本文
知事記者会見録・令和3年1月4日実施分
日時 令和3年(2021年)1月4日(月曜日)
11時00分~11時42分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
知事
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年1年、報道関係の皆さまにとりましても、実りの多い1年でありますことを心から願っております。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。
まず、最初に新型コロナウイルスの感染状況についてでございます。
年末の28日に、周南市でカラオケ等の一連の行動によりまして、クラスター(感染者集団)の発生が確認をされた旨の臨時の記者会見を行わせていただきました。翌日29日には、本県の1日当たり最多となります24件の新規感染者数を記録いたしました。
クラスターに関しましては、保健所によります積極的な疫学調査、その実施によりまして、さらなる感染の拡大、これは抑え込むとともに、年末年始にかけては、孤発の発生事例はありましたけれども、県民の皆さま方のご協力によりまして、新たなクラスターの発生は確認をされておらず、現時点で県内においては、感染がどんどん拡大していると、そうした状況にはないものというふうに認識しています。
こうした中で、一方で全国的には、感染者数の増加が続いております。12月31日には新規感染者数が4千人を超えまして、過去最多を記録し、とりわけ、東京を中心といたしました首都圏におきましては、感染者が急増をしている状況にあります。
こうした首都圏での感染拡大が波及することによりまして、全国的に感染の拡大が懸念をされます。こうしたことは、本県におきましても、その影響を受けることは例外ではありません。
特に、これから、仕事始めを迎えます。人の動きもまた活発化をすることから、これまで以上に緊張感を持って、感染の拡大防止に取り組んでいかなければならないというふうに思います。
そこで、改めまして、県民の皆さま、企業の皆さまには、感染を拡大させないように、改めてのお願いでございますけれども、特に年末年始で、日頃とは違う人と接したりすることもあった方もあるんじゃないかと思いますけれども、特にこれから仕事が始まってまいりますけれども、発熱等症状がありましたら、出勤等はぜひ控えていただいて、まず、かかりつけ医等に相談をしていただきたいと思います。皆さん、責任感で、あるいは使命感でもって、出勤しなきゃあと思いがちだと思いますけれども、ここで職場で感染が広がってしまっては元も子もありませんので、ぜひここは、もし発熱等の症状があれば、ぜひ出勤は控えていただいて、しっかりとまず急いでかかりつけ医等に相談をしていただく、このことが責任のある態度だと、そうした考えで、行動をぜひしていただきたいと思います。そして、また特に企業等でも従業員の方々にそうした注意喚起をぜひ行っていただきたいと思いますし、もし症状がある場合には、休みを取らせる、そうしたご配慮もぜひ頂きたいと思いますので、この点もよろしくお願したいと思います。
それから、こうした相談は、年末にも申し上げましたが、「#7700(シャープナナセンナナヒャク)」用意しておりますので、そちらにもぜひ、また引き続き電話でご相談いただいて、必要に応じて医療機関に受診もいただきたいと思います。
それから、これから冬が本格化してまいりますけれども、感染が拡大しやすい、そうした時季になります。これまでも繰り返し申し上げておりますけれども、「3密を避ける」、そして「マスクを着用する」、「手洗い」、そうした日常生活におけます基本的な感染予防、その対策のさらなる徹底をお願いしたいと思います。
さらに、職場における感染拡大防止、先ほど言いましたように大変重要だと思っております。企業の皆さまにおかれましては、体調の悪い方は「出勤しない」「させない」、そうしたことを徹底していただきたいと思いますし、また、テレワーク・時差出勤のさらなる推進など、職場での感染防止対策につきまして、特段のご配慮をよろしくお願いいたします。
特に、休憩室ですとか、更衣室、また喫煙室などにおきましては、気の緩みですとか、環境の変化によって、感染リスクが高まることがあります。より一層の感染防止に注意をしていただきますようにお願いいたします。
感染拡大防止に当たりましては、皆さんのご協力が欠かせません。ご自身や大切な方々を感染から守るため、これまで以上に、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
