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知事記者会見録・令和4年3月24日実施分

ページ番号:0142513 更新日:2022年3月24日更新

知事記者会見録一覧へ

日時 令和4年(2022年)3月24日(木曜日)
10時00分~11時37分
場所 県庁2階 記者会見室

発表項目

・令和4年4月1日付け人事異動について

・公職選挙法違反事案に係る県の対応について (PDF:209KB)

 

知事

 おはようございます。

 本日、私からは2点ございます。

 最初に、4月1日付けの人事異動 (PDF:129KB)について、発表いたします。

 資料1をご覧ください。

 はじめに、異動の規模ですが、このたびは退職者が多いことから、昨年に比べて異動者数は増加しています。

 次に、異動の概要についてですが、直面するコロナの危機から山口県を守り抜き、将来にわたって安心で希望と活力に満ちあふれた県づくりを実現していく、そのためには、これまでの経験や実績等を重視しながら、適材適所の人事配置に努めたところです。

 具体的には、資料3の1ページをお開きください。総合企画部長に松岡正憲農林水産部長、産業戦略部長に前田安典議会事務局長、環境生活部長に藤田昭弘総務部理事、農林水産部長に高橋博史総務部理事、会計管理局長に京牟礼英二環境生活部次長をそれぞれ起用します。

 また、県立総合医療センターの機能強化等について、迅速かつ円滑な推進を図るため、部次長級の「健康福祉部審議監(保健・地域医療担当)」を部長級の「理事」に格上げして、佐藤始健康福祉部次長を登用します。加えて、感染拡大防止対策の強化を図るため、部次長級の「健康福祉部審議監(感染症・医療技術担当)」を新設し、医師の石丸泰隆健康増進課長を登用します。さらに、「公共土木施設の長寿命化対策」や建設現場の生産性向上に資する「建設DX」の推進等を図るため、部次長級の「土木建築部審議監(長寿命化・災害担当)」を新設し、土木職の米原圭太郎技術管理課長を登用します。

 このほか理事や局長等、いずれもこれまでの実績等を踏まえての起用です。

 資料1にお戻りください。

 次に、女性職員の登用についてです。今回も「山口県女性職員活躍推進行動計画」を踏まえ、積極的な登用に努めたところです。具体的には、資料3の1ページのとおり、こども・子育て応援局長に森光淳子観光スポーツ文化部次長を登用します。

 また、課長級以上に占める女性職員の割合については、行動計画において、「令和4年4月までに14%」という目標を掲げているところですが、職員数は前年度から10名増加して94名、比率も前年度の13.1%から14.4%となり、この目標を達成することができました。

 県関係については以上ですが、併せて、県が設立団体となっている公立大学法人 山口県立大学の新理事長を発表させていただきます。お手元に配付しております資料のとおり、4月1日付けで、現国立大学法人山口大学長の岡正朗氏を、これまでの経験や実績等を踏まえ、理事長に任命いたします。

 次に公職選挙法違反事案に係る県の対応についてです。

 このたび、県庁内で公職選挙法に違反する行為があり、副知事が辞職する事態に至ったことを重く受け止めまして、改めて県民の皆さまに深くお詫びを申し上げます。

 このことにつきましては、先日22日の火曜日に、調査チームのリーダーである高村七男弁護士から調査報告書が提出されました。調査報告書においては、事実関係や再発防止に向けた提言などが詳細に取りまとめられており、私としては、なお一層誠実な県政運営に努めるとともに、改めて選挙を巡る組織的な勧誘を一切なくす、そうした思いを新たにしたところです。

 県としては、この報告書を踏まえ、関係職員の処分及び再発防止策の検討を行いましたので、その結果を発表します。

 まず、関係職員の処分ですが、今回、公職選挙法違反に問われた、後援会入会申込書等の配布・回収等について、前副知事から直接依頼を受け、知事部局の各部局において、部下に依頼をした部長級職員1名及び部次長級職員9名を「訓告」とし、その部次長級職員の上司に当たる部長級職員8名、これは当時のものも含め8名に、「厳重注意」を行いました。処分日はいずれも昨日23日・水曜日です。

 なお、企業局及び教育庁においても、それぞれ部長級職員1名について「訓告」を行ったと聞いています。

 また、私自身もこのたびの責任を取り、給料1カ月分について50%のカットを行うこととし、そのための条例を次の議会に提案したいと考えています。

 加えて、公営企業管理者及び教育長についても、管理監督責任を取り、また平屋副知事については、過去の事案との関わりに対する道義的な責任として、それぞれ給料1カ月分について30%の自主返納を行う予定と聞いています。

 県としましては、再びこのような不祥事が起こることがないように、再発防止に向けて、次の取り組みを行うこととしました。お手元に配布している資料をご覧ください。

 昨年12月24日に前副知事が辞職したことを受けて、私は直ちに、「今後、今回のような選挙を巡る組織的な勧誘は一切なくす」、「仮に外部から求められたとしても、全て断る」という2点を県民の皆さまにお約束をいたしました。

 「組織的な勧誘」とは、今回の事案で行われた、後援会のリーフレット配布や入会申込書への記入依頼はもちろんのこと、個人演説会や決起集会等への参加依頼も含み、今後は、こうした選挙を巡る組織的な勧誘やそれにつながる恐れのあることについて、一切行わないこととします。

 加えて、先ほど申し上げた二つの宣言を着実に履行するため、調査報告書に挙げられた提言も踏まえ、このたび次の五つの取り組みを新たに定めました。

 まず、甘い認識を持たないようにするため、公務員倫理や公職選挙法等に関する研修を速やかに行い、全職員の遵法意識を徹底します。

 また、職員に対し、今後公職選挙法違反等に対しては、懲戒処分を含め、厳正に対処することを明示するなどし、厳正な服務規律の確保を図ります。

 次に、もし職員が外部から勧誘の依頼を受けたとしても、個人で抱え込まないよう組織として断ることとし、依頼があった場合には、その依頼内容等を公表することがあり得ることを明確化します。

 また、勧誘の依頼を受けた場合に公益通報制度が活用できることを明確化の上、職員に周知します。

 そして最後に、前副知事が辞職したことを受け、私が二つの宣言を出しました12月24日を「コンプライアンスの日」として、毎年、今回の事案の概要等を職員に周知し、事案の風化を防ぐこととします。

 以上の2宣言及び五つの取り組みにより、県民の皆さまの信頼回復に、県庁を挙げて全力で取り組んでまいります。

 私の方からは以上です。

 

朝日新聞

 今回、公選法(公職選挙法)違反に係る処分を今日公表されましたけれども、この処分の具体的な内容と、軽重について決められたのはいつのことだったでしょうか。

 

知事

  いつ決めたか。最終的には、報告書が上がってまいりまして、それを踏まえて、県としての対応を決める、その際に決めているということです。

 

朝日新聞

 今回、訓告ということで、実際に依頼を受けて、また部下に流した部長級、部次長級の職員に対して処分を行っていますけれども、こちらの訓告にした理由について、ご説明をお願いします。

 

知事

 そうですね。これは、こうした類似の、訓告と処分した職員はですね、判断の要素としてはいくつかあります。一つは、まず、刑事処分は受けていないということ、それから後援会の入会申込書の配布、それから回収を依頼する側でもあったわけですが、同時に依頼される立場でもあって、主体的、積極的に関与したとまでは言えないということ、それから、協力を強制するような発言ということは確認されなかったということ、こうしたことを踏まえて判断しました。他の自治体においても、同様のことがあった場合のことも参考にして、訓告処分としておるということです。

 

朝日新聞

 それと知事ご自身も給料のカットと、特別職並びに副知事についても、給与の自主返納ということですけれども、こちら減給という形でご自身に科したのはどういった責任からかというところを、改めてご説明をお願いします。

 

知事

 はい。今回、公職選挙法違反に問われて、副知事が辞任をするという事態に至りました。このことについて、私自身の監督責任を強く感じております。そうしたことで、自ら給与の削減を行うということといたしました。こうした形でけじめをつけるとともに、併せまして、今後こうしたことが二度と県庁内において起こらないように、今回二つの宣言、そして五つの取り組みについて決定をして、これをしっかりと実行していきたい、そのことによって再発の防止と、また県民の皆さまに対する県政への信頼の回復につなげてまいりたいと考えています。

 

朝日新聞

 実際に刑事処分を受けた前副知事の任命責任については、今回、こちらの減給の根拠にはなっていないのでしょうか。

 

知事

 なっています。ですから、私は任命して管理監督する立場にあったわけですから、その職員が公職選挙法違反に問われて辞任をするという事態に至ったこと、これによって、県民の皆さまの県政の信頼を失うということになったことについて、私自身の責任を感じて、今回のような措置を行うことにしたということです。

 

