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知事記者会見録・令和5年4月25日実施分
日時 令和5年(2023年)4月25日(火曜日)
11時00分~11時48分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
知事
本日、私からは、「県内就職促進月間」の取組について、ご説明させていただきます。
本年も、6月1日からハローワークにおける来春の高校・中学校卒業予定者の求人申込みが開始されます。
これに先立ちまして、例年5月を「県内就職促進月間」としまして、県、山口労働局、県教育委員会が連携して、県内企業や経済団体等に対しまして、新卒予定者の県内就職・定着の促進等についての要請を行っており、今年度も実施することといたしました。
新卒予定者等の県内就職・定着の促進についての要請のほか、これからの成長の原動力となる人材の育成・確保、テレワーク等の「新しい働き方」の実践・定着などの働き方改革の更なる推進や、女性、シニアなど多様な人材の活躍促進についても要請を行ってまいります。
なお、ここ3年間、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、WEB会議による要請としてきたところですが、今年度は来月8日に私も久しぶりに県内企業2社を訪問して、要請することとしています。その他の約2,000社に対しても文書送付により要請していきたいと考えています。
私からは以上です。
NHK
よろしくお願いします。まず選挙について伺います。先日の知事会見の後にですね、県議会議員選挙と、それから衆議院2区と4区の補欠選挙が終わりました。結果について受け止めをお願いしたいのと、また選挙戦で示された民意をですね、今後の県政運営にどう反映させるか教えてください。
知事
そうですね。それぞれ県議会議員選挙、また衆議院の補欠選挙がございました。それぞれの地域において、有権者の判断が示されたものだというふうに受け止めております。これから、また県議会も開かれてまいります。それぞれ地域から選出をされました議員の皆さんと、地域の抱えている課題、それから今後の向かうべき方向性についてしっかりと議論をして成果をあげていく。そうした県政を、共に作り上げていければと思っております。
NHK
ありがとうございます。選挙に関連してなんですが、和歌山市で選挙の応援に訪れていた岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれる事件もありました。政治家の街頭演説と警察による警備体制、今後どのようにしたらよいとお考えでしょうか。
知事
そうですね、大変私自身も驚きました。安倍元総理の事件があってまだ間もないこの時期において、同じように選挙活動中において、暴力によりまして、こうした事件が起きてきているということを大変危惧をしておりますし、こうした暴挙が行われること、これは絶対に許されるものではありませんし、断固として非難をしたいと思っております。
これはなかなか難しい問題でありまして、やはり選挙というのは民主主義の一番重要なプロセスでありますし、その中で候補者が直接思いを有権者に訴えていく、こういうところにおいてやはり大勢の方に接して、直接近いところで声を届ける活動をするということは、これは大変重要なものであります。
それと同時にこうしたテロ的な暴力的な行為が行われるということを、そうした中で防いでいかなければいけないと、大変難易度の高い問題であると思います。警察においても、こうしたことにどう対処するのかということを真剣に検討もされて、体制も整えられていることと思いますけれども、ぜひ、こうしたまさに民主主義の根幹であります選挙、これが安全に行われるように、特に安全面での確保、このことについてはさらに今回のことも踏まえて、よりレベルアップをしていただきたいと思っております。
これを通じて、選挙活動等が萎縮することはないようにということは、ぜひ守っていかなければいけないだろうというふうに思っています。
NHK
ありがとうございます。話題変わりまして新型コロナウイルスについて伺います。新型コロナウイルスの(感染症法上の)5類への移行が大型連休明けに迫っております。今回の5類移行に伴って変わるものがあればぜひ教えていただきたいのと、あと、円滑な移行のために県として取り組んでいることがあれば紹介いただけないでしょうか。
知事
はい。もちろん5類に移行された後も、しっかりと新型コロナウイルスから県民の皆さんの命と健康、これをしっかりと守り抜いていく、このことは変わらない方針であります。そのために5類移行後も、しっかりとした体制を整えていくということを、県としても責任を持ってやっていかなければいけないと思っております。その中で、また近いうちに本部員会議(「新型コロナウイルス感染症対策本部」本部員会議)も開き、5類変更後の対応について方針も決めていきたいというふうに思っております。
