて新年度予算でこういうのをやっていこうというふうな事業とかありましたら、何かありますでしょうか。
知事
防災・減災、そして災害対応力の強化というところは極めて重要だと思っています。今回の災害もそうですし、昨年は豪雨災害、本県自身が見舞われて大変な被害が発生をし、今も復旧・復興の途中にあるわけであります。さまざまな災害事象に対して、しっかりと備えをしていく、そしてまた、いざというときには迅速に対応していく。このことが求められていると思っておりますし、特に最近の災害の、非常に激甚化、頻発化をしている状況でありますので、そうしたことに対して、やはり県民の皆さんの命、そして安全を守っていく、このことは特に重要な取り組みだと思っております。
県としてはもちろん災害、地震災害もそうですけれども、豪雨災害ですとか、さまざま山口県として考えられるリスクに対して、しっかりと備えをしていく。当然耐震化等も進めていかなければいけませんし、また山口県では豪雨災害が特に多いと思うのですけれども、河川の改修、これも県全体で計画を作り、スピード感を持って進めていくことにいたしております。さまざまなインフラの整備、それからソフト面では、やはり迅速に逃げていくということ、いざというときにやはり自分と地域のリスクをきちんと把握をして、適切な避難行動を取れるようにしていくということが重要です。各地域地域の防災力、それから災害対応力を高めていく、このことに市町と連携して、さらに取り組みを強化していかなければいけないと、そうした認識でおりますので、そうした観点でもって、新年度予算においてもさまざまな検討をしていきたいと思います。
中国新聞
育休についてお聞きしたいんですけども。これ、現状の数字というのは何か、100%を目標にされてるんですけども、県庁の数字というのは分かりますか。
人事課長
2週間以上の取得率はございませんけれども、令和4年で1カ月超の取得率が4.2%となっています。令和5年度で見ますと10月31日現在で23.1%の取得率となっております。
中国新聞
これかなり、すごいハードルは、数字自体見て高いと思うんですけども、例えば所属長は所属内の職員が達成できなかった場合とかっていうのは何かの評価に、人事評価とかに影響したりするんですか。
知事
ダイレクトに結びつけるかどうかは、よく検討が要ると思うのですけれども、やはり理由がどうかというところを確認しなければいけなくて、それは体制がなかなか取りづらい、特定の業務がすごく集中していることがあるかもしれませんし、体制が非常に弱いというところがあるのかもしれませんし、それであればさらに改善をしていくということも必要だと思います。所属長でできることは、しっかりやってほしいと思いますけれども、そこを超えている部分については、やはり県庁全体でどのようにそれを改善するのかということにつなげていかなければいけませんので、取れた、取れないでダイレクトにどうするかというところは、ちょっと慎重に考えていかなければいけないと思いますけれども。いずれにしても所属長は100%は県庁の目標ですから、それを達成するというのは当然ミッションとして受け止めて、しっかりとそれが取れるような環境をそれぞれの所属の中でしっかりと整えていただきたいと思います。
中国新聞
例えば県庁の中でも、県庁の職員さん同士、結婚されている方も多いと思うんですけども、そういった場合ってのは何か、どっちか休まれたり、両方休まれたりとかされるんでしょうか。
知事
そこは今、この目標としては男性育休100%というのはしておりますので、そこの分担をどうするかというのは、それぞれが話をしてもらえたらいいと思いますけれども、先ほど言ったプランシートもありますので、そういう中でよく分担をして、当然その制度として使えるものはどんどん使っていただきたいと思いますし、できるだけ子育てをする職員の意向を踏まえて、環境を整えていけるように取り組んでいかなければいけないと思います。
YAB(山口朝日放送)
男性の育休取得のことに関して、これまで知事も男性の育児への参加というところに力入れてやってこられたと思うんですが、今回この年初めに一気に目標というのを引き上げたなという印象があるんですが、何か男性職員の取得率をここまで上げるぞと、目標を立てるに至ったきっかけとなるデータであったりとか、そういったものは何かあるんでしょうか。
知事
データとしては先ほど言った、もう本当に全国最下位の数字でありますので、これ以前からそうなんですけど、山口県、男性の育児家事への参加というのは非常に少ないわけです。全国46位です。これは民間も含めて県全体ですね。県庁としても、全国最下位ということです。単純な取得だけであれば、数字はどんどん上がっているのですけれども、やはり長期に取る、しっかりと、取るだけ育休ではなくてちゃんと取ってちゃんと家事・育児に関わってっていうところは、こうした数字から見ても非常に低いということになっているわけです。
