本文
知事記者会見録・令和2年4月20日実施分
日時 令和2年(2020年)4月20日(月曜日)
15時00分~15時20分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に係る施設の休業の協力要請について
知事
県内のパチンコ店等の遊技施設、また、運動、遊興施設について、明日から5月6日までの間、休業を要請します。この理由ですけれども、今、感染が急速に拡大しておりますお隣の福岡県、広島県におきまして、こうした施設について休業の要請がされたところであります。
特に、パチンコ店等について、県境を越えての流入が目に見えて増えているという中で、こうした流れは、直ちに止めていかなければ危ないと判断をしました。ここが入り口になって県内に感染が広がる、こうした事態は何としても阻止をしなければなりません。該当する事業者の皆さまには、ご迷惑をお掛けをしますけれども、県民の命、健康を守るため、感染の拡大防止に向けて、ご理解とご協力を賜りますように、お願いをしたいと考えております。
なお、この度の休業要請に協力をいただきました事業者も含め、新型コロナウイルス感染症に関する、県内の事業者に対する支援策等については、検討を進めてまいります。
以上です。
KRY(山口放送)
改めて、金曜日から今日に至るまで、どの段階で休業等を決められたのですか。
知事
そうですね、基本的には一番懸念をしているのは、県外、特に広島、福岡において今、感染者が急増しています。県内の感染者数は30人ですけれども、広島、福岡を合わせても600人になっているという状況です。山口県の20倍を超える感染者、大変人口の多い両県で感染が増えている中で、ここからどんどん山口県にウイルスが入ってくる事態は何としても阻止しなければいけないと思っています。
そうした意識を持って状況を見ていましたけれども、特にこの週末において、下関においては、福岡ナンバーの車がパチンコ店等に大変増えてきているという状況で、かなり市民の皆さまも懸念を持っている。また、広島においても、休業要請がされましたけど、これ自体は、明後日からということで聞いておりますが、既にこの日曜日、昨日も広島ナンバーの車が増えているということを聞いております。この流れ、県境を越えて両県から入ってくる流れというのは、これは直ちに止めなければ非常に県内にウイルスが広がっていく危険性が高いと判断をして、今日ですね、このように決定をし、明日からの休業をお願いしたいと考えています。
KRY(山口放送)
一番最初にパチンコ店という言葉を使われましたが、そこに対するあれは。
知事
そうですね、やっぱり市民の皆さんの声としても、これは下関の市長、また、岩国の市長、両市長にも昨日話をずっとやっていたのですけれども、やはり圧倒的にパチンコ店に県外ナンバー、具体的には福岡、広島のナンバーの車が非常に増えていると、そのことに対する市民の皆さんの心配の声が非常に高まっているということを聞きました。これは、直ちにこの流れを止めなければいけないと、そのように考えたところです。
山口新聞
対象の施設なんですけれども、今言われたパチンコ店以外にもいくつか挙げられていますが、対象外の施設も含めて、どういう基準で種類を分けたのでしょうか。
知事
遊興施設、運動施設、遊技施設ということで、これは特措法ですかね、政令の区分の中での類型になっております。今言った、具体的には今、パチンコ店においては、目に見えて県外からの流入が増えているわけですけども、こうした施設はいずれも自分のところで閉まっていると、少し遠路ですね、県境を越えてでも行きたいという、そういった誘因が働きやすい施設だろうというふうに思います。そうしたことを考えて、この類型で広く捉えて今回休業要請することにしました。
山口新聞
金曜日の段階では、市中感染とか、食い止められない限りは、こういう判断はしないということだったと思うのですが、この考えが変わったことは、改めてどういう理由かというのを教えてください。
知事