いずれにいたしましても、今後、感染症対策については自主的な感染症対策がベースとなってまいりますけれども、県民の皆さんに不安、混乱が生じることがないように円滑に移行していくということが大変重要だと思っております。そのため、これまで医療機関等とも協議を重ねてまいりました。他の疾病と同様に幅広い医療機関で安心して受診ができますように、現在の受け入れ医療機関に加えて、新たな医療機関の参画も促して、一般の病床を中心とした受け入れ体制を確保していく、そうしたことなど、感染が増えても十分に対応できる、そうした体制を整備していくことにしております。そうしたことを通じまして、安心がしっかりと守れるような体制を整えていきたいと思っております。
NHK
ありがとうございます。また話題変わりまして、対話型AIのチャットGPTについて伺いたいんですが。国や地方自治体で活用を巡って対応が分かれています。山口県庁内での活用の可能性についてどうお考えでしょうか。
知事
はい。まさにチャットGPTのこと、そうした生成系のAIというふうに言われるものですけれども、これが登場して以降、地殻変動のようなものが起きているというふうに受け止めております。
行政面での活用について言いますと、さまざまな効率化を図っていくとか、地域の課題を解決をしていく、それから、新しいサービスを作っていく、さまざまに生かしていける、そうした大きな可能性を持っていると思っております。その一方で、情報についての正確性とか、あるいは個人情報とか機密情報をそこに入れることについてのリスク、そうした情報管理面の課題、また倫理的な課題、そうした多くの課題もあるところであります。
そうは言いましても、人類とこのAIというものと、これから切っても切れない関係だろうと思います。ずっと向き合い続けていかなければいけないものだというふうに思っておりますし、そうだからこそ、今、国際的なルール作りというものも急務になっているというふうに受け止めております。
私も県の行政を考えていく上で、県庁といたしましても、AIの持ついろんなリスクを排除をしながら、一方でAIの利点を最大限に活用していく、そのための方策とか、あるいはスキルの獲得、このことをいち早く始めていきたいと考えております。
そのために県庁のデジタル推進局に「AI活用検討チーム」、これを立ち上げることといたしました。このAIの活用につきまして、このチームにおきまして、さまざまなAI活用についての情報収集とか、庁内への情報の提供、それから、活用のルールとか、ガイドライン作り、そしてまたAIが持つ、さまざまなリスクをなくすためのシステム的な対応、こうしたことについて検討していきたいというふうに考えております。
そうはいっても、もうすでにサービスとして存在をしておりますので、当面のルールを作りました。これを、今日デジタル推進局の方から、職員に示しております。
それは、また後で事務方からも聞いてもらえればと思いますが、例えば利用の例としては、対話形式による効率的な情報収集とか、業務上の論点とか課題等の洗い出し、そうした利用、あるいは公開情報の要約、そうしたことに使えるだろうということで利用例を示しながら、その一方で、利用に係る当面の留意事項、利用ルールということとしては、大きく3点(あります)。一つは入力する情報は公開情報に限るということ。それから得られた情報、これは、不正確なこともありますので、根拠とか正確性[正当性]、これをしっかりと確認をしてから活用していくということ。それから3点目は、得られた情報というのは内部検討のみに使用することとして、対外的な公表資料とか外部への説明や回答等には使わない、そうしたことを定めました。当面、このルールのもとで運用し、またさまざまな活用についてもわれわれも学び、どういうふうに、どのように使っていけばいいかということを検討していきたいというふうに思っています。
NHK
ありがとうございます。細かい確認なんですが、「AI活用検討チーム」は立ち上げる日付ですとか、体制については決まっていますでしょうか。
知事
まだ日付は決まっていませんが、できるだけ早く立ち上げたいというふうに思います。速やかに立ち上げていきたいと思います。デジタル推進局中心でありますけれども、各部局それぞれ扱っている分野も違いますので、各(部)局の方からも参画を得ながら、県庁全体としていろんな情報を幅広く集めて、活用についてその活用の仕方とか気をつけるべき点とか、そうしたことを蓄積をし、また活用のノウハウをできるだけ早く得ていく、獲得していくということに努めていきたいと思います。
YAB(山口朝日放送)
先ほど選挙の話がちょっと出たんですが、県議選も衆議院補選もいずれも投票率という面で見ると、前回を大幅に下回る結果になりましたが、この辺りなかなか下げ止まりというのがなかなか見えてこない中で、この辺り、投票率が別に低いからといって、必ずしも悪いことかって言われたら、そうではないのかもしれないですけど、知事はこの現状をどうご覧になっていますか。
知事