そして、今日は公務始めということでございます。先ほど、公務始めに当たりまして、職員にビデオで訓示を行い、直面する感染症の危機を乗り越えていくということとともに、危機から生まれた変化をこれからの成長へとつなげていく、そうした取り組みをさらに加速させていく、このことを念頭に置いて、さまざまな課題の克服に取り組むように指示をいたしました。
県政推進に当たり対応していくべき3点について、さらに伝えたところです。
1点目は、デジタル化の推進についてです。
私としては、今後、官民を挙げて、デジタル技術によります社会変革、いわゆるデジタルトランスフォーメーション、これを加速させていく考えです。
職員には、デジタル技術の活用によって、県民生活、これをどのように向上させていくのか、また、県内の産業の活力、これをどう高めていくのか、そのことが大変重要であります。その具体的な将来像、こうしたことをしっかりとイメージしながら施策を構築し、取り組みの加速化を図るように指示をいたしました。
2点目は、「働き方の新しいスタイル」への対応についてです。
コロナ禍を契機に、テレワークやオンライン会議など、働き方の新しいスタイルが広がってきつつあります。
その定着に県自らが率先して取り組むとともに、今後、行政手続のオンライン化などを進める中で、より効率的で、県民や事業者の皆さまにとって利便性の高い行政サービスを可能とする仕事のあり方を確立するよう指示をいたしました。
3点目は、危機管理の徹底についてです。
近年、全国各地で自然災害が頻発しています。また、昨年、本県では上関大橋の損傷が生じました。感染症対策についても、引き続き万全の備えが必要です。
このため、どのような事態にも迅速かつ適切に対応できるように、日頃から、情報の的確な収集・管理に努め、危機管理を徹底することを改めて指示したところです。
コロナとの共存を前提にした「新たな日常」の中で、デジタル化等による変革の恩恵をすべての県民が享受をし、これまでよりも豊かで安心・安全に暮らすことができる、こうした社会の実現に向けて、県づくりの取り組みを力強く前に進めていく、そうした1年にしていきたいと考えています。
次に、上関大橋の損傷に係ります上関町への支援についてであります。
このたびの上関大橋の損傷につきましては、応急工事の実施によって、順次、通行規制を緩和してきているところでございます。
一方で、橋の復旧につきましては、現在、上関大橋復旧検討会議、この意見等を踏まえて、損傷原因の究明、また橋の復旧工法等の検討を進めているところです。
これらの検討には時間を要しますことから、現時点では、復旧の見通し、これを示すことは難しいわけでありますが、早期の復旧に向けて全力で取り組んでまいります。
このように橋の全面復旧が見通しが立たない、そうした状況にあることから、住民の皆さまの日常生活、また経済活動を維持するため、本土と長島の間の代替交通手段の確保等について、上関町に対して支援を行います。
全体は、こちらにまとめておりますので、皆さんも資料を見ていただければと思いますけれども、まず、上関大橋につきましては、段階的な通行規制の緩和に取り組んでいるところであります。ですけれども、車両の総重量が14トンを超える、そうした車両につきましては、引き続き現在通行できない状況にありますので、そうした車両を運搬するために、県において、本土と長島を結ぶフェリーを運航することといたしまして、必要な着岸施設の整備等を進めてまいります。
また、橋の通行規制によって、長島における公共工事に必要な建設資材等の運搬についても支障を来しておりますので、施工に関する技術的助言、また建設資材等の運搬経費について支援を行うものです。
また、さらに、橋の損傷直後から、上関町が運航されました臨時渡船、また渡船終了後から運行されている臨時バスに係る経費等についても支援を行うこととしております。
今後とも、住民の皆さまが一日も早く元の生活を取り戻すことができるように、引き続き、上関町と緊密に連携をしながら、全力で取り組んでまいります。
私からは以上です。
KRY(山口放送)
改めてですけど、今年、コロナに対してどのようなお気持ちで向かっていかれるのかというのを。
知事
今年全般。
KRY(山口放送)
はい。全般。
知事
そうですね。まず、コロナがですね、12月に入って全国的には急増しております。本県においてもクラスターの発生等ですね、対応してきているところですけれども、まず、この感染自体を早く収めていくということをしていかなければいけませんし、今年はですね、これまでも大変コロナに苦しめられてはきておりますけれども、何とかコロナ、克服していかなければいけない、そういう年に、まず、していかなければいけないと思います。
その一方で、皆さんの生活、また、経済、こうしたところはしっかりと動かしていくということを、いろんな場面で始めていかなければいけないと思いますし、よく経済の状況については、しっかりとケアをしながらですね、必要な対策をこれからも打っていきたいと思います。
