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知事記者会見録・令和5年10月24日実施分
発表項目
〇日韓海峡沿岸県市道交流知事会議について (PDF:255KB)
知事
本日、私からは、まず初めに、令和6年度の当初予算編成についてご説明させていただきます。
本年5月に、新型コロナウイルス感染症が「5類」へと変更されました。社会経済がようやく本格的に動き出し、コロナ禍前の水準に戻りつつあります。
3年半にわたりますコロナ禍を乗り越えて、今後は、この間に生じた新たな課題に的確に対応し、本県の安心・安全、また経済、暮らしをより高いレベルへと引き上げていく「発展的再生」、これを着実に実現させていかなければなりません。
一方で、本県の昨年の出生数は7,762人と、5年前に比べて、2割以上減少しております。少子化に歯止めがかかっていません。
また、人口は、この8月に130万人を割り込みました。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計をもとにした見込みよりも、1、2年ほど早いペースで進行しております。私は、これまで以上に強い危機感を持っております。
国におきましても、同様の危機意識のもと、次元の異なる少子化対策の実現に向けた政策を、年末までに、「こども未来戦略」として具体化する方向で検討が進められています。
そこで、私といたしましては、次に申し上げます3点を基本方針として、来年度の予算編成に取り組んでいくこととしました。
まず、1つ目は、人口減少の克服に向けた施策の構築ということです。
人口減少は、経済活動、そして地域社会、県民生活、あらゆる面で深刻な影響を及ぼす県政最大の、そして喫緊の課題であります。コロナ禍からの発展的再生を図り、持続可能な活力ある山口県を実現するためにも、その克服に真正面から挑戦していかなければなりません。
本県の人口減少における、とりわけ大きな要因は、急激な少子化の進行、そして進学や就職を機にした若者や女性の県外流出です。
この流れを変えるためには、若い世代が結婚の希望を叶え、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりや、本県への若者の定着を促進し、若者を呼び込むための取り組みを充実・強化していくことが不可欠となります。
そのため、来年度予算編成におきましては、こうした人口減少対策に係る新たな施策に、予算を優先的・重点的に配分することとしました。
人口減少の克服に向けて、国が策定する戦略とも呼応し、国と地方が一体となった取り組みを進めるとともに、市町や当事者となる若者、女性のニーズをしっかりと踏まえ、本県の実情に即した、実効性の高い施策を構築してまいります。
2つ目は、「やまぐち未来維新プラン」の着実な推進についてです。
現在、昨年度策定した「やまぐち未来維新プラン」に基づき、プランに掲げる「安心・安全」「デジタル」「グリーン」「ヒューマン」、この4つの視点を踏まえて構築した新たな県づくりに向けた取り組みを、全庁一丸となって進めているところです。
来年度においても、これらの取り組みについては、県民の皆さまがその成果を実感できるよう、着実に取り組んでいく必要があります。現場の声に耳を傾け、社会の変化に対応した必要な見直し、そして工夫を図りながら、しっかりと予算を配分していく考えです。
3つ目は、持続可能な財政基盤の確立についてです。
デジタル化や脱炭素化等のさまざまな社会変革の先にある、本県の新たな未来を見据え、多くの政策課題に挑戦していくためには、県政推進の土台となる揺るぎない行財政基盤の確立が不可欠です。
一方で、現下の物価高や海外景気の下振れリスクに加え、現在検討されている国の少子化対策に係る地方負担の範囲や財源措置等も不透明で、現時点、来年度の財政収支を見通すことが困難な状況となっております。
場合によっては、相当の財源不足が生じることも懸念される状況です。
そうした中にあっても、人口減少の克服や老朽化した県有施設の更新等の追加的な財政需要に対応していくため、選択と集中の観点から、事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底し、業務の効率化に向けた事務事業の不断の見直しを図ることにより、持続可能な行財政基盤の確立に向けて取り組んでまいります。
人口減少については、これまでもさまざまな対策を講じてきましたが、その克服は決して容易なことではありません。
しかしながら、私は、今こそ、急速に進行する少子化トレンドを反転させると、そういう強い決意で、「安心で希望と活力に満ちた山口県」、この実現に向けまして、未来の世代が本県で希望を持って暮らすための基盤をしっかりと創っていくために、来年度当初予算編成にしっかりと取り組んでまいります。
次に、日韓海峡沿岸県市道交流知事会議についてです。
私は、10月30日(月曜日)から31日(火曜日)まで、韓国を訪問し、全羅南道で開催される第31回日韓海峡沿岸県市道交流知事会議に出席します。
平成4年に開始されました知事会議は、日韓海峡を挟んで、歴史的、地理的につながりが深い日本側4県と韓国側4市道の知事・市長が一堂に会し、今後の交流の展望や地域振興に関する共通の政策課題等について意見交換を行う目的で、年1回持ち回りで行われており、今年度は、韓国・全羅南道で開催されます。
今回は「観光活性化」を共通テーマに、アフターコロナにおけるインバウンド促進策など、各知事等による取り組み事例の発表や意見交換を行う予定です。
私は、今回の日韓知事会議への出席を通じて、両地域の相互理解の促進と友好関係の増進を図り、日韓交流の深化につなげてまいります。
私からは以上です。
NHK
当初予算の編成方針について伺います。今回、人口減少を最大のテーマとして取り組むということで期待しておりますが、結婚から妊娠、出産、子育てまで、いろんな段階、いろんなフェーズがあると思うんですけれども、知事としては、どの段階にアプローチするかというふうに、何か具体策があるのか、あるいは全ての段階において、それぞれ新しい事業を行うつもりなのか、その辺、どういうイメージをお持ちでしょうか。
知事
これまでも、もちろんさまざまな取り組みをしてまいりましたけれども、さらに実効性のある取り組みを行っていかなければいけないと思っています。
まず、認識といたしましては、この人口が減っていくということももちろん大きな問題ですけれども、このペースが早まっているということが、山口県に限らず、全国共通の課題としてありまして、そちらの方に非常に強い危機感を持っております。ここでしっかりとした食い止めをしていかなければ、ますます人口減少は加速化をしていくということが、その先が見えるわけでありまして、ここは政府も特に力を入れてやっていこうというところでありますけれども、地方としても地方の実情に即した形で実行ある取り組みを併せて組んでいかなければいけないと思っております。
そういう中で、この少子化対策というのは、何か一つの対策をすれば、それで一発逆転ホームランとはならなくて、やはりあらゆる面にネックとなっているところに、しっかりときめ細かな手当てをしていって、それでもって総合的に効果をあげていくというものにつながってくると思います。もちろん結婚も妊娠、出産、子育て、いろんなフェーズがあって、それぞれがうまく進んでないというところがあります。結婚そのものも、生涯未婚率もどんどん高くなっております。一方で、その結婚を希望する人が、なかなかそうした機会に巡り合わなかったり、いろんな要因で結婚に至らないという、希望はあるけれども、それが実現できないというところ、まず、ここの部分をできるだけ解消していくということが結婚においては重要だと思いますし、また、妊娠・出産等におきましても、例えば、不妊治療の拡充というのも、例えば男性不妊治療ということの支援ということでは、県としても全国トップレベルの支援を行ってきております。そうしたものにつきましても、改めてよく検証し、今の、これから子どもを産んでいこうという方達が抱えているその課題について、しっかりと寄り添うようなことをさらに考えていく必要があると思うわけであります。
いろんなきめ細かなサポートも、相談とか、何もその予算だけじゃなくて、相談支援ですとか、そうしたことも含めて、よりきめ細かな、寄り添ったサポートというものも、ますます求められているのではないかというふうに思います。
それから子育てにつきましても、昨年度、今年度も多子世帯の支援の取り組みを、県独自でも講じましたけれども、さらに子育てについて、今の現役の世代が抱えているいろんな課題に対して、きめ細かなアプローチというものが必要になってくるだろうと思います。これは政府の方の予算において、これからまさに年末に向けて、財源を含めて議論をされますけれども、並行して県といたしましても、そうしたものは横でにらみながら、独自に山口の今の現状を踏まえた時に何が必要なのかということを考えて、しっかりと予算を作っていきたいと思います。
NHK