そうですね。投票率は非常に低いというところは、事実だというふうに受け止めております。県議選においても、過去最低の投票率であったということでありますし、今回衆議院の補選は、特に補欠選挙ということもあり、総選挙とはなかなか盛り上がり的には地域も限られるということもあったというふうに思っておりますし、そういった面もあるのかなと思いますが、いずれにしても有権者の意思をしっかりと政治に反映させていくという意味においては、投票率が低いということは、大変残念なことであるというふうに思っております。これは、選挙というのは、それぞれ有権者の皆さんの声を政治、これからの国政になり県政に反映をさせていく大変重要な機会でありますので、投票率が上がるような取り組みというのは、これからも続けていかなければいけないと思っております。もちろん、今回も選挙管理委員会も、特に若い人たちの投票率を上げるということをターゲットに絞って取り組みも進めておりますし、それは本当にしっかり努力していると思いますけれども、もっともっと成果を上げていくという取り組みを、さらに考えて実施していかなければいけないと思います。
YAB(山口朝日放送)
すみません。全くまた違う話になるんですけれども、中国電力のカルテルの件について、競争入札等参加停止措置というのを出されましたが、改めてこの措置をとった意図とか思いについてお聞かせ願いますでしょうか。
知事
はい。そうですね。こうした公正な競争を害する、そうした行為が行われたということは大変遺憾なことであると思いますし、中国電力をはじめ、関係の会社には、こうしたことが二度と起きないように、再発防止をぜひ徹底していただきたいというふうに思います。そのことは、先日、中国電力の社長が来られた際にも、私の方から直接伝えたところです。そういう中で、今回、指名停止の措置というのは、当然ルールに則って、行っているものでございます。中国電力には12カ月、それから関西電力には6カ月の指名停止を行ったところでございます。われわれとしても、こうした厳しい措置を行ったわけでありますが、いずれにしても、今回の件、中国電力、また関西電力も、今回、指名停止の措置を行わせてもらいましたけれども、関係の会社には、今回の件、本当に真剣に反省をし、そしてまた再発防止、このことに組織を挙げて取り組んでいただきたい、そのことを強く思っております。
YAB(山口朝日放送)
そもそもの話になって大変恐縮なんですが、中国電力と関西電力でこういうふうに、一種口裏合わせがあって、こういうことが行われていたっていうところ、どの辺に知事としては、特によくないなというか、悪いことだなって、どの辺りで感じていらっしゃいますでしょうか。
知事
本来、電力というのを自由な競争のもとで、よりよいサービスをより安く提供していく、そうしたことが目指されるべきものであります。これまで、競争については電力、非常に公共的な性格を持っているということで、かなり法制度としても、守られてきた部分があったわけですが、電力自由化ということで、国も大きく制度見直しをしていったわけです。これによって、新電力の参入ですとか、いろんな競争が促されて来て、電力についてのより効率性なり、サービスの向上というものが図られる、そうした環境が整ってきつつあるという状況だと思います。そうした中で、従来のような形で、いわばその地域の中で、競争を排除してやっていくということが行われたということは、大変残念なことであるというふうに思います。従来のものから法律も変わり、ルールも変わっているというところをしっかりと踏まえて、公正な競争のもとに、それぞれの企業が競争していく、切磋琢磨もしていくと、このことをしっかりと踏まえて、競争が行われるべきだというふうに思います。そうした意識なり、スタイルの変換、意識の変換という部分が十分できてなかったのではないかというふうに思います。
YAB(山口朝日放送)
ありがとうございます。
KRY(山口放送)
関連して、カルテルなのですけれども、算定の難しさはあると思うんですけれども、もしカルテルがなかった場合、電気料金はどのぐらい安くなっていたとか、そういう中電(中国電力)側からの説明、もしくは県側の計算等々、ないものでしょうか。
知事
そうですね。そういったご関心をお持ちになられるのは当然だと思います。ただ現実、なかなか算定自体は、非常に難しい面があるというふうに思いますので、やはり、競争が排除されたというところ、その部分は、大変大問題であると思いますので、そこについては、しっかりと中電(中国電力)に対して反省も促し、再発防止をしていただきたいと思いますが、算定そのものは、できればという面もありますけれども、なかなか難しい面があろうかと思います。
KRY(山口放送)
中国電力と本庁舎の電気料金の契約を交わす上で、いわゆる定款などでですね、契約を結ぶ際に不正があった場合、取り消すといったような条項などはないものなのでしょうか。
知事
もちろん、その契約の解除についての条項はありますので、今回の件についても、それを踏まえて対応していくことになります。そういった補足はありますか。
管財課長
契約の解除につきましては、通常、先方の落ち度といいますか、責めに帰すべき事由によって契約に定める義務を履行しない場合というような一般的な条項から、今回のような独占禁止法の第49条のことですが、排除措置命令を受けた場合、そしてその排除措置命令を受けて、抗告訴訟を提起しなかった場合、あるいはその抗告訴訟を取り下げたり、この訴訟が原告敗訴に終わった場合について、初めてそこで効力を有するといった、契約を解除できるというような具体的な条項もその中に含めております。ただ、今回の契約にあっては、公正取引委員会からの命令を受けたのが、令和5年3月30日ということで、既に契約期間を満了しておりましたので、その契約解除の条項は適用しなかったということでございます。