そうですね、現時点において、感染経路が不明な感染が広がっているという状況は、今見られないわけですけども、こうしたことが起こらないようにしなければいけないという、常にそういう意識をもってやっております。そうした中で、今、パチンコ店と言いましたけれども、具体的に目に見えて県外からの流入が増えているというのが起こっております。これは、今、県内で感染が広がっていなくても、県内にこのウイルスを持ち込んでくる、これがまたそこが入り口となって県内に広がっていくという、そういったことが大変懸念されるわけで、これは断固として阻止しなければならないと、そういう思いです。
ですので、金曜日の段階では、現時点では考えてないと言いましたが、この土日の状況を見た際に、この点が非常に懸念されますので、今日決めて、明日から休業、これをぜひ行っていただきたいと思います。
読売新聞
パチンコ店については、この土日ですと目に見えて流入が増えているということをおっしゃいましたけれど、逆にここに挙がっていない遊興、運動、遊技施設以外の施設については、目に見えない人たちでも流入が増えているかもしれませんが、そこら辺の把握とかっていうのはどのようにしていますか。
知事
そこは、具体的な数値として把握しているわけではないですね。ただ、性質としては、やはりそういったところに行きたい方っていうのは、少し県境を越えてでも行くということが懸念はされるだろうと思います。また他県においても、同様の類型によって流入を防ぐ手立てを講じているところもありますので、そうしたことも参考にしながら、この類型ごとまとめて、今回対象にしたということであります。
読売新聞
具体的には、下関市や岩国などでパチンコ店で目に見えて。
知事
そうですね。そういった声が非常に多く寄せられているということです。
読売新聞
寄せられているというのは、県民の皆さん。
知事
県の方にも寄せられていると思いますが、具体的には、市の方ですね。これは両市長から聞きましたけれども、非常にそこが懸念の声が一気に高まっているということであります。それは実際に、他県ナンバーの車が目に見えて増えているということを皆さんが感じているということです。
読売新聞
下関、岩国を中心としたそういう県境の自治体の中の遊興、運動、遊技施設以外の施設については、今のところそういった意味で休業要請を求めない。
知事
そうですね。ここも他に何か県外から来ているような状況があるかと聞いたら、そこは今のところ大きく目立つものはないということでしたので、今回は特段指定はしておりません。ただ状況を見て、実はこういったところも県外から増えているということであれば、そこはまた、その時に臨機応変に追加についても考えていかなければいけないと思います。
総務部理事
修正させていただきます。下関と岩国という話ではなくて、休業要請そのものは、県域全体にかけていますので。それ以外ということですね。
知事
対象施設の話。
総務部理事
対象施設の話。
知事
起こっているのは下関、岩国です。起こっているのはね。要請は県内全域。
共同通信
休業要請なんですけども、特措法に従わなかった場合、事業者名を公表できるみたいな話があったと思うんですけれども、その辺の対応はどのように。
知事
これは、いくつか段階があって、説明。
総務部理事
今、これは書いてありますとおり、特措法の24条9項に基づく協力要請ですので、段階の方の公表できたり、指定できるのは、45条の方を使うことになりまして、まだその前段階ということでございます。
読売新聞
遊興施設、遊技施設ということで映画館とかは入っていないのですか。
知事
そうですね、この中には入っていない。
読売新聞
ちょっと違う性質のものだというご判断ですか。
知事
そうですね。そこが直ちに、県境を越えて来るということではなく、そこまで懸念していなくていいかなと、今は思っているということです。
毎日新聞
お話の中で、協力してくださった事業者にはそれなりの対応を検討中ということでしたけど、他県では、実際に補助金を払ったり、協力金を払ったりという例があるかと思いますけど、どのくらいまで具体的に考えていらっしゃるのかということが1点と、その休業要請をすることで、対象になるのは何件ぐらいの事業所になるのかっていうのをもし分かれば教えてください。
知事
もし分かれば、後で事務方から補足をしますが、協力金等、各県が行っているものについては、当然休業の要請というものをする以上、考えていかなければならないと思っています。今具体的にこうしたものがあるわけではありませんけど、数日内に、遅くとも今週中にはそこは整えたいと思います。
