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知事記者会見録・令和2年2月18日実施分

ページ番号:0013105 更新日:2020年2月20日更新

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日時 令和2年(2020年)2月18日(火曜日)
11時30分~13時12分
場所 県庁2階 記者会見室

発表項目

  • 令和2年度当初予算(案)について

知事

 皆さん、こんにちは。
 今日は、令和2年度の当初予算案について、御説明をさせていただきます。
 初めに、予算編成の基本的な考え方ですけれども、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりまして、企業誘致ですとか、新しい成長産業の育成等を通じまして、経済の活性化、また雇用の確保、そうしたことに取り組んだり、また、観光客の増加等による交流人口の拡大、さまざまな面でいろいろな成果が上がってきているところでございますけれども、一方で、県政最大の課題であります人口減少については、依然として歯止めがかかっていない状況であります。
 そうした中で、県民の皆さん誰もが将来に希望を持って暮らせる、そうした県づくりをしっかりとしていかなければいけないと思っております。そのために、「やまぐち維新プラン」に掲げます「3つの維新」への挑戦、これをしっかりと続けていきたいと思っております。
 このため、新年度の予算編成では、三つの考え方について掲げて取り組みを進めることにしております。
 1点目は、「末来へつなぐ『3つの維新』への更なる挑戦」ということでございます。
 後ほど説明しますけれども、AI(人工知能)ですとか、IoT(モノのインターネット)ですとか、そういった技術もしっかりと活用しながら取り組みを進めていくということ、新しい総合戦略も作りますけれども、これに基づいてしっかりと取り組みを進めていきたいと思います。
 それから、「持続可能な行財政基盤の確立に向けた取組の着実な実行」ということでございます。
 行政をしっかりとやっていくためには、安定した財政基盤をしっかりとつくっていかなければいけません。持続可能な財政基盤をしっかりとつくっていくという、これまで進めてきた取り組み、これを着実に進めていきます。
 それから、「国の経済対策に呼応した緊急課題への対応」ということで、国の補正予算等、組まれておりますけれども、これをしっかりと活用して、防災・減災対策ですとか、国土強靭化、また、教育ICT(情報通信技術)等の関係等、取り組みを進めてまいります。
 次ですけれども、予算全体は6741億円ということでございます。前年度比113億円の減ということになりますけれども、一方で今言いました国の経済対策と対応させて2月補正予算、これ、一体編成後の予算規模で言いますと、6881億円ということで、比較で言いますと約27億円の増、プラス0.4%の増ということになります。
 そして、具体的な取り組みということで、後ほど個別についてはお話をしますけれども、今までつくった「やまぐち維新プラン」と、それから今年度中に策定いたしますまち・ひと・しごと創生総合戦略(第2期山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略)、これはSociety5.0等を踏まえ、未来技術をしっかりと活用していこうですとか、関係人口の拡大、そうした取り組みを進めていきますけれども、その中でそうしたことを踏まえて、今年度の予算編成においては、四つの重点項目を挙げております。
 ひとつは「Society5.0時代を見据えた未来技術の活用」ということであります。すぐ次の資料で、また説明しますけれども、このAIとか、5Gですとか、こうしたものは山口県が人口減少とか担い手不足とかしている中で、いろんな課題があるわけですね。産業面においても人手不足、また、交通とか医療とかですね、人口減少等によって地域にさまざまな課題が出ている中で、これを解決するひとつの大きなツールだし、そうした可能性を大いに、この5Gの技術は持っている、あるいはAIは持っているわけですね。こうしたことをしっかりと取り込んでいって、新しい事業をつくっていくですとか、新しいサービスをつくっていくですとか、そういったことをしっかりとやっていきたいと思っております。
 それから「地域に関わる新しい人の流れの創出」、関係人口の創出等でございます。
 そして「地域を支える多様な人材の確保・育成」、そして少子化対策等の柱として、「社会全体での子育て支援体制」をしっかりとつくっていく、この四つの柱にしております。
 個別に事業についてお話をさせていただきます。
 まず、「Society5.0時代を見据えた未来技術の活用」ということでありますけれども、将来にわたって持続可能な経済、その成長・発展を促していくためには、本県の強みであります基礎素材型産業を中心とした高度な産業集積、また技術開発力、そして地域の中核企業の持っている独自の技術、こうしたものを、潜在力をしっかりと生かして、産業力を強化していく、そのことが大変重要であります。
 一方で、本県では少子高齢化の進行によって生産年齢人口がどんどん減ってきているわけですね。それに伴って県内の企業は深刻な人手不足の状況があります。そうした中で、人がいなくても生産性を高めて事業を維持して、また発展させていくことが必要です。そのため、先ほど申し上げましたように、本県においては5Gですとか、AI、IoT、そうした未来技術を導入することによって、工場ですとかオフィスですとか、そういったところの作業効率、稼働率、これをしっかりと向上させていくということ、Society5.0時代を見据えた新しいサービスや新しい事業の創出を促していきたいと思っています。
 そうした観点で、まず、未来技術を活用した新たなビジネスの創出や生産性の向上ということでございますが、市町ですとか、県内企業、また県民の皆様が5Gをはじめ、未来技術をいち早く活用できる、そうした環境を整備するための推進体制を整えていこうと思います。そのために、プロジェクトマネージャーを配置したり、未来技術で新たなステージを目指す取り組みを進めてまいります。
 また、AIや情報技術の活用によりまして、自家用車以外の全ての交通手段による移動を一つのサービスとして捉えて、切れ目なくつないでいく次世代の交通システムでありますMaaS(次世代移動サービス)につきまして、新山口駅北地区を中心にその実証を行って、新しいサービスやビジネスモデルの構築を目指してまいります。
 また、同じく新山口駅北地区に、令和3年に開設されます拠点施設「ライフイノベーションラボ」を核として、生活習慣病や介護予防などのヘルスケア関連産業を育成するための実証フィールドを構築し、AI技術で関連製品・サービスの創出を支援をしていきます。
 さらに、地域に点在する太陽光発電設備や蓄電池等の分散型エネルギーをネットワーク化して、IoTを用いて遠隔・統合制御する仕組み、これを産学公連携によって検討し、再生可能エネルギーの有効活用を図ります。
 また、5GやAI技術等の未来技術を活用して、本県製造業の高度化を図るため、新たなファクトリーモデルの構築に取り組むことと、また、県内中小企業のRPA(定型作業をするロボットソフト)の活用に向けた実証実験を行って、新たなビジネスモデルの創出、また生産性の向上に取り組んでいきます。
 このほか、県としても先導的にRPAやAIを導入して、県内企業や市町等における未来技術の活用を促進します。
 次に、「未来技術を活用した新たなビジネスの創出や生産性の向上」の中で、農林業ですとか、土木分野に関する取り組みをまとめています。
 まず、県が実施する橋りょうの点検・診断に、AI技術を活用したシステムを導入して、作業の効率性、また、診断結果の信頼性を向上させて計画的な公共インフラの維持管理を実現していきます。
 また、林業分野では、木材を伐採した後の再造林において、ドローンによるリモートセンシング技術を活用して低コスト化・省力化、これを図って、森林資源の循環利用体制の確立を目指します。また、農業分野でも、自動操舵トラクタなどを活用したスマート農業の早期実装に向け、担い手の実態に応じた支援体制を整備します。
 次に、「未来技術を活用した生活等の質の向上」ですけれども、Society5.0の時代が到来するわけでありますけれども、この未来を担っていく子どもたち、子どもたちの教育環境において、ICT環境をしっかりと整えていきたいと考えております。校内ネットワークの高速化、また無線LANの整備、全校への大型提示装置等の教育ICT機器の整備、また、学習プログラムの開発等に取り組んで、令和7年度完了を目途として、全県立学校におけるタブレット等の生徒1人1台PC端末の導入を目指してまいります。
 また、5Gの高速・大容量・低遅延、この特性を生かして、へき地医療機関の若手医師に対しまして、遠隔地から専門医がリアルタイムで指導することによって、専門医のいないへき地医療機関でも適切に診療が受けられる、そうした体制の実証試験に取り組んでまいります。また、雪舟生誕600年ということが今年なわけですけれども、これに合わせまして、VR(仮想現実)技術を活用した美術品のパノラマ投影ですとか、外部と接続した隔地解説、この試行など、県立美術館において、未来型の美術展示に取り組んでいきます。
 次に、重点項目の二つ目、「地域と関わる新しい人の流れの創出」についてです。
 従来の観光振興等による「交流人口」、また、移住による「定住人口」に加えて、そのどちらでもない地域や住民と多様な形で関わりを持っていく、そうした「関係人口」という考え方が注目されています。
 本県におきましても、人口減少や少子高齢化が進行して、さまざまな地域活動の担い手が不足する中で、移住とか定住には至らないものの、ボランティアなどの活動を通じて、地域と継続的につながりを持っていく、そうした「関係人口」の創出・拡大に取り組んでいきたいと考えています。
 そのため、来年度当初予算では、関係人口を含めた、地域と関わる新しい人の流れをつくり出していく、地域への活性化や将来的な地方移住に向けた裾野を広げていきたいと思います。
 また、「やまぐちとの『つながり』が生み出す新たな人の流れ」では、東京・日本橋に今、置いております「おいでませ山口館」に、都市部の人材を「関係人口」として、山口県に誘導するための案内所として「やまぐちつなぐセンター」を設置をして、都市部から地域への新しい風を呼び込んでいきます。
 また、東京圏のプロフェッショナル人材を掘り起こし、県内への副業や移住就業によって、中小企業の中核人材として還流させることで、中小企業の維持成長を促進し、ひいては県内産業力の強化につなげていきます。
 また、仕事の経験を生かしてボランティア活動を行います「プロボノ活動」を活発化し、県民活動団体の活動基盤の強化を図るため、先進地域からプロボノワーカーを呼び、団体の活動を支援するとともに、その成果を情報発信・共有して、県内でのプロボノ活動の定着、関係人口の拡大に取り組んでいきます。
 次に、「ひとの交流を促進する地域交通ネットワークの整備・充実」では、未来の地域交通を目指して、過疎化や担い手不足の実状を踏まえて、AIやICT等の新技術の活用により、新たな地域交通モデルの形成に向けた取り組み方針の策定や実地調査に取り組みます。
 また、路線バスのキャッシュレス化により利便性を向上させ、生活交通の維持・活性化や県内観光需要の喚起を図るため、令和6年度までに、バス事業者が運行する全路線バスで交通系ICカードが利用できるよう導入を支援します。
 次に、重点項目の三つ目、「地域を支える多様な人材の確保・育成」でありますけれども、県全体で人手不足が深刻な中で、とりわけ、県民が安心して住み続けられる県づくりに欠かせない、医師ですとか、看護師、そうした医療関係人材や介護サービスの担い手不足にも対応していく必要があります。
 そうした中で、まず、「医療・看護提供体制の充実」におきましては、医師確保対策として、これまでも取り組んできました、大学と連携した医師の育成、修学資金等の長期的な取り組み、これらに加えまして、まさに今必要な即戦力、これを確保するために、新たに、民間の医師の専門人材紹介会社を活用いたしまして、医師不足が特に深刻なへき地におきます医療について、そちらへの医師の派遣体制を構築してまいります。
 また、看護職員の確保対策といたしまして、新たに、若手看護職員の確保が困難な中小病院等が実施する就職支度金の一部補助、また、県外の看護学生のUターン等を促進するための奨学金の返還補助制度の創設などに取り組んでまいります。
 また、介護の分野におきましては、高齢化の進行、また介護のニーズの多様化に伴いまして、不足をしております福祉や介護人材、その確保に向けまして、介護分野における外国人材の確保、これも大変ニーズが高くなってきておりますけれども、この外国人材の確保を強化するために介護留学生に対する奨学金支援制度を創設をいたします。
 次に、「多様な人材が活躍する地域社会の実現」では、県内産地の農繁期等における労働力不足、これを解消するために、地域外から多様な人材を確保し、産地とのマッチングを支援してまいります。
 また、女性の活躍を促進するため、県内事業所のトップによる「やまぐち女性活躍応援団」を設立し、企業等による女性活躍推進の取り組みの活性化や、女性の活躍を応援する仕組みづくりに取り組みます。
 さらに、企業の人手不足の解消に向けまして、外国人材の受入れの円滑化を進めるため、受入企業の不安解消のためのセミナーの開催や、地域に居住する外国人住民のための日本語学習環境の整備を支援します。