ありがとうございます。関連して何か新しい事業をやろうとすると、当然どこかを
削らなければいけなくなると思うんですけれども、資料を一応記載していただいているんですが、どこを削って、その部分を人口減少対策に充てるのか、その辺を説明していただけないでしょうか。
知事
もちろん予算案全体の中では、既存の経費を一定率下げて、それによって財源を捻出して新しい施策に充てていくということをやっていくということをやっております。ですので、既存の事業についても、役割を終えたものですとか、今の時代に合わなくなったものについては見直しを図り、そこから財源を見出して、新たな取り組みにつなげていくということを一つ一つしっかりと行っていきたいと思います。
NHK
資料の前年度当初予算額一般財源の90%の範囲内に、その他継続事業等を抑えるというのは、勉強不足で大変恐縮なんですが、マイナスシーリングを行うということなんでしょうか。
知事
そうです。そういう経費については、10%減らして、自分のところで10%まず減らしてやりくりして、そこは節約・見直しをするなりなんなりでやってください、それによって、その10%は財源フレームが変わらなければ生まれてくるということです。
NHK
例えば、今の段階で各事業90%の範囲内に抑えらえた場合に、大体いくらぐらい浮きそうか、いくらぐらいを充てられそうかというのは、今の段階で試算か何かはあるのでしょうか。
財政課長
今、ご覧いただいている見積作業手順の中でのその他継続事業の90%、ここを10%削るということで、捻出される金額は一般財源ベースでは5億円ほどになりますが、新規事業の構築に当たりましては、今年度当初から充当している基金等もありますので、そういったものも活用しながら、しっかりと予算を配分していくということになると思います。以上です。
NHK
ありがとうございます。 それからもう1個の重点になっている「安心・安全」「デジタル」「グリーン」「ヒューマン」の四つについては、すでに基金があるかと思うのですけど、基金を増額するとかそういったことはお考えにはならないでしょうか。
知事
それは中身によると思います。 基金の目的に沿うものであれば、基本的には基金の中でやっていくことになると思いますし、そこで想定してないような新たな取り組み等であれば、また別の予算の構えはしていくことになると思います。これは、そのやっていく事業の目的ですとか、手法ですとかそうしたこととの兼ね合いになってくると思いますので、予めそれはすべて基金ということではなくて、性質によると思いますので、個別に議論していきたいと思います。
NHK
ありがとうございます。それからコロナ禍を理由に、財政健全化に向けたこの行財政改革というのが凍結されていたかと思うんですけれども、今、コロナ禍、コロナが「5類」になったこともあって、行財政改革について知事はどういうふうに進めていくお考えかを教えてください。
知事
財政の構造が、基本的にはこの取り組んだスタートの時点から、基本テーマも変わっていませんが、収入と支出のギャップがあると、歳出が多くて歳入はそこに至っていない。なので、そこの部分というのが、貯金を取り崩すなりしながら、やっていかなければいけないところで、貯金が無限にあるわけではない、むしろないですから、この収支の構造を均衡するようにしていかなければいけないというのが、財政構造が抱えている課題です。これについては、複数年かけて段々とこのギャップを縮めてきたところでありますし、基金についても、一定のものは確保できるようになってきておりますので、成果をあげてきていたところですけれども、そうした中でコロナ禍が起き、財政的には問題はありながらも、当面はそのコロナへの対応、これに全力を挙げなければいけないということで、財政の健全化については、一旦凍結をしているという状態であります。
そういう中で、お話しがあったように、そのコロナの「5類」に変更となって、基本的には平常、コロナ前の状態に戻していくという中で、そういう時期は一定、区切りがついたのかなというふうに思っております。そうした中で、この財政構造改革をどのようにしていくかということにつきましては、今年度のこの予算編成の中で、改めてこれから必要なDXですとか、グリーン化とか、さまざまな課題があります。そうしたものと今後の地方財政のフレームというものとをよく考え、突き合わせながら、検討していくことが必要だろうと思っております。
なので、例年、この時期には財源不足額というのを出して、これだけ足りませんということをやっておったのですけれども、今年それをやってないというかできないという状況であります。というのが、一番大きいのは、少子化対策において、国において、例えば児童手当の拡充ですとか、保育士の配置基準を充実させるですとか、いろんな取り組みがあるんですけど、これは普通に、国と県、市の財政負担割合を当てはめるとかなりの額、地方負担を生じます。ここについての財政的な措置はどうなるのかということによって、かなりそのフレームに影響するということになってきます。これは、私自身も先般の中国(地方)知事会でも声をあげましたし、知事会としても声をあげているところでありますけれども、ここについてのしっかりとした財源措置を、国の方から手当てをしていただくことがなければ、その非常に大きな地方負担分というのを既存の中から捻出しなければいけなくなってきますので、こうなってきますと非常に大変なことになると思います。相当な見直しをしないと飲み込めない規模でありますので、根本的にその予算の組み方から、考え直さなければいけないことにもなりかねないものだと思います。
なので、ちょっと今の時点ではそこがわからない以上、いくらが財源不足額ですと確定的に言えないというか、その非常に大きな要素である部分というのが見えないという状態でありますので、見えない中で議論はしながら、最後、年末に予算が国の方で決まりますので、そこを見て最後、県の方ではそれを踏まえて、どういった施策を本当に最後拾い上げていくのか、そしてまた今後の財政フレームはどうなるのかということをあわせて整理をしていく必要があるだろうと思っておりますので、現時点においては、例年と違ってお示しができないということであります。というのはそういった状況にあるからということであります。
NHK
ありがとうございます。話題変わりまして、中間貯蔵施設に関連してお伺いします。先日、関西電力と資源エネルギー庁が福井県に対して、2030年頃に国内で中間貯蔵施設の操業を目指すと説明をしました。これは上関町とは言っていませんが、現時点で
原発敷地外の中間貯蔵施設として名前が挙がっているのは、前々から計画のある青森県のむつ市を除けば、上関町しかないので、当然、上関を念頭に置いた話で、無関係ではないかなと思います。こうした動きについて、まず受け止めをお願いできますか。
知事
関電なり、あるいは福井県知事の方でも、説明を踏まえて受けての表明ということがあったということは、報道でも承知をしておりますが、基本的には他県なり、他の関西電力のお考えで言われていることについて、私としてコメントする立場にはないものと思っておりますし、それに縛られるものでもないと思います。
NHK
関連して伺います。上関とは言ってはいないんですけれども、もし中間貯蔵施設ができるとすれば、2030年なんだっていう新しいスケジュールが示されたことになると思います。そういう考えがあるのであれば、山口県に本当に作るかどうかわからないですけれども、山口県に作る可能性がある以上、2030年っていう考えがあるのなら、早く伝えてきてほしいと思うのはある意味自然なことなのかなと思うのですが、国に対して、どういうスケジュール感なのか説明を求めるという考えというのはあるのでしょうか。
知事
これは、国に対してというよりは、今、中国電力の方がこの事業を進めていく意向を持って、立地可能性調査に入るという段階でありますので、中国電力がどう考えるのかということなんだろうと思います。今のところ、中国電力から説明はありませんけれども、いずれかの時点で、考え方についての説明があるのだろうと思っております。
NHK
ありがとうございます。話題変わります。次、最後にします。
LGBTに関連してなんですが、昨日、性的マイノリティーの人たちでつくる団体が、環境生活部長を通じて知事宛ての要望書を提出しました。内容は、今年6月に施行された法律に基づいて、県としても理解増進を進めること、そしてパートナーシップ制度を県レベルでも導入することとなっています。これに関連して、県弁護士会からも同様の声明が出されておりますが、こうしたパートナーシップ制度等について知事の見解を教えてください。
知事
これにつきましては、いろいろなところからのご要望もいただいておりまして、そうしたことも踏まえて、どのようにするかということを検討してく必要があると思います。現在におきましては、庁内にワーキンググループを設けておりますので、導入するかどうかも含めて、まずはこのワーキングにおいて検討を行っているという状況です。
中国新聞