中国新聞
金曜日に休業要請する場合は、協力金というのは国の方に措置を求めるとおっしゃっていましたけれど、それを求めていく形になるのでしょうか。
知事
そうですね。これ自体は全国知事会共通で求めていっています。今、国の交付金がそうしたものに充てられなかったのが、昨日ですかね、大臣の方から充てることができるというような見直しといいますか、運用についての説明がありましたので、そうしたことは満たせると思います。
ただ、額的には、どの程度来るのか、今13都道府県、特に緊急、グレードが高いもの、特定警戒都道府県ですかね、13県に重点的にという話もあるので、そこの総額的なところは分かりませんけども、メニューとしては当たるということで聞いております。またこれは基本的に額が足りないということはずっと言っていますので、知事会全体で拡充等について、要望を引き続きしていくことになると思います。
中国新聞
それと下関市と岩国市の市長から話を聞いたということなんですけど、いつぐらいに入ってきたんでしょうか。
知事
それは昨日ですね。昨日話しました。私の方から連絡して。いろんな情報でだいぶ増えているという話を聞きましたので、実際どういう状況かということを両市長に確認しました。かなり懸念の声が寄せられるということでありましたので、これは直ちに判断しなければいけないと、そのように考えた次第です。
中国新聞
昨日の午後とかって感じですか。
知事
昨日の午前から午後にかけてですね
中国新聞
ありがとうございます。
朝日新聞
休業要請の対象施設で、パチンコ店は車のナンバー、他県ナンバーが来てると分かりやすいと思いますけど、キャバレ―、ナイトクラブ、これが他県から来ているというのは、何かすでにそういう声があったのですか。
知事
いえ、今具体的に声があるのはパチンコ店ですね。パチンコ店について聞いているということです。ただ、それぞれの施設、遊興施設、遊技施設、それらの施設、いずれにしても、濃淡はあるにせよ、閉まっていればちょっと遠出してでも行きたいというふうに誘因が働く施設だと思いますし、実際そういったくくりの中で、国の方でも区分されていて、各県の休業要請もこうした全体の塊で懸念されていることも踏まえて、同じように今回施設の類型ごとに、類型単位で丸々指定すると、要請するということにしたということです。
朝日新聞
誘因が働く施設だと思うっていうのは、具体的にその市長から話があったのでしょうか。
知事
いや、市長からはないです。これはわれわれの整理です。
読売新聞
東京都などでは、飲食店の、特に居酒屋の営業時間を午後7時、午後8時、そういった話も要請としてありましたけど、その辺りは今回は考えていないということですか。
知事
そうですね。今時点では考えてないですね。また人がわんさかと行くようなことになれば、そこは考えなければいけないと思いますけども、今、そこが具体的に懸念されるようなところではないと思っていますが、これはよく状況を見て必要に応じて適宜判断をする必要があると思います。
読売新聞
その上でなんですけども、先ほど補償っていう話もありましたが、補償の対象というのは、一方で今、ほとんどの飲食店が実際に自主的に自粛されているところもたくさんありますけど、この対象となった施設と、それ以外の飲食店であったり、事業者さんであったりいろいろあると思うのですけど、補償の対象とは、どのように捉え、考えていらっしゃいますか。
知事
補償という表現は、そうやってみんな言われているんですけれども、厳密な意味では補償ではなくて、いわゆる協力金ということですね。各自治体が設けている協力してもらうことについての、お礼を込めての協力金という意味だと思いますけれども、そうしたものはこの施設を対象にやります。ただ協力金はこの施設ですね、今、要請をする施設。これは要するに、本来営業を自由にできるところを感染症の防止の対策のために特にお願いしてやめてもらうということですので、それに対する協力金、そういった対応関係になるわけですね。
それ以外の施設も、通常の事業を今回のコロナの関係でいろいろとイベントが中止になったりとか、自粛ムードの中で、さまざまダメージを受けていますので、ここについての支援は別途考えて、また具体的なものを出していくということをするということです。それを同時に進めていくということですね。