 次に、「知・徳・体の調和のとれた教育の推進と教育環境の充実」におきましては、本年4月に全国で初めて、県内の全公立校へのコミュニティ・スクール導入が完了することに合わせて、全県立高校にコミュニティ・スクール活動推進員を配置し、中学校までの地域連携活動を高校につなげていく中高連携体制を構築します。
 また、専門高校の生徒が学科の枠を越えて協働して模擬会社を設立し、高校生による共通の地域ブランドを開発するなど、経営活動を通じて新しい価値を創造する人材の育成を目指します。
 また、総合支援学校において、カフェの設置などを通じて、地域交流や就業体験活動等を実施することにより、生徒の自立・社会参加に向けた実践的なキャリア教育を展開します。
 さらに、私立高校生に対する国の就学支援制度の拡充を踏まえ、低所得世帯を中心として、授業料等の更なる負担軽減を図ります。
 次に、「魅力ある大学等づくりと若者たちの県内定着を促進」ということで、これまで取り組んできた「大学リーグやまぐち」の機能を強化し、若者の県内進学や県内就職を促進するとともに、県内高等教育機関の魅力の向上を通じて、大学を拠点とした地域の活性化を図ります。
 次に4点目、「社会全体での子育て支援体制の充実」についてです。
 活力に満ち、県民一人一人が安心して、将来に希望を持って暮らせる山口県を実現するためには、社会全体で子育てを応援する体制を一層充実させていかなければなりません。
 そのため、来年度の当初予算におきましては、子どもが心身ともに健やかに成長できるように、児童虐待の防止や社会的養護の充実、子どもの居場所づくりなどの対応を進めます。
 まず、「『みんなで子育て応援山口県』の推進」では、やまぐち子ども・子育て応援コンソーシアムを設立し、企業や子育て支援団体による具体的な取り組み展開を支援することによって、社会全体での子育て応援を加速化します。
 また、特に経済的負担の大きい第3子以降の子が生まれた多子世帯に対しまして、祝い品として、県産米1俵、60kgを贈呈する制度を創設し、県全体で子育てを応援する機運を醸成してまいります。
 また、これまで子育て支援団体への支援の一環として実施をしてまいりました子ども食堂の開設支援につきまして、令和3年度に100カ所の設置を目指して、子ども食堂の開設に特化した助成制度を新設し、集中的に支援してまいります。
 さらに、女性の社会進出に伴い、不足の拡大が見込まれる保育士の確保について、県内保育士養成校の学生を対象として、県内で保育士として一定期間勤務すると返済が免除される修学資金貸付制度を創設し、県内就職への誘導や短期間での離職防止を図ります。
 また、本県のアレルギー患者数が全国と比較して高い状況を踏まえまして、山口県版のアレルギー疾患医療認定制度を創設し、専門的な医療等が可能な医師等の認定・公表を行うことにより、適切な診療の提供や正しい知識の普及などに取り組みます。
 また、医療的ケアを必要とする子どもを養育している家族の負担軽減を図るため、3年間で15人のピアサポーターを養成するほか、昨年10月の手話言語条例の制定を踏まえ、聴覚障害児の親子が手話を習得する環境を整備するため、5年間で100人の「ことばの習得支援リーダー」を養成します。
 次に、「困難を有する子どもへの支援の充実」につきましては、里親の募集や研修、支援などを包括的に実施する民間フォスタリング機関を設置し、社会的養護を必要とする、そうした子どもたちが、安心で安全な家庭で健やかに育つ社会を目指します。
 また、児童虐待防止については、昨年、私と全市町長で児童虐待防止の共同宣言を行いましたが、県の児童相談所と市町等の関係機関との連携強化をするため、情報共有システムを導入して、警察や学校等も含めたすべての関係機関において、速やかで、漏れなく正確な情報提供体制を構築します。
 また、児童虐待のリスクをいち早く発見・対応するためには、行政だけではなくて地域の力、また、企業の力、こうしたものをですね、しっかりと取り込んでいく必要があります。そのため、新たな独自の取り組みといたしまして、今後3年間で、児童虐待防止全力宣言企業を120社認定するとともに、地域の中におきまして虐待に関する見守りですとか、助言等を行います189(いちはやく)サポーターを24000人、ヤングサポーターを6000人養成して、取り組みが優良な企業や個人を表彰するなど、社会全体でこの深刻な児童虐待防止に取り組む、その環境づくりをしっかりと進めていきたいと考えています。
 この189(いちはやく)サポート推進の取り組みにつきましては、今後、全国での横展開を目指していきたいと考えています。
 さらに、DV被害者等の子どもへの支援を充実させるため、男女共同参画相談センターに児童虐待防止対応コーディネーターを配置し、児童虐待対応との連携強化を図ります。
 以上が、重点推進項目に掲げた取り組みの概要です。
 次にですね、予算編成の二つ目の柱であります、「持続可能な行財政基盤の確立に向けた取り組みの着実な実行」ということにつきまして御説明させていただきます。
 人口減少・少子高齢化が進行する中で、将来に希望をもって暮らすことができる山口県をつくっていくためには、先ほども言いました現在取り組んでいる行財政構造改革を着実に実行して、自立・安定的な行財政基盤を構築していかなければなりません。従来言ってますけれども、行財政構造改革ですね、平成29年度から令和3年度まで、5年間の取り組みということで、この間に構造転換のイメージですけれども、歳出と歳入のズレが、このギャップがあるわけですね。この財源不足が恒常的に生じているという、この構造を年々歳出改革をしながら、また、この財源確保を臨時的に図りながら、縮めていくということを5年間かけてやっていくということです。今、令和3年度でありますけれども、この歳出構造改革も進めですね、できるだけ臨時的な財源確保に頼らないように、このギャップを抑えていっているということですね。これを完成形の令和4年度におきましては、歳出構造改革の結果、歳入と歳出が均衡している状態、臨時的な財源確保対策に頼らなくても、持続的に財政運営することが可能な状態、これをしっかりとつくっていきたいということであります。このギャップを解消していくという取り組みを毎年続けているということであります。後ほど具体の数字について説明をさせていただきます。
 令和2年度当初予算における財源不足への対応について次の資料で御説明しますが、行財政構造改革の実現を確かなものとするために、令和2年度当初予算編成におきましては、これまでの改革の成果を踏まえて、引き続き、収支均衡した持続可能な財政構造への転換に向けた取り組み、これを着実に進めました。
 これによりまして、令和2年度当初予算において約276億円と見込まれます財源不足額に対しまして、歳出構造改革228億円、臨時的・集中的な財源確保対策25億円など、改革の取り組み効果額として約291億円を確保し、財源不足の着実な解消を図ることとしています。
 次にですね、取り組み内容・効果額について御説明します。
 まず、歳出構造改革といたしまして、「総人件費の縮減」として、改革前と比較し、640人の定員削減を見込むとともに、給与水準の見直しも着実に進め、68億円の効果額を見込んだところです。
 また、「事務事業の見直し」については、引き続き、選択と集中の観点で見直しを行い、捻出された財源を活用して新たな施策を構築しました。
 これにより、歳出水準の維持・抑制を図り、15億円の効果額を見込んでいます。
 また、「公共投資等の適正化」については、防災・減災対策等の充実を図る一方で、事業効果や緊急性等を精査し、公共事業等の県負担額を国予算等の伸び率から2%削減したところでありまして、13億円の効果額を見込んでいます。
 また、「公債費の平準化」として、引き続き、30年債の導入を計画的に進め、131億円の効果額を見込むとともに、「公の施設の見直し」として、指定管理者制度の導入や経費節減・業務の効率化など、運営手法の見直しを行った施設の効果額4千万円を見込んでいるところです。
 これらの取り組みによりまして、歳出構造改革の効果額は、約228億円と見込んでいます。
 次に、臨時的・集中的な財源確保対策について御説明いたします。
 まず、「保有基金の取崩し」として、市町振興基金により6億円を確保するとともに、「保有財産等の活用」では、特別会計や企業会計から繰入を行い、14億円を確保します。
 また、「未利用財産等の売却・貸付」により3億円を確保するとともに、「県税収入等の確保」として、引き続き、「つながる。やまぐち応援寄附金」の確保・増収などにより、2億円を確保することとしており、臨時的・集中的な財源確保対策の効果額は、約25億円を見込んでいます。
 次に、公の施設の見直しについて御説明いたします。
 県では、社会経済情勢や県民ニーズの変化等を踏まえながら、「見直しの基本方針」に沿って、地元市町の意見等を伺いながら、個別施設ごとに見直しを検討しています。
 この度、おのだサッカー交流公園につきましては、地元山陽小野田市の要望も踏まえまして、多目的スポーツ広場の人工芝や防球ネットなど、老朽化した施設・設備を更新を行った上で、令和2年度末を目途に、山陽小野田市へ移管することとしました。
 このおのだサッカー交流公園については、これまでも、市が独自にスポーツ交流施設を整備するなど、積極的な活用が図られています。
 施設の移管により、サッカーを通じた交流人口の拡大や地域活性化の推進に向け、市において更に主体的に施設を活用することが可能となるとともに、県においては、将来的な大規模修繕費の削減が図られることとなります。
 公の施設の見直しにつきましては、本日の午後に予定をしております「行財政改革統括本部会議」において、詳細について御説明することとしていますが、見直しの中間報告で「関係市町とさらに協議をするもの」といたしまして整理しました12施設のうち、このおのだサッカー交流公園を除きます11施設につきましては、今後も地元の市町との協議を継続をして、見直しの具体化に向けて検討を進めてまいります。
 行財政構造改革の効果額及び収支見通しにつきまして、年度ごとにお示しをしております。
 予算編成方針の公表時点で約300億円としていた来年度の財源不足額につきまして、国の地方財政対策等を踏まえて改めて試算を行いましたところ、取組前の財源不足額は276億円となりました。令和元年度当初予算時点での見込みより縮小し、前年度と比べても改善しております。
 これに、当初予算編成における歳出構造改革や財源確保対策等の取り組み効果額を反映した結果、当初予算ベースの財源不足額は約23億円となり、執行段階での節減等を踏まえた実質ベースの収支では、15億円の黒字となります。
 一方、臨時的な財源確保対策を除いた収支では、前年度より改善するものの、10億円のマイナスというふうになっております。
 なお、最終的な財源不足額23億円につきましては、財源調整用基金の取崩しで対応することから、令和2年度末時点の基金残高見込は111億円となり、100億円を上回る水準を確保できる見通しです。
 これまでの行財政構造改革の取組の成果が、収支の改善や基金残高の増加という形で表れてきておりますが、これはあくまでも見込みであることから、来年度においても引き続き、手を緩めることなく、行財政構造改革の取組を着実に実行していく必要があります。
 来年度当初予算における「プライマリーバランス」については、44ページを御覧いただきたいと思います。はい、44ページです。
 県債発行額を公債費以下とする、プライマリーバランスの黒字に着目した財政運営を継続することにより、一般分の県債のプライマリーバランスは平成13年度以降20年連続の黒字、県債全体でも平成24年度以降9年連続の黒字となる見込みです。
 令和元年度末の県債残高は、前年度末と比べ増加する見通しですが、これは、県民の安全な暮らしを守るため、今後起こり得る大規模自然災害に備えて、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を活用して実施します、臨時・特別の防災・減災対策等に伴う県債発行によるものです。
 引き続き、行財政構造改革に基づく公共投資等の適正化により、一般分の県債残高の着実な縮減を図ることとしており、令和2年度末には再び減少に転じる見込みです。
 最後に、予算編成の三つ目の柱であります、「国の経済対策に呼応した緊急対策への課題」について御説明いたします。
 この度の予算編成では、国の「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」に呼応して、元年度2月補正予算と2年度当初予算を一体的に編成することとしておりまして、2月補正予算のうち、経済対策に関連する事業費は約140億円となります。
 主なものとして、国の補正予算を積極的に活用し、老朽化ため池の整備や河川改修などにより、防災・減災、国土強靭化の取組等を強化するとともに、県民の安全・安心の確保に向けた交通安全緊急対策や生産性向上を支える農業基盤の整備等に取り組むこととしています。
 また、農林水産業の成長産業化のための生産基盤整備を支援するほか、Society5.0時代を見据えた教育ICT環境整備に向けて、県立学校の校内通信ネットワークの整備等に取り組みます。
 これらの関連予算のうち、補助公共・直轄事業負担金は約102億円でありまして、令和2年度当初予算との一体編成において、前年度当初予算を上回る規模を確保したところです。
 以上、当初予算の概要を御説明いたしました。
 県政の最重要課題であります人口減少に歯止めがかからない中にあっても、誰もが将来に希望を持って暮らせる県づくり、これを実現をしていくためには、未来技術の活用などの新しい視点も取り入れながら、未来を志向する施策を積極的に構築し、これを確実な成果へと結び付けていく必要があります。
 私といたしましては、来年度予算を通じて「3つの維新」への挑戦をさらに進め、県民の皆さんがその成果をできるだけ多く実感できるように、しっかりと取り組んでまいります。
 私からは以上です。