それから、先ほども触れましたが、特に社会がですね、コロナによって大きく変わってきております。特に、日本においては、デジタル化の遅れというのを言われている中で、デジタル化をしっかりとこの機会に進めていくということを、これは本当に今、求められていることであろうと思います。行政のデジタル化もそうですけれども、社会全体でですね、働き方、また、企業の生産性の向上、また、福祉ですとか、防災ですとかさまざまな面でデジタルトランスフォーメーション、これをしっかり進めることで、さまざまなサービスの向上、皆さんの暮らしをより安心・安全で、より豊かにすることができる、そうした可能性を大いに持っています。これは、都市と地方の格差を是正することにもつながってきますし、地方での生活水準をぐっと上げていく、生産活動をぐっと上げていく、そういったことにもつながる大いな可能性を持っていますので、ぜひ、これは、新年度にしっかりと県において力を入れて取り組んでいきたいというふうに思っております。そうしたことが、実感できるデジタル化の恩恵を、県民の多くの皆さん、全ての皆さんが実感できる、そうした取り組みをですね、これからしっかりと、新年度予算の編成もありますが、展開していきたいと思います。
KRY(山口放送)
特に、具体的にその予算に組み込んで、組織とか何かで自分でやりたいということですか。
知事
そうですね。今、具体化していますので、また予算の発表のときにですね、しっかりと発表できればと思いますが、いずれにしても、このデジタル化の関係、全庁をまたがるものでありますから、しっかりと組織体制についても整えてですね、行っていきたいと思いますので、大きな組織改正っていうと4月からっていうことが基本になると思いますけれども、それに向けての体制っていうのも、新年に入って整えていきたいと思っております。
KRY(山口放送)
コロナで言うと、今、1都3県ですかね、緊急事態宣言の週内の発令っていうのがありますけれども、これに対しての受け止めをお願いします。
知事
やはり東京、特に東京を中心にですね、大都市圏での感染がぐっと増えていくということになりますと、これが山口県はじめ地方の方での感染の拡大にもつながってまいります。東京での感染の拡大が、先ほどの件もありましたけれども、この前、第1波、第2波もなかなか大変でしたけれども、この第3波の大きさというのは、これまでの比ではないわけですね。これが、特に、この年末年始を迎えて下がるのかというと、なかなか人出を見てみても大きく落ちているような様子もない中でですね、これがさらに拡大をしてくということも大変懸念をしております。感染の流れで言いますと、全国同じような、何て言いますか、環境ではなくて、感染の流れで言うと、特に大都市は、川の流れで言うと川上にあってですね、われわれ川下の方にいるというふうに考えると、川上が収まってくれないことには、なかなか川下も大変な状態が続くといくことです。この川上が、今、大変な状態にありますので、ここを何とか抑えるということを、ぜひ、実行ある取り組みをですね、期待したいと思います。そうした中で、この1都3県の方を中心にですね、どうできるのかということを真剣に考えられていますし、また政府の方に緊急事態宣言についての発令の要望も先日されました。これから政府の方でも、その検討をされるということでありまして、その発令に向けた検討はされるんだろう、報道等でもされております。
いずれにしても、今できることに、ぜひ、全力を挙げていただいて、大都市部での、とにかく感染を収めてもらうということが全国の感染の減少に間違いなくつながりますので、ぜひ思い切った対応を、期間限定でやっていただけると大変ありがたいなと思います。
KRY(山口放送)
首都圏とか関西圏、もし、宣言が出た場合、今、県民へのメッセージは、拡大地域への慎重な行動をみたいな感じだと思いますけども、これが、何か、そのメッセージが変わるというのはあるのでしょうか。
知事
そうですね。緊急事態宣言が発令されるに向けましては、また、これから専門家会議の方でも検討がされますでしょうし、それを踏まえて政府の方での判断があると思いますので、それを見てからになるとは思いますけれども、いずれにしても、より強度のメッセージが出るのであればですね、われわれも、それも呼応してより強い要請をしなければいけないのではないかというふうに考えております。内容につきましては、専門家会議での議論だったり、政府の判断っていうのを踏まえて具体的には考えていきたいと思いますけれども。
共同通信
緊急事態宣言の関連なんですけれども、知事、緊急事態宣言の効果というのをどう見ておられて、県内でも、さまざまなクラスターがあったりとかですね、孤発事例があったりとか、いろんな事例に対応していると思うんですけれども、この緊急事態宣言の効果っていうのは、どういうふうにお考えですか。