これは、次の資料にもある通り、やはりいろんな少子化対策のネックとして、非常に大きなものの一つだと思うのですね。少子化対策でまた新年度の予算で議論をして、もちろんもこれも一つの大きな柱ですけれども、これだけではない、いろんなことを若い人たち、また女性の意見を聞いて施策を組み立てていくことになりますので、また新年度予算でまたいろんなものもお示しをしたいと思いますけれども、男性育休について言うと、これも一つ、大きな山口県としてのウィークポイントですので、ここをしっかり力を入れてやっていかなければいけないと思っています。まさに取ることによって、本当に女性だけに負担がいっているところを負担感をぐっと減らすことができて、もう一方で女性の活躍という問題、女性の働いている割合というのが、特に30代の前半というのは有業率が全国でも下から4番か5番位、43位だったかな、という数字なんですね。女性の活躍ができないという環境はやはり、男性は仕事をして女性が家庭にいてという、そういった環境もあるんだと思いますが。そういうふうに女性が仕事をやっていくとか、復帰していくとかそういったこともできやすくしていくということもあります。そういうような環境を整えていくことが、やはり山口県の少子化対策をより取り組みを強化していくべき上で、大変重要なポイントだというふうに思っております。
特にやはり、この点、県庁が率先して変えれば変えていくことができる部分が大きいのではないかと思っています。やはり意識の問題が非常に大きくて、少し古いデータですけれども、「男性は仕事、女性は家庭」という、こういう意識を持っている男性の割合というのは山口県は全国で2番目に高いのですね。男は仕事をして、女性は家庭にいるのだ、そういった考えに賛成だと言う人の割合が非常に高い。これはちょっとこれは私の憶測ですけど、特に年齢の上の方はそうでないかと思うのです。若い人はわりと男女ともに働くという、それは当然だという意識になっているのです。これは、今回県がいろいろとヒアリングした中においても、明確に出てきております。ただそれが取りにくい非常に雰囲気があるのではないかと。ここを変えていくということは、時間がたってそうなるだろうということではなくて、やはりトップがしっかりとマネジメントをしていくということが重要だというふうに思いますし、特に県庁がしっかりそれを率先してやることによって、市町、またいろんな支援策も講じながら民間企業へと広げていく、そうしたことによって、まずこの男性育休を取るのが当たり前なのだという、そういう文化を作っていかなければいけないと思います。そのためにまず県庁が率先をして大きく転換をしていく、徐々に上げるのではなくて、この際一気に転換をするということとしていかなければいけない。
それほど、状況は山口県は非常に遅れていると、ウィークポイントだと思いますし、少子化対策も待ったなしの、急いで大きく転換をしていかなければいけない、そういう危機的な状況にあると思いますので、そうした中で、今回こうした男性育休についても大きく転換をしていくということに取り組んでいきたいと、そうした思いであります。
KRY(山口放送)
山口県は、育休取得率が全国的に見ても低いということですけれども、そもそもこの育休取得促進の取り組み自体も他県から遅れているということだったんでしょうか。
知事
これまでも中小企業で男性育休を取る場合に助成金を設けたりですとか、県庁としても目標を設定して、数字自体はだいぶ上がってきてはおります。
ですけれども、上がり方も非常にゆっくりでありますし、実際にデータとしてみてもこうした状況は変わっていないということでありますから、そもそも根本的に転換をしていかなければいけないだろうというふうに思っています。
KRY(山口放送)
あと、こういった思い切った数字を出されてですね、多少の反発もあるのかもしれないんですけれど、根底に人口減少に対する危機感みたいなのがあるということなんでしょうか。
知事
そうですね。人口減少、少子化これまでもずっと進んできているのですけれども、特にコロナ禍でがくんと出生数か落ちてきています。これは、やはり山口県の将来にとって、大変大きなマイナスの要素であります。やはり、しっかりと人口減少を克服していく、このことが県政における最大の課題だというふうに思います。
そのために少子化対策、そしてまた人口減少対策、ここは新年度においても特に力を入れて取り組みをしていきたいと思っておりますけれども、そうした中でいろんな要因がある中で、特に山口県の弱いところはどこかというふうに分析していくと、この男性の育休というのは非常に弱いところであります。ここを大きく変えていくということは、特に山口県が力を入れてやっていかなければいけない重要なテーマだというふうに思っております。
これによって、男女の女性に偏っている負担を減らして、産後うつの問題もありますけれども、これも本当に重要な問題なのですけれども、子育てが非常に負担感を減らして、そして喜びは分かち合って、子育てっていいものだと、楽しいものだと思ってもらう、そうしたことをまず作っていきたいですし、それが結果的に少子化の改善にもつながっていくと、そうしたことにつながることを願っているところであります。