NHK

 未来技術の関連でお伺いしたいんですけれども、今回、目玉というか、一番大きな軸として、新規事業に据え置かれたと思うんですけれども、やはり、こういった技術を県が率先してやっていく意義、県内企業とかですね、いろんな県民がこれをこれから使っていくとは思うんですけれども、やっぱり今回、県が新年度に臨む当初予算の中心部に置く意義を改めてお聞かせください。

知事

 そうですね、冒頭申し上げました県政の最重要課題は人口がどんどん減っていくということですね。こうした中で、企業においては担い手が不足をしておりますし、また生活に関する例えば交通とか、医療ですとか、そういったさまざまなサービスがこれから大変な大きな課題を抱える、深刻な状況を迎えることが懸念をされるわけですね。これを食い止めるためにさまざま産業の活性化とか、こういったこともやっていかなければいけないわけですけれども、それと併せてこういった人口が減っていく中においても、地域の産業がしっかりと維持をされ、また大きく成長していくことを追及していく、また、さまざまな暮らしの中でもいろんな不便が解消されるということをしっかりとやって、この人口減少の社会に適応していかなければいけないわけですね。そのためにはこの新しい技術っていうのは大変大きな力を持っていると思っております。AIとかIoT、5Gというのを使ってですね、一つは担い手不足で言いますと、農業にしても、漁業にしても、林業にしても、あるいはその中小企業、製造業にしても、今とても人がいなくて困ってるわけですね。これを新しい技術によって、その人がいない部分をカバーする。いなければどんどん事業を縮小するしかないわけですけれども、そうじゃなくて、この新しい技術を使って、しっかりと事業を維持したり、より効率的にする、あるいはもっとより生産的にしていくっていうことはできるわけですね。そこをしっかりと後押しをしていきたいというのが一つです。
 それから、MaaSもですね、今回の事業で実証を行いますけれども、そういった交通の面、それから、特に医療の関係は、大変医師不足等もこれから生じてくるわけでありますし、人口減少が起きる中で各地域においてしっかりと医療が確保されるということを整えていかなければいけません。そうした中で、こうした遠隔医療が可能となる技術を使って、地方においてもしっかりと安心して医療が受けられる、また若手の医師もそれで育成等もできるということも行えるわけでありますので、この未来に向けてしっかりと投資をしていくという観点で、この5GやAI等の新しい技術をしっかり導入していきたいと、そうした思いで今回の予算の中で大きな柱として位置付けて取り組むことにしています。

NHK

 ありがとうございます。
 行財政構造改革についてお伺いしたいんですけれども、ご説明いただいた点について、5か年で実施されてるうち、3年目が終えようとして、残すところあと2年というところだと思うんですけれども、今の現状の進捗について、状況について、知事ご自身の受け止めと、あと2年で歳入歳出が均衡する形に持っていく目標ですけれども、今後この2年で目標が達成できるかどうかというところの所感を、この2点伺えればと思います。

知事

 先ほど言いましたように、収支のギャップがあるので、これで基金を取り崩していってきてるわけですね。このギャップをどんどん縮めていかなければいけないという。この部分が、これまで基金の取り崩しやってきたわけですけれども、基金も今、山口県100億、今回は予算で、当初予算の段階では確保できましたけれども、もっと少ない状態。全国比較してもらったら分かりますけれども、極端に少ない基金の状況なわけですね。この構造が続いていると、いずれ財政が破綻するというか、予算が組めなくなってくる状況でありますので、これを解消していかなければいけない。この収支ギャップを解消していかなきゃいけないということで取り組んできているわけですね。
 そうした中で、14ページ。ここで何を見ればいいかっていうと、ここの財源確保対策除きの赤字ですね、これが言ってみれば、収支のギャップなわけですね。財源確保、臨時的なものを除いてどれだけギャップがあるのかということでありますけれども、これが見てもらったら年々こう減ってきております。この令和2年度、今年度の予算においては、ここはマイナス10億円ということで、これまでと比べればかなり抑えられてきているわけですね。これを令和4年にはプラスになるように持っていきたいと思っています。
 これご覧いただきますと分かりますとおり、ギャップというのは年々着実に減ってきておりますので、しっかりと継続をすることによって、これは達成可能ではないかというふうに思っておりますけれども。これも年度途中でいろんな変動要因もあったりとかしますので、決して手を緩めることなく、この取り組みが着実に成果を上げていかなければいけないと思います。
 それで、あとは県債残高、借金の分かな。44ページ。プライマリーバランスは公債費と県債発行額の黒字でこれはしっかりと黒字基調を維持をしております。それから県債残高も将来にどれだけ負担が残っているかということになりますけれども、これも、管理の対象としている一般分について、ずっとこう減少基調、ちょっと元年度は先ほど言いました3カ年の緊急対策があって防災減災の取り組みがあるので、一時的にこれは増えておりますけども、これもですね、さらに落ちていくということになりますし、県債残高がトータルでもピーク時が平成26年ですね、1兆2800億円ありました。これが1兆2200億円、令和2年度ですね。ここも傾向としては着実に減らしてきておりますので、こうしたことも成果としてつながってるのかなと思いますけれども、いずれにしても一番重要なのがこの収支の歳出と歳入のギャップっていうのをしっかりなくしていくということですので、これをあと令和3年度までの改革期間しっかりと行って、4年度からは先ほど言ったような収支均衡した財政構造をしっかりとつくっていきたいと思います。