KRY(山口放送)
私の頭では、ちょっと理解できなかったのですが。
知事
問題となった契約がもうすでに期間が終わっているってことですよね。だから解除するものがもう今さら、問題となった契約の期間は終わっているので、今さら解除できないっていうことだと思うんですね。要するに、新しい契約期間に入っているというか、その期間を過ぎているってことですね。
管財課長
該当のあった契約は期間が満了しておりますので。
KRY(山口放送)
今回、2025年5月まで、現在の契約が3年間、結ばれていると思うんですが、それを現在の契約は該当しないということですね。
管財課長
そういうことです。はい。現契約は該当しません。
KRY(山口放送)
承知しました。細かい話で申し訳ありません。県本庁舎は現在契約していると思うんですが、この1年間で入札できない県の施設数ってどのぐらいになるでしょう。
知事
それは分かりますか。
会計課長
令和5年度ですけど、120施設です。
KRY(山口放送)
ありがとうございます。今後、指名停止したことで、逆に、中国電力が入れなくなり入札不調とかも考えられると思うんですけれども、電気代高騰の恐れとかっていうのも考えられているものでしょうか。
知事
そうですね。契約ができない場合のルールというのが定められていて、必ず最終的に契約ができるような、電力の制度的なルールになっておりますので、契約できないということはないわけであります。
当然、中電(中国電力)が排除されている中での競争ということになってきますので、その影響について、何とも言うのは難しいところはありますけれども、これはもうルールでありますので、きちんとその期間はしっかり排除していくということは、これは行わなければならないことだと思っています。
KRY(山口放送)
あとすいません、あと1点だけ、話変わるんですけれども。先日、下松の日立ハイテク(株式会社日立ハイテク)が半導体製造機器の新工場を増設すると発表されました。新年度予算で成長産業に最大50億円交付する事業というのがありましたけれども、これとの関連性はいかがなんでしょうか。
知事
はい。そうですね、日立ハイテクの新しく工場を作られるということですね、特に半導体分野ということで、成長産業、まさに成長産業であります。そのことを大変嬉しく思っておりますし、事業活動が円滑に立ち上がるようになってもらえればと思います。
今回、今お話ありました新しいその補助金(山口県企業立地促進補助金)、当然これも対象として想定しているものでありますので、その適用については、今まさに検討しているところでございます。
今回の件を含め、半導体とか、これからの成長産業、山口県の経済や雇用をこれから引っ張っていくものとして、どんどんと誘致なり、事業の拡大を図っていければと思っております。そのために今後、また関係の協議会等も立ち上げながら、県全体でさらに推進を図っていきたいと思います。
日本経済新聞
よろしくお願いします。2点お伺いします。チャットGPTと就職促進月間関連ですけど、チャットGPTについては確認なんですけど、これは県の方としては今後基本的には積極的に活用していこうというお考えという理解でよろしいでしょうか。
知事
そうですね。基本的にはいろんなリスクとか、例えば情報が正確かどうかの確認が必要だったりするもの、あとはいろんなインプットするのに、こちらが県の持っている個人情報であったり、機密情報を入れるとその先でどうなるかわからないところがありますので、そこはしっかりコントロールしなければいけないとか、いろんな課題とかリスクもありますけれども、これはどのように排除するかというところをしっかりと、われわれも積み重ねをして、ルールも作っていく。そうしたことを行いながら、AIが持っている優れた利点は最大限生かしていきたいというふうに思っています。
例えば、いろんな情報を収集するにしても、非常に瞬時に膨大な情報を集めてくることがAIはできますし、われわれが気づいていない課題、例えばあるテーマについての課題、県内ではまだ起きてないけれども他の地域でこんな課題が起きているとか、そうした課題も拾い上げていくとか、そうしたところにも使えると思っております。内部の検討のスピードを上げたり、精度を上げていくという意味では非常に力がある部分がありますし、これもさらによりその能力を高めていくのだろうと思います。
非常にそういった意味ではリスクなり怖さもありますけど、そこをうまくコントロールしながら利点を最大限に生かしていく。そうした使い方をこれからまさにこのAIとの付き合いというのは、どこかで終わりじゃなくて、多分これから非常に人類とAIとの密接なつながりというのは、ずっと続いていくのだろうと思います。であれば、いち早くそこをしっかりとコントロールしながら利点を最大限に使っていく、そのための県庁の中でのルール作りであったり、あるいはスキルを高めていくとか、そうしたことにいち早く取り組んでいくべきだろうというふうに思います。そうした意味で今回、検討チームを立ち上げて、そのことを速やかにスタートしていきたいと思っております。
日本経済新聞