朝日新聞

 この点、今回の公職選挙法事件のこの事案が、大きく県政の信頼を揺るがす大事件だったと言えます。そんな事件に対して、知事ご自身が、今回減給という、いわば、お金で解決するような処分でいいのかという、職員の皆さんも、これで納得するのかどうか、知事自身はどのようにお考えでしょうか。

 

知事

 これをして終わりというか、これをして解決ということでなくてですね、何度も言いますけれども、大事なことは、今後こうしたことが二度と起こらないようにするということです。ですので、私は事案が発生して、先ほども言いました二つの宣言、今後、この県庁において選挙を巡る組織的な勧誘等、こうしたことは一切行わないということ、それから仮に外部から求められたとしても、全てお断りをすると、この二つを、私自身もそうですし、当然その県庁全体で、これをしっかり行っていくということを宣言をしたわけです。

  そして、今回の報告書を踏まえて、具体的な取り組みとして、五つの取り組みを行うことにいたしました。こうしたことで再発防止を防いでいく、二度と起こさないということを組織全体でしっかりとやっていく、徹底をさせていくということが、私が果たすべき責任であると思っておりますので、今回こうした形で、県としての対応方針を決めて、これを実行をしっかりとしていくということに全力を挙げていく必要があると思っています。

 

朝日新聞

 報告書の具体的な文言についてお聞きします。報告書の中では、主に自民党との関係性というところで、根深い関係性があったというふうに言及されていますけれども、これについてどう受け止めていますでしょうか。

 

知事

 そうですね。今回の件が単発のものではなくて、これ、調査報告書の中でも、アンケートの中で、幅はありますが、20年とか30年とか長い期間にわたって、慣例的に続いていた、常態化していたということが取りまとめられているわけです。そうしたことが長らく続いていたということであったわけですが、これはもう当然、今回の事案でも明らかなように、公職選挙法に照らしたときには、それは違反であるということなわけでありますから、絶対にあってはならないことが常態化していたということでございます。ですので、こうしたことを契機に、二度とこうしたことが起こらないようにするということ、このことを明確にし、また職員に対しても、コンプライアンスの徹底ですとか、あるいは、さまざまな制度面での抑止するための措置というものも、今回のことを踏まえて見直しを行って、二度と起こらないような対策をしっかり講じていくことにしています。

 

朝日新聞

 今回アンケートの調査で、実際にその幹部職員の約6割に及ぶ方々が、実際にこのリーフレットなりを受け取って、そのほとんどの方が回していたという事実があります。このような大規模に行われていたという事案だったわけですけれども、ということが分かったわけですけれども、知事は先般から、今回の捜査が行われるまでこの事案について知らなかったというふうにおっしゃってましたが、それは今も変わっていませんか。

 

知事

 そうですね。こうした事案について、私自身は、もちろん、そういうことを指示したこともないですし、やっているということについての報告を受けたこともございませんので、今回、前副知事が、あるいはその庁内が、取り調べを受けているということでもって、知るに至ったということです。

 

朝日新聞

 これだけ大規模に行われていることが分からなかったということが分かったわけですけれども、風通しの悪さが露呈したとも言えると思いますが、どのようにお考えですか。

 

知事

  そうですね。これまでにないことが行われたのであれば、いろんな相談とかもあったのかもしれませんが、長年にわたって慣例的に、いわばルーティンのような形なのかもしれませんが、続いてたということであって、多分粛々とされていたのではないかというふうに思います。そういう中で、特段その報告という形でもなかったということは、事実あるわけでありますけれども、しかしですね、アンケートの中にもあるように、こうしたことについて、中でも疑問を持っている職員はいたということですから、こうした声が上がってくるようにしていかなければいけません。

 ですので、この中でも、今回、特にその外部からの働き掛けについて、われわれ、これまでも働き掛けに対応する制度、不当な働き掛けを抑止したり防止するために、組織として対応する仕組みがございます。不当な働き掛けに対して、該当すると思われる要望を受けた職員がそれを上に伝えていくですとか、そうしたことを組織で共有をしていく、「働きかけ対応制度(一定の公職にある者等からの働きかけ等に対する県職員の対応制度)」というものがあります。これについても、この制度そのものは、本来は県が行政として持っている事業の採択ですとか、あるいは許認可ですとか、県行政としてやることについて、不当な働き掛け、公正なやり方をねじ曲げるような働き掛けがあった場合に、それを組織全体で共有をして対応していこうと、そういう制度であります。今回のような依頼、この今回の選挙の依頼というのは、県としての仕事とは別のものでありますけれども、こうしたものも対象にするということも、この「働きかけ対応制度」の中で対応するということも、今回明確に入れることにしていく、また内容等についても、公表することがあり得るということも明確にしていく、このことによって対象を広げて、また抑止力も強めていきたいと思っております。

 それからもう1個、「公益通報制度」というのがあります。これは、今のは外からの働き掛けの話ですから、内部の、もともとの形は従業員からの内部通報で、企業の不祥事が明らかになる事例が起きましたので、そうしたことを通報することを理由とする不利益な取り扱いの禁止だったりとか、事業者がとるべき措置を定めたものとして、国の方が公益通報者保護法というのができましたので、そうしたことを踏まえて、県においても、職員向けに実施要綱を作っております。そうした中で、今回のこの「公益通報制度」、県として持っているものについても、今回のような選挙を巡る依頼等も、この通報の対象となり得るということを明確化して、その内容等を公表することがあり得ることも明確化をする予定です。これは今日お示しをした、個別の五つの取り組みの一環としてそうしたことも行っていくことによりまして、もちろん、公務員としての意識をしっかり持つということはもちろんですけれども、そうしたことをこういった仕組みの中で、しっかりと抑止していく、防いでいくということも、併せて行うということとしたところです。

 

朝日新聞

 報告書の中の提言の部分で、いくつか強い文言がありました。一つが、自民党との関係性のところで、問題があるとしても県としての行政運営上、自民党との関係さえうまくやっておけば、何とか乗り切れるであろうという誤った考え、これが要因になったというふうに指摘しているわけですが、実際にこういった誤った考えというのがはびこっていたのかどうか、ご認識をお尋ねします。

 

知事

 今回、(前)副知事の説明の中で、県の行政運営をスムーズに行う上で、自民党が多くの議席を有する県議会との良好な関係を構築維持することが重要であるという思いで、協力に依頼をするということを、前副知事が述べてるということもありました。そういったことも、ここで示されておりますけれども、いずれにいたしましてもですね、当然、議会と執行部、これは車の両輪で県政を前に進めていく関係にありますので、両者がいろんな意見交換をしたり、思いを整えて県政を前に進めていくということは重要なことであると思いますが、いずれにしましても、特に今回のように、これが法律違反、そうした環境の中で法律違反があるですとか、あるいは公正な行政がねじ曲げられるということはあってはならないものであります。この明らかになった事案については、まずこれはしっかりと今後起きないように、再発防止、また組織としての対応、これをしっかりと行っていくということとともに、また、今後も別のことでも、法律違反なり、何らか公正な行政がねじ曲げられるということがあってはなりませんので、そうしたことについては、今言った「公益通報制度」ですとか、「働きかけ対応制度」、ここについてもしっかりと、今回のことも含めて拡充をして、抑止力を強めていく、組織としての対応力を高めていくということを行っていくことにしています。

 

朝日新聞

 今、前副知事の発言を基にご回答されましたけれども、知事ご自身が、こうした自民党との関係性において、今回は誤った考えというふうに指摘されたような状況があるのかどうか、どのようにお考えでしょうか。

 

知事

 何らか、私自身は、何か本来あるべきものをねじ曲げたりとか、何か違法なことを行うということは、これは行ったことはございません。そのように、県の行政が公正に行われる、あるいは、しっかりと県民に対して向き合って行われるということが、これは基本であると思っておりますので、そうした考えで行政運営を行っているつもりでおります。さまざまな、今回の話についても、具体的にどういったことが、この公選法違反のこと以外で、高村弁護士が印象を受けられたのかは分かりませんけれども、少なくとも、今回のような事案については、これは組織で必ず防いでいかなければいけない、公選法違反もそうですし、法律違反、あるいはその公正な行政をねじ曲げる行為というのは、これは私が行われてないと思いますけれども、そうしたことが行われるような、もし働き掛けがあったら、それをしっかりと防ぐという仕組みを整えていくということが重要であろうと思っております。

 

朝日新聞

 ちょっと直接回答にはなってなかったと思うんですが、今回の事案も含めた、県行政の運営全般に関する部分で提言をされているんだというふうに受け止めたんですけれども、これはもう一つの文言として、従前の自民党に対する悪しき配慮を、これを完全に断ち切るようにっていうような要求があります。ここからも分かるように、普段の議会とのやりとりとかの中で、そういった忖度(そんたく)なり、不適切な関係性とかあったんじゃないかっていうご指摘なわけですけれども、この点、知事が県庁全体を見渡した中で、どのように感じていらっしゃっているか、これをお聞かせください。

 