NHK

 今のところ進捗としては、順調にきてるという。

知事

 そうですね。進捗としては順調にきております。

NHK

 分かりました。そして、基金残高も増える見通しということで今ありましたけれども、一応目標として100億円はとっておきたいということだったと思うんですけれども、これについては災害等で臨時の歳出等の突発的なものもあると思いますけども、これには十分対応できる額というような見通しですか。

知事

 災害等の規模にもよりますのでね。十分というところまでは言い切れませんけれども、当面目標として100億っていうのは、当初予算において確保できたっていうのは大きな成果かなと思っております。ただそれでも他県と比べれば、まだまだ額的には少ない。200億とか300億とかそういった基金を持っているのがこの辺りは一般的なので、そういうことからすると、まだ他と比べると少ないというのはありますけれども、当面、緊急的に対応しなければいけないという点では、ある程度安心できる規模になってきたのかなと思っております。

NHK

 最後に、行財政構造改革の関係で、公の施設の見直しについては、山陽小野田については移管ということで、残りの11施設については、協議中ということでありましたけれども、2年後の収支均衡に向けて、こちらについては今後どういうふうに進めていきたいかというところで、お願いします。

知事

 そうですね。午後にまた本部会議(行財政改革統括本部会議)を開きますので、そこにおいて詳細については話をすることになると思いますけれども、今回、山陽小野田市については地元の意向も踏まえ、必要な施設の改修等も行った上で、来年度末に移管をするということで、それを目指して予算措置をし、基本的にはもう市の方とも話が整っているということでありますので、これしっかりとやっていきたいと思います。その他の施設については、まだ市との、あるいは町との話し合いが継続をしておりますので、このそれぞれの施設について、今の現状とそれから将来に向けてどうするかっていうことをよく調整をしていかなければいけないと思っておりますので、ここは丁寧に話し合い、協議を進めていきたいと思っております。

NHK

 ありがとうございました。

山口放送

 まず、ここ最近、毎年のことなんですが維新への挑戦という攻めの部分と行財政構造改革推進という守りの部分、両方見ながらの予算編成が続いていると思うんですが、今年度予算編成を終えて、その辺りを踏まえて、知事として、終えた感想と言いますか、今、今回の予算どうだったというふうに感じてらっしゃいますか。

知事

 そうですね。「3つの維新」の取り組みを進めてきて、山口県の例えば産業を伸ばしていくとか、そうした伸ばしていく部分と、それから災害対応だったり、子育て支援だったりですね、安心・安全の面で守っていくべき部分、これを両方しっかりと手当てをしていかなければいけないと思っています。
 基本的にそういった予算を基調としながら組んでおりますので、この取り組みを着実に進めていくということと、それから新しい取り組み、先ほどから言っておりますAIとか5Gですとか、こうしたこれまで無かった技術を使って、これまで解決できなった方法で新しいその解決の仕方、それが可能になる。そうした可能性が大いにあると思っておりますので、これをさまざまなチャレンジをしていきたいと思ってます。
 こうした事業で医療とか交通とかやっていくのもそうですし、中小企業ですとか、農林水産業ですとか、そうした県内でいろんな事業活動を行っているところにも、ぜひこれを後押しをすることをやっていきたいと思っております。そうした意味で新しいこの未来に向けての投資をしっかりやるという形でこれからに大きくつながる、そのステップとしての予算が組めたのかなと思っております。

山口放送

 そうした中で、今回、重点推進項目としてこの四つを掲げてらっしゃるわけですが、知事としては、県民に対して、今年度の予算でこの四つのことを進めることによって、どんな山口県の未来を描いているか端的に、この四つを踏まえて、来年度予算でどういう未来を描いているのかっていうのを教えていただきたいんですが。

知事

 そうですね。人口減少とか少子高齢化とか、厳しい課題がありますけれども、これを克服するためにいろんなチャレンジをしていくための予算だと考えています。
 新しい技術をしっかりと使ってですね、産業面や生活面、ここを皆さんの安心・安全を守りながら、また新しい成長へとつなげていくと、そうしたことにつながっていく予算にしていきたいと、実行する段階でこれをしっかりとしていきたいと思っております。
 また特に、やっぱり地域を支えているのは人ですので、この人づくりというか、人材の育成という部分ですね。そうした観点でもいろんなことをやっておりますけれども、例えば、教育のICTの関係ですね、これは、今どんどんわれわれの生活は身近に情報通信技術に溢れて、そうした中で暮らしているわけですけれども、教育の現場っていうのは昔ながらの教育のスタイルがもう何十年も変わっていない。教育の現場だけは、ICT化が随分遅れているという状況があると思います。実際に、OECDの各国と比較しても、日本において、教育におけるそのICT環境ってのはダントツで最下位というものが結構あるわけですね。そうしたことで言いますと、これからの時代を担う子どもたちの教育環境をしっかりとこのICT化を進めていくことは、とても重要だと思っています。
 今回、国の補正予算等で小、中について、1人1台パソコンとか整備されますけれども、県としても県立高校、県が関わる学校におきまして、1人1台のタブレットとかそういった環境を整備をして、教育面で子どもたちが情報活用能力を高めていく。また個別の子どもたちの状況に応じた、その習熟度に応じた個別的な教育というのもそれによって実現ができるわけですね。そうした将来を担う子どもたちを育てるという意味でもこの新しい技術をしっかり取り入れていくということも行っております。
 また医師不足、あるいは看護師とか、介護、保育、そうした皆さんの安心・安全を支えるというための人材の確保ですね、これについてもそれぞれ課題に応じて、今必要な施策をしっかりと打つことにしておりますので、こうした求められる人材が山口県でしっかりと活躍ができ、またそれによって、皆さんが安心して暮らせる、そうした地域をしっかりとつくっていきたいと思います。

中国新聞

 今回の新規事業のトータルの件数についてなんですが、全部で54件ということで、村岡知事が就任されてから最も少ない件数というふうになったんですけれど、これは、何らか部局に新規を抑えるようにというような指示を出したのか、あるいは、維新プランを継続する上で、継続事業に重点を置くようにという指示を出したのか、どういう背景があるのかお聞かせください。

知事

 新規事業の数について指示を出しているっていうことはないですね。この新しい維新プランをつくるときに最初スタートは平成30年度かな。30年度のときにいろいろ事業を組み立て直して、廃止も多く、またそのときは新規も多かったと思いますけれども、やっております。基本はこの維新プランにのっとって、事業を進めていくので、それを継続的に行っていくというところがありますから、平成30年度あたりに作ったものをしっかりと継続をして、成果を上げてくっていうことは基本だろうと思いますけども、今言った新しい観点、未来技術とかそういったものを活用して、事業を行っていくっていうのはこれはその後出てきたいろんな環境の中でそうしたものをチャレンジしていこうっていうことになっておりますので、そうしたこれまでやってきたものにそれが乗っかってるというイメージですね。

中国新聞

 数よりも質に重点を置いた。

知事

 そうですね。新規事業の数をこうしようってことはないですね。やっぱりこれまで取り組んできたもの、要するに30年に維新プランを新しくさせていこうという中でできた事業というのをしっかりと1年、2年、3年かけて、成果を上げていかなければいけませんので、これはこれで着実に実施をしていくと。それにさらに、上乗せをしてといいますか、新しい取り組みをすることによって、よりこの成果を上げていく。そうした観点でやっておりますので、その年度、年度の新規事業の数について、こうしようということでやってるわけではないですね。

中国新聞

 あと先ほども出た公の施設の見直しについてなんですが、今回、地元の市町と協議する中で、半年前からやってこられてるんですけれど、まとまったのが山陽小野田市の1施設だけということについて、知事どのように受け止めてらっしゃるのか。

知事

 そうですね。今回予算の整理ということで2月段階でまとまったものについては、おのだ(おのだサッカー交流公園)の予算措置もしておりますけれども、この段階で整理をして出すということにしているわけですね。そうした中で現状について、話をさせてもらった通りですけれども、ここは期限を設けてそこまでに話を終わらせるとか、一方的に終わらせるってことじゃなくて、やっぱりそれぞれにとっても大事な施設でありますし、将来像についてしっかりと調整をしていかなければいけませんので、ここは丁寧にやっていきたいと思っておりますから、これが何て言いますか、今の段階で、ある時期を区切って協議をやめて何か方針を出すとかですね、そういったことじゃなくて、丁寧にやっていくという結果において、今の現状に至ってるということだと思います。

中国新聞

 分かりました。続けてで恐縮ですが、1点、新規事業の中で岩国基地の交付金関連事業の中で、今度、新しく県立の武道館を整備するということになっているんですけれど、今、下関に持っている武道館に関しては地元の下関市に移管するという方向で話を進めてますけれども、一方は移管、その中でもう一つを新設するということについて、これはなんか矛盾があるように思えるんですけれども、知事、ちょっとその狙いをお聞かせいただけますか。

知事

 それ個別の施設ごとに取り扱い等について考えているということでありますけれども、今回の岩国地域における武道館なり、あとまた他にも東部産業振興センターとありますけれども、今回の交付金が創設をされて、われわれ地元としてどのような活用がいいのかということをよく調整を、意見を聞きながらですね、この整備をするということをしているところでございます。
 今回の武道館につきましては、地元からも、特に県東部地域は、武道施設、結構武道が盛んなとこですけども、武道施設が整備されてなくて、既存のものだと大規模な大会の誘致等ができないということが従来地元からそこについて求める声が多かったということがあります。そうした、今のものではそうした大規模な大会も開けないということで、武道館の整備について強い要望があったところでございます。そうした中で、県東部地域におきまして、スポーツの普及とか、競技力の向上、また、艦載機が移駐してきて、米軍関係者等の増加等を背景として、スポーツを通じました日米交流の拡大、地域の活性化に向けた取り組みを進めていく、このことは重要だと考えておりますので、こうしたことを受けまして、地元の要望を踏まえまして、県東部地域での広域的スポーツ施設の拠点施設の整備に向けまして、地元の岩国市とか、関係団体等もありますけれども、検討を進めてきたところでございます。そうしたニーズなり、地元の要望なり踏まえですね、交付金を活用してぜひということも踏まえて、こうした整備に向けて、新年度は基本計画の策定に取り組んでいくということにしております。