やはり子どもが生まれないというのはいろんな負担感の大きさ、これまた経済的な問題もありますが、これはこれでまた別に検討していかなければいけませんけれども、やはりいろんな実際の負担、子育てに関わることの非常に負担というところが大きいと、やはり子育て大変だと、もうこれ以上はなかなか子どもを持ちたくないと、これは非常に不幸なことだと思うのですね。やはり若い人たちの意識を見ても、共働き・共育てというのが当たり前だという意識になってきている。これをできるだけその負担も、男性女性の負担も共に分かち合うことで減らしていきながら、その楽しさを共有してもらう。そうしたことが本当に県民の幸せを上げていくというものになるし、結果的に少子化対策にもつながるのだろうと思います。
そうした、県民の皆さんが本当に子育てして楽しいなと思ってもらえるような県にしていく、そのことに取り組んでいきたいですし、そのことが少子化対策にもつながっていくものだというふうに考えています。
KRY(山口放送)
県庁内はもちろんそうなんでしょうが、ポイントはつまり、民間企業にどう広げるかなんだろうと思います。県の予算でその奨励金の創設なども大事なんでしょうけれど、先ほどおっしゃられた50代60代、上の管理職の方たちの理解というかですね、そういったものを広げていくには何が必要だと思われますか。
知事
やはり各企業のトップ層にもしっかり働きかけていくことが重要だというふうに思います。ですので、こうした支援制度も設けながら、県としても県内の経済団体、あるいは個別の企業に対してもいろんな機会を使って、男性育休の必要性、このことをしっかりと訴えて、県の取り組みもお知らせしながら企業の取り組みをしっかりと促していきたいというふうに思っております。
そうした企業がどんどん増えてくれれば、自分たちもやらなければというところで広がっていくのだろうというふうに思いますし、特に今企業は、企業のメリットのところありますけども、やはり人手不足が非常に深刻になってきておりますから、そうした中で、やはり若い人たちは自分たちが送っていきたい人生のプランがあるわけですね。そうしたものに対して、いかに寄り添ってもらえるかというところも大事なわけです。そうしたいうことでいうと、企業のイメージの向上にもつながると思います。やはり子育てする際に、しっかりとそのことに対して職場がサポートしてくれる、そういう会社なのだということをしっかりと取り組みをすることによって、企業のイメージも上がり、それは人材の確保にもつながってくるだろうと思いますし、それが山口県全体に広がっていけば、山口県は非常に働きやすいと、子育てもしやすい、企業の環境も非常に整っている、そうした県になるのだろうと思いますので、そこをぜひ目指していきたいなというふうに思います。
KRY(山口放送)
最後に、ちょっと、話が柔らかくなってしまうんですが、村岡知事自身は家事育児はずいぶんとされたんでしょうか、もしくはその反省があるんでしょうか。
知事
私が子育て、子どもが小さいときはずっと東京におりましたので、休みの日はとにかく私が一日中子どもを連れて外に出て遊ぶということをやっていました。平日はどうしても霞が関で働いていて、国会対応とか予算対応とかやっていると帰りが夜中の2時3時とかになってくるので、平日はほとんどできなくて。本当に申しわけない気持ちもありながら、その分土日は妻がそのまま月から金までずっと子どもと二人きりになっているところを土日は解放というかして、私がもう基本的に1日見るということをやっておりました。
それが模範的だとは全然思いませんけれども、ただ自分としての時間の中ではできることは最大限やろうと思ってやっておりましたが、やはり今だいぶ変わったのですが、霞が関も非常に属人的な仕事というか、自分がいなければもう絶対回らないというような状況が非常に多かったので、それはやはり、そうした環境を整えてもらっていれば、もっともっと私の妻の方にも本当に寄り添ってできたなと思いますし。やはり子どもを育てていると、ちょっと体調を崩したりですとか、妻の方がかなりメンタル的に相当つらい時期があったりとかしますので、そうしたところでしっかりとそばにいられるかどうかというところは、やはり大きいのだろうというふうに思います。あまり家庭の中にどんどん入っていくと、いろんな話を暴露してしまうのであれなのですけど、やはりそういう負担が大きいところで、しっかりとそばにいるということは非常に安心感だと思います。
これは、この間「どこでもトーク」をやって、男性育休とか男性の家事育児を非常に積極的にやられている方々を招いて、トークをしたのですけど、そのときに奥さんの方がお話されたことで、やはり育休とってもらうと、何かあったときにすぐそばにいてもらえるという、その安心感は非常に大きいのだというお話がありました。やはり1人でいる、いたからといって何ができるかっていうことが限られているかもしれないけど、やはりいるということでの安心感というのは、非常に大きいということを言われていました。産後うつの話も書いていますけれども、やはりワンオペで1人で自分しかいないのだと思ってしまうと、さまざまなこのメンタル的にも悪影響は大きいのだろうというふうに思います。そうするとまたやはり子育ては大変だ、もうしたくないということになってしまう、大変不幸な状況が生まれているということがあるだろうと思います。そうしたものをなくし、いろんな負担を減らして楽しさは共有してという、幸せは共有してと、そうしたことが大変重要だろうと思います。
日本経済新聞