知事

 弁護士の方が、そういった感じられていることを書かれているということなのかもしれませんが、いずれにしても、県議会に、例えば予算も出し、条例も出して、さまざまなことを、県政を進めていく上で重要なことは審議をされて、そして議決をされて、そうして初めて前に進めることができるということになるわけです。ですので、そういった仕組みの中で、執行部と議会とが日頃からよくいろんな意見交換をしたり、また特定の課題についてどう対応するかということについての方向性について議論をしたり、そうした中で、最終的には方向性を決めていくということが、仕組みとしてまずあるわけですね。

  ただその中で、要は法律に違反する行為ですとか、あるいはその公正な行政をねじ曲げられるということは、これは車の両輪としてしっかりと機能していく、いろんな密な関係があるとしても、これは超えてはならない線であるというふうに考えますし、そうしたことは、県の組織として行ってはならないことであると、これは間違いないことであると思います。そうしたことが起きることがあるような土壌があるんじゃないかということかもしれませんけれども、そうしたことがないように、当然これはしていかなければいけないので、それは当然、私も含めて職員一人一人の意識、それに加えて仕組みとしてこれに対応していくということが重要であろうと思っております。なので、「働きかけ対応制度」ですとか、「公益通報制度」ですとか、そうしたことについて、対象についても明確化をし、また公表についてもあり得るということを明確にして、よりこの制度が機能するようにしていくということが、これから先に向けては重要ではないかと思っています。

 

朝日新聞

 再発防止に向けて、今回直接調査の対象にはなっていませんでしたが、自民党側に向けて、今後どのようなお話をされていくのかどうかということと、あと今回の件を振り返って、その党側の方に、何か知事として意見を言ったことがあったのかどうかお聞かせください。

 

知事

 党という正式な場でということはありませんけども、今回の件について、県としての対応については、私はいろんな話す機会でも話をしてますけれども。今回の報告書が出て、また今お示しをしました県としての対応方針、二つの宣言と、この五つの取り組み、これについては、自民党をはじめ各会派にはしっかりとお伝えをして、県としての方針については明確にしてお伝えしていきたいと、そのように思っています。

 

読売新聞

 今回発表されました職員の皆さんへの処分についてなんですけれども、懲戒処分には当たらない処分という形だと思いますが、懲戒処分には当たらないと判断された理由というのはどういったところなんでしょうか。

 

知事

 まず、(前)副知事は公選法違反に問われたわけですけれども、今回処分した職員は公選法違反には問われていないということですね。これは実際に受けていないということと、それから同じ理由になるかもしれませんが、要は主体的に依頼したというよりは、上司から言われて受けたという、依頼された側でもあるということで、主体性ですとか、積極性ですとか、そうしたところで、主体的に積極的に関与したというふうには、これは言えないんじゃないかということ。それから、その職員から、必ず協力をするように、例えば部下に強制するですとか、そうしたことがされたということも確認をされなかった、そうした発言も確認されなかったということを踏まえて判断をしております。もう一つは、他の自治体においても、公職選挙法違反で刑事罰を受けた職員については懲戒処分、そして刑事罰を問われなかった職員は訓告処分とされていますので、そうした他の事例も参考にこうした対応しているということです。

 

読売新聞

 今、訓告については処分というお話がありましたけれども、厳重注意については、例えば措置とかっていう表現があてはまるのかと思うんですが。

 

知事

 措置。

 

読売新聞

 厳重注意とする措置というような言い方もできるかと思うんですけど。これは厳重注意も含めて処分をしたというようなご認識でよろしいでしょうか。

 

知事

 そうですね。

 

人事課長

 訓告、それから厳重注意、これは処分ではありません。訓告、それから厳重注意ということです。

 

読売新聞

 処分に当たらない。これいただいている資料には、職員の処分についてとありますけれども、どういう使い分けを。

 

人事課長

  地方公務員法上の懲戒処分ではないということです。

 

知事

  地方公務員法に書いてある処分というのには当たらないけれども、広い意味で処分ということです。

 

読売新聞

 県としては、処分を下したというような。

 

知事

  そういうことですね。はい。

 

読売新聞

  分かりました。あともう1点。おととい公表された報告書の中では、やはり(前)副知事に誰が勧誘を依頼したか、自民党関係者というのが誰なのかということの特定が全くされていません。でも、会見をされた弁護士の高村先生は、当然頼む方にも問題があるというようなお話をされていました。全容解明に向けては、誰が頼んだのかということを具体的にすることがとても重要だと思います。そこを明らかにされなかったわけですけれども、もうこれで県としての調査はもう全て終わりなのでしょうか。また十分な調査がされたというご認識でしょうか。

 

知事

 この指摘が前もあり、高村弁護士の方にも重ねてあったというふうに承知をしております。われわれとしては、捜査当局ではなくて、この事件の全容を明らかにするということを目的にこれをやってるわけではなくて。まず、われわれの管理している、所管している県庁の中で何が起こっていて、それについてのけじめをつけて正していくということが目的です。ですので、この外から働き掛けに対して、それ誰がしたのかということを明らかにしていく、そのことを追求して明らかにするという、そういった権限もないですけれども、そうしたことを目的にしているものではまずないということです。

 この対応の目的としては、事実上の、起きたことの把握と、それから再発防止のためにどうするかということでありますので、そこの調査をあえてしていませんし、仮にしたとしても、この名前を、外部の方の名前を一方的にわれわれが明らかにするということはできないし、そんな権限もないというふうに思います。ですので、それぞれ、われわれが所管している範囲の中で対応をしっかりと考えていく。誰が働き掛けたのか調べるですとか、明らかにするというのは、われわれというより、ひいては自民党の方でどうするかという話であってですね、その範疇の話であって、われわれはわれわれとして自分たちの範囲の責任をしっかりと果たしていく、外のことは外でしっかりとそれぞれが考えて対応していくというべき話だろうと思っています。

 

読売新聞

 県庁の内部で何が起きたかを把握する上で、外部からどういう働き掛けがあったから県庁でこういうことが起こった。すごく県庁の内部で起きていることについて、ものすごい、発端というかですね、根源的な原因があると思うんですけれども。公表するしないは置いといてですね、県の方では、また知事のご自身では誰が(前)副知事に依頼をしたかっていうのは把握をされているんでしょうか。

 

知事

 私自身が調査をしているということはありません。(前)副知事が警察の中で供述をしたりとかいうことはしていて、そのことについては、高村弁護士も調書というか取り寄せられて、把握をしている。ただ、その名前の部分は消されているというか、明らかになっていないみたいですけれども、そういったことはやった上で今回の報告書をまとめているというふうに承知しております。

 

読売新聞

 分かりました。あと今回の公職選挙違反事件以外にも、土木建築部の部次長の収賄事件もありまして、山口県政史上、今最大の汚点がこの数カ月の間に表面化してきていると思うんですけれども。これの責任について、知事は、昔から長年行われてきた、常態化していたという結論でありますけれども、それが今噴出してきて処分が行われていると。知事もこの8年間見抜けなかった、止めることができなかったということについて責任について改めてどのようにお感じでしょうか。

 

知事

 はい。こうした事案、この公選法の話もそうですし、今回のことに限らず、長年にわたって行われていたということ。それからまたもう一件の土木建築部の件も、結構長い間行われていたということであるというふうに承知をしております。そうしたことが行われていることを組織として把握ができたり、あるいは正すということが長年できていなかったということについては、これは本当に深く反省をしなければいけないというふうに思いますし、私自身も、このことについて自らの責任を強く感じております。

 これによって、特に法律違反に問われる事案が、しかも県の幹部職員において立て続けに起こったということは、これは本当に県民の皆さまの県政に対する信頼を著しく損なうそうした事態でありますし、この県庁の責任者であります私自身、大変深く、強く責任を感じております。従いまして、こうしたことが二度と起こらないように、しっかりと県庁組織全体でコンプライアンス、再発防止の徹底を図ることもそうですし、また仕組み的にこうしたことが起こらないようなものを、これをより充実して強化をしていかなければいけないと思っております。一過性のものではなくて、これで今回指摘があったから、その時これから改めようという気持ちだけじゃなくて、これが仕組みとして永続するものをしていかなければいけません。そうした意味では、「働きかけ対応制度」あるいは「公益通報制度」について、より実効性のあるものにしていくということを今回考えて対応を行うことにいたしましたし、また「コンプライアンスの日」というのも設けまして、毎年毎年、こうしたことについても改めて職員が再確認をして、コンプライアンスの意識を高めていくということを行って風化することを防いでいくということも行うことにいたします。ぜひこうした取り組みを通じて、今回、県民の皆さまに対して、このわれわれの県政に対する信頼を回復をしていく、このことを組織を挙げて全力で取り組んでいかなければいけないと考えています。

 