一方で鳥取県の平井知事のように、若干、かなり慎重なことをおっしゃる方もいらっしゃるので、その辺の考えについてはいかがお考えでしょうか。
知事
これは、進めていくべき部分と慎重にならなければいけない部分と両方あると思います。慎重にならなければいけない部分というのは、今言ったその情報の正確性ですよね。
それはちゃんと確認しなければ、上がってきた情報というのが本当に正しいものかどうかと、かなり怪しいものも中にあったりします。そこはきちんと見なければいけないという面があります。それから情報の扱いですね。個人情報、機密情報、そうしたものを安易に入れてはいけないというふうに思います。あとは、やっぱり県としての判断とか、あるいは県民、県議会もそうですけれども、県議会や県民に対して、県の考え方を説明していく、そうしたところをそのまま使っていくということは、これは本当に県として責任を持ってやるべき部分を丸投げしているというか、他の主体にやらせているということになりますので、これは無責任なことでもありますし、こうしたところは今やるべきではないというふうに思っていますし、その危うさはあると思っております。
あくまでも現時点では、内部でいろいろと情報把握をするとか、課題を洗い出すとか、そうしたところにおいては非常に有用なものだと思っておりますので、あくまでも県として最終的に判断をしたりしていく、政策を作っていく、そのための補助者としての役割に留めておかなければいけないと思っておりますので、そうしたルールをしっかりと意識しながら、そしていくつかの基本原則、そうしたことを守りながら活用していく、そのことが重要だと思います。
日本経済新聞
雇用にちょっと関連してなんですけれども、先ほど話題に出たように、山口県としては企業誘致はかなりうまくいってると思いますし、有力な企業もともとあるとは思うんですけれど、その一方、なかなか若者の流出に歯止めがかからないということで、雇用の場としてはかなり恵まれてるとは思うんですけれども、そういった若者の流出とか、あとIターンUターン促進のためには、さらにどんなことが必要だというふうにお考えでしょうか。
知事
そうですね。私も知事になりいろんな企業の方々と話し、また今回も、日立ハイテクの新しい立地も決まって、これからも伸びていく産業をどんどん蓄積をさせていきたいし、それができるポテンシャルもあるというふうに思っています。やはり、山口県は立地の面では、いろんな交通アクセス、あるいは災害が少ないとか、いろんな面で多くのメリットを持っていますので、ここはしっかりとアピールをしながら誘致も順調に進めています。
昨年は40件ということで、この30年で最多の誘致件数を実現しましたし、直近でも、今言った日立ハイテクの件も、非常に山口県にとっては、これから県の経済、雇用を引っ張っていく上で大きな進出だというふうに思っております。そうしたところは伸ばしながら、一方でその辺りの情報というのをしっかりと、若者に対して伝えていくということはまだまだやるべきことがたくさんあると思っております。
高校を卒業して、県内に就職をするとか、あるいは大学で県内に卒業してから就職をする。また、一旦県外に出た方が、県内に目を向けて県内の企業に就職をしていく。そうしたことをもっと情報提供なり、企業との関わりというのをもっと密接にさせていきながら、より成果につなげていくことが必要だろうと思っております。その辺りをしっかりとつなぐことができれば、もっともっと県内の定着だったり、あるいはUターンというのも進んでいくだろうというふうに思っておりますので、ここは企業の皆さんにも力を当然、それぞれ努力もしてもらいながら、われわれもそこをうまく結集し、一方で、学校とか、あるいは大学とか、そうしたところとうまくつないでいくという、そのところをもっと強化をしていかなければいけないというふうに思います。
日本経済新聞
分かりました。結構、他県で取材しているときにも、かなり状況が、長崎の例になっちゃいますけど、長崎県にいるときに、造船は全然駄目でメタメタな状況と厳しい一方、ソニーみたいなのを誘致して、うまくやっているのになかなか歯止めがかからないというのをやっぱり聞いたときに、かなり県民というか、地元の人たちに全然その状況が伝わってないということを感じたし、取材して、それから話も聞いたんですけれども、やはり、知事としてもかなり山口に挙げられている既存の成果といいますか、それがまだ県民の方には、その成果がうまく伝わっていないという気持ちはお持ちでしょうか。
知事
そうですね。かなり山口県で魅力的な企業というのも、県内の企業も成長していったり、あるいは外からも進出をしてきたりということは順調に進んでいるというふうに思います。ここをしっかりと、事業活動を行っていくためにも、また、山口県がこれから伸びていくためにも、しっかりと雇用もそれについてこなければいけいうふうに思っております。
一方で、山口県はどうしても地理的に福岡・広島という大きな都市に挟まれているところがありますので、どうしてもそこに目が向きがちな面というのは、もう長い間一貫してそうした状況が続いておりますし、隣県への転出、また、もちろん大阪とか東京、そういったところの転出というのも一貫して続いているという状況にあります。われわれ、さらにこの働く場、また、山口県に住むことの魅力、そうしたものを高めていかなければいけないと思いますし、その情報もしっかりと、最近いろんなSNSもまさに発達してきておりますし、さまざまなツール、媒体も使いながら、そうしたところをさらに強化をしていきたいなと思います。