またしつこいようですけど、同じように、資料の3ページにある、何度か間接的にはお答えいただいていると思うんですけど、6歳未満の子どもを持つ夫の家事育児関連時間が全国で46位と、根本の原因といいますか、これはどの辺に山口県の県民性なのか、産業構造上比較的コンビナートとか大手企業があって別に男性の働きだけで比較的豊かに暮らせるみたいな、そういうのを含めて、どの辺りに原因があるというふうにお考えになりますか。
知事
複合的な要因があると思います。もちろんその産業構造的に、割と平均所得も高いというのもあって、女性が働かなくても男性の働くその収入でやっていけるという面があるものもあると思いますし、あとはやはり工場ですとか、そういったところというのは、やはりいろんな一人一人が仕事しているわけではなくて、組織でしっかり回しながらやっていくというところがあって、自分一人が迷惑かけちゃいけないというところの空気が生まれやすいのかなという面もあります。
そうしたことの中で、県全体でやはり、「男性は仕事をして女性は育児と家事をするものなんだ」という意識が定着しているのかなと思います。これは意識調査の中で、先ほど言いました、「男性は仕事、女性は家庭」というところが、全国、これ男性は全国2位なんですね、意識の高さが。女性は7位と、女性も以外に高いのですけど、男女合わせると全国3位っていうことであります。これ最近は変わってきているのかもしれませんし、若い人たちは共働き・共育て、それが前提だという理解なのですね。ですので、そうした中で、2ページで、実際に今回、人口減少対策で若い人たちとか、子育て世帯にいろいろ意見を聞く中で、上がってきている意見というのはだいたいこういうことなのですけれども、共働きを前提にしたライフプランをイメージしていますと、当然ですから家事育児も夫婦で分担をするという関係性というのを重要視しているし、男性の積極的な家事・子育ての参画、これが必要だという声、これは若い世代が非常に多いですね。ただ上の世代は、例えばさっき言ったような認識がそう大きく変わってないのだろうと思いますので、ここのギャップが非常に大きいのだと思います。マネジメントしているのが上の層なので、ここの意識を大きく変えていくっていうことをやっていかないと、こういう人生を送りたいのに自分たちの職場はそれが実現できない、ということになってくるということでますます人手不足ですとか、ということにもつながってくる、いろんな面でやはりここを改善するというのは、少子化対策もそうですし、若者の県内定着ですとか、そうしたことの面でも重要な取り組みであろうと思っています。
日本経済新聞
要はかなり今まで山口県の強みだった部分、もの作り強いとか、コンビナートとか、それが脱炭素で足かせになり、今後の男女共同参画っていう意味でも若干ちょっとそれがむしろ足かせになりつつあるということで、今後はその辺りは根本的に見直さなきゃいけないっていうお考えはやっぱり、そこの辺りあるのでしょうか。
知事
そうですね。ここはやはり企業の方々からしたら、そんなことを言われてもというのがきっとあるのだろうと思いますので。反発もあるのだろうと私は思いながらこれをやっているのですけれど。ただ、やはり、もちろんマネジメントする側から言えば、男性育休なんか言わずにちゃんと働いてくれよということを言いたくなるのだろうというふうに思いますが、もう時代がそれだと対応できないということなのだろうと思うのですね。
今や非常に人手不足で、どこも人を集めるのに苦労している。その中でやはり山口県の企業を選んでもらうということが必要です。そのためにやはり若い人たちの、「こうした自分はワークライフバランスのもとで働きたい」というものに、しっかりと対応した職場になっていかなければいけません。ですので、きちんと会社としてはいろんな業務をしっかりと生産活動等も行いながら、一方で従業員の「こうしたワークライフバランスのもとで自分も働きたい」ということへも応えていくというこの両方相反するですね。この両方満たしていくっていうことがまさに今、求められているのだろうと思います。
非常に人手不足の声も大きく、私も直接聞いておりますけれども、そうした人口対策とともに企業の側でもこうした努力をしていく、これが広がっていくということが山口県にしっかりと若者が定着していくということにもつながってくるだろうと思いますので、そうした趣旨も含め、企業の方には同じような取り組みを求めていきたいというふうに思っています。
時事通信社
育休の関連で、先ほど県庁の取得ができてない理由の中で、業務上の理由が8割を占めるというふうなご説明だったと思います。業務上の理由というふうになるとその意識の変革だけでは対応しきれない部分もあると思うんですけれども、体制面も含めてどういう対応を考えられているのか。
知事
職場の支援、それから意識の支援、意識の醸成という二つあるのですけれども、まず重要なのは、先ほど言いましたが、育休というのはあらかじめ何カ月も前から分かるわけですので、そこできちんと計画的にやれば、かなりいろんな負担というのをみんなで分かち合いながら、うまく調整しながら円滑に育休が取られるのだろうというふうに思います。