中国新聞

 地元のニーズ、要望が高かった施設ということは、将来的にも移管していくような方向で進めていくのか、その運営についてどうされるのか、もし決まっているものがあれば。

知事

 そうですね。もちろんこの整備は県の交付金でやって、県の施設ということで整備をしていきます。この交付金も10年間継続ということでありますので、運営について、またどういうふうにやっていくかっていうのはこの交付金をも使えるようになると思いますけれども、そこはよく市の方とこれから具体的に詰めていくということになります。

中国新聞

 分かりました。

山口新聞

 予算額、前年に比べて減額されて、過去10年でみると2番目に低いということなんですが、この数字、積極型なのか緊縮型なのかっていう言い方がありますけれども、知事としてはどういう受け止めなのかっていうのを教えてください。

知事

 そうですね。さっきも言いましたが、補正予算の方に倒れている部分といいますかね、いうのがありますので、これと含めるとほぼ前年と同水準ですね。0.4%ぐらいですから、ほぼ同水準ということであると思います。積極的に拡大をしているということではありませんし、緊縮して大幅に減らしたということでもありませんので、前年度並みのものだと、規模的には思っております。

山口新聞

 基金残高100億円確保したっていうことですけれども、冒頭でも言われてたように財政状況が厳しいというところ、これは知事としては100億円は確保したけれども、どういうふうに見ていらっしゃいますか。

知事

 そうですね。残高100億円ですけれども、財政構造というのは、先ほどから申しておりますが、歳出と歳入のギャップですよね。歳出に歳入が届いていないという。歳入、身の丈以上に歳出を行っているという状態ですので、ここを解消するということをしなければ財政構造的には持続可能性がないということになります。これはだいぶ解消されてきましたが、まだまださらなる取り組みを進めていかなければいけないという状況でありますので、改革自体はこの5年間の集中的な期間で今のところ順調に進んでおりますけれども、さらに同じように、手を緩めることなく進めていかなければいけない、まだそういう状況であると思ってます。

山口新聞

 あと一件。今回、Society5.0というのがキーワードだと思うんですが、未来技術ということで、どういうものなのかというのが、実際がまだつかめてない部分もあるかと思うんですけれども、未来への投資というふうに知事がおっしゃいましたけれども、その投資分を回収できるのか、費用対効果っていうところではどう見てるのかっていうところをお伺いしたいんですが。

知事

 そうですね、新しい技術であるだけにこれをやれば必ずこういう成果が生まれることではないですね。今のところ試行錯誤をしながら、これが本当に物になるのかどうかっていうことを考えていくということになりますので、何か一直線で成果が上がっていくっていうものではない。これは、いろんな分野、産業においても、交通においても、医療とかですね、教育においても同じだと思いますけれども、しかしですね、今大変な深刻な人手不足ですとか、地域における、いろんな利便性、交通とか医療とか、さまざまな面ですね、いうところに課題があって、これがますます深刻になるっていうことは、人口の動態等を見れば明らかなわけですね。そうした中で、いろんなチャレンジはしっかりとしていかなければいけないと思います。ですので、ただ中小企業にしても、農林水産業にしても、体力的には決して強い、しっかりとしたものがあるというわけでもありませんから、こうしたチャレンジに対して、ちゅうちょをすることがあってはいけないだろうと思います。そこをわれわれがしっかりとモデル事業をつくったり、後押しをすることによって、このチャレンジによって、こうした取り組み、あるいは将来が期待できるものが始まっていくということをぜひ多くの県民の皆さん、また事業者の皆さん等にですね、感じていただきたいなと思います。
 そうしたチャレンジをどんどん始めることによって、そのうちの、またいろんな試行錯誤する中で、どんどん成果というのが生まれてくるというふうに思いますので、そういうスタートしていく、そのスタートの後押しをしていくということを、今回の予算においてはさまざま講じております。ぜひそういった機運を高めて、この新しい技術を使って、こうしたその地域の活性化、また、いろんな不安の解消、利便性の向上を図れるのかということを考えていく取り組みをスタートしていくっていう、ぜひそうした動き出しを、動きを作っていきたいと思います。

山口新聞

 あともう一点すみません。公の施設の見直しなんですけれども、11施設が協議を継続するということなんですが、この状況を知事としては、交渉が難航しているというふうに見てらっしゃるのかどうか、その辺を教えてください。

知事

 そうですね。特段、期限を決めて、もちろんこの改革期間中にやるテーマではありますけれども、いつまでにというところで決めてるわけではありませんので、引き続きですね、話をしていきたいと思いますし、決して何て言いますか、協議そのものがずっと平行線で進まないということではなくて、いろんな方法、考えを出しながらですね、進めていっておりますので、そうした難航しているということでは考えておりませんけれども、われわれとしては、とにかく丁寧に、地元の意向等も踏まえながらですね、しっかりと着地点を見出していかなければいけないと思いますので、これをそうした姿勢で着実に進めていきたいと思います。

山口新聞

 難航しているわけではないというと、その見直しのやり方というのも何か別のやり方を模索するとかというわけではなく、これまでどおりということで理解してよろしいんでしょうか。

知事

 やり方についてはいろんなやり方がありますんでですね、地元の考えも踏まえ、われわれとしてもそうしたことを踏まえながら、どういった形を目指していくべきかっていうことは、いろんな面で柔軟に考えていかなければいけない部分もありますから、そういう姿勢で臨んでいく必要があると思います。

朝日新聞

 今回の予算編成なんですけども、いろいろと厳しい財政状況の中でですね、全体を改めて振り返っていただいて、知事個人の思いであるとか、村岡知事の色みたいなものをこうにじませたものっていうのは、どういったところなのかというのを改めてお伺いします。

知事

 そうですね。未来技術の話はさっきしましたけれども、特にこの次の、産業の高度化もそうですけれども、この教育の部分ですね、私、これとても重要だと思って、力を入れてやっているんですけれども。
 先ほど言いましたように、子どもの教育環境だけがですね、ICT化から取り残されてるわけなんですね。これからの時代を担う子どもたちにとって、そうした環境、今のような環境を大きく改善をしてですね、ICTのツールにまず自分たちが慣れる、情報処理能力とか情報を扱うっていう能力を高めるっていうことが必要ですし、また、例えば1人1台パソコンを入れることによってですね、学校で同じレベルの授業を先生が黒板の前でするわけですけれども、これレベル的にはもっと高いところもあれば目指したい、あるいはもっとその水準を超えている生徒もいれば、全然、この先生の話もついていけない生徒もいるわけですよね。そういったことをですね、要は教育の中で、何て言いますか、それについて行けない子なんか、これ取り残されてるわけなんですよね。授業自体も全く分からないということも起こり、現実に起きているんだろうと思います。そうした中で、この1人1台タブレット等を導入することによってですね、何て言いますか、習熟度に応じてですね、最適化を図った教育ができるということになります。当然、その子の熟度に応じてですね、そこでの解く問題ですとか、指導の仕方とかいうのが端末ごとに変わっていくし、これは先生にとってもですね、生徒の一人一人の習熟度の管理ができるわけですね。そういった意味では、子どもの教育環境も大いに改善をされますし、一人一人の状況に応じた教育ができる、先生もそれによって生徒の状況もしっかりと把握ができるということになりますので、こうしたツール、そういった観点でもしっかりと導入していくべきだと思います。
 まあ残念ながら、今山口県は非常に教育の情報化が遅れておりまして、まあ、今、日本が遅れていると言いましたが、その中でも山口が特に遅れております。
 例えば、大型提示装置、これは教室に大きなスクリーン、まさにこんなやつをですね、置くことによって授業で使う、これで動画を見せたりとかいうことをしたりとか、あるいは外とつないで英語でディベートしたりとかですね、そんなことのできる大型提示装置ですけれども、これもですね、山口県の導入率というのが全国43位だったかな、非常に最下位に近いところなんですね。こういうツールを使うことによって子どもたちも分かりやすい、例えば空間把握とか、理科の実験にしても、動画を使うことによって圧倒的に分かりやすいわけですよね。そうしたこともありますし、先生の板書する時間も省略ができるとかですね、働き方改革とか、そういった面でもですね、これは非常に有用なツールなわけですけれども、こういう図とかグラフとかを使う、動画を使うためのこの大型提示装置というのも、全ての小中はもう整備しますけれども、高校でもしっかりと全て整備をするということにしていきたいと思いますし、先ほど言った1人1台のPCによって個別最適化学習というのを導入すると、そうしたことをですね、やってきて、これは結構お金がかかっていきますけれども、将来に向けた投資として、人づくりとして大変重要だと思っておりますので、これを新年度から着実に進めていきたいと思います。

朝日新聞

 その辺り、広く県政をこう見ていった中で、知事としては、今おっしゃっていただいたような理由から教育にそういった思い入れがある、改善しなくちゃいけないというふうな思いがある。

知事

 そうですね。今の現状を言うと、まあさっきも言ったように、日本全体がICT教育の環境ってのがOECDの中でほぼ最下位レベルなわけですよね。それを改善しようという中で、山口県はさらに全国の中でも遅れているというのが今の時点での状況ですから、そうした中でですね、これからの時代を担う子どもたちにこうした環境をしっかりと与えていくということがですね、とりわけこの未来に向けては重要だと思いますので、ここは力を入れてやっていきたいと思ってます。

朝日新聞

 分かりました。未来技術の関係なんですけれども、今回、全体の主要14事業で全体の額としても4億9千万円くらいに上るかとかと思うんですけれども、分野もですね、いろんな各部に、各部局にまたがってると思うんですが、その中で14事業というものに集約した過程、プロセスというのを教えていただいてもいいですか。