知事
そうですね。いずれにしても、強制的なものはできないというのが、現在の法律の中の一定の限界だと思っておりますので、そうした中でどれだけ強いメッセージが出せるのかというところでは、一番最後に残されているのが、今、現行の法制度の中では、緊急事態宣言なわけですね。ですので、これは本当に最後の最後に、今、制度上は、持っているものでありますから、その効果にはですね、ぜひ、期待をしたいと思います。ただ、やっぱり、ちょっとコロナに慣れてきてですね、いろんな対応、また皆さんの行動もだんだんコロナが当たり前に感じてくるという中で、意識の変化はあると思います。4月、5月にやったようなですね、緊急事態宣言とは受け止めが違うのかもしれませんけれども、ただ、医療的に逼迫(ひっぱく)している状態というのは、本当に深刻なものが大都市部においてはあるだろうというふうに思いますので、ぜひ、ここは、しっかりと国全体でですね、収めていかなければいけないということで、国民の皆さんに強いメッセージが届くといいなというふうに思いますし、ぜひ、政府の方でも、そうした強いメッセージ、思いを込めてですね、メッセージを出すのであれば出していただきたいと思います。
共同通信
関連で。緊急事態宣言もそうなんですけど、やっぱりこういう事態になったら、人の動きを止めることが感染拡大のまず防止の一丁目一番地と思われるでしょうか。
知事
そうですね。コロナウイルスは、人から人にうつってきますので、動きが止まればですね、感染拡大も止まっていくということにはなるだろうと思います。ただ、何て言いますかね、動きが完全に止まるわけじゃありませんから、一定の動きはあるでしょうけども、やっぱり気を付けなければいけないのは、動くことそのものもそうですけれども、接触ですよね、接触する場面を特に気を付けてもらうっていうことが重要ではないかというふうに思います。単純に単体で動くだけであればですね、それ自体が、人と会わなければ感染するわけじゃないですから、人と会うというところが重要ですから、そこの場面での対策というのも、先ほども言いましたけれども、特に、やっぱり意識してもらわなければいけない点だと思います。
山口新聞
この年末年始で、混雑が懸念されていた帰省とか、あと初詣なんですけれども、初詣については、ホームページで混雑状況を分かりやすく説明されていましたけれども、知事としては、県内のこの年末年始の混雑状況というところは、どのように見ていらっしゃいますか。
知事
そうですね。例年と比べると、随分と皆さん帰省を控えられたり、あるいは、初詣等についてもですね、控えられた、あるいは分散したりということでやっていただいたんだろうというふうに思います。いろいろと報道でも、皆さんもやっていただいておりますけれども、かなり例年よりは、少ない状態に収まっているんではないかと思います。これが、県内の感染が広がることを防ぐことにつながってくれればいいなというふうに期待しております。これは、これから数日間かかってどれだけ県内の感染が広がっていくかということを、よく注視をしていきたいと思います。
山口新聞
知事ご自身は、初詣は行かれたんでしょうか。
知事
いや、私は、今年はまだ行っていないです。
山口新聞
これから行かれる。
知事
ちょっと状況を見て考えたいと思います。
朝日新聞
昨年末の会見で、知事は、年末年始の過ごし方については、静かな年末年始をというようなことを呼び掛けられていたかと思うんですけれど、そういったメッセージを出されて、実際に静かな年末年始っていうのが、過ごされていたのかどうか、知事として、感染状況を踏まえて受け止めをお願いします。
知事
それは、県内で。
朝日新聞
県内です。はい。
知事
そうですね。具体の箇所箇所において、どういったふうな会合なりがあったのかというところを全て承知はしてはおりませんけれども、おおむね今の感染、12月にクラスターも発生しましたし、特に周南においても、忘年会というか、まあ、ちょっと会の名前はあれですけれども、クラスターも発生をしましたので、私もメッセージとしては出させてもらいましたし、県民の皆さまも、やっぱり危ないっていうことの意識は高まったんじゃないかというふうに思います。そうした中で、皆さん節度ある行動を取っていただいたのではないかというふうに受け止めております。
朝日新聞
この「静かな年末年始」っていうものについて、宴会を避けるだとかということは具体的には挙げられていたかと思うんですけど、知事としてはどのように年末年始過ごされたんでしょうか。
知事
私は基本的に家族と過ごしております。
朝日新聞
ご自宅で。
知事
そうです。
朝日新聞
緊急事態宣言、1都3県で発令を検討するというような報道があったかと思うんですけど、知事としてはどのように政府の検討を期待したいのか、発令に向けて検討してほしいのかどうか、その辺りを。
