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知事記者会見録・平成31年2月12日実施分
日時 平成31年(2019年)2月12日(火曜日)
11時30分~12時58分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 平成31年度当初予算(案)について
- 平成31年度組織について
- 「山口県県民栄誉賞」の授与について
知事
皆さん、こんにちは。
今日、私の方からは、3点報告をさせていただきます。
最初に、平成31年度当初予算案について、ご説明をいたします。
初めにですね、予算編成の基本的な考え方であります。
平成31年度は、明治改元から150年というですね、節目を経まして、新たな時代を迎えることとなります。
この新しい時代を迎えるに当たりまして、私は、これまでの取り組みの成果の上に立って、県政の最重要課題である人口減少問題をはじめとする、さまざまな課題に立ち向かい、活力に満ち、将来に希望を持って暮らすことのできる山口県を創っていくという決意を新たにしているところです。
昨年10月に、これからの県づくりの施策を戦略的・計画的に進めていくための指針といたしまして、「やまぐち維新プラン」を策定をしたところであります。来年度は、このプランに基づきまして、「3つの維新」への挑戦に向けた取り組みを、本格的に展開をしていくことになります。
これまでも申し上げてまいりましたが、県を取り巻く環境は厳しいものがあります。課題の解決は決して容易ではありませんけれども、山口県には他県にないさまざまな強みや潜在力があります。私は、これらを余すところなく引き出して、そして、さらに伸ばしていくことで、活力に満ちた未来を必ず切り拓いていけるものと、そのように確信をしております。
そのため、プランの策定に当たりましては、本県が有する強みや競争力などの分析をきめ細かく行って、産業、交流、生活の各分野で、今後取り組むべき施策の方向性をお示ししたところです。
プランの策定後、最初の当初予算となります来年度予算におきましては、プランに掲げる施策を本格的に、また、速やかに展開をし、県民の皆さんがその成果をできるだけ早く実感をできるようにしっかりと取り組んでいく必要があります。このため、「やまぐち維新プランの具現化に向けた取組の推進」を当初予算の最初の柱として、後ほど説明をします六つの重点項目に沿って、優先的・重点的な予算配分を行いました。
また、本県の未来をしっかりと見据え、多くの政策課題に挑戦をしていくためには、県政推進の土台となる揺るぎない行財政基盤の確立が不可欠であります。
そのため、予算の柱の、もう一つの柱を、「持続可能な行財政基盤の確立に向けた取組の着実な推進」といたしまして、事業の不断の見直しや、さらなる財源確保対策の実施等を通じて、現在進めている行財政構造改革を必ず成し遂げるための取り組みをしっかりと予算に反映させたところです。
その結果、来年度一般会計の当初予算規模は6,854億円となり、本年度当初予算に比べて124億円、1.8%の増加となりました。
それでは、予算編成の二つの柱に沿って説明をいたします。
まず、一つ目の柱ですけれども、「やまぐち維新プランの具現化に向けた取組の推進」です。
私は、これからの県政の運営におきまして、本県の強みですとか、潜在力、先ほど言いましたように、こうしたものを活かしてですね、山口県の未来を切り拓いていく、産業維新、大交流維新、そして、この生活維新、この「3つの維新」をですね、しっかりと進めていくことにしております。これをですね、ぜひ実現をしていきたいと思っておりまして、そのための県政運営の指針として、やまぐち維新プランを策定したところです。
プランに沿った施策につきましては、平成30年度に前倒しで着手をしているものも一部あるわけでありますけれども、本年度から本格的に展開をしていくこととしておりまして、これらの推進に当たりましては、これまでの成果の上に立って、本県の実態を詳細に分析をし、そして、課題を掘り下げることを通じまして、新しい視点や発想によります「攻め」の施策に取り組みたいと考えております。
また、ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)等の先端技術を活用することによりまして、限られた財源の中でも、可能な限り実効性の高い施策を構築するよう心掛けております。