読売新聞

 立て続けに表面化している、この県庁内の不祥事について、やっぱりいまだかつてないほど県政に対する信頼というのが揺らいでいると思います。知事は2月に知事選を終えて3期目を今スタートさせたばっかりですけれども、選挙戦の中では、公職選挙法違反も、あのときはもうその事件についての方では表面化をしていましたし、収賄の方についてはもうすでに調査は始まっていたと、選挙の段階ではですね、思います。ですけど、コロナ禍ということもあって、直接知事がその件について県民の皆さんに直接お話する機会というのはありませんでしたけれども、この責任をですね、例えばご自身、今回給与の1カ月50%カットという形で、これで解決ではないというお話が先ほどありましたけれども、ご自身の進退とか責任問題について、具体的に進退についてどのように今思われますでしょうか。

 

知事

 そうですね。今回私自身も自らの責任を強く感じていますし、給与カットという形で、自分としてもけじめを付けるというふうに判断をいたしました。このことが十分か不十分かというところはそれぞれ評価があるというふうに思いますが、それは私が受け止めたいと思いますが、ただ私が果たすべき職責として重要なのは、こうした県庁において行われていた法律の違反が問われるような行為、こうしたことをこれから先根絶していくということが、私が果たすべき極めて重要な責任だと思っております。このことを、今回お示しをした二つの宣言と五つの取り組み、このことを組織全体にしっかりと徹底をして、二度とこうした事態が起こらないように、私が責任を持ってしっかりとその職責を果たしていきたいと思います。

 

読売新聞

 分かりました。ありがとうございます。

 

中国新聞

 今回の公選法違反で処分の対象となった方たちというのは今回の人事異動で何か昇格とかされてる方もいらっしゃるんでしょうか。

 

知事

  それは、言っていいのかな。昇格ですか、それはあります。

 

中国新聞

 これは別に人員的なものもあるのかもしれないですけど。普通だったら見送りとか考えてもいいのかなと思うんですけど。そこまでは考えられなかったんですか。

 

知事

 そうですね。この件についての処分は処分としてしっかりと行って、本人、私も一人一人話を昨日伝えましたけれども、反省をし、今後こうしたことがないようにしっかりやっていくということをそれぞれの職員も言っていましたし、私もぜひそうしてくれという話も伝えました。ですので、この件については処分を行い、本人も反省をして再発防止に積極的に取り組んでいくという話もありました。そういった意味では、人事の異動はそれはそれとして適材適所で行っていくということも一方で必要ですので、行うということにしているということです。

 

中国新聞

 あと先日公表された報告書の方で、高村弁護士もおっしゃってたんですけども、各政党と知事の方も対等、正面から向き合ってほしいと言われたんですけど、これまで正面から向き合ってないとかそういう、知事としては、感覚というのはいかがでしょうか。

 

知事

 正面から向き合うというのは、ちょっと表現としてですね、私もどう受け止めたらいいか分からないところはありますけれども。ただその問題意識は、要は非常に関係性が深い中で、何らかのねじ曲げられているものがあるんじゃないかというところのご懸念はあるんだろうなというふうに思いますので、そうしたことも思われないように、当然県の行政をしていかなければいけないというふうに思っております。

 

中国新聞

  選挙の方では、あれだけ自民党の方から支援を受けているわけですし、当然深い関係があるというのは周りから見れば思われてもしょうがないと思うんですけど、その辺というのは、特段の距離感であるとか、改めて正すところというのは何かあったりするんですかね。

 

知事

 もちろん自民党も自民党としてさまざまな地域のいろいろな課題を把握をしですね、いろんな要望も、これは正式な文書として来るものもあれば、日頃からいろいろ地域の声をお聞きするということもありますけれども、そうした中で、県として必要なことを最終的にはわれわれの方でも判断をし進めていくということは、これは何もおかしいわけではないわけですね。問題なのは、なんらか不当な働き掛けがあって、法律違反なのにそれをやってしまうですとか、あるいは本来できないことをやるとか、公正なものをねじ曲げてしまうですとか、許可できないものを許可してしまうですとか、これはあってはならないわけですね。これはいくら関係性が、いくら車の両輪でしっかりとよく連携をしていかないとしてもそこは絶対越えてはいけないところでありますから、これは踏み越えてはいけないもので当然ありますし、そうしたことが今回の公選法違反において行われたということは明らかなになったわけですので、これはこれとしてしっかりと今後ないようにしていかなければいけませんし、今後そういった不公正な行政や、あるいは法律違反になるような事案というのが起きないようにするということをしっかり仕組みを整えて、要はいろんな関係はあるけれども、ここは公正を曲げてはいけない、あるいは法律違反をしてはいけない。そこは守るべきところですから、そこは仕組みで解決をしていく、対応していくということを組んで、よく連携もしながらも、行政がねじ曲げられるとか、違法なことが行われるということにならないようなものも同時に進めていくということが重要だろうと思います。

 

朝日新聞

 知事は先ほどから、今回の事案について、長年にわたって慣例的に続けられていたと、今回の報告書もそういう指摘がありました。県庁の中で何が起きたことを把握することが今回の調査の目的だったというふうにおっしゃいました。ただ、県庁の中には、今回のような、(前)副知事が指示をして大規模に組織的に行われるような後援会の勧誘行為というのは、近年行われたことだと、村岡知事になってから行われたことだというような指摘もあります。そういった指摘に対してはどのようにお感じになりますか。

 

知事

 その指摘があるというのは、この中で。

 

朝日新聞

 報告書の中では、そういった、いつ頃からどのように行われていたのか、その村岡知事との関係はどうなのかというようなことについては触れられていないかと思います。そういった報告内容になっています。県庁の中ではそうではなくて、こうした大規模なものは近年になってからだった、村岡知事の時代なのだという指摘もあります。それに対してはどういうふうにお感じになりますか。

 

知事

 そこは、具体的にどういったことでそういう話かというところは詳細分からないところはありますけれども、いずれにいたしましても、多分、過去行われていることについてその都度その都度、程度の差というのがあるのもあるんだろうなというふうに思います。ただ、私自身が、私になってからという話でしたが、私自身がやるように指示をしたりですとか、あるいはその報告を受けたりですとか、いうことはしておりませんので、そこをどのように私も受け止めていいか、受け止めかねるところがありますけれども、ただ、いずれにしても行われていること自体は、これはどのぐらいのその強さでやっているかということは置いておいて、いずれにしてもそれは、行為自体は法律違反のことでありますから、これは過去において、同様のことが繰り返されてきたということは、いずれも同じように法律の違反が問われるようなものであろうと思いますので、ここはしっかりとこの機会に、これを正していく、二度と起こさないようにしていくと、このことをしっかりと宣言を対外的にもし、仕組み的にも作ってやっていくということをやっていかなければいけないと思ってますし、そのことを今回行いたいと思います。

 

朝日新聞

 先ほど、今回の調査は実態を把握することが目的だったんだというお話だったですけれども、そういった意味では、実態が明らかになっていなかった可能性があると思うんですけれども、そのことについてはどうお考えですか。

 

知事

 これどこまで詳細に明らかにするかというところは、考え方はあると思いますけれども、われわれとして、特に重要なのはどういった形でこれが行われていて、要は、そうしたことが二度と起きないようにする、そのために何が重要かということです。ですので、今回特に、今回行われている事案は警察の取り調べもあり、かなり具体的に全体で何部配られていてとかということも、前副知事も供述してますけど、そういったことが明らかになりますので、かなり詳細の部分で分かっているところはあると思いますけれども、これまでの部分についてはそこまでは明確なものはなかなか難しいとは思います。ただ、分かっているのは、形としては同じように(前)副知事から、これは高村弁護士が報告されてますけども、(前)副知事からおりていって、選挙によって行われていたということでありますから、まずこれ自体はなくさなきゃいけないわけですね。そのやり方がまたその中で細かいバリエーションあるかもしれませんけれども、そこは重要な要素ではなくて、要はその(前)副知事からおりてきて、こうしたことが行われているという行為が、長期間にわたって、いわば慣習化したり常態化していたということが明らかになっている。これ自体はなくさなければいけないわけですので、そこの細かいところに入っていくというよりも、これをなくすためにどうするかということの対策を考えていくということが一番重要なところだと思いますし、それは今回の宣言なり、それから今後に向けての五つの方針なりでしっかりと防げる、防いでいかなければいけないと、そのように考えています。

 

朝日新聞

 先ほどから、知事と自民党との関係ないし選挙も含めてのお話がありましたけれども、率直に言えば、知事が自民党に対して立場が弱くて起きている、それを見ている職員の中のそういう雰囲気を作り出しているという可能性もあるかと思うんですけれども、そういった指摘に対してはどう思われますか。

 

知事

 もちろん、何と言いますか、先ほどから言ってますけれども、県の行政は、県執行部だけが進めるわけではなくて、県議会と両輪で進めていくわけですね。いろんな話をしながら、コンセンサスを得て前に、それで初めて前に進められるということがありますから、いずれにしてもそこの関係性ってのはあるわけですね。これは逆にないと、何も意思疎通もないまま、県政がそれぞればらばらになってしまいますから、前に進めなくなりますから、これはしっかりと連携をしてやるということが、まずこれは仕組み上もそうしたことが必要だと思います。それ自体が悪いということではないと思いますし、そこはそこでしっかりと逆にやらなければいけない部分もある、そのように思います。