知事
政府の判断なので、どうしてほしいということは、具体的に申し上げるというよりは、今の、とにかく感染の、特に大都市圏の拡大状況を、これを何とか抑える方法を国も県もしっかりと力を入れて対策をしてほしいという思いを持っております。それが緊急事態宣言っていう方法であれば、それも方法だと思いますし、ぜひ、今の、われわれからしたら首都圏での感染拡大を、何とか延びる状況を抑えていただきたい。また、それぞれの首都圏においても医療の崩壊とかいうことが具体的に挙がってきておりますので、それは絶対に避けなければいけないことでありますから、ぜひ、しっかりと感染拡大を抑える強力な取り組みを行っていただきたいというふうに思います。
朝日新聞
先ほどの質問に関連するんですけれども、緊急事態宣言を出すことの効果っていうのを、もう一度改めて伺いたいんですけど。
知事
そうですね。強制力がないっていうところで言いますと、どこまでもお願いベースですけれども、やっぱり危機感を皆さんが共有をして、これ以上増えてしまったら、ほんとに医療も崩壊をするし、全国的な感染が拡大してしまう、だから、やっぱり行動をしっかりと抑えていかなきゃいけないんだというところの大きな雰囲気、アナウンス効果を含め、そうした空気をぜひ醸成をしていくということの面で効果を期待したいと思います。
朝日新聞
あと、訓示についてなんですけれども、まず、「デジタル化の推進」と「新しい働き方の定着」について、まず2点あったかと思うんですけど、それを踏まえて県としては、今後どのように推進していくのか、具体的にあればお願いします。
知事
えっと、もう1回言ってください。
朝日新聞
訓示の中で、デジタル化というのと、あと、新しい働き方の定着っていうのがおっしゃっていたかと思うんですけど、県として、もう少し具体的にどういうふうに進めていかれるのか。
知事
具体的な進め方なり、体制とか予算は、その都度その都度、発表していきたいと思いますけれども、いずれにしても全庁挙げてやるので、それに十分な体制を取っていかなければいけないと思っております。それを新年に入って行っていきたいと思いますし、また、予算についても、具体的に個別のプロジェクトについての検討を進めておりますので、単に、行政手続きを少し手間を、ひと手間、ふた手間省くというんじゃなくて、もっと広く県民サービスに及ぶようなデジタル化の恩恵が広く行き渡るようなそうした策を今組み立てているところです。それから、県庁の中でもさまざまオンライン、仕事の仕方自体を変えていかなければいけないと思いますので、会議でも、テレビ、画面を通してやるですとか、あるいは、テレワークとかできるような環境っていうのも、これまでも4月以降整えてきましたけれども、さらに充実を図っていきたいと思います。
NHK
先ほど10時に、仕事始め式がなくなったということで、訓示をパソコンで行う様子を撮影させていただいたんですけれども、この辺り職員の方が画面の中から知事が自分の目を見ているようだというような形ですごく思いが伝わってくるというお話もあったんですけれども、今回初めて、仕事始め式がなかったかと思うんですが、そのことについて、どのようにお考えかということと、訓示にどんな思いを込められていたのか教えていただけますか。
知事
そうですね。コロナ禍の中でこういう対応を取るっていうふうに判断をしたということですね。ただ、年頭の訓示、通常は職員を集めて、一定の幹部職員を集めてやったりとかいうことでありますけれども、一人一人に届けるという意味では、また別の形で効果もあったのかなというふうに思います。これから、来年以降どうしていくかっていうのはまた今回のも踏まえて考えていきたいというふうに思っております。年の始めですけれど、今年は、この年末年始もコロナの対応に追われた職員も、関係部局の職員は年末年始もなくやっておりましたし、これは県だけじゃなくて、医療機関の皆さまにも大変なご苦労を頂いているところでありまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。そう言った意味で、なかなか年末年始の切り替わりというところが意識しづらい年だったかのかもしれませんけれども、いずれにしても、今直面している課題はとても大きなものがあります。まずコロナ、これをしっかりとわれわれは乗り越えていかなければいけないし、克服していかなければいけない。そして、このコロナを機に生まれたいろんな社会変革っていうのを、ぜひ山口県にとってプラスになるように、持っていかなければいけないというふうに思いますので、仕事の仕方もそうですし、生産性を向上していくこと、またデジタル化、この取り組みを社会全体に広げていく、それによって、山口県のより暮らしやすさ、安心・安全、これをぐっと上げて行くっていうことを、このコロナを機に社会がより良くなったなあというふうに持っていきたいと思いがあります。そうした中で、職員の一人一人にそうした意識を強く持って、山口県にとって、このコロナを乗り越えていくこと、またその先にある社会がより良いものであること、このことを目指して、一人一人が力を発揮をしていただきたいと、そうした思いを込めて職員訓示を行いました。