中間貯蔵施設についてお聞きしたいんですけども、中国新聞の方で先日県内19市町の首長へのアンケートを取ったんですけども、その中で多かったのは、国や中国電力に説明を求める声が相次いだんですけど、それについて知事はどう受け止められていますか。
知事
そうした声が上がるのは当然のことだと思います。やはり中間貯蔵施設という話が出てきて、使用済核燃料というのが、一定の施設、設備を整えられている形でありますが、それを搬入されるという形になるということが議論されておりますので、これについて不安の方が先に立つのは当然のことだと思います。そのことについては、今、中国電力等にも求めておりますけれども、きちんと丁寧な説明をまずはしていただかなければいけないと思っております。よほど丁寧な説明を行ってもらうということが、これはまず前提条件、必要なことだろうと思います。やはりその情報がない中で、不安が先に立つのは当然のことだと思いますので。それは、中国電力のほうでしっかりとされるべきものだと思います。
中国新聞
国の方に求めることはありますか。
知事
もちろん国の方においても、もう少し全般的にエネルギー政策ですとか、そうしたところについてのさまざまな問題意識というものについては、説明をしてもらうということは、これは中電、国の方も同じようにやってもらう必要があるんだろうと思います。
中国新聞
アンケートの中で、首長の中には建設受け入れの可否の判断については、中間貯蔵施設というのは広く県東部地域に影響することもあるので、山口県も意思決定に加わるべきだという考えもあったんですけど、それについてはどう思われますか。
知事
そこの答えの意図がよく分からないのですけれども、少なくとも今は立地可能性調査ですよね。これから実際にその建設する局面になれば、知事同意というプロセスがありますので、そういった形での関与というのはあるわけです。それのことじゃないかなと思うんですけど。
中国新聞
知事が同意される基準というか、ポイントというのは何を一番重きにされる。されるとしたら。
知事
繰り返し述べておりますけれども、まず安心・安全、この確保。これが最も重要だと思います。そうした点での説明もそのステップに至ればしっかりと聞いていかなければいけないと思っております。
中国新聞
県議会の方では、会派の方で視察というのも相次ぎ行われているんです。知事が施設を視察に行くという機会というのは考えられていますでしょうか。
知事
現時点では考えてないです。
中国新聞
それはなぜですか。
知事
今の段階では立地可能性調査が行われていて、その次のステップで、可能性ありとなれば何らか具体的な施設の検討等、計画等の検討はされて、また話が来るのだろうと思います。そうした状況の中で、必要があれば検討したいと思いますけれども、今直ちにということは考えておりません。
中国新聞
中電が適地と判断した際には、検討するということでよろしいですか。
知事
自分が判断する上で必要と思えば、その時に必要な対応したいと思います。
中国新聞
話は変わるんですけれども、今、クマの被害がかなり、被害というか目撃が増えて、かなり県民も不安に思っていると思うのですが、サルの時は速やかに対策会議とか開かれていたと思うのですが、また、クマに関して会議を開くであるとかありますでしょうか。
知事
そうですね。これは状況を良く把握をしながら必要な体制を取っていかなければいけないと思いますので、しっかりと状況を見てから適切に対応していきたいと思います。
中国新聞
現時点ではないということですか。
知事
そうですね。今、直ちにということはありませんけれども、もちろんその関係部局としっかり対応していって、横の連携とか、そうしたところが必要なことになれば、当然、そういったものは柔軟にやっていかなければいけないと思います。
中国新聞
もう一点、行財政構造改革の先ほどの点なんですけれども、基本的にまた白紙ベースで考えるということなんですか。施設の見直しであるとか、廃止であるとかっていうのも、それをもう完全にまっさらな状態に。
知事
そこは、年末に予算編成をわれわれとしてもどんなものがこれから必要かということを見ながら、一方で、地方財政のフレームがどうなるかということです。われわれが将来、これから先、新年度もそうですし、その先も見込まれるであろう財源がどの程度なのかということの兼ね合いになると思いますね。そこが、なんとかなりそうだというか、余程のものでもなければ、通常のスクラップ・アンド・ビルドでできるとなるかもしれませんし、非常に大きなギャップが生じれば、さらに思い切ったことをしていかなければ、財政が立ち行かなくなるということにもなりかねない。これは、さっきも言ったみたいに、その少子化の財源とか大きな弾がありますので、そこが分からないと、何とも今の段階で確定的には申し上げられないというところです。
YAB(山口朝日放送)
人口減少対策について伺いたいのですが、今までも当然、人口減少対策、さまざまな取り組みを県でも具体的にされておられたかと思います。それを振り返って、この取り組みにこんな効果があったとか、もしあればなんですけど、これはやったけど、ちょっとなかなかうまくいかなかったなみたいなものも、もしあれば、ちょっとこれまで振り返っていかがかなと思って。聞かせてください。
知事
取り組みはあらゆる分野についてやるんだけれども、結果は一つしかないので、どれがどれだけ効いてるのかってのは、なかなか分析は難しいところではあるのですね。
しかし、例えば、結婚についても私、就任早々、結婚応縁センターというのを作りました。作ってかなり登録もあり、それで成婚に至ったのももう200を超えています。私はカップル成立するごとにお祝い状を書いて、おめでとうございますって書いて1人1人送っているのですけれども、200以上書きましたので。それはそれだけのまた成果があったんだろうと思います。これも、今やはりいろんな民間のマッチングの取り組みとか進んでいる中で、県としては、ではどういった部分についてやっていくのかとか、その辺は、やっぱりその後の趨勢もあるので、見直しをしていかなければいけませんし、さらに、機能アップするために、例えばAIを入れていって、本人に合った人をご紹介する、そういった機能とか、技術の進展も踏まえて、よりレベルアップをしていくとか、そうしたこともできるようになって、それも取り入れてやっておりますけれども、そうしたこと、要は始めてそれで終わりじゃなくて、そこからのいろんな環境の変化に対応して、さらに何ができるのかということをやっていくってことが常に必要なんだろうというふうに思います。
なので、そういった視点と、それからまた改めて今さまざま県民の方々にもアンケート等も取っていて、少子化対策ですとか、あるいは若者とか女性の流出が激しいですけれども、どのようなものを県に期待をし、あるいはこういったものがあれば山口県で頑張ろうと思えるとか、そうした意見も今リアルに聞いているところです。だから、そうしたものも踏まえて、施策を再構築していきたいなというふうに思っております。
YAB(山口朝日放送)
今出たですね、アンケートなんですけど、これはすみません、僕は勉強不足で、どういう機会でそういう若い方とか、まあ女性の方になるんですかね。少子化対策、 人口減少に関わってくる皆さんにこう、どういう形でアンケートする機会があって、今、知事のところに届いている声っていうのは、どんなものがあるか、もしあれば少し聞かせてもらえますでしょうか。
知事
これは今、まさに部局でやっているので、私はまた改めて、整ったところで聞きたいと思います。これはウェブによるものと、あとは個別にヒアリングみたいなものもやっていて、生の声を単にアンケートで〇×(まるばつ)みたいな話だけではなくて、もう少し生の声を聴くということも丁寧にやっていこうということで、そうした中で、順次ヒアリング等も進めております。 今の段階で断片的にこれとは言えないところありますけど、またそれはこれから予算の編成を考えていく中で、部局の方でも一通り終わったところでよく整理をして、施策に反映させていくということを行っていくと、そういった流れで進めております。
YAB(山口朝日放送)
なかなかちょっと具体的な話がないと、ちょっとイメージしづらい部分も視聴者の皆さまあるのかなと思うんですけど、今後、これまでの取り組みも踏まえて、予算がちょっと不透明なところもあると思うんですけど、具体的にこういうことができたらいいんじゃないかな、こういう施策がありなんじゃないかなみたいなものは、何か知事の中で思い描いているものはございますでしょうか。
知事
結婚、妊娠、それぞれのステップでもあります。あと子育ての部分です。これは、児童手当ですとか、保育士の配置基準の充実ですとか、そうしたことを国の方でも進められているので、これはこれでしっかりとやっていくものが必要だと思います。われわれが得意とするというか、より適したわれわれがやるべきだと思うのは、きめ細かな支援というか、実際のそのニーズに合った形で寄り添うような支援というところが必要だと思います。