 ただ、そこでやっちゃいけないのは、それによって法律違反を犯すですとか、あるいは許可できないものを許可するですとか、公正な行政をねじ曲げられるということがあってはならないということなわけで、このことは、今回のことを踏まえてしっかりと組織で改めて徹底をしていく。このことは宣言もそうですし、コンプライアンスの研修もそうです。それから、あと具体的な仕組みとして、より「公益通報制度」にしても、「働きかけ対応制度」にしても強化をしていくと、公表することも含め抑止力を高めていくということによって、行政が違法な方に走ったり、公正さがねじ曲げられるということがないようにしていくということが重要だと思います。

 

朝日新聞

 小松前副知事に依頼をされた自民党の関係者について、調査チームは把握しているけれどもそれを公表はされませんでした。知事は、当然依頼をした自民党関係者の方はご存知だと思いますけれども、今回の事件が発覚して、知事はその方とはこの件についてどのようなお話をされましたでしょうか。

 

知事

 まず、弁護士が確認をしたというのは何をもって確認しているかというと、私が聞いているのは、要は小松前副知事が司法当局の方にいろんな供述をしてますから、地検でもですね、その調書というのがあるわけですね。これ誰からの依頼を受けたかというのは言っているわけです。それについての開示を求めて、それを受けて把握をしているということなんですが、その名前のところは、言っているんですけど黒くなっているので、その個人名を把握しているわけではないんだろうというふうに思います。

 

朝日新聞

  じゃあ、知事はその方はご存じではないということでしょうか。

 

知事

 そのマーカーで塗られているので、その先に何が書いてあるかは知りませんけれども、ただ、もちろん今回の事案の中で、小松(前)副知事からいろんな経緯については聞いておりますので、小松(前)副知事から聞いている話はあります。

 

朝日新聞

  ではやっぱりご存じであったということですね。

 

知事

 小松(前)副知事の言った話としては聞いています。

 

朝日新聞

 その方とはどのようなお話をされましたでしょうか。

 

知事

 その方との話については、個人の特定になるからそこは申し上げませんけれども、自民党関係者に対しては、今回の件について県としての対応は、この話のために今の二つの宣言ですとか、これからこうしたことを行わないということで対応していくという話はお伝えしてます。

 

朝日新聞

 またこの方に対してもその話はしているということでしょうか。

 

知事

  私が小松さんから聞いている方について、特定になってはいけませんので、そのことの詳細は控えたいと思いますけれども、いずれにしても自民党の関係者に対しては、私はこの件を話すときには、このことについてはお伝えしているということです。

 

朝日新聞

 繰り返しますが、自民党の関係者の方にお話をされているけれども、その依頼をされた方ご本人には話をされていないということでしょうか。

 

知事

 そういうふうに言われている方も含めですね、私は話をしています。

 

朝日新聞

 そういった方を含めて話していると。

 

知事

 しています。

 

yab(山口朝日放送)

 今回の報告書で、過去の副知事が中心となってこういった勧誘行為がずっと行われていたという指摘があったと思うんですが、当初から知事は過去にさかのぼってのところっていうところまでの処分とかその辺を求めないという話をされていたと思うのですが、今回の報告書にはっきり明記された上で、過去の、過去さかのぼっての副知事への処分というのは難しいと思うんですが、そこら辺の対応とか求めることというのはあるのでしょうか。

 

知事

 それは誰への処分ということですか。誰に対する処分。

 

yab(山口朝日放送)

 過去の小松前副知事からさらにさかのぼっての副知事に対して。

 

知事

  そうですね。もちろんこれは歴代というか、過去の副知事から、今回の小松前副知事と同じように、過去の副知事からおりていたということが、今回の報告、高村さんの話の中でもそこは示されているわけですから、当然これは、今回のことと同じように、すべきことではありませんし、あってはならないことであると思います。ですから当然、過去の副知事においても同じように責任はあるというふうに思います。ただその責任を問うということになってくると、これは今、県の職員でありませんから、処分をできる範囲の中にいませんので、そこは具体的な手だてとして、それを行うということはしようもありませんけれども、責任としては当然あると思います。

 

yab(山口朝日放送)

 今後話を個別に聞くとかということもないということで、基本的にはこの報告書を受けて、過去に関しては、責任はあるとは言え、不問という形になるんですかね。その辺の認識というのはいかがでしょうか。

 

知事

 そうですね。だから、県をやめた職員に対する処分というのは、これは責任はあるというふうに私は今言いましたし、実際そうだと思いますけれども、そのことについて、今この県庁の組織の中で私が管理する中にいないわけですから、処分ということは、やろうと思ってもできないということですね。

 

yab(山口朝日放送)

 あとは、再発防止とかこの先の取り組みに関して、各党に対して説明していくという話があったと思うんですが、特に今回、自民党との関係というのを指摘されている中で、自民党への説明とかその辺に関しては、他の党と同じようにというわけにはいかないと思うんですが、その辺は、特に自民党に対してどういうふうにやっていくとかそういったところはあるんでしょうか。

 

知事

  私自身もいろんな機会でお話をしますし、またこの報告書なり、今回の県の対応自体はしっかりとお伝えをしていきたいと思います。内容はこの内容なので特に差をつけて説明するということはありませんけれども、当然、各自民党も含め、各会派にきちんとお伝えをしていくということが必要だと思います。

 

NHK

 まず、今回調査チームがまとめられた報告書の中についてお伺いしたいんですけれども、今回の報告書の中では、まとめとして、本件が長年にわたる関連の一環として、かつ、根深い自由民主党との関係性に基づいて敢行されたということで結論づけられていると思います。この根深い自民党との関係性、こういうふうに報告書に書かれているわけですけれども、知事ご自身はですね、この長年にわたる自民党との関係性はどのように、報告を受けてですね、感じていらっしゃいますでしょうか

 

知事

 根深いというのは非常に印象的な言葉ではありますけれども、抽象的なものでもあるとも思います。事実としてはやはりこの山口県において自民党が多数を県議会において占め、県政を進めていく上で、県議会の中で重要な位置を占めていることは、これは変わらないことでありますし、当然、県議会と執行部とがさまざまな、予算にしても、条例にしても、施策にしても、進めていく上で、こことしっかりと連携をしてやらなければ前には進まないということはある、ということだと思います。これは山口県に限らず、この仕組みである以上、全国どこも同じような仕組みであろうというふうに思いますけれども、ただ、それが、当然議会とは密にやるということが、基本的には必要だと私は思います。じゃないとやっぱりいろんな県政の課題についてよく把握し、何をすべきかということもよく議論を熟議をして初めて、いい施策が生まれるという面はこれありますし、当然そういったことを想定した今の地方自治制度でありますから、これはそうした関係で、良好な関係で、県のためにすべきことをしっかりと課題を踏まえて取るべき方向性を共有化してやっていくということは、これは県政のために必要なことだと思います。

 そういった関係が非常に長く続いていく中で、いけないのはそれが法律違反になってしまうですとか、あるいは公正な行政がねじ曲げられてしまうですとか、こうしたことが起きてはならないわけですね。ここはやっぱりしっかりと意識をして、組織全体で取り組んでいかなければ、そうした方に流れてしまいがちだということも、これは人間の社会においておのずとあるんだと思います。それをしっかりとまず組織として明確にこれをやらないということを明らかにするということ、それからそうしたことが行われた、仮に働き掛け等があったとしても、それを防げる仕組みをしっかりと入れて機能させていくということが必要なんだろうと思います。なのでそういった意味で、今日今回二つの宣言とそれから五つの取り組みをし、県として県民の皆さまにしっかりとお約束をするということと、それから仕組みとしても、実際に人が変わったり時が流れても変わらないように、仕組みとして機能するということを今回 しっかり作って運用していく、また継続させていくということが重要だと思います。

 さっき(yabの質問に対して)言った、過去の副知事の処分を行いたいと思っても行えないと言いましたけれども、行うという意思を持っているわけではないです。つまり、今回の職員の処分においても、今回、公選法に問われた関係で、この件についての訓告とか厳重注意とか行っていますけれども、それ以前のことについては公職選挙法違反に問われておりませんので、職員に対する処分も今回行わないということにしております。なので、前の副知事が一律に同じような責任があったというところは、それは全てをそう断定できない部分がありますから、そのように取られているとするとちょっとそこは訂正をします。分かりますかね。行おうと思ったとしても行える範囲内で、その制度上の話です。責任はありますよ、もちろん。責任はあると思います。ただその処分を行うという思いを持っているかというと、それは思いというよりも、そもそも今回、過去のものについての処分は他の職員に対しても行っておりませんから、処分を行うという考えがあるわけではなくて、要は今その処分という話をされたので、行おうと思ってもその仕組み上は無理ですよという話を、制度の説明をしたというふうに理解してもらえたらと思います。