それを、ずっと言わずにいて、突然急に育休と言われてしまうと、職場の方でも困ってしまうということもあるし、そこは早いうちから所属長の方もしっかりと面談をして、育休についてのプランをしっかりと作って、こちらのプランシートから育休中の業務分担、これについてのプランシートを作っていく、これで職場がサポートしていくということですね。所属長との間でその該当の職員がしっかりと話をして、どういうふうに自分が休みたいかというこの計画を共有していく。この間に職場ではこういった体制のもとで、そこのいなくなっている部分というのを埋めていこうということを計画的にできるようになる。これが大変重要なところだというふうに思います。これができていれば、当然安心して当然計画できているわけですから、安心して自分か取っても仕事がちゃんとまわる。要するに取らない、取れないというのは、やはり自分がいないと迷惑がかかるからというのが非常に多いのですね。そこをずっと言えずに、ずっといって言えないままずっと子どもが生まれて、いざ、明日取りますと言ってもこれはちょっと言いづらいというふうな状況というのがおきているのではないかと思います。それをちゃんとルール化して、きちんとプランを作って、長期的に計画を立てて取れるようにしていく、これはお互い、所属長側にとってもそうですし、取る側にとっても、非常に負担が結果的に少なくできるということになりますので、これが大きいというふうに考えておりますので、これをしっかりと行っていくということですね。
それからあとは原則論としては、育休取得が原則ですと。100%にしているわけですから、原則ですと。不取得の場合は所属長が理由を確認し、不取得者に理由確認をしていくということに、取らないことが逆に説明責任を負うということになるということですね。こうしたところで環境を整えていきたいと思いますし、またあとちょっと細かいですが、研修とかそうしたこともしっかりやっていかなければいけませんし、若手の職員には育休の体験談とか、優良事例を共有して本当に意義のある育休を取ってもらう。育休を取ってこんなことを自分はしたよとか、そういうモデル的な優良なものとか共有して、育休を取ったその中身も充実をしていきたいなというふうに思っております。
時事通信社
すると、繰り返しみたいになってしまうんですけれども、人繰りであったりとか、業務上の面では育休を取ることができる状態であったにもかかわらず取ってこなかったっていう、そういう意識の部分の問題の方が大きいというふうな分析をされているっていうことでしょうか。
知事
そうですね。あらかじめ計画を立ててやっていく、そのことがしっかり定着していれば取れたということは相当あるのだろうと思います。これはさっきも言いましたが、職員の実際のアンケートでも、基本的にあんまり相談を多分してないのですね。職場のサポート、上司からの取得の勧奨とか、上司が勧めてくれたりとかすると自分で取りたかったのだけど、なんか取れる雰囲気ではなかったとかですね。上司がちょっと勧めてくれたらよかったのだけどというような声とかも結構あるわけですね。だから本人は取りたいということは非常にあるわけですが、そういう雰囲気というか、サポートというか、そういったものが足りていない。今はそういったものをしっかり仕組みとして、整えてないところがありましたので、ここはしっかりと今回、整えていこうということであります。そうした改善を図って、とにかく取るのが原則だということにしていきます。
時事通信社
ちょっと話題が戻って、中間貯蔵施設の話に話題に戻るんですけれども、先ほど全国にない形で過大な負担だというふうなご発言ありましたけれども、これ具体的に負担というのは全国にないからどういう負担があるっていうふうな懸念をされているのかお聞かせください。
知事
要するに本体の施設がありですね、今まではそれだけだった、それだけの計画だったわけですね。ここに、それとの関係はまだ説明されていませんけれども、両方がもしできるということになれば、新しい施設が原発関連施設ができると。それは、本体施設と、それから他の地域の、関西とか他の地域の使用済みの核燃料、それを保管する施設が来るということになるわけですね。これが要は一つの市町村の中にある、同時にあるというところは全国にないわけですね。今回のケースでも、考えられているところは本体の予定されているところに非常に近いところであるわけです。そうしたものは全国にないわけでありますので、全国にない形でのさまざまな負担感とか、不安感ですとかそうしたものが生まれてくるというふうに考えております。それをもって、私は過大な負担ということを言っております。
時事通信社
今まで中間貯蔵施設、今後受け入れるかどうか否かの知事の判断をされる際に、安全性の懸念であったりとか、周辺自治体の理解というものをこの二つをあげられれてましたけれども、そこに加えてさらに原発との関係性というか、その負担をどういうふうに軽減していくかっていう部分も重視されるということになるのでしょうか。
知事
その軽減というふうな観点でいうかどうかという分からないところはありますけれども、そこの問題意識はあります。そこを新しい一個と言うかとかちょっと整理しなければいけないけれど、いずれにしても不安の解消とか、安全性とか、あるいはその地域の理解とかそういったところにも絡んでくる話だと思いますけれども、私としては今言った、今お話ある点ですね。2つの施設の関係性、ここについては大変重要なポイントだというふうに理解して、考えております。