知事

 集約って、まあ、こうぐうっと無理にまとめたわけじゃないんですけどね。各部局において、それぞれこの技術が活用できる、その可能性というのをしっかりと追求をしてくれということをですね、予算編成の段階で、これは重点的な取り組み事項として、柱として示しましたので、そうした中で、各部局においてもいろんな議論もし、私とも議論をしてですね、整えてきたということですね。ですから、産業でも、製造業もあれば農林水産業もありますしですね、いろんな分野でこの可能性があります。生活の面でもですね、今言った医療とか、文化とか交通とかですね。また教育の方もしっかりと整えていくということでありますので、これは絞ったというよりも考えられる分野でですね、さまざま取り組みをしっかり進めていこうということで議論をしてつくってきたその結果であります。

朝日新聞

 各部から、こう、まあ吸い上げていってこの予算にまとめていったということですか。

知事

 そうですね。

朝日新聞

 ありがとうございます。

読売新聞

 知事は、県政の最重要課題としてですね、人口減少ということを書かれてらっしゃいますけれども、今、こう説明お伺いしている限りでは、5GとかAIを中心としたSociety5.0の時代を見据えた施策とかですね、あと、そういう人口減少を背景にした人手不足の解消にですね、そういった技術を活用したり、外国人人材をですね、活用とかを掲げた施策があると思うんですけど、純粋に山口県の人口を増やすという意味で今回の当初予算の編成がですね、どのようなものになったのかという受け止めを一言いただけますか。

知事

 そうですね。直接的な人口を増やすというときに、子どもの数を増やすっていうのと、転出といいますか、転出超過を防いでいくというのと二つあると思いますけれども。これ、今先ほど申し上げたものは全てそこにつながっているものですね。特に5Gとか新しい技術っていうのは、どちらかというと人が減っていってもなんとか成り立つ地域にしていかなければいけないということもありますし、それができれば、ここにいても不便がないと、働く場所もあり、また生活上でも不便がないとなりますので、とどまるということにもつながっていくと思いますけれども、そういう言ってみれば、この人口減少に適応していくための策としてこうした技術があると思いますが、それも出ることを踏みとどまる、そうしたことへもつながってくるだろうと思いますが、この予算、ここは新規のものを書いてますが、基本というのは、例えば企業誘致だったり、新しい産業をしっかりつくっていくとか、産業の成長を目指していくとかですね、そのためにいろいろなインフラ整備ですとか、そうしたこともやっておりますけれども、新規ではないので書いてませんが、そうしたものは基本的には山口県の産業力とか、そうしたものをしっかり伸ばすことによって、人が活躍できる場ってのをしっかりとつくっていく、これが、基本的には人口減少を食い止めていく、流出を食い止めて山口県の活力を維持していくっていう、高めていくっていう一つの大きな方法ですよね。もう一つの少子化対策ということについて言いますと、子育て支援の関係、これもこれまでやっていることに加えてこれということでありますので、従来からですね、結婚から妊娠・出産・子育てまでの一貫して切れ目ない支援というのもしっかり継続をしてやってまいりますし、子育て環境を整えていくということで、社会全体の応援する仕組みづくり、あるいは多子世帯の支援、また特に、困難を抱える家庭においてもさまざまな手当てをしていくという意味では、この児童虐待の関係とかですね、あるいはこども食堂等も行っておりますけれども、そうした子育て環境、子育てしやすい環境というのは、これはいろんな段階、結婚から子育ての段階、またいろんな場面でですね、きめ細かく手当てをしていかなければいけませんので、そうしたことをしっかりと充実をしていくということでありますので。それが答えになっているかどうかですけど、そういう地域の経済の活性化、雇用の確保、それと子育ての支援ということをですね、今回の予算でもしっかりと位置付けて人口減少等に対応をしていきたいということであります。

読売新聞

 併せて、今回盛り込まれた新規事業の中のほとんどがですね、国の財政的な補助とかをもらって実施している事業が多いというふうに聞いているんですけれども、そういった国が主導、教育ICTとか5Gとかの導入とかも国が主導するような中で、山口県もそういった国の予算を使って取り組んでいる施策だという印象があるんですが、山口県独自の財源を使ってですね、山口県ならではの施策といいますか、そういったもので知事が特に思い入れのあるものがあれば教えてください。

知事

 例えば、教育のICTで言いますと、先ほど高校についての1人1台っていうのは、これ国の措置はないですから。小、中はあるんですけど高校はないんですね。ただ、小、中でやってきて高校でないっていうことはですね、それまでの培われてきた情報活用能力とか教育環境というのがそこで途切れてしまいますので、それは、私はよくないと思っておりますので、ここは県の単独で1人1台の部分は措置をしていくということにしています。それから、その他さまざまな事業への5Gの活用とかですね、AIの活用とかっていうのは、これ、国補助は確かにあるんですけれども、国の地方創生の交付金ってかなり幅広く使えるんですよね。地方創生の取り組みに資する、まあ今回、3つの維新もそうですし、新しい地方創生の総合戦略もそうですけれども、こうした中にしっかりと位置づけてですね、それぞれ取り組んでいくということについては、国の方から割と包括的に使える交付金がありますので、それは使ってるわけですけども、それを個別に国から指導してですね、こういう使い方をしなさいというのはきめ細かくあるわけじゃなくて、どちらかというと幅広い地方創生に資するものを活用できるということでありますので、国の補助を使ってでも、それはかなり県としての課題に対応した、合うものにしていると、独自の取り組みにしているということは言えると思います。

毎日新聞

 教育に関してのところなんですけれども、一つは今、ICT、タブレット等のPC端末の導入ということをずっと言われてらっしゃいましたけど、これは令和7年度完了予定とありますので、時間がどうしてもかかると思うんですがその理由と、財源の問題もあるとは思うんですが、それから限られた財源の中で言えばですね、どういう順番と言いましょうか、どういう順番で導入を考えているとかそういうお考えがありましたらお聞かせいただきたいんですけど。

知事

 これは特に、何て言いますか、将来を担う子どもたちの教育ということですので、私は特に重要な、優先度の高いものとして位置付けてますし、財政的にも単独でかなりの負担が生じてきますので、しかしながらですね、しっかりと行っていかなければいけないものだというふうに位置づけて取り組みをすることにしております。令和7年度までの間ということでありますけれども、今は全然導入されてないものを導入していきますので、実際運用もですね、いろいろやってみなければ、どういうふうにするのかっていうことがですね、試行錯誤が当然いると思いますので、そうした試行的な取り組みを始めながら、徐々に展開を広げていきたいということもあります。
 それからもう一つは、これ機器を整備だけじゃなくて、実際にこれを使ってどういう教育をするのかっていうことをですね、よく研究をしていかなければいけませんので、これは教育委員会の先生や、特にそういった教育のやり方についてのですね、研究を重ねて、また民間でもいろんなサービスがありますので、そうしたところともよく話をしながらですね、この基盤をしっかりと有効に活用できる教育の実際のやり方っていうことを研究しながらしていかなければいけませんので、そうしたことにですね、やっぱり一定の時間もかかってくるというふうに思います。そうしたことを考えて、もちろん財政的にもですね、負担がかなり生じますので、それを一気に増えるんじゃなくて、徐々に増えていくようにしないと財政的なインパクトもかなりありますので、そうしたことも考慮しながらですね、スケジュールについては考えているということです。

毎日新聞

 そうすると、最初はっていうと、モデル校的な形でやっていくところを作るというのがスタートになりますかね。

知事

 そうですね。はい。これは今、5校だった。

財政課長

 はい。5校です。

知事

 5校でしたね。新年度においては、5校において。

毎日新聞

 5校は県立高校ですか。

知事

 県立高校です。はい。

毎日新聞

 分かりました。あとは、教育全体の話にもなるのかもしれませんけれども、例えばこの中で医師の確保ですとか、看護師の確保ですとかって、これからの、いろんな人材というのは当然必要な中でも一つの例として医師の確保ですとか等々あったと思うんですけど、そのためには、県外の人材流出というのは大学レベルにおいての人材流出じゃなくて高校時点でのですね、人材流出ってこともだいぶ近年は問題になっていたと思うんですけど、その辺は、県立学校での教育のあり方でICTのことは分かったんですれども、それ以外の意味での、何て言うんですかね、対策・対応と言いましょうか、対策と言いましょうか、その辺というのは今回の予算では特段入っていない。

知事

 高校段階というのは、高校に進学ということですか。

毎日新聞

 高校での教育のあり方と言いましょうか、よく言われているのは、東の端は結構広島に逃げ、西の端は福岡に逃げということも言われているので。

知事

 そうですね。その勉強だったり、あるいはスポーツとかも含めですね、県外への高校入学あるいはその前からもですね、流出していくっていうことが実際ありますしですね。その部分の影響というのも、結構大きいものがあるかなと思います。ですので、高校なら高校での特色あるですね、高校づくりっていうこともそれぞれ意識して取り組みを進めています。教育委員会の方で、それぞれの高校において特色ある地域と連携した教育とかですね、いうこともやっていますし、今回コミュニティ・スクールも、全校で整備されますのでですね。ここも小・中・高としっかりつないでいくっていうこともやっていかなければいけませんので、そのための予算というのもしっかり行っているということであります。また、教育のあり方についてですね、よく検討して県外への流出を食い止めるってことも意識しながらですね、県内でしっかりと人を育てて、それがまた地域の中で活躍をするということになるような取り組みについて、さらに検討してですね、実行をしていきたいなと思います。

毎日新聞

 ありがとうございました。

防府日報

 「3つの維新」ということを掲げられて予算編成をされて3年目になると思うんですけれども、そういった中で今回ですね、特に生活、主に子育ての部分ですね、ていうのがもう3年くらいずっと見てきて結構際立ってきてるのかなと思うんですけども、先ほど子育てに関して従来に加えて新規でやっていくというお話がありましたけれども、米を贈呈したりだとか、児童虐待防止のサポーターを全国的に広げていくようなそういった取り組みをこれからされていくということで、まあ、おそらく知事は就任以来、多分この子育てということにはかなり思いを強く持ってですね、一番持ってらっしゃるんじゃないかなと僕は思っているんですけれども、そういった中でやっておられて、もうちょっとその辺の思いというのを詳しくお聞かせいただけますか。