例えば、山口県でもネウボラ、やまぐち版ネウボラというのは 母子保健とか、いろんな相談とかについてできるだけ身近なところで専門の方を配置をして、きめ細かくサポートするということを取り組んで、これかなり充実した仕組みを山口県内で作っています。それ自身も相談される方々にとっては、非常に子育てにおいての安心材料になっていると思います。そうしたものは国ではなかなか難しくて、やっぱり現実に県と、あと市町の非常に協力もしていただきながら、実際にその寄り添ったサービスというところが充実してきていると思います。 そうした形で、いわゆるその現金給付的な部分と現物と言いますか、本当に子育てに寄り添った形でのサポート、具体的なサポート、そうしたところをうまく組み合わせていかなければいけないと思います。
県としては、そうしたものを全体を見ながら、県の中でさらに進めていかなければいけないこと、市町の対応との兼ね合いも考えながら、しっかりと検討していきたいと思います。
いずれにしても、あらゆる部分について、充実していかなければいけないというふうには思います。そうしなければ効果が上がらない施策でありますので。ただ、そういった中で、予算をどの部分に注力していくのかということは、これから予算編成の中で、先ほど言ったような、実際に子育て世代等の声も踏まえながら考えていきたいと思っています。
YAB(山口朝日放送)
すみません。まあ、その何か一つでは難しいというところがあって、今日の冒頭でも何か一つのことで一発逆転ホームランということは難しいという話が出たんですけど、野球の試合に例えるならどういうふうに試合を進めていきたいでしょうか。
知事
言ってみれば、子育てって、本当を言えばその子育て世代だけの話じゃなくて、もう1個のテーマである若者とかの県外流出とかも大問題なんですよね。これ基本的に若い人たちをしっかりと山口県に留めていくという施策も、もっと広く捉えればやっていかなければいけないんですよね。
なので、少子化対策というのは、結婚したり、妊娠・出産・子育てする人だけに焦点を当てて、本当はそれだけでは十分な効果が上がらなくて、もっと広く山口県の経済が将来にわたって大きく伸びていく、だから山口県で頑張ろうと思って、山口県に留まっていこうという人たちが増えていく。こうしたことがベースとしては非常に必要なのです。そういったことも含めて人口減少対策ですので、今回、柱としては、少子化対策とそれから若者、女性とか定住とかということを意識したものも言っていますけど、これ全部、最終的に人口減少につながる話なのです。そこまで射程をしっかり広げてやっていくことが、重要だと思います。
そういった意味では、野球に例えたら、全員野球というか、一人一人、もうどれもおろそかにできない、全員がきちんとした役割を果たして、初めて勝利に結びつくということだと思いますし、特定の回だけではなくて、しっかりと1回からきちんとプレイしていくっていうことで初めて結果に結びつくと、そういう非常に難しい、大事だけど難しい分野だと思います。
日本経済新聞
産業振興について3点ほどお伺いします。まず一点目なんですけれども、社会減対策の中にもあるんですけれども、かなり山口県って雇用の場としては、比較的優良な企業も揃っていますし、去年、企業誘致でもかなり成果が出ていると思うのですけれども、にもかからず、なかなかその若者の流出が止まらないというのは、どの辺に原因があるというふうにお考えですか。まず一点目。
知事
この流出自体は、山口県に限らず、これは全国共通の課題です。やはり、もう東京一極集中というところで、日本全体、日本の地方全体の皆さん苦しんでいるわけです。山口県くらいの規模の県で人口が減っていない県ってないわけでありまして、それぞれ魅力があったり、ポテンシャルがあっても、なかなかそれで人口減少、人口流出が食いとどまるかっていうと、そうなってないというところがまずベースとしてあると思います。
そうした中で山口県の企業が持っているポテンシャルであったり、発展可能性、そして山口県という場所が持っている優位性というのは、私は非常に強いものがあると思っています。 昨日も日立ハイテクの半導体製造装置の製造拠点の立地がいろいろと検討がある中で下松に決めていただきました。これは、もともと下松で事業されているというのもありますけれども、やはり、さまざまな立地環境の良さであったり、最近は、広島ですとか、熊本のTSMCですとか、周辺に提供できる場所もニーズも半導体の関係ではニーズもある。非常にそういった意味では、両方に対して供給できる非常にいい場所だということを、昨日、日立ハイテクの社長様が言われていましたけれども、そういう優位性もあるというふうに思うのですね。そういった意味で言うと、非常にこれからの発展可能性の産業面ではあると思っています。そこをしっかりと若い人達に伝えていく、認識をしてもらうということが重要なのだとろうと思います。
もちろん地元でずっといて就職する人もそうですし、いったん県外に出た方々に対して、ここはなかなかリーチしづらいところなのですけれども、いったん県外の大学が出た方に山口県の企業のことをどのように知ってもらうのかということ、このことは非常に難しいですけれども、ここもしっかりと射程範囲にして、やっていかなければいけないと思います。
日本経済新聞
分かりました。あと、まあ関連してなんですけど、昨日、日立ハイテクもかなり人を取ってくるのは大変だっていうふうなことをおっしゃっていたと思うんですけれども、かなり半導体の人材を育成するというふうにあって、半導体人材が確実に取れるということになれば、かなり企業誘致についても有利になってくると思うのですけど、まあ半導体人材っていうのは、例えばまあ山口大学なり高専なりと組んで、この人材育成について官民連携する、産学官が連携するといった形で人材育成をこうやっていこうと、そういうお考えはありますでしょうか。
知事
企業のニーズに合った人材育成をしていこうということは、大きな方針としてありまして、「大学リーグやまぐち」という、県内の大学が連携をして、県内へのまず進学、それから県内の就職、こうしたことにしっかりとつなげていこうという取り組みをしています。そうした枠組みもある中で、特に、出口の方ですよね、出て行って、しっかりと山口県内の企業に就職をしてもらおうということ、これの取り組みの一つは、「大学リーグやまぐち」と連携して県内の企業をしっかりと紹介をしていくですとか、そうした場も設けてやっているわけですけれども、そこからさらに進んで人材育成というところまで見直しをしていくというところも、当然重要な視点だと思います。
これは大学でも話をしますけれども、大学の方もそこの意識はありまして、やはり県内の企業が求めるニーズに合った人材、山口に留まって山口で頑張っていく、貢献をしていく、そうした人材を育てていくように見直しをしていなければいけないと、そうした認識を持ちながら、いろんな修正というか、プログラムの充実を図っているところですので、そうした部分、これからまた企業の方とそれから大学の方と、県としてはそこをしっかり繋ぐという役割も果たしていきながら、進学から就職のところを、しっかりと県内の企業につながっていくように取り組んでいきたいと思います。
日本経済新聞
特に今、半導体人材に絞ってみたいなことは、今のところは考えてないという感じでしょうか。
知事
半導体人材というのは、いろんな部分あるのだと思うのですね、スキルはですね。まあその中で、これは一方で半導体蓄電池の協議会というのを今年6月、作りました。それは一つ集成を図っていこうってこともそうですけれども、一方でこの分野が求めている人材というのを育てていこうというのもあります。ですので、この協議会の中で、そうした議論も行いながら、それを大学側とか、高専ですとか、そういうところにフィードバックをしてつなげていくという、そうした動きについては、既に協議会を作って始めておりますので、そうした見直しなり、充実につながっていけばと思います。
日本経済新聞
分かりました。では、最後に1点なんですけど。脱炭素に関してなんですけれども、周南のコンビナートに続いて、宇部・山陽小野田のエリアでも少しずつ動き始めたと思うのですけれども、三つのコンビナートの内、二つが動き出したということで、県はこれまでいろいろと脱炭素、コンビナートについていろいろとされたと思います。今、二つ目が動いたということで、これまでの県の取り組みについてはどんな評価をされていますでしょうか。
知事
山口県の場合は、非常に産業部門のCO₂の排出がご案内の通り多くて、その中のかなりの部分がコンビナート企業ということになっています。石炭で発電をしたり、あるいは石炭で熱を得るために石炭を燃やすということが、産業のプロセスの中でかなりしっかりと組み込まれているという構造にある中で、そこを転換していかなければいけないということで、大変大きなチャレンジというか、変革を迫られているわけですね。