山口新聞
育休の関連なんですけれども、さっき知事、アンケートの内容をお示しされましたけれども、職員が申告できなかったという職員の事情もあるかもしれませんが、具体的にどこの部局で取れていて、どこの部局で顕著に取れていないかとか、そういったような調査はされているんでしょうか。それからされているんであれば、そこに対して今まで何か手当てなりをしてこられなかったのかっていうのをちょっとまず教えていただけますか。
知事
個別に取っているので、それは整理すれば、部局ごとに分かるというふうに思いますけれども。
人事課長
特に部局ごとの集計については、作っておりません。
山口新聞
今の部局ごとの集計はされていないということで、でも部局ごとに集計しないと、そこに何が原因かっていうのがいまいちよく分からないんじゃないかと思うんです。さっき不取得の場合は所属長に理由を確認ってありましたけども、所属長に何かもしかしたら原因があるのか、所属長に原因があるとしたら、その職場の雰囲気が取りづらい雰囲気が根強くあるのかもしれませんし、そこの辺りをまずされることが大事なのではないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
知事
それはですね、実際に調査を取っているので、所属ごとに再整理しようと思えばできるということはあるのだろうと思います。ただ、またその感覚的に言うと、どこかのところは特に職場が大変ねとかということよりは、やはりそのときのかなりその人の担当してるものというところの影響の方が大きいのではないかというふうに思いますね。だからやはりそれは何らかの傾向というよりは、県庁全体にそういう雰囲気がまずあるということもあるでしょうし、やはりどのように負担を軽減するかというのは個別の対応だと思いますので、こういうふうに各所属でしっかりと早めに面談をして、プランシートを作っていくということで取得につなげていきたいと思いますし、そこに課題があれば、これはまた部局全体であったり、あるいは人事課の方に話をしていくなりして、そこの改善を図っていくということをやって、PDCA的に回していく、そういったことをしながら100%を実現していくっていうことをしていかなければいけないんだろうと思います。
山口新聞
では、その部局ごとに取りまとめ調査をしたりとか、取りまとめをされるお考えはないっていうことですかね。
知事
結局、やろうと思えばできるのですね。所属からそれぞれあがってくるので。そこはもし部局ごとに傾向があればと思います。やはり同じ部でも、それぞれ、そのときの仕事によっても、取りやすい、取りにくいがあると思いますので、どこかの部とかどこかの課に特にそれが集中しているかというと、ちょっとそこは全体的なものではないかなというふうに思います。
山口新聞
それから、能登半島地震に関してなんですけれども、冒頭ご発言ありましたが、今のところ物資については要請があれば迅速に対応したいと話されましたが、この先、何か職員の方を派遣されたりとかそういったご予定とかはないですか。
知事
はい。もちろんそういった要請もあるだろうというふうに思っております。もちろん物資等について、まずはそれが求められるところだと思いますが、やはり復旧もかなり大規模になってきますので、これは東日本大震災もそうですし、熊本地震もそうですが、職員をかなり長期間派遣して支援を行ってきております。今回も同じようなことがあるのかというふうに考えているところでありますので、そうしたこともあります。あとは災害のときは、やはり被害の状況の確認ですとか、罹災証明書の発行ですとか、被災している家屋の被害の認定ですとか、そういったところに莫大な人が要りますので、ここは山口県に要請があるとか別にして、全国的にやはりそうした人員のニーズというのは求められてくるだろうというふうに想定をしております。
山口新聞
それから地震の関連なんですけれども、石川県で安否不明者、行方不明者の公表、名前とか住所のですね、公表に時間が要している、要していたんですけれども、調べてみると石川県の場合は、公表の指針で地震発生、今回元日でしたけれども、48時間以内に公表するのを目標としていたようなんですが、目標というか目途にしていたようなんですけれども、それが今回現実には達成できなかったということで、55時間ぐらいだったか経ってからの公表になったようなんですけれども、だいたい人命が72時間ぐらいっていうふうに言われてますけれども、山口県の場合、これちょっと私調べてみると、令和5年の5月に行方不明者の氏名等の公表方針を取りまとめられているようなんですが、ここに何か具体的なその公表の時間とか数字っていうのが私が見る限り示されてないんですけれども、県としてはこの辺りはどのようにお考えなんでしょうか。
また、今後、今回の石川県の教訓を生かして、県としてして何かここを肉付けなりされるお考えというのはないでしょうか。
防災危機管理課長
県の方で、安否不明者についての氏名公表の方針を出させていただいておりますけど、時間については書いておりませんが、救助活動の効率化を円滑に資すると認められる場合については、同意がなくとも公表するということに決めています。