 

NHK

 ちょっと続きで戻らせていただきます。今、先ほどのお話の中に、やはり自民党会派が県議会多数で重要な位置にあるというお話もありましたけれども、やはりそういったその力関係というところが、今回の事案の根本原因だと捉えていらっしゃるということでしょうか。

 

知事

 もちろん県議会の中で最大の勢力なわけですね。ですから、それは当然、県政を進めていく上でも、よく意見を交換し、共に進めていくという関係でやっていかなければいけないということはあるというふうに思います。ですので、それはベースかと言われたら、そうしたものは当然背景にあるとは思いますけれども、そのベースにあるから起きてしまう、だからその関係自体を断てというのは、それはやっぱり県政を進めていく上で、やはりその県議会と執行部、ここは仕組み上両方が一緒になって進めていくという関係なわけですから、いい関係、県民のために、これからの県政のために何をすべきかということを、よく意見交換をし、意思疎通を図って共同で進めていくということが、これが一番望ましい形なんですね。そのためにはいろんな議論もする。切磋琢磨もする。これは仕組み上そういうふうになってるわけですから、この仕組みの中で県政を前に進めていくためには、当然議会の方とはいろんな関係でしっかりと県政を共に進めていくという関係を築いていかなければいけないと。言ってみれば密になる、密な関係、良好な関係ということをするということも一方で必要な面はあります。

 ですけれども、その関係の延長線上に、これが違法なことになっていったりですとか、あるいはその公正が害されるというふうにいってはいけないということで、ここは線を引かなきゃいけないということなわけですね。ですので、今回の公選法についても、今後こうした選挙を巡る組織的な関与は一切行わない。仮にこれは自民党だろうと求められても一切応じないということは、私も宣言し、県としてもこれは明確にしてるわけです。かつ、これ以外のことでもいろんな働き掛け、違法なことだったり不当な働き掛けがあったとしても、これには応じないようにしなければいけませんから、これを組織として対応するという仕組みも、より強化をして、運用して徹底していくということが必要だと思います。ですから、ベースの関係を全部壊してしまうということがいいわけじゃなくて、ここはやっぱりしっかりと県政のために、よく連携をしていくということは、これは必要ですけれども、その関係がそういう違法とか不公正というふうにいってはいけないから、ここはしっかり防ぐという。ここを分けて考えていかなければいけないと思います。

 

NHK

  つまり今のお話を整理すると、その背景の一つとしては自民党との根強い関係性というのは要因の一つであるとお感じになったということですか。

 

知事

 それは当然、県議会との関係がベースにあっての話だとは思います。何度も言いますが、それだから、だからいいというわけではないし、それがあるからこっちを全部見直すということでもなくて、やはり県政のために、県民の山口県の将来のために、あるいは今のいろんな課題に対応するために、よく連携をしてやっていかなければいけない関係というのは、これはこれで必要なものであるとは思います。

 

NHK

 分かりました。そして処分の内容についてちょっと伺いたいんですけども。今回、訓告と厳重注意の二つの濃淡をつけられていると思うんですけれども、その差をつけた基準というのは、具体的にどのような点で差をつけられたんでしょうか。

 

知事

 訓告というのは、直接、今回(前)副知事から依頼を受けて、下におろすというか、やっている職員です。実行したというか、いうことですね。厳重注意は、それはしてないんだけれども、その上司、管理監督する立場にあった人について、厳重注意したということです。

 

NHK

 そうしますと、今回、訓告を受けた人から厳重注意を受けた人に対して、文書、パンフレット等後援会の申込書等が渡されたと。

 

知事

 じゃあないです。その上司ですから。そこから上には、分かりませんけど、(前)副知事から、おりてきた部次長級とか、そういったところがこれは訓告の対象で、この人の上司です。厳重注意は。上です。下じゃなくて上です。

 

NHK

 ああ、そうか上司。じゃあ、監督責任っていうことですね。

 

知事

 そうです。

 

NHK

 訓告にあった人が直接勧誘行為を行ったと。

 

知事

 そうですね。(前)副知事から受け取って、それをまたその先に、下にというか、そういうふうにしている行為を行ったのが訓告。

 

NHK

 厳重注意の部長級8人は、勧誘には関わっていない。

 

知事

 関わってないですね。

 

NHK

 分かりました。この訓告を受けた方以外には(前)副知事との直接なやりとりはなかったという理解でよろしいでしょうか。

 

知事

 直にあった人は全て訓告の対象です。

 

NHK

 じゃあ、12人ということになりますかね。企業局、教育庁も含めて。分かりました。

 

知事

 12人かな。人数はちょっとすみません。

 

人事課長

 その通りです。

 

NHK

 承知しました。あとすいませんもう1点、最後に。この処分のその内容に、判断基準についていくつか質問をこれまで出ていると思いますけれども、ちょっと今回の処分に当たってちょっと確認したところ、山口県教育委員会の懲戒処分の指針というのがホームページに載ってたんで拝見したんですけれども。この中でいきますと、政治的目的を有する文書を配布した教職員は戒告とするということで、懲戒処分の戒告に当たるという指針が示されているんですけれども、今回、知事ご自身は知事部局の方に対しての処分をされたということだと思いますけれども、こういった県教育委員会の懲戒処分の指針とかは、今回の処分に当たっては参考にされたんでしょうか。

 

知事

  その指針については承知をしておりますが、ここで想定されているのは、自分の主体的な意思を持って積極的にやっているということを想定しているというふうに、われわれは思っておりまして、要は、その上司である(前)副知事から依頼を受けて、上司からの、これは指示と受け止める方もいますし、そういう立場で行ったものではないし、むしろその行ったものでないということが一つ。それから、下に対しても、これをやるように強い意思で働き掛けたりとか、そういったことも確認されておりませんので、そこを機械的に文言の通りというふうには思ってはおらないということです。

 

NHK

 分かりました。つまり今回の件については、処分を受けた方々は主体性がないので、その指針の戒告には該当しないという、そういう理解でいいですか。

 

人事課長

 この指針もですし、他の自治体ですとか、そういったところも考慮をした上で判断しております。

 

NHK

 承知しました。ありがとうございました。

 

読売新聞

 今回の報告、調査なんですけど、職員の方からはですね、自民党の相手方、(前)副知事に依頼をした相手方を明らかにすべきという声はなかったんでしょうか。

 

知事

 そこはあったのかもしれませんが、何度も言っておりますけれども、外部の方からの働き掛け、われわれが行うべきは、まず中で何か起こっているのかを確認をして、けじめをつけて正していくということが、われわれとして責任を持ってやらなければいけない範囲だと思っています。外の方から働き掛けについて、外の、もしそれが分かったとしても、個人を一方的に明らかにするということは、これはできないし、そんな権限もないと思っております。これは全体が分からないじゃないかというご意見はあると思いますけれども、それはそれぞれ所管するところ、われわれは県の執行部として、ここをしっかり正さなければいけないということでありますし、その外の方は、これは自民党関係者ということでありますけれども、自民党としてどう考えるかと、そういった範疇に入るものだというふうに思いますので、われわれがとやかく言う話ではなくて、そちらの方で判断されるべき事柄としてはそうだと思います。われわれとしてやるべきなのは、県庁の中で起きたことを確認をして、二度と起こさないようにするためにどうできるか。いうことを考えることだと思っています。

 

読売新聞

 すいません、県としての方針というよりも、そもそもそういう声が上がっていたのかどうかというところなんですけど。

 

知事

 アンケート調査の結果、これは分かりますか。

 

人事課長

 アンケート結果の中ではそういった声は上がっております。

 

読売新聞

  どのくらい上がっていたんでしょうか。

 

人事課長

 はい。件数としては数件程度ということです。

 

読売新聞

 あと、今後の県としての対策なんですけど、組織としての対応を明確化というところで、内容を公表することがあり得ることを明確化しますとありますけど、この際には、そういう依頼行為があったときに、その内容のみではなくて、どういった相手方からあったかということは公表するんでしょうか。

 

知事

 そこはさっき確認しましたが、まだそれは検討中。中身ですね、どんなことがあったかということはもちろんですけれども、その個人に関することをどこまで言えるかというところは慎重な検討がいるんだろうと思いますので、そこはこれから検討するということです。

 

読売新聞

 これは相手方を公表しないと抑止力に成り得ないと思うんですけれども、知事としてはそこについては今後どうしていきたいとお考えですか。

 