日本経済新聞
分かりました。ありがとうございます。
防府日報
ローカル線の問題についてお伺いいたします。先週、改正地域公共交通活性化再生法(「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」)が成立しました。これまで知事なんかも求めておられた、国の強い関与、それから補助、そういったものがある程度制度化されたという形になってきたと思います。以前知事は、いわゆるそういった制度がない中で廃線ありきの議論はしないというふうにおっしゃっておられましたけれども、一方で法律はそういうことを想定はしていないということですけれども、やはり議論に入れば、廃線になるのか存続になるのかというようなことで、沿線自治体等も、やっぱり警戒感が拭えないという状況があると思います。
改めて、今回改正法が成立したことを受けて、県として、県内にもそういった対象になると見込まれる路線が複数ありますけれども、どのように今後対処していかれるのか、お考えをお聞かせください。
知事
そうですね。JR、非常に経営的に厳しさがあるということを背景に、赤字ローカル線についての見直しをするという、そうした会社としても、方向性を持ちながらさまざまな検討していきたいと、そういった中で、国においても今回、法律も改正されて、実際に国会で成立をしたということです。地域の中で公共交通をどのようにしていくかということを検討していく、それを変えていく際には国の方からの支援、コミットもしていくということが示されて、枠組みが制度的には整う、そうした段階に入ってきたのだろうというふうに思います。そうしたものも、われわれもこれからの国、法律ができてこれからどのように運用するのかということ、また、より具体的なものも示されてくるのではないかと思いますので、よく注視をしながら、それに応じて適切に対応していかなければいけないと思っております。
われわれとしては、やはり県内にあるローカル線、いずれも県民の皆さん、地域の皆さんの生活とか、通勤や通学とか、通院とか、さまざまな面で、大変重要な足になっているところがありますので、単純にこれはなくなるということは大きな支障があると思っています。そうした声はそれぞれの地域からも大変懸念の声として強く上がってきておりますので、そのことをしっかりと受け止めて、対応していかなければいけないというふうに思っております。
また、法律ができて、国の方から何らか運用についての考え方なり示されることがあると思いますので、まずはその情報をしっかりと収集をし、他県の動向等もよく注意をしながら、地域の自治体の声もしっかりとふまえて、将来のあるべき姿、いずれにしても、地域の皆さんが生活やさまざまな面で困ることがないようにしていくということ、これはもう絶対に守らなければいけないことでありますので、そうしたことを守っていくためにどのようにすべきかということをよく検討していきたいと思います。
防府日報
仮に路線を存続するというような話になったときに、やはり並行在来線の問題なんかを見ても、地元負担というところが避けられない部分というのもあると思うんですけれども、そういった地元負担ですね、いわゆる上下分離とかですね、その辺の考えというのは現時点でどういうふうに見ていらっしゃいますか。
知事
そうですね。上下分離というものも行われているところもありますし、今回、国の方のさまざまな各地域におけるローカル線のあり方を考える際の一つの形を変える選択肢としてあるんだろうということは承知をしております。さまざま、そうしたことも検討していくということを、JRの方も考えるのかもしれませんけれども、いずれにしても重要なのは、結論をどうするかということよりも前に、よく地域のさまざまな課題、地域の声、そのことと向き合いながらよく考えてもらうということが重要だろうというふうに思っておりますので、何か一方的に進めていくということであってはならないというふうに思います。もちろん、それぞれ課題を抱えているわけでありますので、よく課題も具体にこれから話をするということがあれば、そこの課題もよく出し合いながらあるべき姿というものを真摯に考えていくと、そうした姿勢が必要だろうと思います。
防府日報
分かりました。ありがとうございます。
読売新聞
少し話題は戻るんですけれども、選挙ですね。立て続けに統一選(地方統一選挙)がありましたけれど、先ほど県議選の新県議の皆さまとの今後のことについてはお話がありましたけど、衆院補選の方ですね、また新しい国会議員がお二人誕生されました。こちらのお二人にですね、期待したいこととか望むこと、また今後どういうふうな関係を作りながら対応していくか、そちらについて教えてください。
知事