山口新聞
特に時間を設定してない理由というのは何かあるんですか。
防災危機管理課長
それについては、救助活動の効率化を円滑化に資するという方の判断の方で判断をしているということになります。
山口新聞
知事ご自身はどのようにお考えですか。やっぱり早ければ早いほど、当然、われわれに情報がすぐに来る来ないじゃなくて、やっぱり安否不明者の方がいるんであれば、心配されているご家族の方もいらっしゃると思うので、ある程度、育休にしてもですね、しっかり目標を設定されているわけですから、指針の中に数字を具体的に落とし込んでいく、さっきおっしゃったその漠然としたものではなくて、数字を落とし込んでいくことは大事だと思うんですが、どのようにお考えですか。
知事
もちろん必要な情報を出すことによって、さまざまな活動が円滑にいくという面があると思いますので、そのような判断をした場合には出していくということですね。指針としては決めているということだと理解をしております。当然、それは出すことが急いだ方がいいという、そうした状況でありますので、当然判断も、そしてその公表の対応も速やかにやるということがそうしたケースにおいては必要だというふうに思います。
数字を置くのがいいのかどうかというところは、やはりその個別の災害の対応によったりですとか、ケースによって違いがありますので、そこはよく石川県での取り扱い、そうした数字を設定している背景ですとか、あるいはそれが実際にどの程度意味があるのかというところについては、確認を、といっても今、確認すると大変ですので、そうしたものはよくわれわれでも研究していきたいと思います。
読売新聞
育休に関連してお伺いなんですけれども、育休取得100%、育児関連休暇100%っていうことで、基準を2週間以上を育休、育児関連休暇を1カ月超というふうに設定をされてますけれど、この2週間以上とか、1カ月超の、この基準っていうのは、どういうふうに設定されたんでしょうか。何を根拠にこの期間を設定されたのか。
知事
できるだけ長期の育休取得にしないと、とりあえず取りましたという取るだけ育休であっても意味がないと思っておりますので、やはり実際に女性の負担を軽減していくですとか、男性が家事・育児にその後もしっかりと積極的に関わっていくということを行うためには、長期の育休を取るということが望ましいと思っています。この2週間というのは、実は政府の方でこの2週間超の育休取得率の目標というのをそれぞれ立てなさいとなっております。
これはちょっと小さい字で書いておりますが、国の方針であれば令和12年に85%とあって、ずいぶん先なのですね。12年に85%ということなので、ここの期間の取得をどうするかというのは県としても作らなければいけないというところでですね。ここを(令和)7年度までに100%と、かなり早い段階で85(%)でなくて100(%)にしますということにしているということですね。
これはですから男性の育休取得、この特定事業主行動計画にこの期間で書かなくてはいけないということなのですね。これは県独自のものであります。さっき言った男性の育休の取得率1カ月超が全国最下位というところであります。できるだけ1カ月超の長い期間というのを取ってほしいという思いもありますし、ここを1カ月にしている考え方は、できるだけ長期のものを取ってほしいということと、それからもう一つ言うと、ここにその1年までのと書いているのですね、まとめて1カ月続けて取るのではなくて、1年間の間にトータルで1カ月ということにしています。
これは、できるだけ出生直後、とにかく何年か後ではなくて、できるだけ最初の時が大変なわけですから、産後うつとかの問題もそうですけれども、できるだけ早い、一番大変な時期にしっかり取っていただきたいということで1年以内としています。
男性の育児参加休暇という制度がありまして、この男性の育児参加休暇の取得期限も出生後1年というふうにされているということでありますので、1年間の間に、ただ1年間の間に取る期間というのはそれぞれの各家庭のライフスタイルによってさまざまですので、そうしたところはこの期間内に1カ月、というふうに取っていただきたいということを考えているということです。
読売新聞
この100%、育児休業取得の100%という数字、すごくインパクトあるなと思ったんですけども、私もまさにわが家共働きで、未就学児3人今育てている最中なんですけども、その感覚でいくと2週間の育休っていうのがすごく短いなと。私も1カ月以上を2回に分けて取るということをしているんですけども。1年間の中でトータル1カ月っていうのも、これも短いなっていう感じがして。家事育児を覚えて慣れたらもう終わっちゃったみたいな、なんかそんな感じの感覚が個人的にはするんですけども。もうこの目標設定、1カ月ちょっと、2週間っていうのにかかわらず、本当はもっと長い期間を取得してもらいたいという思いなんでしょうか。
知事