知事

 まず、その中身を公表するということで、これまではそこはしてなかった、書いてないわけですけれども、それによって一つステップですね、抑止力になると思います。もちろん、それは抑止力をさらに高めようと思ったら、名前を明らかにしてというのが一番、より強くなるのは間違いないと思いますけれども。ただ、その外部の人、その個人が特定されることについて、どこまでそれを許容できるのかというか、許されるのかというところは、これは慎重な判断がいるテーマだというふうに思います。何と言いますか、何かちょっと声掛けたら、すぐ名前言われるというふうに思われて、そういったものは全部、何も県に入ってこなくなっても逆にいけなくなる、何かあったらすぐに名前言われるぞとなっても、非常に悪いやつではなくて、ちょっとした要望とかでも、何か要望したらすぐ上げられるとなってしまってもいけない面もありますし、そこはバランスが必要なところもあるのかなというふうには思います。

 

読売新聞

 今後の「公益通報制度」の活用と周知なんですけど、これは、今後の方針としては、あくまで活用できることの明示と周知啓発、これのみになるんですか。「公益通報制度」なんですけど。これの今後は、これは使えますというふうに職員の皆さんに明示と周知啓発することのみなんですかね、これの制度の改革としては。

 

知事

 今回のような、今回特に公選法の関係というのは、要は普通の許認可とか補助金の採択ですとか、県行政としてやるものとは全然別の話なんですよね。そういったものが対象かどうかというところが明らかでなかったので、これは明確にそういったものも含めて対象にしますよということがまず一つ目です。そういった制度の対象にしますということ。それからもう一つは、公表するということも含めてあり得るよということも明らかにしていくということが二つ目です。この見直し、これ要綱で行っていますので、要綱をそんなふうに見直し、改正をして、そのことをまず周知するということだと思います。

 

読売新聞

 要綱の見直し自体はどういうふうに着手して、最終的にはいつ頃改良というか、改正するご予定なんですか。

 

人事課長

 はい。新年度から対応できるように、今、内部で検討しております。

 

読売新聞

  あと、先ほどもご指摘ありましたけど、自民党に対してその知事の立場が弱いことが、今回職員の方たちがこういう後援会の勧誘活動に従ってしまったという一因ではないかという声もありましたけど、その部分を考えたら、全ての党派に一律でこういうふうに県としては対応しますよということではなくて、自民党に対しても毅然とした態度で、ここで、この場なり、明らかにすべきだと思うんですけれども、ここについては知事として何か、ここで述べることがありますか。

 

知事

 もちろん、各会派もそうですけれども、自民党にもこの件についての報告書なり、県としての対応についてはしっかりとお伝えをしますし、最初から申し上げている通り、今後このような選挙を巡る組織的な勧誘は一切行わないということ、それから、仮に外部から求められても、全てお断りをするということ、このことは私自身、明確に県民の皆さまに宣言をしているわけです。そして、また今回の県としての対応の中でも、その二つの方針は改めてしっかりと位置づけた上で、そして今後の再発防止に向けての五つの対応についても、より実効性のあるものにして、今回、決定をし、これを運用していくということをしていくわけです。ですので、このことは明確にお伝えをしていきたいと思いますし、この方針とそれから運用をしっかりと行っていけば、こうしたことは二度と起きないだろうと私は思っております。このことをしっかりと徹底させていくことが、私が果たすべき責任だと思いますし、全力でこの取り組みを行ってきたいと思います。

 

読売新聞

 あくまで個別の党へのそういう対応はないということですけれども、知事ご自身も自民党員で、さらに報告書、調査チームの中でも、悪しき配慮があった、行き過ぎた関係があったということでしたけど、この関係をですね、今後、断ち切っていけるのかというところは、知事としてはどうお考えですか。

 

知事

 その悪しきというところがこういった法律違反だったりとか、あるいは今回具体的にないですけど、例えば公正な行政がねじ曲げられることがあってはいけないと、いうことであろうと思いますから、これは当然、それは県政の与党で最大会派なわけですから、さまざまな取り組みを一緒にやっていかなければいけないという関係は、これはしっかりと、これ自体は重要なことだと思いますけれども、その関係の延長線上に法律違反になり、公正な行政がねじ曲げられるということはあってはいけませんので、これは絶対に行わないということを、ここで明確にして、そして仕組み上もしっかりとこれを位置づけて、組織の中でこれをこうした対応をしないような、そういった仕組みに充実をして、職員にもしっかり周知をして徹底をしていきたい。それによって、法律違反もとよりその不公正な行政が行われることがないように全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

 

読売新聞

 ありがとうございます。

 

中国新聞

 今回の知事の減給というのは、前の副知事が公選法違反で罪に問われたということで減給だと思うんですけれども、土木建築部の部次長が今回収賄の罪で起訴されたことについて、知事としての責任を今後どう取るご予定でしょうか。

 

知事

 そうですね。もちろん県の職員がこうした収賄罪に問われているということについては、もちろん大変に遺憾なことでありますし、県民の皆さまに大変申し訳なく思っております。私自身も、組織の長として責任を感じております。こうしたことが二度と起きることがないように、昨日、土木建築部長を先頭に、実態のさまざまな調査も行い、そしてその先に、コンプライアンスもしっかりと徹底をしていくということを行うことにしておりますので、このことに全力を挙げていく、コンプライアンスの徹底と、それから再発防止に全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

 

中国新聞

 特に今回のような、知事ご自身が減給されるとかっていうのは、今のところ考えてはいらっしゃらないわけですね。

 

知事

 そうですね。もちろん責任はあると思っています。今回公選法の関係で、50%の話は公選法の関係です。こちらの土木建築部の案件についても、もちろん責任はあると思っておりますが、これも過去の他の自治体の例とかを見て、こうした中で知事が減給しているという例はないです。そうした中で、減給自体をすることはないですけれども、しっかりとこうしたことが二度と起きないように、組織の中で法令順守を徹底をしていくということ、再発防止に全力を挙げて取り組んでいくということが、私が果たすべき責任だと思っています。

 

朝日新聞

 話題ちょっと変わりますが、ウクライナに侵攻しているロシアのクラスノダール地方と県のその関係について、新年度にも予算計上されている交流事業に関して、県の方は、まだ様子見ということでしたけれども、それは変わってないでしょうか。

 

知事

 そうですね。はい。

 

国際課長

 今の県の方のクラスノダールの事業についてなんですが、今、国際情勢、国の動向、いろいろ今動いておりますが、それを今注視している段階です。今後適切に対応してまいります。

 

朝日新聞

 そのようなご答弁だったですけれども、知事にお伺いします。ウクライナ情勢、戦況がさらに今悪化している状況で、この話が最初に出てきた議会の開会時期からさらにその悪化していて、もう収拾がつかないような状況になっているわけですが、県としては、これに関してちょっと知事のご見解をお伺いしたいです。

 

知事

 情勢について。

 

朝日新聞

 はい。

 

知事

 はい。ロシアがウクライナを侵攻して1カ月ぐらいたつわけですけれども、今回のような一国の主権や領土を一方的に武力で侵害をするということ、それから、国際社会の平和、また秩序、これを根本から崩すような行為は断じて許し難いものだというふうに思います。国際社会、協調をして、ロシアのウクライナからの一刻も早い撤退を求めていく必要があるだろうと思います。

 

朝日新聞

 はい。これに関して、知事は先日も地方同士の交流なので切り離して考える必要があるっていうような趣旨のお話をされていました。ただ、状況は変わっています。どうなんでしょう。地方同士の交流とは言え、今、何を期待してですね、どういった状況が改善される見込みがあるっていうことに期待して、今まだ国際情勢を注視、様子見をされているのでしょうか。

 

知事

 何かを期待しているというよりも、状況が大きく動いているので、その状況を注視しているというような認識です。ですから、この交流自体も、何と言いますか、国と国との関係、国の動きに直ちに結び付けて、地方の方はどうするか、地方同士の交流ですから、国の動きに直ちに結び付けてどうするということをおのずと結論付けるものではないとは思いますけれども、要は、状況を注視しているということです。こういうふうに持って行きたいとかいう何か意思を持っているわけではなくて、今の動いている状況について、よく注視をしていくということで、今、これからの交流については保留と言いますか、そういう状況にしているということです。

 

朝日新聞

 これについて、県の対応がかなり曖昧なのではないかという指摘をしている声も私は聞くわけなんですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

 

知事

 これは各県も、ロシアの都市との交流というのをいろいろやっていますけれども、何か一方的にこれを破棄するとか、やめるというふうにしているところはなくて、どこも今は様子見というか、取りあえずその状況が今どんどん、急にこうしたことになって動いている状況の中で、状況を注視しているということだと思います。積極的に進めることもないし、一方的に解消というか、やめるっていうことを宣言して言うこともないし、そういうちょっと状況見ているということが、全国の自治体の今の状況だと思います。

 

朝日新聞

 分かりました。あと1点、先日、県議会の脱炭素に関する特別委員会の方から県の方に提言が出されました。その中で、2050年のカーボンニュートラル、これに関して、県としても目標に掲げるように求めるという趣旨の内容だったかと思いますが、これを受けて、知事は今後どのように進めていきたいと考えていますか。

 