読売新聞
別途というのは、国からの交付金とかを。
知事
それを使うのもありますし、当たらなければ単独で投資することを含め、そうですね。
読売新聞
そこのそれはある程度、差が出てくる可能性がある。
知事
差というか性質が違うので、比べられるものではなかなかないと思いますけれども。
読売新聞
一方で、これまでの知事の宣言に基づかない要請の中では、不要不急の食事だったりとかも、夜はできるだけ控えるようにとかの話もいろいろありましたけれども、実質的には、街を歩いたらほとんどの店が閉まっている中で、今回要請を出した施設と、そうじゃない施設というところで、実質的に状況はほぼ変わらないと思うんですけれども、その性質が違うにしても、額を同じにするとか、内容をできるだけ不公平感をないようにするべきかなと思うのですが、その辺りは何か考えてらっしゃいますか。
知事
協力金というのは、規模に関わらず、一律でどこもやっていますよね。多少、差があるかもしれません。他方で、今コロナの関係で、経営に影響を受けているところ、当然大きければ、融資の面でもしっかりと支援をしていかなければいけませんし、当然、大変さの度合いによって、例えば融資であれば、当然、借りられる額ももっと必要かもしれません。そうしたものは、それぞれの状況に応じて、このわれわれが今作っているメニューというものを活用していただきたいと思いますし、またそれ以外のさまざまですね、この苦境を打開するための取り組みですとか、いろんなことをやられると思いますけれども、そうしたことに対して、どのようにサポートできるのかということを今考えているということです。
ですから、単純に金額で比べられるものではないかもしれませんけれども、いずれにしてもきちんと協力金は協力金、またこのコロナで影響を受けているところについては、そこについて事業の維持なりですね、そういったことについてサポートできるものは、しっかりと整えていきたいということです。
読売新聞
もう1点だけ。今の話で行くと、協力金はお金を出すような形になると思いますけれども、そうじゃない事業者にも、いわゆるお金を直接出すというような、融資じゃなくてそういったことは考えてらっしゃいますか。
知事
融資なり補助なりいろんな形で財政的な出動は考えていますので、これはまだ最終的には、まだ議論がいりますけれども、今、中で検討しているところです。
中国新聞
先ほどと関連の質問になるのですが、先般の知事の外出自粛の要請を受けてといいますか、そこを尊重して山口市内、特に湯田温泉街、この週末、かなりの数の店舗が店の前に張り紙を出して、今日、休館・休業しますというようないろいろ案内を出していました。いくつかの店主に聞いて回ったんですけど、知事は外出自粛を要請するんだけれど、われわれの店舗には何もメッセージを発していないというような、いわゆる苦言を聞きました。今回この該当にならない店舗に対しては、知事自身はどういうふうにしていただきたいのか、営業を続けてもらいたいのか、先ほどのように本来自由にやっていいということであれば、自由にやってもいいのか、それとも自粛をしてほしいというのか、何らかのメッセージを発するべきだと思うのですけれど、お考えがあればぜひこの場で示していただきたいのですが。
知事
業態として、自粛してほしいとか、そういうことを一律に、それぞれ状況が違うと思いますので、一概には言えないと思いますけれども、ただ、今コロナが起きている中で、非常に経営的に厳しいものが、飲食店もそうですけれど、例えばイベント会社にしても、フラワーショップにしても、いろいろあると思います。そういったところについては、全体的に事業を維持する、継続できるためのサポートを最大限やっていかなければいけないと思いますので、今回、休業要請の時にも、もう既に用意しているリーマン・ショックを超える条件の県の制度融資、これもともと60億円の枠を先般、山口県が緊急事態宣言の対象地域となって、県民の皆さまに改めて外出自粛を求めたときに、同じように合わせてその枠を200億円に増やして、この資金需要にしっかりと対応できるようにしました。その他の点でも、各事業者の努力に対して、どういうふうに応えられるかということを今考えておりますので、これはしっかりと組み立てていきたいと思います。
作成:山口県総合企画部広報広聴課