そうですね、おっしゃる通り、もっともっと取れたらいいのだろうと思います。これは事業主としての計画でありますので、そうした中でしっかりとわれわれのミッションとして達成したいのはまずはここだということですね。当然それはその先にもっと取りたいという職員、いろんなそれぞれの思いだったり、事情だったりありますので、そこについては当然できるだけ寄り添ってやっていく、いろんな取得の、他にも年休とか取得をしていく、そうした制度はしっかりと使っていきたいと、そうした場合であればしっかりそこに寄り添ってサポートしていくというのは、これは当然やっていかなければいけないことだというふうに思います。
人事課長
1カ月以上の取得を目指すというところですけれども、国が合計1カ月以上の、うち(山口県庁)でいう育児関連休暇の取得を進めています。それに基づくものです。
読売新聞
あと、この育休取得促進の取り組みというのはもちろん進めていただいて素晴らしいことだと思うんですけれども、育休が終わったからといって家事とか育児っていうのは終わりじゃなくて、24時間365日続くものだと思うんですけれども、業務に復帰をされてからも例えば早く帰れる体制、就業時間のやりくりで早く帰れたりとか、逆に遅く出勤するとか、何かそういった育児休業以外の業務の面で家事、子育てに参画しやすいような体制っていうのは今のところどういうふうになってますでしょうか。
知事
もちろんさまざまな制度がありますから、そこをしっかりと使ってやっていくということについては、これは職場側としてそれができるようなサポートをしていかなければいけないと思います。当然、さまざまな研修ですとか、これも職員の研修もしますけれども、何も育休のことだけではなくて、やはり子育てをしていく、そうした職員に寄り添ったことをしっかり所属長もしていかなければいけませんよという、もう少し広い趣旨でやっていくことも当然していかなければいけないと思っております。
人事課長
育児休業の取得の前後にも、所属を通じて職員に対してさまざまな、例えば早出遅出勤務ですとか、在宅勤務ですとか、そういった制度の説明などをして育児休業取得後も子育てしやすい体制というか、そういったものを所属内でつくるようにすることを考えております。
読売新聞
じゃあ、その遅出、早退とかいろんな制度を使っていく、そういったところの必要も同時に、育休取得の促進と同時にそういったところ促進していきたいという、知事の思いはございますでしょうか。
知事
そうですね。男性の家事・育児の参加ということはしっかりと進めていくということは、私としても特に力を入れてやっていきたいと思っている、その取り組みの一つがこれということでありまして、これだけやればいいということでは当然ないわけですね。しっかりとそれぞれの家庭において、このような形で自分は仕事と家庭のことをしっかりと両方バランスを取りながらやっていきたいということについては、寄り添ってやっていくということは大変重要だと思います。
読売新聞
もちろんぜひ、そういうところにも力を入れていただけたらと。
知事
いろいろとまたアドバイスいただければと思います。ご経験を。
日本経済新聞
赤字ローカル線について、認識のちょっと確認だけさせてください。知事は従前から山陰本線と美祢線については、被災したことなので早急に復旧を要請されていると思います。
ただ赤字ローカル線のあり方の議論については、別問題みたいなことをおっしゃっていたと思うんですけど、知事のお考えとしては、JRの赤字ローカル線のあり方についての議論といいますか、そちらについては否定はしないといいますか、それが美祢線と山陰本線のとは、また別個ですけれども、あり方の議論については将来的にそれについてあれば、議論に乗らないわけではないという認識でよろしいでしょうか。
知事
当然、JRも一企業でありますので、企業としていろんな再編、いろんな整理をしていくということは、経営判断としても当然やることなのだろうと思いますし、それを全て否定はできないだろうというふうに思います。その一方で、一つはやはりローカル線というのは、その沿線に住む方々の生活とか、さまざまな暮らしを支えている大変重要なインフラでありますので、闇雲にそれがなくなっていくということ、経営が厳しいからそこはすぐやめるのだということは、それは受け入れることができないというふうに思っています。
一方でまた国鉄の民営化の際にも、当然それは分割民営化する際に、鉄道、ローカル線は赤字だけれども、やはり新幹線という一方でドル箱の事業があり、そうした中で、ローカル線を内部補助で支えてネットワークを維持していくという基本的な考え方がそのときに整えられているわけでありますので、そうした経緯も含め、基本的にはローカル線を守りながら、地域の人達の暮らしをしっかり支えていくということをJRはやっていただきたいと思います。
ただ一方で個別の議論について一切受け付けないということはできないと思いますし、そうした中でも地域の足をいかにして守っていくのかということ、そうした観点で議論をしていくということは、一概に否定はできないことでありますし、地域の方々、あるいは地元市町の思いも含めながら、そうした議論が行われる際には対応を県としてもしていくということも必要な姿勢ではないかというふうに思っております。
※広報広聴課編集
[ ]の箇所は当課で修正しています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課