そこは企業の方も、その危機感というのは非常に強くあることは、これは企業の方とも話をする中で、私も強く感じております。周南においては、アンモニアのサプライチェーンを作っていこうということ、複数の企業がしっかり話をしながら進めていこうという動き、これも経産省の方からもファーストムーバーと言われているように、全国で他にない、率先した国内初の動きをしているわけですね。それから先般、宇部の方ではアンモニアを使った、混焼して、キルンですね。そこのセメントを作るプロセスの中で、アンモニアの混焼をしていくと、その実証していくということ。これは県の基金の事業でも、支援をして行うということになりました。これも世界初のプロジェクトということでありますけれども、そうしたところを県の事業は後押しをできたというのは、われわれとしても意義があるというふうに感じているところです。
この直面する、今のカーボンニュートラルに対して、大きな変換を、できるだけ県の方が、そこを後押しをするような取り組みというのは、基金についてもそうですし、それら以外のさまざまな国の事業の活用だったり、国の制度の変更だったり、そうしたことを求めていくという部分でもわれわれが果たせる役割が大きいのかなと思っています。これまでもよく話をしながら企業が目指す方向を一緒に共有して、その後押しをしてきましたけれども、これからも県の独自の施策もそうですし、国に対して予算面、あるいは制度面での対応を求めていくこと、このことは、それぞれの企業のニーズも踏まえて、県としても全力でそこはサポートしてやっていきたいと思っています。
防府日報
予算編成方針の財源不足額の件についてお伺いするんですけど、先ほど知事は 政府の異次元の少子化対策で児童手当の増額であるとか、福祉の拡充であるとか、県の負担が増す可能性のある取り組みで、その負担割合が現時点不透明であるということで公表を出さない、その数字は出さないということですけれども、これまず、公表をしないのか、あるいは、そもそもそういう事情があるから今回はそういった算定をしていないのかっていうのはどっちなんでしょうか。
知事
算定していないというのが正直です。
防府日報
算定していないと。
知事
していないと思います。とても説明できる数字になっていないと思います。
防府日報
説明できる数字になっていないと。ただ、この時点で財源不足額が大体どのくらいの規模になるのかっていうのは、その時々の財政情勢を示す上で一つの物差しになるものだと思うんですね。
例えば、感覚的なものでも構わないんですが、こういった国のそういった少子化対策の負担増がなかったとして、昨年で言えば96億円ですか、ということですけれども、これを例えば上回るのか下回るのか、あるいは、数億円規模なのか、数十億円規模なのか、まあときには百億円超えたこともありましたけれども、そういった今時点での財政的な余裕っていう部分で今、どういうふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
財政課長
今ほど議論になった点についてでありますけれども、まさに今、知事からお言葉がありましたように、不確定要因が高いということでありますので、今回財源不足額を発表しないというところに至ったわけであります。あくまで参考でありますけれども、令和5年度の当初予算編成時点、すなわち、今から7、8カ月前、今年の頭の時点で、お出しさせていただいた収支見通しでは、あの頃はコロナ対策の継続実施など前提が全然違いますけれども、49億円の財源不足と見込んでいたところであります。その上で、今のご質問につきましては、知事の答弁と言いますか、答えと重なりますけれども、地方財政収支の仮試算等の中でも、こども未来戦略等を踏まえた財政措置等については極めて不透明な状況となっている中で、私どもとしては、今、それよりも、先ほどお示しいただいた数字よりも上回っているのか、下回っているかというところについても明確なところは申し上げられないというのが現実であります。
予算編成過程において、しっかりと財源・収支を見極めて必要な対策等をとっていきたいということであります。
防府日報
だいたいその辺の理由は分かりましたけれども、行財政改革の話になるんですけれども、この予算編成の中で、その辺の過去に取り組んできたものの継続は必要なのかどうかとかも含めて、再検討、見直しを図っていかれるということなんだと思いますけれども、現時点でですね、知事は先ほど、歳出入のバランスの話もされましたけれども、現時点の県の財政状況というのは、本当に一番厳しかった時と比べて、どういう状況になっているというふうに認識していらっしゃるんでしょうか。
知事
一番厳しかった頃と比べれば、ずいぶんと見直しをしてきましたので、厳しさの度合いは軽減していると思います。然は然りながら今後の財政見通しということで言いますと、今言ったように、特に少子化の大きな弾についての財源、これがもし全く手配されなければ、これは相当厳しいということになると思います。そこが不確定なので、今時点でその先のことについては言えませんけれども、これまでの努力について言うと、かなりギャップにつきましては、徐々に縮小されて、これはこの予算発表の都度都度、財政の改善の状況、収支の構造の状況等については説明してきた通り、徐々に徐々に改善も図られ、基金についても少し余力が出てくるような、目標に近づくような形で持ってこれたと思っておりますので、これまでの努力については一定のと言いますか、然るべき成果を上げてきたと思っております。
ただ、この先のフレームについては不明な中で、今年は予算編成しなくてはいけないという、これはこれでメディアの皆さんも分からないというのは、なかなか不満かもしれませんけど、われわれの方もその分からない中で編成をしなきゃいけないという、一方でそういった事情もあるということもご理解いただければと思います。
防府日報
あと最後にもう1点、そのまあ、お互い多分、分からない状況の中でやっていると思うんですけれども、実際にその施策をこれから検討していく職員の方はですね、もっと分からない状況になっていくんじゃないかなと思いますけれども、重点であげられる施策についてですね、やはり、その国の負担割合によってはできるものできないものっていうのが出てくるんじゃないかと思いますけれども、そういった場合にですね、まあ仮定の話になるかもしれませんけれども、そういった多分選択を来年の知事査定とかですね、その辺り迫られるんじゃないかと思いますけれども、そういったときにその知事として、例えばどういったこう視点で采配を振るっていかれるおつもりなんでしょうか。
知事
とりあえずは、今のこの予算編成方針に従って、各部局の方で現状をしっかりと踏まえて、これからやるべきこというのを組み立てて予算を議論していくということをまずスタートさせます。そのうち、いずれ年末になると予算編成の中で地方財政のフレームも固まってきて、山口県というのは財源はこのぐらいになるなと、少子化対策の財源はこれだけまた別に出さなきゃいけないなということがわかってくると、県としてそれまでの間に考えてきた施策に、どれだけの財源を振り向けられるかということは決まってきますので、まあその兼ね合いの中で予定したけれども、これやはり難しいということの取捨選択をしていかなければいけないことになると思います。
当然それはどれだけの財源があって、どれだけの弾があるのかということの兼ね合いによりますので、その時において然るべき判断をしていくということになると思いますが、一つは効果の大きいものですとか、喫緊のものですとか、いくつか優先順位をつけてやっていかなければいけないということだと思います。上がってくるのはどれも必要性がないかといわれれば、多分あるものばかりですので、まず急ぐものとか、効果を上げるのに期待できるものですとか、そうしたものを一つ一つ精査をしていくということになるだろうと思います。
朝日新聞
明後日、知事は広島の方でですね、JR西日本の方に訪問されるということについて、ちょっといくつか質問させていただきたいと思います。JR美祢線の被災についての質問なんですが、まず1点目として、厚狭川の改修に関連して、知事は抜本的な河川改修をこれまで表明されていると思うんですが、具体的にはどんな改修をされる計画なのかっていうのが一つと、それは明後日ですね、26日にJR西日本に提示されるご予定があるのかという2点についてお答えください。
知事
厚狭川全体の河川の改修の計画、これはわれわれ早急にやっていかなければいけないものとして、検討を重ねてまいりました。それがまとまってきたので、その説明をするということが目的です。
これは、厚狭川の再度災害防止というか、この度のような雨が降っても、あるいは平成22年に降った時の大雨、その時も被害があったわけですけれども、その時のような雨が降っても、河川から越水しないように、そうした抜本的な対策を講じることにしております。それの具体的なものをJRにも示していき、そうした中でわれわれとしては早期の復旧の方針決定を行っていただきたいと、そうしたことを求めていきたいと思います。
朝日新聞
その改修というのはですね、具体的に言いますとJRのレールとかですね、信号とか、そういった設備を移動しないといけなくなるなどですね、こうJRの方に対して新たな負担が発生するような可能性はあるんでしょうか?