NHK
ありがとうございます。
中国新聞
県内の感染の関係で、岩国基地での感染者というのが、毎日、結構な数が出ているかと思うんですけど、それについての受け止めを教えていただきたいんですけど。
知事
そうですね。現在基地におきましては、大規模なPCR検査(遺伝子検査)を基地の中で行っていたりとか、陽性者等の隔離措置を行う、そうしたことをわれわれも報告を受けてますけれども、しっかりと感染拡大防止対策については取られてるものというふうに受け止めています。感染者の状況等の情報提供についても、われわれに対して適切に行っていただいていますので、引き続き、感染拡大防止に向けた取り組みをしっかりと行っていただきたいと思います。
中国新聞
クラスターが発生してるとか、そういう情報は入ってないんですか。
知事
クラスターっていうことは特にないですね。はい。
中国新聞
岩国市内でも、感染経路が不明な方がちょこちょこ出てこられてると思うんですけど、それとの関連性とか、懸念されるところっていうのはないんですか。
知事
感染の状況については聞いてますし、その行動についてもわれわれとの情報共有はしていますので、そこについて直接結び付けるものは今のところないですね。はい。
中国新聞
ありがとうございます。
読売新聞
緊急事態宣言について、改めてお伺いしたいんですけれども。4月に緊急事態宣言が全国に拡大された時は、安倍前総理が表明をされて唐突な感もあったかなということも思いますし、今の感染者数から見れば、当時はもっともちょっと全国的に見ても、感染者数が少ない中での全国への拡大ということだったと思うんですけれども、今回のこの東京の都心部を中心に、政府も宣言の発出に向けた調整を進めているようなんですけど、これをこう全国に、ひょっとしたら少しずつでも拡大をしていく可能性が今後あると思うんですが、知事は政府に対して、どのような方針で拡大なりの検討をしていってもらいたいか、どのような注文を付けたいかということについて、お考えがあればお願いします。
知事
そうですね。感染者自体は、一番理想はゼロにするっていうことでしょうけれども、それは現実的に相当な制限をかけなければ難しいっていうことだと思いますので、ある程度の感染については、許容範囲のものっていうものを持っておかなきゃいけないだろうと思います。と言うのは、どういう許容範囲かって言うと、医療っていうのが一つ要素として大きいだろうと。やっぱり医療がもうこれじゃ支えきれないってなってくれば、それ以上感染が増えてしまったら、命が守れないということになりますから。これはこうなってくれば、もう、これがもう間近に迫ってくれば、経済をぐっとブレーキをかけなければいけないっていうことだろうと思います。コロナがいつ収束するか分かりませんから、基本的には、そうしたほんとに切実なところでなければ、基本的には、日常生活、経済はコロナ対策しっかりしながら回していくっていうことが基本であろうというふうに思いますので、緊急事態宣言をとにかく何でもかんでも広くやるっていうことではなくて、やっぱり限られたところ、限られた期間でしっかりやるっていうことが基本的な考え方ではないかと思います。今、ステージ1、2、3、4というふうに国の方でも一定の基準があり、各地域においても、医療提供体制、受け皿っていうのも整ってきましたので、そことの兼ね合いをしっかりと見ながら、地域ごとにきめ細かく見ていくっていうことが必要ではないかと思います。
読売新聞
分かりました。
毎日新聞
知事の今回の任期が残り1年余りかと思います。デジタルとコロナのことは、お話し今日伺えたかなと思います。それ以外に、残る1年余りの任期のうちに、これだけはやり遂げたい、あるいはこれだけは着手したい、これだけはっていうようなところまでもっていきたいって思っていらっしゃる事業は、どのようなことを。
知事
