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知事記者会見録・令和5年1月4日実施分
日時 令和5年(2023年)1月4日(水曜日)
11時00分~11時19分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
・年頭に当たって
知事
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年1年が、報道関係の皆さまにとりましても、実りの多い1年となりますことを願っております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
先ほど、3年ぶりとなります「公務始め式」を行って、訓示を行いました。職員に対しては、まず、昨年末に策定をいたしました「やまぐち未来維新プラン」、これに沿いまして県づくりの取り組みを加速化させていく、それによって「安心で希望と活力に満ちた山口県」、この実現を必ず行っていく、そうした私の強い思い、決意を伝えた上で、新たな県づくりの取り組みをスピーディーかつ着実に進めるように指示をいたしました。
さらに、今後、県政を推進していくに当たって留意してもらいたい4点について伝えました。
まず1点目は、「積極果敢な挑戦」ということです。
新しいプランに描いた「山口ならではの豊かな未来を実現」していくために、「どのように施策を展開していけばよいか」、「より良い成果を上げていくために工夫の余地はないか」、そうしたことなどの観点から業務を見つめ直して、新たな課題にも積極果敢にチャレンジするよう指示を行いました。
2点目は、「県の活力の創出・発信」です。
コロナ禍で重要さを再認識した、人と人のつながりや地域での交流を取り戻してより強くしていく、そして、コロナ前よりも元気な地域を創っていくために、一つはその象徴的な取り組みとして、「山口きらら博記念公園」を拠点に、県の活力を創出・発信していくこととしています。こうしたことをはじめ、「県の活力の創出・発信」に関して、さまざまなアイデアを出して積極的に取り組むように指示を行いました。
それから3点目は、「多様な主体との連携・協働」ということです。
新たな未来に向けた県づくりを効果的に進め、より良い成果に結びつけていくために、新しいプランに掲げた目指すべき「目標」や「県の姿」、そうしたものを、県民の皆さまをはじめ多様な主体としっかり共有して、連携・協働して取り組みを進めるように指示を行いました。
それから4点目は、「危機管理の徹底」です。
頻発化・激甚化する自然災害や、コロナのような感染症、想定を超える事故等に対しては、平時からの万全の備えが何よりも重要です。日頃から危機管理意識を強く持って、必要な対処策の検討や情報収集を怠りなく進めるように指示をしたところです。
県としては、まずは、県民の皆さまの命と健康を守り抜く、そして、落ち込んだ地域経済と県民の皆さまの生活を再生して山口県の元気を取り戻す、この二つのことに力を尽くしていきたいと思っております。そして、さまざまな社会変革の先にある新たな未来を見据えて、本県の強みを生かして潜在力を引き出して伸ばしていく、これによって「3つの維新」をさらに進化させて、「安心で希望と活力に満ちた山口県」の実現、これをしっかりと図ってまいりたいと考えております。
次に、アメリカ・ハワイ州への訪問についてです。
私は、1月15日から7日間の日程で、アメリカ・ハワイ州を訪問します。ハワイ州への訪問は令和元年10月以来、約3年ぶり、また、姉妹提携締結後初の訪問となります。
昨年8月に、デービッド・イゲ・ハワイ州知事をはじめとしたハワイ州訪問団を本県にお迎えをして、本県とハワイ州との間で姉妹提携を締結して、ハワイ州と教育、文化など、幅広い分野で交流を進めていくこととしたところです。こうした中、昨年11月に、ハワイ州のイゲ知事の任期満了に伴うハワイ州知事選挙が行われて、12月5日に、ジョシュ・グリーン氏が新たにハワイ州知事に就任をされました。この機会にグリーン知事と面会し、本県とハワイ州とのつながりや、これまでの県人会の皆さまとの交流の歩みについて共有して、今後の本県とハワイ州の新たな交流の展開について意見交換を行いたいと考えています。
また、ホノルルで毎年開催されるイベント会場において、ホノルル山口県人会の皆さまとともに本県のPRをするなど、この機に併せまして、「ふるさと山口」へ強い思いを抱かれている山口県人会の皆さまとの絆を一層深めるとともに、本県の魅力を積極的に情報発信してまいりたいと考えています。