知事

 そうですね。少子化対策というのが人口減少の中ですね、少子化というところが大きな要因の一つなんですね。流出もありますけれども、一つは、人口、少子化という部分ですね。この少子化を食い止めなければ、山口県全体の人口というのがどんどん減っていくということでありますので、県全体としてもそういった危機感の下で、しっかり充実した取り組みをしていかなければいけないと思いますし、一方で親の立場、子育てをする立場からすると、安心して子育てできる環境ってのはどこまでいっても必要な条件なわけですね。そこにしっかりと、このさまざまな手当てをしていく必要があるだろうと思います。やっぱり、子育て、自分でもやったと言われると妻に叱られるのでやったとは言いませんが、一緒にやりながらいろいろと苦労も多いわけですよね。そうした中で、やっぱりその地域でのいろんなサポート体制だったり、あるいは大変に難しい状況になったときにですね、それを支えてくれる実際の行政なり、そうした機関というものがしっかり充実をしていかなければいけないだろうというふうに思います。そうしたことで言うとですね、これまでも結婚・妊娠・出産・子育て、各段階においてのいろんな体制、例えば山口版の独自のネウボラとか、身近で相談できる体制っていうのも県内各地域にしっかりとつくっていこうっていうことも、着実に進めております。けれども、今回はですね、また地域の中での子育てのコンソーシアム、企業とかも取り込んで、巻き込んでサポートする仕組み、あるいは多子世帯への応援ということもありますが、一方で最近また、特に深刻になってきてるのは特に困難な課題を抱えている子どもたちへの対応だと思います。子ども食堂についてもですね、今回立ち上げの支援ということで予算で位置付けましたけれども、これも非常に各地域地域においてニーズが高いですね。やっぱり、その子どもたちにそういった環境をしっかりとつくっていくっていうことがニーズとしてあるのと、また、そういったことをしっかりと自分たちが役立ちたいという方も地域にたくさんいらっしゃるんですよね。これは、この予算もそうですけど、その前にネットワーク組織をつくりましてですね、子ども食堂がお互い連携をしたりですね、支え合う、また、アドバイスをしたりとかですね、いうことで、ネットワークをつくらせてもらったわけですけれども、こうしたものもですね、推進組織の一つとして、またあとフードバンクとか関係の機関もですね、一緒になってこうしたものを支えていきたいと、そうした動きをつくり出しております。今回当初予算で助成制度を設けてですね、さらなる後押しをしっかりとしていって、こうした居場所づくりというものをですね、より県内の各地域に広げていきたいなと思います。
 それから、児童虐待の関係も、大変近年ですね、全国各地においてですね、痛ましい事案、頻発をしているわけです。こうした、一人一人の子どもにしっかりとですね、行政ももちろんですけれども、地域の目も入れていってですね、本当にあの痛ましい事案が起きないようにしていくというその環境をですね、地域で整えていかなければいけないと思います。
 行政として、児相についての機能強化とか人員の配置の増強とかやってますし、本年度は福祉総合相談支援センターも開所しまして、一時保護所の強化とかですね、警察との連携ですとか、そうしたものも体制強化を図っていますけれども、そういう行政の取り組みの強化とあわせまして今回この189(いちはやく)サポーターということで、民間の力ですね、地域の方々の目、あるいは企業の力というのを、しっかりとこの分野においても力を貸してもらいながらやっていきたいなと思います。これは、例えば、子どもが夜1人で歩いているとか、そういったこと、あるいはいつも泣いているとかですね、そうした地域の目によって気付くことができる部分というのはかなりあるんですけれども、そうしたものが、それぞれ何て言いますか、それぞれの取り組みになっていってですね、もう少しこれを強化できないかなというふうに思っています。そうした中で今回189(いちはやく)サポーターということで地域の方々に子育て、子どものですね、見守りだったりとかいろんな助言をしてもらうサポーターっていうのをつくっていく、そうした位置づけをしっかりと与えることを行ってですね、そうしたものを広げていきたいなと、地域の中でこうしたサポーターというのをどんどん増やしていきたいなというふうに思います。
 それから、企業の方でもさまざまな協力できる部分、例えば、コンビニであれば、コンビニで1人で夜に買い物に来る子どもたち、小さい子がいたら、それは怪しいと思わなければいけないわけですけれども、そういったことに気付くことができるわけですよね。そうした企業の中でも、児童虐待についての気付きとか、何かあった時のサポートとか、そうしたことをするという企業をどんどん増やしていきたいなと思います。そうした虐待防止全力宣言企業、これは例えばお客さんに接するような企業もそうですし、また社内で従業員に対してのいろいろな指導をするとかいうこともあるかもしれませんけれども、そういう企業も認定をしていきたいなというふうに思っております。
 またヤングサポーターということで、例えば中学生とか、そうした子どもたちへの意識を高めていくとか、この虐待とかについての問題意識を高めていくとか、そうしたことが起きないような意識付けというのをこの段階からしっかりしていくとか、そうしたことをやっていきたいと思っております。これは県の、われわれの取り組みとしてスタートをして、ぜひこれを他の地域にも広げていきたいなというふうに思います。

防府日報

 こうした取り組みというのが、今知事の中で考えておられるその社会全体での子育てという部分ですけれども、大体何割ぐらい達成できていて、どれぐらいまで持っていけたのか、感覚的にはどうですか。

知事

 いや、ちょっとなかなか難しいですね。環境自体は整っているとは思います。いろいろな分野で、先ほど言いました、結婚でも応縁センターをつくるとか、妊娠でもさまざまな妊娠についてのいろいろな相談だったり、不妊治療の助成だったりとかやってきましたし、出産や子育ての段階でも、医療機関なり、あるいは地域のサポート体制だったり、先ほど言ったネウボラですとか、そういった充実を図ってきておりますので、この数年間でいろいろな環境が整ってきているというふうには思います。ただですね、そうは言っても、それで全ての子どもが本当に環境的に100%満たされているかというと、そうではないと思いますので、それぞれの取り組みをさらに強化しなければいけませんし、また生じてくる新しい課題にも対応していかなければいけないというふうに思います。
 また出生率自体も何と言いますか、上がっているわけではないので、全国平均よりは高いですけれども、これをもっと希望出生率とわれわれは呼んでいますが、希望としてこれだけ子どもが欲しいというものが、1.9とか1.8とかそういう数字なんですけれども、これに届いていないということは、希望が満たせないような状況にあるということですから、行政としてそこに手を入れていくべき、支援をしていくべき部分というか、そういうケースというのはまだまだあると思っておりますので、これからさらに充実をしていかなければ、目標達成は非常に、とてもこれ自体は国全体も力を入れてやっていますが、なかなか成果が上がらない分野であります。これさえあればというような施策はありませんけれども、いろいろな環境を、とにかく丁寧に丁寧に整えていくということが、一番の近道ではないかと思っておりますので、これを着実に進めていく必要があると思います。

防府日報

 ありがとうございました。

朝日新聞

 今の話に関連してなんですけれども、子育て支援策、教育環境の充実、非常に私も思い入れがある予算だと思いました。その知事ご自身の、具体的にご体験であるとか、気付きであるとか、こういう分野に注力をしなければ、ここ何年にもわたってなかなか成果が出にくいという話もありましたけれども、どういった知事ご自身のそのご体験なのか、その気付きなのかというところが、こういうところに力を入れていこうというきっかけになっているのか、その原動力は何なのか、というものがあれば教えていただきたいのですが。

知事

 それは子育ての関係。産業の。

朝日新聞

 子育てや教育の問題ですね。

知事

 そうですね。私自身の体験というのは限られたものになってくるんですけれども、やっぱりいろいろな地域で、例えばどこでもトークとかいうことをしながら、地域での、その子育てについての悩みとかいうことを聞くことも多くあります。やっぱり今の家庭というのは、三世代同居とかでもしていなければ1人で育てているという感じ、お父さんが仕事にずっと行っているとか、本当に1人でいろいろな問題を抱えているということが多くあるというふうに感じており、女性の社会進出も進んでいって、働きながら子育てをしていると、保育所に迎えに行く時間というのが、本当にいつも、何と言いますか、仕事の都合と迎えに行かなければいけない時間とがうまく合わなくて、本当にその瞬間は大変な思いをしているということですね。そういった意味でいうと、本当にきめ細かくサポートしていかなければ、社会全体ではなかなか見えないですけれど、個人個人であれば大変深刻な問題なんですよね。そこはやっぱりしっかりと聞いて、きめ細かくサポートしていかなければ、そうしたところがネックになって、子育てがやっぱり難しい、大変だというふうなことが生まれてくるんだろうというふうに思います。そういった意味で、いろいろな話を聞きながら、サポートというのは本当にきめ細かくしていかないと、なんとなく予算を構えたからこれでいいだろうというわけではなくて、そういうきめ細かさが必要なんだろうというふうに思いますね。だからこの予算措置もそうですけれども、より地域に近い所で身近にサポートできる体制、今の児童虐待もそうですけれども。単に児相を構えていて、そこで来るものに対して相談に応じるということではなくて、もっと地域の中でしっかりとネットワークを張ったりとか、気付きとかというものをしっかりとつくっていかなければ、本当にきめ細かな子育てのサポートというのはできないであろうと思いますので、この189(いちはやく)サポーターもそういう観点ですけれども、やっぱり本当に小さいところの気付きというのをしっかり拾い上げてサポートにつなげていくというところが重要だろうなと思いますね。それはいろいろな話を聞きながら、そういうことを感じております。

朝日新聞

 ご自身のご体験というよりは、むしろ県民の皆さんだったり、職員の皆さんとのやりとりに、そういうところを感じ取りながら気付かれていったという、そんな過程になりますでしょうか。

知事

 もちろん自分の体験もあるにはありますけれどもね。そうですね、働きながら子育てするということは大変ですから、そういった意味では。私の妻も一時働いたこともありましたんですね、小さい時に。そういった中で、やっぱり地域の方々の支えだったり、受け入れの施設ということが本当に切実に重要だということですね。本当に子どもというのは置いておくわけにはいきませからね、必ず何かそこでケアをするとか、誰かが見ているということ、安心できるところで見てもらうということにしなければ、本当に一瞬たりとも放っておくことはできませんので、その切実さというのは、子育てを私自身もしながら、また妻の話も聞きながら感じておりますので。そういった実感を持ちながら、県民の皆さんの言われる意見を聞きながら、施策についてはこれからも考えていきたいなと思います。