まずはデジタルの関係は、もちろん県の中のデジタル化の推進ということもあるんですけれども、私、全国知事会でもデジタル推進本部長拝命しています。国全体、地方全体のデジタル化っていうのを円滑に進むようにしていかなければいけないっていうのが、一方で大きな役割を負っていて、その中で特に重要だと思うのは、人材の問題、それから通信基盤の問題、人が足りないっていうのが、地方がデジタル化していく、これは自治体もそうですけれども、企業もそうですけれども、とても切実な声があります。これに対しては人材バンクの創設ですとか、そうしたことを国に求めていますが、そこまでは今至っていなくて、一定その人材育成、地方の方でも、人が育つようなシステムっていうのを、国の方でも検討をするということになって、いくつか、その年末の段階で示されたものもありますけれども、まだまだそこはしっかりと求めていかなければ、進めていくための、まず人が足りないっていう状態は乗り越えられないんじゃないかと思いますので、それが一つ。もう一つは通信基盤、超高速ブロードバンドの整備というのが、全国だんだん進んできていますけれども、基本的には民間ベースであって、採算が取れない、取るのが厳しい所にそれが行き渡っていないという、特に離島とか、条件不利地域に行き渡っていないというところがあります。これを今回要望でも行っているんですが、ぜひ全国的な制度として、しっかりと組み込んで、全国津々浦々、そうした超高速のブロードバンドを整備するような仕組みっていうのを設けていただきたい、これを国の方に強く求めていきたいと思います。ユニバーサルサービスっていう仕組みがありまして、例えば固定電話とか、119番とか、110番って全国どこでも、離島であってもつながるわけですね。これはユニバーサルサービス制度っていうのがあって、その中で事業者からの負担も取り、全国津々浦々、条件不利地域でも、そのサービスが提供されるっていうふうな仕組みになっているんですよね。ここにぜひ超高速ブロードバンドも入れてほしいと、そうしないと、どんどん遠隔医療とか、遠隔教育とか、進んでいっても、それをそもそもやるための基盤がないと、本来、都市と地方の格差をデジタルっていうのは乗り越えることができる、解消できる大きな可能性があると思いますけれども、そのためには、当然その基盤が整ってなければいけない、それがないと逆に格差が広がってしまいますので、これをぜひ全国で制度的に組み込んで整備するようなもの、あるいは維持するようなもの、これをつくるということが、私はとても必要なことだと思います。それができるかどうかで、これからの日本の形も大きく変わってくるんじゃないかというふうに思います。なので、そうしたことを山口県内のデジタル化もそうですけれども、国全体、全国津々浦々、格差なくデジタルの恩恵を受けられるようにしていくということのために、しっかりと1年間やっていきたいというふうに思います。
それから、あとはもちろん県内の皆さんの生活、あるいはその経済、この活性化をこれまでもしたいということで取り組んできました。コロナによって経済も傷んでいますし、観光のインバウンドもほぼなくなっている状態になっています。ぜひこのコロナをなんとか克服して、そしてまたそのさらに再開、そして向上に向けた取り組みをまた行っていきたいと思います。企業の誘致等についても、順調にきておりまして、コロナ禍でもいろんな相談も今来ています。特に大都市部のリスクの大きさというのも、このコロナによっても、また明らかになったところもあります。地方の優位性というのがさらに高まっていますので、この機会をとらえて、しっかりと企業の誘致や産業の活性化、観光の振興、そうしたことをまたコロナ後にまた新しい形で始めていくことを、この1年間でまた再スタートしていきたいと思います。
毎日新聞
昨年の予算編成に関する、予算編成方針、来年度の予算編成に関する方針のお話の中で、いくつか事業を廃止をしなければいけないかもしれないというお話をいただいているかなと思います。
知事
新年度の予算。
毎日新聞
昨年の秋、10月末の会見でやられた時に、70億ぐらいの財源不足が生じるだろうっていうことと、選択と集中をしなければいけないということで、コロナ等重点施策に重点的にお金を、予算を付けていくと同時に、いくつか廃止をしなければいけない事業が出るんじゃないかっていうお話をいただいたかなと思います。それが、このどのような事業を廃止するかっていうのは、ある程度固まってきてましょうか。
知事
また1月になって、私自身の査定というのもこれから行うことになりますので、具体的な新しい事業、それから見直す事業、そうしたものも、話も聞きながら協議をしていくことになりますので、その中でやっていきたいと思います。いずれにしても予算が財源的に厳しい中で、一定の制約を、シーリング等をかけ、その中で見直していくというものも、当然各部の中でも検討はされております。そういうことを総合的に見て、予算が財政的に成り立つようにしていかなければいけないと思いますので、新規事業と、それから見直しの事業と、両方これからしっかりと見て編成していきたいと思います。
毎日新聞
県税の減収見込みがどの程度の規模になるかっていうのは、またある程度見えてきてましょうか。
知事
途中途中で報告受けてますが、また最新の状況で確認をしながら、最終的に新年度予算の見積もりをしていきたいと思います。
毎日新聞
デジタルに関しましては、デジタル本部っていう組織を庁内につくられるご意向なんでしょうか。