知事
橋の部分については、そこの川幅がどうなるのかというところについては、お示しをすることになると思います。それ以外のところについての影響というのはあるのですか。
河川課長
今、知事の方からも説明をさせていただきましたけれども、橋の部分については26日の方に説明をさせていただきたいと思っています。で、それ以外の施設については、今、検討段階では大規模に移設しないといけないとか、そういうようなものにはならないというふうに考えております。
KRY(山口放送)
すみません、人口減少のことで、まず、一大要素の若者の県外流出なんですけれども、これまあ、県内高校に限るとですね、進学校にはですね、昔では考えられなかったような手厚い受験対策とかですね、受験に向けた授業とかですね、まあ上位層をいわゆる自動的に県外大学に向かわせるシステムがもうあるんですよね。昔とは違って。こういう子たちの親たちも山口県を出て東京に行ってこいとか、世界を見てこいとかっていう親もいるんじゃないかなと思うんですけれども、その中で知事は言いにくいかもしれませんが、若者の県外流出って本当に止めないといけないものなのかどうなのか、それについてどう考えですか。
知事
いずれしても本人の選択を、強制的に捻じ曲げるということはできないものだと思うんですね。県内の大学に行ってほしい、これは県内の大学を設置運営している人たちはみんな思っていることで、だからこそ「大学リーグやまぐち」というのを作って、県内大学の魅力を高めていきましょう、それをしっかり発信していきましょうということ。まあこれはこれでいい取り組みだと思うのです。自分たちで魅力を上げてぜひうちに来てくださいと、それが魅力的に映れば当然そういう選択をするでしょうから、それはぜひ進めていくべきだと思います。それは強制であってはいけませんし、まあ、強制しようもないことだと思います。
それから、あとはやっぱり県外に出ていくというのは、これは山口に限らず、どこの県でも同じだと思います。進学の時に都市部の、東京等の大学に出ていくのが多い。それが流出超過の大きな要因になっているというのは、構造的に山口に限らず全国もそうだと思います。これは一概に悪いというかというと、悪いものでは私はないと思います。もちろん人口減少という意味ではもちろん減りますけれども、それはしかし、それがその最終的な行き先ではなくて、そこから先にやはり山口県に帰ってもらうという選択肢をわれわれはしっかりと用意をして、それをしっかりと届くようにしていくということが重要なのだろうと思います。
そうした中で、しっかりと山口県への還流というか、そうしたものが必要だと思いますし、さらに言うと、どんどんと雇用も流動化していますから、単に新卒だけじゃなくて中途採用というか、一旦東京の企業で頑張っていろんなスキルやノウハウ、ネットワークを身につけて、しかしそれでまた山口に帰ってきて頑張りたいというところの間口もわれわれ広くしていかなければいけないと思っています。なので、そういったところの各それぞれの対象、ターゲットを決めて、それに応じた施策なりの組み立てなり、アピールの仕方っていうのをしていかなければいけないというふうに思います。
県庁の1階でもテレワークも非常に多くの方が利用されていますけれども、あれなんかは、本当に会社辞めなくても、山口に住むとこだけ移して、山口で子育てとか、親の世話とかしたいという方たちというのがこうどんどんと増えているというのがあります。雇用の形とか、その働く場所と住む場所を分けれるですとか、そうしたいろんなそのあり方といいますか、今の形というのは多様化していますので、そうしたものをしっかりと、山口県の中でも引っ張ってこれるような、そういう施策というのも、今の社会、あるいは働き方の変化に合わせて組み立てていかなければいけないと思います。
KRY(山口放送)
よく県外流出のことは語られるんですけれども、県内の高校とか専門学校を卒業して、そのまま県内に就職される10代20代の方もたくさんいらっしゃると思うんです。その方達への手厚い支援とかっていうのはあまり聞いたことがないなと、あるのかもしれないですが、そういう方達を何か支援するようなものってあるんでしょうか。
知事
もちろん、県内の企業の方で求められているいろんなスキルとか、そうした資格とか、そうしたものを持って就職をするというところが、非常に就職活動においても有利だし、勤めた後にも意義があるということもあると思います。例えば高校の授業でもいろんな資格を取るものを県としてより受けやすくする、例えば1人1台タブレット配布をしてますけれども、これで例えば危険物取扱者の試験の講座を一つの学校ではできないけれども、全県対象にして希望のある人には一斉に配信をしてその授業をするとか、そうしたことも行っているのですね。なので、何も、その進学する人とか、県内の就職する人について何もしてないということではなくて、それはやはりその方々に対してもいろんな技術が身につけられるようなサポートというのはやったりもしておりますので、まあそうしたものもさらに充実ももちろん必要だというふうに思います。
また、いろんな情報提供ですよね。県内の企業の情報というものもしっかりと、高校卒業して、例えば就職する方でもできるだけ県内の方の企業のことも知ってもらい、そちらへの就職を促していければなと思います。これも何度も言いますが、強制ではなくて、きちんとした情報を伝えて、そうした中で主体的に選択してもらう中で結果的に山口県が選ばれるような形が理想的だと思います。
KRY(山口放送)
最後に、これ関係するかどうかわかりませんが、若者は興味があるのかなと思うんですけど、つい最近、都道府県魅力度ランキングっていうのが出まして、調べると、前回43位が42位だったんですかね、今回。これ、いろいろ評価が分かれるようですけれども、まあ若者にとっても魅力度が高い方がいいのかな、なんて思うんですよ。いかがでしょうか。
知事
これは非常に山口県の本来持っている魅力からすると、ずいぶんと低い評価だなと、常に私もじくじたる思いがあります。もっと本当は高い評価を得てもいいはずだというふうに思います。これも評価の仕方いろいろあって、いろんな議論もあるんですけれども。一方で、例えば移住とかについて言うと、移住の関心度のランキングは、そういったマッチングを専門にやっている事業者の評価ですと山口県が3位とか4位とか、そういうところの評価を得ているわけなんですね。移住希望地関心度ランキングというところでは。そういった切り口では魅力があるというところでは評価も得ていますので、いろんな見え方があるだろうと思います。
ただ、山口県の魅力、これは、われわれ今観光でもさらに力を入れてやっていこうと思っていますけれども、素晴らしい豊かな自然があり、温泉も各地にあり、本当に住んでも、実際訪れてもいいところだというところは私は大変自信を持っておりますので、ここをしっかりともっと認知度が広がるように頑張っていきたいと思います。
山口新聞
LGBTの関係でちょっと何点かお伺いしますが、さっき質問で知事おっしゃったそのワーキンググループ、7月でしたか設置されてます。で、これ今、具体的にその進捗状況というのを、知事ご自身どのように聞かれているのかっていうことと、それから、これについても延々と議論していくんじゃなくて、どっか適切な期間を設け、その議論の取りまとめっていうのをすべき時期が来るんじゃないかなと思うんですが、それを、期間の設定っていうのを見通しをどのようにまず考えられているのか、お聞かせいただけますか。
知事
ワーキングの方では、今、途中段階で聞いているのは、例えば職場でのLGBT等の方への配慮等をまとめたハンドブックの作成とか、専門家による相談窓口の設置とか、そうした新たな取り組みについての検討を行っているということですね。それから、われわれ県の方も事業主ということで、県職員に対する研修の充実とか相談窓口の設置とか、そうした就業環境の整備についても議論を進めているということです。