朝日新聞

 関連してなんですけれども、新規事業の中で、これも面白いなと思ったんですけれども、第3子以降の誕生祝に県産米1俵を贈呈するという「幸せ舞い米!」ですかね。

知事

 舞い米。

朝日新聞

 新規事業ありますけれども、これに込められた思いというか、これは子育て支援策の一環というふうに考えてよろしいんですかね。どんな思いを込められたか教えていただけますか。

知事

 そうですね。子育ての中で、特に経済的な負担とかいう部分は多くあると思います。それについて十分な手当てができればいいんですけれども、これはなかなか財政的な事情が許さないというところもありますから、できることには限りがあるというふうに思いますが、いずれにしても、このいろいろと子育てをしていく上で、多子世帯というのは特に経済的な負担とか、いろいろな負担、経済面だけではなくていろいろと大変ですし、同時に何人の子どもを見なければいけないというのは、うちなんかは上と下が7歳離れているので、下の子が産まれた時には上の子が少し面倒がみれるような状況だったので、そういった意味では助かりましたけれども、本当に小さい子が2人も3人も同時に育てるというのは本当に大変なことだろうというふうに思います。そこをしっかりと応援をするというメッセージを出したいなというふうに思っております。そうしたものを行政も応援するし、本当を言えば社会全体でも、こういった多子世帯の本当にいろいろな、特に苦労が多いところについて、しっかりとそこに目を向けてサポートをするということを、メッセージとして出していくことができれば、こうした子育てをみんなで応援しようという社会全体の機運の醸成にもつながっていくんだろうと、そういった思いでこの事業を組み立てています。

朝日新聞

 お米がメッセージになり得るという。

知事

 そうですね。1つ。もちろんこのお米自体は、必ず子育てをする上できちんと子どもに食べてもらって大きくなってということで、やっぱり子育てをしていくということにも、メッセージとしては大きなものになるかなと思っています。

朝日新聞

 ありがとうございました。

毎日新聞

 社会的養護の話に戻ってしまうんですけれども、今年度も社会的養護に力を入れる背景として、例えば近年の虐待認知件数の増加とか、そういう具体的な県内の状況を受けての対応という形でも捉えられるんですかね。

知事

 もちろんそうですね。全国的に虐待が大変増えておりますし、また本当に痛ましい事案が生じていることは心を痛めてますし、それは皆さん同じだと思いますけれども、そうした状況を改善をしていかなければいけませんし、山口県全体も虐待の相談件数とういうのも右肩上がりに増えておりますので、それだけいろいろな困難な状況にある子どもたちが増えているということをしっかりと受け止めて、これに対してきめ細かな対応をいろいろな場面でしていきたいなというふうに思っております。そうしたことで児相の機能強化も図るようにしておりますし、こうした民間あるいは企業の力も、しっかり社会全体で取り組みながら、こうした虐待というものをできるだけ早く気付いて、早く解消するということを一件一件についてできるような、そうした山口県をつくっていかなければいけないと思っています。

朝日新聞

 すみません。知事の2期目の任期も間もなく折り返しでですね、知事になられてから6年ということで、知事としても全国で見ても中堅に入ってくるのではなかろうかと思うんですけれども、そうした中で今回の予算編成も含めて、この6年間の自己評価をどのように捉えてらっしゃるか、お願いしてもいいですか。

知事

 そうですね。特に私、今日もそうですけれども、人口減少という部分が山口県の将来においては本当に一番深刻な課題だと思っていますので、こうしたことを克服をする、人口減少を食い止めていく、あるいは人口減少してもやっていける地域をつくっていかなければいけないと思っておりますので、そういった観点でさまざまな取り組みをしてまいりました。特に産業力を高めていくというところは大きな柱に常に位置付けてやっておりますけれども、山口県は何といっても産業の集積は素晴らしいものがありますから、基礎素材型産業からいろいろな輸送用の機械ですとか、機器ですとか、製造業、大変多くの企業の集積があります。そうしたものを生かして、新しい成長産業、これからの事業の新展開、そうしたものをつなげることによって、山口県のそもそもの力そのものを高めていかなければいけないと思っております。そうした中で企業誘致も進めておりますが、企業誘致もこのところ非常に好調でと言いますか、しっかりと誘致活動も行って実現をしておりますが、そうした中で医薬品とか医療関係の企業というのもどんどん、国内だけじゃない海外とかにおいても大変高いシェアを持っていて、そしてまた、特にこの医療の関係はこれからどんどん成長を世界全体でもしていきますから、そうした将来性のある企業の誘致というのも、何件も実現をしてこれたかなと思っております。これによって雇用もかなりの規模増えるようになってきていますので、そうした意味ではそういう取り組み一つ一つが具体的な新しい事業化だったり、企業誘致だったり、雇用の増ということでつながっているのかなというふうに思いますし、また子育ての関係でも今言いました、毎年こういろいろな新規事業も入れながら、かなり充実を図ってきているなというふうに思います。それによって、いろいろな課題を解消できている部分もあるとは思いますけれども、ただ依然として人口は減り続けていますし、東京への一極集中は続いていますし、住民基本台帳人口による人口の転出超過というものも、相変わらずこう高い水準にあります。これは山口県だけではない、日本全国ますます東京一極集中が進んでいるわけですので、そうした中で、これを抜本的に改善していくというところまでは、まだまだ大変な道のりがあるとは思いますけれども、そうしたことに向けて動き出しと言いますか、個別の分野では、成果は上がってきているかなというふうに思います。それを着実に進めていって、さらにこの今回の予算の5GとかAIとか新しいものを使って、これまでできなかった課題の解決方法というものも、しっかりと追及をしていかなければいけませんし、さらに言うと、もっと国全体にもこの社会の構造、人口がどんどん東京に集中していく、あるいは少子化が止まらないということについては、国全体の抜本的な対応がいると思いますので、これはまた県独自にも、またあるいは全国知事会等を通じても、しっかりとさらなる、第2期に地方創生入りますので、取り組みを力強いものを進めていただくように求めていきたいなと思います。

朝日新聞

 今お伺いしたと思うんですけれども、こういった県独自の取り組みと言いますか、知事の色、村岡知事色と言いますか、県政にどのようにこれから残り2年の任期の中でこう反映させていきたいかというのは、そのあたりのビジョンと言いますか、お考えというのはいかがでしょうか。

知事

 そうですね。基本的には今言ったとおりの問題意識でありますので、山口県は何と言いますか、やっぱりこの製造業というか第2次産業の強みというのが、これが他よりもかなり優れていると思いますね。そして優れた企業立地の環境、災害も非常に少ないですし、インフラも整ってますし、広島とか福岡とか大都市に非常にそこにも近いと、いろいろな所の中四国と九州の位置的には中心部ということでもありますけれども、そうした優位性もしっかりと活用しながら、やっぱり山口県の産業力を伸ばしていく、それにはいろいろなツールがあって、研究開発だったり企業誘致だったり、あるいはここに新しい技術を使って伸ばしていくと。いろいろなツールがありますので、これはやっぱり時代の変化に対応して、その都度その都度、取り組みをバージョンアップしていかなければいけないと思います。そのバージョンアップをしっかりやっていきたいなと思いますね。

朝日新聞

 ありがとうございます。

NHK

 すみません。ちょっと時間が押しているので要点だけで結構なんですけれども、新型コロナウイルスについてですけれども、今フェーズが変わってきていまして、今国の方でも、新しい相談窓口とか医療機関の受診に向けた目安を示されていると思います。今、知事としての受け止めですね。そしてあと県民に対しての呼びかけ。あと今後の県としての対応。そして、もし感染者がいつどこで今見つかってもおかしくない状況ですので、もし見つかった場合、県としてどのように対応していくのか、県として県民に向けた対外的な情報発信含めて、どういうふうに取り組んでいかれるのか教えてください。

知事

 そうですね。今、日々国内での感染患者が増えている状況でありますので、この状況を大変懸念をしておりまして、今のところ山口県においては感染者というのは出てきておりませんけれども、これから広がってきた場合、山口県でも十分起こりうるものだと思っておりますし、そのためのわれわれ体制、備えをしっかりしておかなければいけないと思います。1月31日に、私本部長となりまして山口県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置をしていますけれども、この中でも、しっかりといざ事例が生じた場合の対応について、関係機関ともしっかりと確認をしながら、相談から実際の検査、そして陽性となった場合の措置の仕方についても、しっかりとした体制をとっておりますので、いざという時に対しての備えは万全の取り組みをしているところであります。厚労省(厚生労働省)の方から昨日ですかね、新しくまた相談等についての考え方といいますか、国民の皆さんへのお知らせといいますか、そういったものが示されましたけれども、ぜひですね、県民の皆さんぜひ、われわれとしては体制をしっかりと整えております。県内の各保健所にも相談センターを設けておりますので、何かありましたら、ぜひ気軽に保健センターの方にご相談をいただきたいというふうに思います。その中でやり取りをして、必要な医療機関への相談ですとか、そういったことにしっかりつなげてまいりますので、不安があれば、ぜひ遠慮なくご相談をいただきたいなというふうに思っております。そして感染症の予防対策としては、これも従来の通常のインフルエンザと同じように、うがいですとか手洗いですとか、咳エチケットですとか、そうしたものを心掛けてぜひいただきたいなというふうに思っておりますので、その点またぜひよろしくお願いしたいと思います。

NHK

 追加なんですけれども、今回国が示した基準では、発熱が続いた場合、会社には行かないようにとか、学校には行かないようにとか、ちょっとこう、なかなか普段風邪程度ではわれわれがこう会社に行かなければいけないとか、いろいろちょっとこう今までの風邪、風邪の一種とは聞きますけれども、ちょっと違うような対応を求められることもありますけれども、やっぱり念には念をという点では、県民に対してどういう行動であったり、国が示しているものをどういうふうに従ってほしいところですか。

知事

 そうですね。これは国の方でさまざまな検討を行った上で、相談についての目安を示されたというふうに思ってます。ぜひ県民の皆さんに一つの相談における目安としてご活用をいただければと思いますし、ホームページ等でわれわれも周知をしていきたいと思いますので、そうしたことも目安にそれぞれ適切な対応を行っていただきたいなと思います。

NHK

 ありがとうございます。

作成:山口県総合企画部広報広聴課

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