なお、年末年始の人の移動の活発化による新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況、また全国的に3年ぶりに流行シーズンに入ったインフルエンザの流行等の状況によっては、私自身の訪問を取りやめて、副知事を代理として派遣することも検討してまいりたいと考えています。
詳細な日程等につきましては、後日、改めてお知らせをさせていただきます。
私からは以上です。
NHK
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
知事
はい。よろしくお願いします。
NHK
知事のお話の中で、今日の訓示でもありました「やまぐち未来維新プラン」を着実に進めていくというお話があったと思うんですけども、分野として多岐にわたっておりまして、どれも重要だとは思いますが、特に人口減少とか、最重要課題に向けて、この分野が大切だと思っていらっしゃるところとかがあったら教えてください。
知事
そうですね。一つと言うか、三つの柱を掲げているので、いずれも重要だというふうに思っていますが、ただ、これまでの総合計画と違うのは、コロナの間に、コロナによってどんどんと深刻化していった問題ですとか、新しく生じている問題、これに対応する形でこれからの未来をつくっていかなければいけないというところは特に重要だと思います。
具体的には、この間に、デジタル化がどんどん進んでいきましたし、社会の形も変わってきました。また、カーボンニュートラル、これは山口県の産業の組み立てから変えていかなければいけないような大きな変革です。ここをしっかりと乗り越えて、その先に山口の未来をつくっていくという、この方向性を持ってやることはとても大事だとまず思っています。それは、もちろんピンチではありますが、やっぱりチャンスでもあると思います。デジタル化は、むしろ都市に比べて地方の方が、これによるメリットというのは大きいものがありますし、(東京)一極集中が進んでいたものを逆転させることもできると思っていますし、また、カーボンニュートラルも、山口県の産業はCO2の排出が非常に多いですが、一方で、水素とかアンモニアとか、これからのエネルギーと言われているものについて、これまでも扱ってきてハンドリングする技術を持っているし、そこを新しい素材に生かしていく、CO2を新しい素材とか産業に生かしていくという、そういったノウハウの蓄積もあります。なのでピンチばかりじゃなくて、むしろそれをチャンスに変えて、これから先のカーボンニュートラルの時代に合った形で、山口県の持てる力を伸ばしていくということも、これは十分に可能だし、そういったことを追求していきたいと思っています。
一つはそういった社会変革の先に山口の強みを生かして伸ばしていくということ。それからもう一つは、やはりコロナの間で、非常に安心・安全の意識、やっぱりちゃんと命が守られなければいけないということですとか、あるいは人と人のつながりというところを失われたことで、われわれが力を失っているところというのはたくさんあります。そういったところを取り戻していかなければいけないと思っています。その一つは、県立総合医療センターについても、機能をもっと抜本的に強化をして、将来に向けて山口県の医療が安心して、これは何と言いますか、へき地の医療のサポートも含め、高度な医療、そして、面的にもしっかりカバーできる医療というものをしっかり支えていくという、そういった機能を大きく強化をしていく形で、建て替えを基本にした検討を進めていきたいと思っております。
それからあとは、(山口)きらら博記念公園のことも言いましたけれども、県内の人たちのいろんな交流とか活動ですとか、アウトドアと言いますか、この大きなフィールドを使って、とにかくリアルに会ってそして元気・活力をもらって発信していくという、そうしたことの一環として、きらら博記念公園もポテンシャルを生かして拠点化して、県内の活力の創出・発信につなげていきたいと思いますし、また県外からもっともっと多くの人を呼んで、山口県の素晴らしさを感じたり発信してもらえる場にもできると思っていますので、そうしたことも考えていきたいというふうに思っておりますので、何か一つと言われるとあれですけども、新しい時代に合った形で山口県の強みを生かして伸ばしていくということと、このコロナの間でいろいろ分かってきた課題とか新たに生じた課題についてしっかり取り組んで、さらにいい明るい希望のある山口県にしていく、そうしたことを目指していく、大きく変えていくプランだと思っています。
NHK
今、お話の中でも、きらら公園を拠点に活力を創出していくというお話があったかと思うのですが、こちらに関してまだ先のことだとは思うのですが、具体的に今、話せるような内容とかがもしありましたら、教えていただければと思うのですが。