パートナーシップ制度についてもワーキングの中で、他の県の事例とかも調べながら検討されているというふうに承知をしておりますので、一定の整理をした上で、またそれについては報告が上がってきてどうするかということを決めていくことになるんだろうなと思います。
今時点でスケジュール感というのは持っておりませんけれども、ワーキングの議論をよく聞いて、また庁内で議論をしていきたいと思います。
山口新聞
それで、そのパートナーシップ制度の導入についてなんですけれども、さっき冒頭の質問にもありましたが、昨日当事者の方が来られたり、県弁護士会の方が要望して来られてますけれども、中国5県を見渡しても、すでに県として導入しているところもあります。山口県として、制度の導入をするにあたって、何が課題になっていたり、まあ障壁にもしなっているものがあるのであれば、そのあたりをちょっとお聞かせいただけますか。
知事
ここもワーキングの検討を待って、私としても考えていきたいと思います。現時点において何か予断を持って判断しているわけではなく、他県の事例だったり、さまざまな関係者の声ですとか、そうしたことを踏まえて、どのような仕組みを検討すべきなのかということをよく議論していきたいと思います。
山口新聞
それで、昨日来られた当事者の方は、今年、山口市で5月にパレード行われましたけれども、来年度もし開催をするのであれば、知事ご自身にもお声掛けをして出席をお願いしたいというふうにおっしゃっていました。知事ご自身、そういうお声かけがあった場合、参加されたりするお考えありますか。
知事
声かけされてから考えるべきことだと思いますけども、ただやはりいろんな市民のいろんな活動と言いますか、パレードですとか、そうしたところについてはどういったテーマであっても、私は今まで参加したことがないので、そういったところに自分から入っていくってことはあまり考えたことはないですね。いろんな声は、県内の声は幅広く聴いて、総合的に判断をする立場にあると思っております。
山口新聞
それからちょっと関連してなんですけれども、あのこの数週間、私もここに着任して、いろんな会議を拝見しているんですが、その会議の中でいくつかその委員の方がおっしゃっている中に、県のいろいろ計画を策定する中で、その県民にまあ調査をしたり、アンケートをする場面というのがあると思うんですけれども、そこのその性別の記載欄の必要性について、割と指摘をされるお声が、この3週間ほど私が聞いててもありました。
統計上、性別男女を取る必要ももちろん状況によってはあるんだと思うんですけれども、その調査の性質によっては、必ずしも性別を書く必要がないものもまああるんだろうなと思うんです。実際、その現場の方の声では、例えば学校現場だったら、その男性か女性かを書くところにこうためらいを持つような児童生徒もいるっていうふうな、教員の方の意見もあったりしてですね。県としていろんなアンケートをこれからも取っていくんだと思うんですけれども、そうした、全庁的に、その機械的に仮に男性女性という項目を設けているのであれば、そこを見直すとか、そういった何か取り組みを今後進めていくとか思いっていうのはございますか。
知事
そうした問題意識を持っておく必要があると思います。一方で、どういった層がどう思っているかというところの細かな分類をしていく上で、男女ですとか年齢別ですとか、まあそういったものというのが意味がある場合もありますので、端的に子育てとかだとやっぱり男女の意識の違いというのはありますから、そこを一緒にするとわけが分からなくなるというか、データとして、それを見て何を判断すべきかというところの材料が非常に多くの要素が失われてしまうということにもなりかねないので、ものによるんだろうというふうには思います。ただ、そうした意識なり、違和感を持たれる方がいらっしゃるということは、頭において考えていかなければいけないっていうことは理解をします。
山口新聞
ごめんなさい、しつこいようですが、まあその機械的にもしそういうものを設けているのであれば、そこを少しちょっと配慮するとか、何か、そういったことを呼び掛けるお考えはありますか。
知事
また、これはワーキングとかの中でもいろんな検討をしてるでしょうから、そうした中でどのような形で問題を捉えて、県としての取り組みとしてもどのようなことを見直すべきなのかというところは、検討の報告が上がってくると思いますので、そうしたところで考えていきたいと思います。
読売新聞
これまでの質疑で重複があったら申し訳ないんですけれども、財政ですね、来年度予算編成について、財政収支が見通せないっておっしゃっていましたが、これ、現状としては不足が見込まれる、不足するという前提をもっていらっしゃるという理解でいいんでしょうか。
知事
基本的には構造的に収支ギャップがある状態ですので、不足というものは定性的にはあると思います。ただ、規模的にはいくらかと示せないということです。
読売新聞
今回も不足になりそうだというふうな前提を持たれているということで。
知事
基本的には私はそう思っています。
読売新聞
すみません、改めてなんですけど、慢性的にやっぱり財源不足になってしまう、今、構造的なものとおっしゃっていましたけど、この主要因っていうのはどういったものがあるでしょうか。そもそも構造的なものなのか、年度ごとの、物価高といったような事情なのか、そのあたりはどういうふうに捉えられていらっしゃるんでしょうか。
知事
地方財政というのが、平成11年ぐらいまでずっと増え続けているのです。国の地方財政計画、私も国で担当していましたけれども、トータルの地方の歳出規模というのはどんどん増え続けて、それとともに財源も地方交付税とか、増やしているのです。それをピークにずっと下がっているわけなのです。だからその間はずっと歳出を減らしてきているのです。その状態がトレンドとしてはずっと続いているということです。
なので、増やしていったような福祉のサービスですとか、例えば同じサービスをやっても高齢化が進んでいけば、さらに同じサービスとしても対象者が増えれば金額が増えていくわけです。一方で財源というのはどんどん削られていくというところで、何を見直していくのかということを、見直しながら歳出の規模をずっと減らしてきているわけです。
だから、この財源が減っていくのに合わせて、歳出も減らせればいいのですが、なかなかそこが追いついてなくて、ギャップが生まれているっていうところです。だからここをしっかりと追いつかせていかなければいけないという状況にあると、長期的にはそういったトレンドの中で、こういう現象が起きているということです。
読売新聞
だから今回の場合なんか、今言った物価高とかですね、何らかの突発的な外的要因による不足が見込まれるというわけではないということですか。
知事
それはそれであるのかもしれません。あるのかもしれませんというか、一時的な要素はもちろんあると思いますが、われわれが問題にしているのは、一時的な要素であればその年だけ基金を崩して、来年はその問題が解決されればそれはそれで終わりとなるのですけれども、構造的に問題があるので、構造自体を変えていかなければいけないというのが財政構造改革なので。基本的にはベースとなる構造、収支が均衡する形には持っていこうという取り組みを、これから先どの程度しなければいけないかというところをよく見ていくということです。
読売新聞