はい。それぞれですね、当選されたお二人にはぜひ国政の場で、山口県の課題をしっかりと解決に向けてぜひご尽力をいただきたいなというふうに思っておりますし、心からご活躍を期待したいと思っております。山口県は人口減少を始め、さまざまな課題がありますし、それを解決していくために産業の振興ですとか、さまざまインフラ整備を、今進んでおりますけれども、もっともっとペースを上げて進めてもらわなければならないところがあります。国において進めてもらわなければならないことはたくさんあるわけでありますので、私もそのことはしっかりとお二人にもお話をしてですね、課題については共有をしながら、ぜひ国において山口県の活性化へ、より一層の安心安全の確保につながるような取り組みを思い切り力を発揮していただきたいなと思っておりますので、よく連携をしながら、取り組みを進めていければと思います。
読売新聞
同じく選挙関係で、投票率の関係で、先ほどの投票率の低下は残念なことというふうなお話がありましたけれども、ややちょっと他人事のようにも感じてしまう部分もあって、県としては、一体どういったところが投票率低下の要因であって、そのためにどういう取り組みが効果的であるか、今回、例えば県がした取り組みですね、こちらについては果たして効果があったのか否か、その辺りどういうふうに分析されてるのか教えてください。
知事
そうですね。一義的には投票率のアップ、選挙管理委員会において検討されて実行もされているところだと思いますので、まずは選管の方で、今回の取り組みとそれがどの程度有権者に訴える、またその行動につながったのかというところはよく分析をしていただきたいというふうに思います。詳細の部分は、私はそういう組織を持っているわけではないですから分からないですけれども、いずれにいたしましても課題認識としては、やはり選挙というのは有権者がこれからの県づくり、国づくり、そうしたことに向けて自らの意思を表明する一番大きな場でありますので、そうしたところにできるだけ多くの民意が反映されるようにするためには、投票率を上げていくということ、このことは大変重要だと思いますので、これは山口県だけの課題はありません。全国同じように、投票率が下がっておりますので、山口県だけでなんとかできるのかというと、それは難しい面があると思いますけれども、できる方策はしっかり取っていくということをやっていかなければいけないと思います。普及啓発だけじゃなくて、選挙のしやすさとか、そうした面もあると思いますけれども、これはなかなか国の制度がいろいろとルールもありますので、選挙は選挙で、とにかく投票率が上がればいいということでも、公平性ですとか、そうした本人の意思がちゃんと、不正がなかったりとか、いろんなところで、いろいろと縛りもありますので、しやすくするためにそういったものが本当に取り払えるのはどうかというところも、なかなか議論もあるところだと思いますけれども、できるだけいろんな投票の中で、守らなければいけない原則はしっかりと担保されながら投票しやすくなるような環境作りということも、国としても制度改正も必要な面もあるでしょうし、県としてもその制度の中でできることは、しっかりやっていくということが必要だろうと思います。
読売新聞
知事としては要因がどこで、そしてどういう取り組みが効果的だろうと、そういうふうに思われていらっしゃいますか。
知事
そうですね。やっぱり啓発というものも、もっと大々的にできたらいいんだろうなというふうに思いますし、あとは投票しやすい環境ですよね、もっと身近な、今までも、期日前投票とかいろんな制度が改善されて、選挙期間中に投票しやすいというのはたくさんできていると思いますけれども、若い人もそうですが、特に高齢者であれば、なかなか足が不自由で遠くまで行くことがおっくうであると、年齢が進むと、急に投票率が下がったりもするわけですよね。そうしたところも、もっと身近なところで投票ができるように、巡回するところとか、そういったところもだんだん増えてきておりますけれども、もっと身近なところでしやすくなる環境というものも、一方で重要なのかなというふうに思います。
時事通信
チャットGPTの話に戻るんですけれども、今後、県としてAIのルール作りだったり活用に取り組まれるということでしたが、この点について、政府に対して求めていきたいことなどありましたらお聞かせください。
知事
そうですね。まさに政府の方にもっと知見があったりとかですね、あるいは国際的なルール作りとか、まさに国じゃないけどできないところでありますので、その辺り非常にAI、大変大きな力を持っているものだと思いますが、うまくコントロールしていかなければ、今、県政に直接ということでありませんが、例えば犯罪とかにもいろんなものが作れてしまうとかいうことも言われているわけですね。ルール作りというのを速やかに行っていただきたいというふうに思います。安心して使えるというところができますと、その中で、もっとその利点をうまく速やかに生かせるだろうというふうに思います。やっぱりなかなかルールがないとどうしても慎重にならざるを得ないところがありますので、ルール作りというところは、まさにG7でも議論がされるということでありますけれども、ここは本当にどんどんと生成系のAIというのが次々といろんなところが立ち上げて、広がっておりますので、無秩序になる前に、これはもう急がれるところだと思います。速やかにルール作りを行っていただきたいということは強く思っております。
時事通信
チャットGPTなんですけれども、知事ご自身使われたことなどありましたら感想をお聞かせください。