知事
考えられることはいろいろあると思いますので、そこはまた、よくこれから議論していきたいと思っております。と言うか、まず、そのポテンシャルとしては、非常に、県の県央部にあって、海に面していて、広大な気持ちの良い土地が、広いスペースがあると、アクセスも非常にいい、そういったところをもっと県の皆さんが、そこで元気をもらったり、活躍をしたりという場にできるでしょうし、もっと外から人を集めていくようないろんな施設整備だったり、イベントだったり、そういったものを作ることによって、その持てる力というのは、もっともっと発揮をできるし、コロナの後だからこそそうしていきたいなと思っています。
そのための構想と言いますか、どういうふうにするかということをしっかりと腰を据えて検討していきたいと思っておりますので、今の段階では、そういった問題意識と言いますか、そういうポテンシャルを感じながらアフターコロナに向けてしっかりと一つの拠点を作っていく。そこだけじゃなくて、もっと県内全体も、この山口県の素晴らしい自然環境とかそういったものを生かして、山口県の皆さんが山口県のこの豊かさとか魅力を感じ、また外からも人を集めていく、そうしたことにつなげていく、単にそこだけ作って終わりじゃなくて、そういった全体的に山口県の魅力を、県内に対しても県外に対しても高めていくということができたらいいなと思っていますし、そうしたことを念頭において、いろんな構想を組み立てていきたいと思いますので、それをまずは行っていきたいと思っています。
NHK
今、お話、いろいろしていただきありがとうございます。そうした構想とか、このやまぐち未来維新プランというのを進めるに当たって、やはり県民の方に知ってもらうというか、理解していただいて一緒に進めていくということが大切かなと思うのですけども、もちろんそういうことを伝えるのはメディアの役割でもあると思うのですけど、例えばSNSとかホームページとかいろんなことを通じて、このプランについて県民の人に知ってもらうとか、そういう何か取り組みで考えているものとかはございますでしょうか。
知事
はい。ぜひ、またメディアの皆さんにもいろんなところで取り上げて、取り組みについて紹介してもらえるとありがたいなと思っておりますし、われわれ県としても、ホームページですとかSNSですとか、さまざまな媒体を通じて県民へ届けていかなければいけないと思います。それぞれ分野がありますので、今日も訓示の中で言いましたけれども、関係する分野の中で、それぞれ所管部局でどのようにしてそれを伝えるべきなのか。やっぱりそれを知ってもらって、一緒に同じ目線で同じ目標を持って取り組んでいくということが大切ですし、なぜ大切かと言うと、それは行政だけじゃなくてやはりいろんな主体の力を合わせながらでないと実現できないことというのがたくさんありますし、そういったことで言いますと、知ってもらうというだけじゃなくて一緒に巻き込んでいくという意味でも大変重要だと思いますので、そこは県全体でも発信もしますけれども、それぞれの所管においても、関係する先とよく意識合わせをしていくということが重要かなと思っています。
NHK
分かりました。最後になりますが、今日、年頭の会見ということで、これまで知事、その年のキーワードとして、例えば「突破」だとか「挑戦」だとか、過去、キーワードをおっしゃっていたことがあったと思うんですが、今年のテーマみたいなものがもしありましたら教えてください。
知事
書いて出せば格好いいのでしょうけど。一言でと言われたら「発」ですね。「発」というのは、再出発とか発展とか、そういったイメージ意味で「発」という言葉を、一つ私は頭に置いて取り組んでいきたいなと思っています。コロナ禍が非常に丸3年も続いていますけれども、今年は、コロナも対応していきますけれども、まず県民の皆さんの命や健康を守る、これがまず第一であることは変わりありませんけれども、ウィズコロナでしっかりと社会を動かしていく、そして先ほど言ったような新しい方向に向かって取り組んでいく、その再出発の年にしていかなければいけない。ぜひそうしていきたいと思っています。そうしたことを通じて、山口県を新しい形で発展させていく、そうしたことを目指して取り組んでいきたいと思っています。そうした意味で「発」という字を、私としては一つ中心に据えて取り組んでいく年にしていきたいと思っています。
NHK
はい。ありがとうございます。
YAB(山口朝日放送)