歳出の削減っていうところですけれども、私みたいに素人考えだと、今まさにAIの活用とかですね、デジタル的な部分の活用によって削減できるような部分がある程度あるのじゃないのか、あるんじゃないのかなとか考えてしまうんですけれども、なんかそのあたり具体例とかってあったりしますか。
知事
そうですね、今はもう実際にAIの活用等は、庁内に検討チームを作り、デジタル推進局に検討チームを作ってその活用を図っていこうとしています。これは一つは効率化を図ること、もう一つはサービス水準を上げること、その両方を得たいと思ってやっています。
そうしたことをやりながら、もう少し広く、デジタルとかも使って全般的に業務を効率化したり、生産性を上げていこうということは、実は今、若手の職員、若手に限らないのですけれど、職員の提案を求めております。これで、今どんどんと(提案が)上がってきております。特に若い職員がどんどんと提案してきてくれているのは嬉しいのですけれども、それをできるものからどんどんと実行していきたいと思っています。またそれはいずれお示しをできる時は来ると思いますけれども、そうしたAIも始めですけれども、デジタル化の進歩によって、大きく、今までやっていたものを非常に短時間でできたり、少ない労力でできたり、その上で成果がさらに上がったりということがいろんな分野についてありますので、そうしたものをできるだけうまく取り込んでいく、そうした観点での見直しをすることにしています。
読売新聞
まだ具体的な段階までには至っていないけれども、将来的に見込んでいる部分がある、見込めるというふうに捉えられているということですか。
知事
そうですね。できるものはすぐにやっていきたいと思っていますので、またいずれそうした取り組み、たちまちやるものと、それから少し時間かけてやるものと分かれるかもしれませんけれども、お示しできるのではないかと思います。
読売新聞
すみません、ちょっと予算の方で。今回は人口減、特に重点を置かれてますけど、これはどれくらいの予算を割くのかというか、規模感というのはどのくらいを見込んでいらっしゃいますか。
知事
規模感というのは今のところはないです。これはやはり予算の、具体的に部局の中でそこにしっかりとどういった事業をやろう、そのための財源がこれだけいるというところを積み上げていく話になってくるので、今の段階でその規模をこれだけにしましょうということは考えていないです。
読売新聞
ごめんなさい、これ最後、確認で。人口減ですね、推計より早く進んでいるっていうことですけれども、特に主要因としてはやっぱり若者、県外に流出等されているという考えでいいんでしょうか。
知事
自然減と、それから社会減という、いわゆる転入転出の部分があります。それぞれ細かく見ていくといろいろあるのですけれども、実は、社会減についてはかなり改善をしてきてはいるのです。特に移住者も4、5年前と比べると倍に増えていたりとかしますので、そういった意味ではいろんな努力も実ってきてはおりますけれども、全体的には、逆転しているのかというと、それはやはり転出超過なんです。
これは、いい方向にどんどんと、この数年改善はしてきておりますけれども、一方でコロナが「5類」に変更になって、また人の動きが元に戻ってくる中で、またさらに東京23区への集中というのが全体のトレンドとしては増えてきておりますので、ここをしっかり元のトレンドを維持し、強化をするということは、どれだけできるかということを追求していかなければいけないと思います。
少子化の方は、やはりどんどんと当然、若い世代が減っていくので、生まれてくる子どもの数は減っていくという見立てをこれまでも推計でしておりますけれども、それがさらに加速しているということです。これは山口県に限らず全国もそうですけれども、子どもの数が減っていくというのが、減り方が早まっているということがあります。
ですので、政府としても危機感を持って今食い止めなければということをやっているわけです。これは山口県においても同じでありまして、この危機感のもとで、今しっかりと食い止めるために何ができるかということを、全力で考えていかなければいけないと思っています。
読売新聞
たぶんこれ最初ら辺の質問に被っちゃうと思うんですけれど、今、おっしゃったようにいろいろと要因はあると思うんですけれども、特にテコ入れしなくちゃいけない部分をどこというふうに捉えられてるっていうところはいかがですか。
知事
それをやれば全てというわけではもちろんないですから、いろんなことをやっていかなければいけないのだと思います。少子化については一つの観点は、やはりその希望する子どもの、持ちたいと思っている人が持てない環境、どこにそれはネックがあるのか。結婚とか子育てとかいったところであるのだと思いますけれども、そうしたことを一つ一つ取り除いていって、希望が叶うような、子育てについて希望が叶うような、そうした状態を県全体で作り上げていくということ、それがまず重要だと思います。それから県外流出の件は、いろんな若い人の意見も聞きながらやっていきますけれど、その中で県ができることということで全力を挙げていく。産業の活性化ですとか、魅力的な暮らしの環境整備ですとか、そうしたこと、そしてしっかりとそれを、魅力を届けていくということですね。
そういったところで、今の皆さんの問題意識なり、これが欲しいというとこにあったものを、いかに届けられるかといいうところが重要だと思いますので、これは先ほども言いましたように、今まさに当事者の意見等を聞いておりますので、これに合った形で、まさに必要とされる施策を組んでいくということに注力をしていきたいと思います。
中国新聞
LGBTのことに関してなんですけれども、昨日提出された要望書の中に、下関でずっと暮らしたいけれども、パートナーシップ制度がないから他県へ移るか迷っているという声もあったり、あと実際に県外へ移ったっていう声もあったんですけれども、来年度、人口減少対策に重点を置くっていうことなんですけれども、そういった声を踏まえて、そういった声に対して知事はどう受け止めていらっしゃいますか。
知事
人口減ということとそのまま結びつけて議論するかどうかというのは、このパートナーシップの話は、それはそれとして、やはり生きづらさとか、そういったところに対してどれだけ寄り添えるのかということなのだと思うのです。その結果がまた人口の増減となってくるのかもしれませんけれども、人口を減らさないようにこうしようということは、また違う観点で考えなくてはいけないのかなというふうに思います。
いずれにしても、そうした生きづらいとか、そうした声に対して、どのように県として取り組みができるのか、すべきなのかということは、庁内でしっかりと検討して、また県としての取り組みはよく整理をしていきたいと思います。
中国新聞
あともう1点、先月県庁であった自殺対策協議会で県内の自殺者数に占める女性と若者の割合がコロナ禍以降高止まりしていて、今年もその傾向が続いているっていうことなんですけれども、知事としてその受け止めと理由をどう考えていらっしゃるかお聞かせください。
知事
データについて今すぐに分からないのですけれども、いずれにしてもさまざまな生きづらさとか困難に直面をして、自死ということを選ばれているということなのだろうと思います。いろんな社会の中で問題があるところ、本当に困難な状況にいらっしゃる方々について、そこにしっかりとしたサポートというのを、社会全体でしていかなければいけないと思います。もちろん県も、特に市町の方とも連携が重要になってくると思いますけれども、さまざまなきめ細かなサポートなりサービスなり、そうしたことを行っていくということを一層やっていかなければいけないというふうに思います。
※広報広聴課編集
[ ]の箇所は当課で修正しています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課