知事

 あれちょっと、報道もですね、若干ちょっと書いてあることと違うなと私は思っているんですけど、報告書に「カーボンニュートラル宣言」とタイトルがなっているんで、あれがミスリードになるかなと思うんですけれども。要は、これまでわれわれ言っていたのは、カーボンニュートラルの実現に向けた道筋を示すことが困難なので、慎重に判断したいということは言っています。で、今回の提言は、「カーボンニュートラル宣言」をすべきだっていうことが書いてあるわけじゃなくて、その具現化に向けた具体的な対応等の検討をしっかりと進めることとか、企業や県民の理解と積極的な参加を得るように努力をした上で必要な宣言をするという、そういった内容になっているというふうに承知をしております。

 ですので、これはわれわれもそういうふうに思っておりますけれども、要は、県がどこにも相談せずに一方的に打ち上げてやるということではなくて、やはりいろんな具体的な方策なり、その関係者ですね。特に、このカーボンニュートラルは県が決めてやるものではなくて、実際、事業者ですとか、県民ですとか、いろいろと認識を合わせたりとか、協力を得ながらしていかなければいけないことですから、その辺りの環境も整えていくということも重要だろうというふうに思います。そうした内容だというふうに受け止めておりますので、提言内容をしっかりと受け止めて、今後の対応を検討してまいりたいと思います。

 

朝日新聞

 分かりました。ありがとうございました。

 

読売新聞

 私も少し話は変わるんですけど。今回の人事の件で、今回の人事の狙いだったり、知事がこういった点にこだわったというところですね、あれば教えてください。

 

知事

 そうですね。人事の個別の人繰りそのものは、適材適所ということでいつもやっておりますので、今回もそうした考え方で行っています。そういう中で、新しくその強化したところで言いますと、特に、県立総合医療センターの機能強化について、これはこれから具体的な基本的な考え方をまとめて、具体的に進めていくということを決めました。来年度、とても重要な年になりますので、新しく理事、部長級の理事を設けて、強力にこれを推進していくこととしたわけです。これはですから、今コロナの中で、特に、県民の皆さまの生命や健康を守っていくということの重要性を改めて感じておりますけれども、これから将来に向けて県民の皆さんの健康、生命、これを高度に守っていく、また、全県的にへき地の支援も含め、守っていくということは極めて重要だと思っておりますので、この県立総合医療センターの建て替えを、ぜひいいものにしていきたいと思っています。そうしたことにするために、組織としても強化をして、実際に部長級の職員も新たに設けて、推進していくということにいたしました。また一方で、コロナの対応も引き続きいろんな状況の変化がありますので、審議監を設けて、感染拡大防止対策の方も一方で強化をしていきたいと思っております。

 それから後は、デジタル化をどんどん進めていますけども、特に建設の関係、特にDXを進めていくということ、あるいは、上関の橋も、明日、本格的に復旧が終わりますけれども、そういうインフラが老朽化をしてさまざまな問題が出て来ているということが現実に起きております。こうしたことに対して、インフラを効率的に高度に管理をしていく、メンテナンスをしていくということも重要ですし、そうした中で、DXも進めていかなければいけません。また、災害も今東北でも大変なことが起きてますけれども、山口県は地震はそう多くはないですが、豪雨災害ですとか、さまざまな災害ということも常に懸念されるわけです。こうしたことに対する対応力を高めていくために、新たに審議監のポストを設けていくことにいたしましたので、そうした今の課題に対して、組織についても強化をし、必要な人員を、人材を登用して強く取り組みを前に進めて行きたいと思います。

 

読売新聞

 特に、部長級以上の方たちに、今まで、経験豊富な分野をしてもらう方とか、もしくは、全く経験がない分野をされる方がいらっしゃればそういう方たちにどういう期待をしますか。

 

知事

 それは誰ということではなくてということですか。そうですね。もちろん、人材の登用は何と言いますか、これまでの経験ですとか、あるいは実績ですとか、これから課題に対してしっかりと対応できる職員を配置をするということを考えて行っています。当然、今まで経験のあるところに新しく上役で就いたということもあるでしょうし、もちろんその新しいこれまでにないところに行くこともあります。この辺りは非常にバランスが重要なところでありまして、同じところにずっと居続けるということも、これは組織としては、何と言いますか、多様なものが生まれてきにくくもなりますし、一方ではもちろん非常に即戦力になるとか、さまざまメリットもあるわけですけれども、他方で全く行ったことがないというところに、新しくその管理職として行くということももちろんあります。ただ、これもこれまでの経験等を踏まえてしっかりと新しいところでも仕事ができるだろうし、むしろ新しい視点で取り組みを前に進めてもらえるんじゃないかと、そうしたことも大いに期待をしております。ですので、人事についていろんな考慮しなきゃいけない要素はありますけれども、これまでの経験、あるいは実績からそのポストに最適だと思う人をそれぞれ配置をすると、そうした考え方で行っております。

 

読売新聞

 すいません。ごめんなさい。ちょっと質問が悪かったんですけど、今回ご異動される皆さんにですね、どういう働きを期待したいかというところはいかがですか。

 

知事

 そうですね。県政の課題はさまざまありますけれども、特にコロナの中で社会が大きく変わって来ています。コロナ対応はもちろんですけれども、やはり県民の皆さまの安心をしっかりと将来に向けてどう確保するのかですとか、あるいは、傷んだ社会や経済をどう再生させていくのか。そして、リモートワークとか、デジタル化が進む中で、これから戻していく社会というのも、今まで通りじゃなくて、新しいもの、今の流れの延長線上に違う社会があると思っています。こうしたことを見据えて、しっかりと山口県を安心で希望と活力に満ちた県にしていく。そのための取り組みを、各今回異動して新しいポストに就く職員もそうですし、引き続き4月以降も同じポストに残る職員もいますけれども、いすれにしてもそうした今直面している課題に対して、将来の山口県を見据えて、より安心で活力に満ちた県にするために全力を挙げて取り組んでいただきたいとそう思っています。

 

読売新聞

 ありがとうございます。

 

時事通信

 人事の関連なんですけれども、今回、感染症対応の審議監、新設されますが、これはコロナ対応としての一時的なものなのか、それともコロナ後も見据えた、その後も継続していくポストなのかっていうのを教えていただけますか。

 

知事

 それは審議監の話ですか。

 

時事通信

 審議監です。

 

知事

 審議監の話。そうですね。まず当面の今の感染拡大防止対策のためということで考えておりますので、そういった意味では、未来永劫で先々までずっとっていうふうに考えているわけでは現時点ではありません。もちろんコロナ後において、こうした課題がずっと続くんであれば、そういったことも考えなければいけないと思いますけれども、今回は、今、またオミクロン株も今まだ収まりませんし、またこれからも新たな対応が必要となってくると思っておりますから、対応としてはしっかり継続してやっていかなければいけない大きな課題でありますので、こうしたポストを設けますけれども、今後のことはまだ今後のこのテーマについて、この課題についての状況に応じて考えていきたいと思います。

 

時事通信

 あと、ちょっと公選法の方にも若干戻ってしまうんですけれども、先ほど処分を受けた方の中で昇格された方もいらっしゃるというお話がありましたが、これは今回の処分の有無とか内容が、新年度の人事に反映されていないということなのか、それとも反映した上で昇格された方もいらっしゃるということなのかどちらでしょうか。

 

知事

 もちろん、その処分があったということを踏まえてどうするかということを考えていかなければいけないというふうには思っております。言いましたように、処分自体は行いまして、その本人もそのことを反省をし、今後再発防止に全力を挙げていくということをそれぞれの職員が約束をしてくれましたので、そのことはしっかりと行ってもらえるものと思っております。その上で、ポストについては、やっぱり県政として必要な課題に対応するために適材適所でやっていかなければいけませんので、そうした観点で、今回の人事異動を行っているということです。

 

時事通信

 つまり、反映はされているというふうに受け止めてよろしいということでしょうか。

 

知事

  反映と言うか、当然それは行われているということはあった上での人事異動ということですね。

 

時事通信

 分かりました。ありがとうございます。

 

中国新聞

 また確認なんですけど、先ほど昇格なんですが、この処分された部次長級9人の中の方と考えていいですか。昇格されている。

 

知事

 それはどうですか。あんまり特定になるといけないかと思うんですけど。

 

人事課長

 はい。それで結構です。

 

中国新聞

 人数っていうのは言えないんですか。

 

人事課長

 それはちょっと特定につながる恐れがありますので、差し控えさせていただきます。

 

読売新聞

  処分の件でちょっと細かいところなんですけど、対象の中に、こう丸括弧参考で部長級の方2人訓告というふうになってますが、これも含めた上で、県としての処分は、部長級が3人、部次長級9人が訓告だったというふうな理解で大丈夫ですか。

 

知事

 そういうことですよね。

 

人事課長

 はい。それで結構です。

 

読売新聞

 ありがとうございます。

 

 

 作成:山口県総合企画部広報広聴課

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