知事
組織、いわゆるその課とか部とか、部局の単位のものっていうことと、またその全庁横断的に進めるための、名前がまだあれですけどね、何とか本部的なものっていうのはいるというふうに思っていますが、具体的には今検討しています。
毎日新聞
デジタル推進本部っていう名称。
知事
名前はまだ、名前っていうより、そうですね、その形とそれから名称は最終的にまた決めますけれども、今の段階で固有名詞を挙げて言う段階ではないですね。
毎日新聞
トップ、本部長っていう人が、トップには知事が就く形の組織をつくられる。
知事
そうですね。全庁的にやっていかなければいけない体制にしなければいけないと思います。
毎日新聞
いろいろすみませんが、残る1年ぐらい、余りの任期ですけれども、1年余り後の選挙に関しては、出馬意向は今段階ではどのようなお考えでしょうか。
知事
現段階では考えていることはありません。今あるコロナ対策と、それから進めていたものをですね、コロナがあってまた環境は違いますけれども、コロナを踏まえてさらに進めていくということを全力を挙げていきたいと思います。
防府日報
緊急事態宣言の移動制限のことに関してなんですけれども、先ほどKRY(山口放送)さんからもありましたけれども、現在は感染拡大地域への移動は慎重にということなんですけれども、これが1都3県に緊急事態宣言が発令された場合には、春と同じように、この発令地域ということで、具体的にエリアを示した上で、県民に移動の自粛なり制限なりを求めていくというようなお考えなんでしょうか、現時点では。
知事
そうですね。直接感染、われわれが今回の緊急事態宣言がもし行われて、エリア限定でどこかの1都3県ですとか分かりませんけれども、指定されることになれば、それに対応したメッセージを出さなければいけないと思いますので、より強いメッセージを出すことになろうとは思いますけれども、ただ、これは具体的にその設定の考え方とか、そうしたものが専門家がどう見て、専門家会議がどういう意見があって、あるいは政府の方でどう判断してっていうことを踏まえて、それを受けて考えていきたいと思います。
防府日報
県民に対しては、なるべくそういう地域には行かないでほしいということがあると思うんですけれども、それとは逆に、例えば首都圏から来る人っていうのは、なかなかこちらからお願いとか、止めることは難しい部分もあったりするんじゃないかと思いますけれども、例えば、この三が日でも、やっぱり帰省をされた方で孤発事例として感染がされていらっしゃった方なんかもいらっしゃいますけれども、そういった山口県に来る方、これは宣言うんぬんじゃなくて今の時点でですね、山口県に来られる方に対しては、どういった措置を、この年が明けて求められていくんでしょうか。
知事
緊急事態宣言があるので、それによると思います。宣言がされて、仮にエリア内、その方にそこから出ないでくださいっていうメッセージであれば、それに応じてわれわれもやっていかなければいけないというふうに思います。
防府日報
分かりました。ありがとうございます。
毎日新聞
先ほど説明いただきました上関大橋の関係のことです。この1億円余り、予算の財源はどこから。
知事
財源は一般財源です。
毎日新聞
補正予算を組まれる。
知事
これは予備費ですかね、当面。予備費でいいのかな。
財政課長
予備費です。
知事
予備費で対応させていただきます。
毎日新聞
転用というか。
知事
予備費っていうのは、そういうためのものですね、臨時のもので。
毎日新聞
特にこれだけ補正予算を組んで、臨時議会にかけるとか、そういう必要はないと、手続き的には、執行できる。
知事
もちろんそうですね。予備費で執行します。
毎日新聞
フェリーを代替手段として、14トン以上の車両のフェリーを運航する、っていうのはこれはいつから。
知事
フェリーは1月30日と31日に試験運航をして、2月1日から就航ですね。
毎日新聞
建設資材等の運搬経費のところから、何かの設備を整備をされる。
知事
設備、フェリーに関して、今そういうふうになっていないので、その陸側に車両等をスムーズに乗り降りできるようにするために、今の構造物を若干加工、手を加えなければいけないところがあります。
毎日新聞
それは近日着手して、もう月末までには整備すると。
知事
そうですね。それを整えた上で、2月1日から。
毎日新聞
もう1点すみません。コロナのことに関係しまして、年末年始にご家族の方以外と会食をされるっていう機会は持たれましたでしょうか。
知事
家族、うちの親とか、親戚、親にも会いましたけども、食事の時間は避けて行っております。
毎日新聞
ご家族とか親族の集まり。
知事
そうですね。はい。
毎日新聞
お仕事関係とか。
知事
仕事関係とか、他はないです。会ったのは身内だけですね。
作成:山口県総合企画部広報広聴課