知事
そうですね。使っています。自分もどんなものかなと思って使っておりますけれども、例えば、県の観光のいいキャッチフレーズを20個ぐらい考えてくれっていうと、20秒くらいでぱっと20個出てくるんですよね。なかなかいいやつがある。あるんですけども、ただそれは、ここが危ないのは、どこかで使われているものがそのままかもしれませんし、有名なコピーライターが作ったものかもしれない。それをそのまま使うというのは非常に危ないだろうと思いますが、そういった何か作り出すというか、調べるだけじゃなくて生み出すというところにおいても、非常に優れた力があるし、検討する上では、いろいろ使えるなというふうには思いました。ただ、何度も言いますが、自分で考えているというよりは、いろいろ集めている情報ですので、著作権ですとか、そうした問題でいうと危ういものがあると思いますので、そこをそのまま使うというのは非常に危うさがあるだろうというふうにも思います。
あとは、例えば介護予防とかで先進的な取り組みがありますかと聞くと、結構いろんな取り組みを集めてきたりとかしますので、県内で一所懸命に調べて把握するよりも、国内の状況とか世界の状況とか、そうしたものを速やかに集めてくるとか、そうしたところは非常に優れているなと思います。ただ、これも本当にそうなのかというところはよく確認をしなければいけないところがあるなというふうには思います。いずれにしても、その情報を集めてくるとか、そうしたところについては、検索で一個一個調べていくというよりも、非常に早く集めて、広い範囲から集めてくるというところは優れているなということは感じておりますが、何度も言いますけども、そこの事実確認とか、法的な面とか、知的財産の扱いとか、その辺りをよく確認をしないと、そのままでは非常に危ないと思いますので、そうしたチェックをかけるというところも、一方で重要だなというふうにも感じてます。
時事通信
分かりました。ありがとうございます。
YAB(山口朝日放送)
すいません。話が戻って大変恐縮なんですけども、先ほどの中国電力のカルテルの件で、これちょっと制度上の話なので難しいと思うんですけど、カルテルがあったっていうことで今回こういう措置を取られたんですけれども、この県の本庁舎の電力契約については、先ほどちょっと管財課の方からもご説明があったように、すでに3年間の契約っていうのが新たに2025年の5月まで結ばれているっていうことで、カルテルがあって、もしかしたらもうちょっと安く契約ができた部分があるかもしれないけど、そういうものが不正に裏側であったんだけれども、新たな契約がもう進んでいる中で、今回、こうやって指名停止措置出したんですけど、1年間という処分で、この契約を更新するのはまた2025年の5月までなのでその前後になると思うんですけど、何かその制度上のジレンマみたいな感じで、他の施設に関しては入札が新たにできないっていうところはあるのかもしれないんですけど、この1年後、間のタイミングではですね、何か、なかなかちょっと制度上のジレンマみたいなものを今いろいろ話を聞いてた僕は感じたんですけど、知事はどう感じていますか。
知事
そうですね。今ちょっと質問中であった、今の契約自体は、カルテルが行われたことが伴う契約ではなくて、その前の期間ですね。それは終わっていると。今、まさに進行中の契約は、これは何かそういったものが指摘されているものではないということですので、これ自体はそうした不正なものなく行われたということで、問題なくこれは続けている、問題ないものとして続けているということです。今の点で、これからその先には、また入れるじゃないかというところがあると思いますが、これはやはり企業活動をどの程度制約をするのか、一定のペナルティーを科すということをするということと、それから一方で、それがあければきちんと通常の扱いを回復させていくということになるわけですね。だから今おっしゃったように、これから先ずっと止めるということは、考え方としてはあるかもしれませんが、今のわれわれもこのルール作りの中では国の扱いだったり、他県の事例とかいろいろ調べながら今の指名停止のルールというのを妥当な水準を決めて、そのルールに則ってやっているということであります。
今回のようなことは、あってはならないことは間違いないことでありますし、改めて中国電力には、本当に真剣に反省をしてもらい、再発防止、このことはぜびしっかりとやっていただきたいと思いますけれども、指名停止そのものは、きちんとやっぱりルールや基準がありますので、それに則ってやっていくということであって、それを事案に応じて、もっと長くしようとかそういった恣意な運用はやっぱり避けなければいけないものでありますので、そうしたルールに則った運用していきたいと思いますけれども、ただそれで責任が終わったというのではなくて、何度も言いますけれども再発防止というのはこれはもうしっかりと行っていただきたいと思っておりますし、その要請も先日強く、社長に対して行いました。
YAB(山口朝日放送)
ありがとうございます。
※広報広聴課編集
[ ]の箇所は当課で修正しています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課