本年もよろしくお願いします。昨年の年始の訓示の中で、知事は公職選挙法違反事件に絡んだ綱紀粛正というところからお話に入られたと思います。今年は統一地方選もあって、後は、衆議院の補選(補欠選挙)も予定されているということで、その辺の取り組みというのは、綱紀粛正の取り組みというのはさらに必要かなと思うんですが、そこに対する取り組みに関してのお考えをお願いできますか。
知事
そうですね。一昨年になりますけれども、起きた事件を踏まえ、こうしたことが二度と起きてはならないと、そうした思いで「2つの宣言」を行ったところです。改めて申しますと、今後今回のような選挙をめぐる組織的な勧誘は一切なくすということ、それから、仮に外部から求められたとしても全て断っていくと、この二つのことを私自身、県民の皆さまにお約束をする、お誓いするということをさせていただきましたし、また、県の組織の中でも、県庁職員に対しても徹底するということを行ってきました。
年頭の今の訓示では言いませんでしたが、昨年末、12月24日に、「コンプライアンスの日」ということを定めて、改めて職員に対して、この徹底、その「2つの宣言」とそれから具体的な「5つの取組」というのを掲げております。これをしっかりと徹底するようにということを改めて行ったところです。ぜひ、職員に対しても、引き続きしっかりとこの意識を徹底し、二度とこのようなことが起きないように取り組んでいきたいと思ってます。
YAB(山口朝日放送)
今年4月にいろいろ選挙が予定されていると思うんですが、そこに対して、新たに取り組みを進めていくとか、そういった具体的なことというのは、何かありますでしょうか。
知事
取り組みというのは、先ほど言いました「2つの宣言」、それから「5つの取組」、これをしっかりと徹底していくということでありますので、行うことについてはここをしっかり行っていけば、これまで、一昨年まで起きたようなことは起きないというふうに思っております。ぜひこれを徹底していくということを重ねて行っていきたいと思います。コンプライアンスの日においてもそれを徹底したところですが、そうした形で、節目節目で、きちんと職員の意識、行動に徹底させていくということが重要だと思っております。
YAB(山口朝日放送)
ありがとうございます。
防府日報
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
知事
おめでとうございます。よろしくお願いします。
防府日報
この4月に、農業試験場が移転して、「農林業の知と技の拠点」が供用開始になると思いますけれども、4年がかりぐらいでようやく供用開始という形になりますけれども、県の農業発展、農林業の発展にも大きく寄与する施設だと思いますが、改めてこの施設に期待するところ、また4月以降、どのような形で活用をしていきたいのかというところをお聞かせください。
知事
そうですね。県の、特に農業人口の減少も激しいですし、また高齢化も非常に進んでいます。新しい人材を確保していくということとともに、これからの山口県の農業を引っ張っていく、リードする、そうした人材を育てていかなければいけないというふうに思っています。特に食料の関係は、やはりウクライナ情勢等でも、本当に今、さまざまな影響を受けておりますけれども、やはりこれは大変欠かせない部分でありますから、しっかりと山口県の農業がこれからも持続し、そしてさらに発展していけるような、そうした形を目指していきたいと思っています。そのためには、やはり農業大学校の機能をしっかり強化をしていって、これからの未来につながっていく形で展開していく、そうしたことにつなげていきたいと思います。
今回移転をして、農業大学校と(農業)試験場とが一体となって、新しい「知と技の拠点」という形で作るわけですけれども、ここで人材育成をさらに強化する、その上ではやはりこれから新しい技術とか、それからいろんな物も開発をしていく、これから先のIT関係の技術だったりスマート農業だったり、そうしたものもどんどん取り入れていかなければいけませんし、新しい県としての産品についても、価値あるもの、付加価値の高いものを作り出していくということもやっていかなければいけません。そうした意味では、大学[大学校]のカリキュラムもそうですけれども、試験研究のところと近いところで一体化をして、より高度な人材、まさに知と技とがしっかりと高めていけるような形で展開をしていくという、そのことをぜひ実現していきたいと思っています。数年かかってようやくもうすぐ立ち上げて動かしていけるということになりますので、ぜひ、これを山口県の農業の将来につながる形で、しっかりと機能を発揮するような形に仕上げていきたいと、そのように思っております。
※広報広聴課編集
[ ]の箇所は当課で修正しています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課