来年度当初予算におきましても、こうした観点から、多くの新しい取り組みを進めることとしております。予算発表資料では、これらの新規事業を中心に、六つの重点項目に沿って、ご説明をいたします。
最初にですね、「イノベーションの創出と中堅・中小企業の成長支援」ということでございます。
本県にはですね、国内外に誇るべき素晴らしい産業の集積、また、技術の集積がございます。優れた立地環境もあります。一方で、近年は、あらゆる産業、また、社会生活におけますIoTですとか、AI(人工知能)の導入などですね、技術革新、これが急速に進展をしておりまして、こうした市場変化等への対応が急務となっているわけであります。
こうした中で、将来にわたって本県経済の持続的な成長・発展を促していくためには、本県の強みであります基礎素材型産業を中心とした高度な産業集積や技術開発力、地域中核企業の持つ独自技術等のアドバンテージ、こうしたものをしっかりと活かして、成長産業の創出に向けました戦略的なイノベーション、この創出や、産業力の強化を図っていくことが重要です。
そのため、まず、イノベーションの創出によります産業力の強化、そして成長産業の発展ということについて申しますと、オープンイノベーションの推進、今までにない価値を生み出すということであります。この企業の技術者・研究者によります交流のプラットフォームであります「R&Dラボ」を構築をしていくなど、オープンイノベーションを推進して、今までにない価値を生み出す研究開発等の支援に取り組んでまいります。
そしてまた、医薬品の製造業が集積をしているという山口県の強みを活かしまして、この優位性をさらに伸ばしていく、そのために、管理基準適合調査の迅速化によりまして、県内医薬品産業の強化を図り、原薬生産額日本一を目指していきます。
さらに、大手IT企業等と連携した新技術の導入支援によりまして、官民連携で企業のIoT化を全力でサポートをし、中堅・中小企業の生産性向上を図っていきます。そのほか、道路・港湾等の産業基盤の整備や、長寿命化に伴う「人生100年時代」に対応する新産業の創出に向けました、認知症リスクの低減・予防に関する産学公連携の共同研究に取り組みます。
次に、「中堅・中小企業の成長支援」では、国の取り組みに呼応して、キャッシュレス化実現会議などの推進体制整備や、キャッシュレス決済の導入支援を行う専門のコーディネーターの配置、アプリや公衆無線LAN等の関連基盤整備への補助等によりまして、導入促進につながる各地域の意欲的な取り組みを支援をして、県内のどこでもキャッシュレス決済が使える、そうした社会の実現を目指してまいります。
また、後継者不足に悩む中小企業の事業承継を支援するため、税理士会との連携による第三者承継の促進など、円滑な事業承継や、創業・事業承継の一体的な支援体制の強化を図ります。併せて、若者の利用頻度が高いスマートフォン用のアプリを利用して、就職希望者に県内企業の就職情報が届きやすくなるように環境を整えてまいります。
さらに、ICTで魅力ある建設現場の実現に向けました、ビジネスメッセの開催による建設業へのICT導入促進や、「生産性向上・人材創造拠点」を中心といたしました、きめ細かな支援体制によります中小企業へのIoT導入を通じて、県内企業の生産性向上を図ります。
このほか、入管法(出入国管理及び難民認定法)の改正に伴いまして増加が見込まれます外国人材の中小企業での円滑な受け入れのため、山口しごとセンターに受け入れの支援体制を整備をしてまいります。
次に、重点項目の2点目でございます。「強い農林水産業の育成」であります。
人口減少、そしてまた、高齢化が進展をしていく中で、本県農林水産業の成長産業化を図っていく、その上では、その要となります担い手を確保をするということとともに、ICT等を活用しましたスマート農林水産業の導入促進、こうしたことなどを通じまして、生産性の向上を図っていく、そのことが何よりも重要と考えております。
まず、「新たな担い手の確保」につきましては、首都圏からの新たな移住就業希望者を掘り起こして、就業まで徹底したサポート体制を構築をしていくこと、これはですね、首都圏からの新たな人を確保するために、従来のセミナーの開催ですとか、相談窓口といった、いわば「待ち」のですね姿勢、こうした対策に加えまして、新たにですね、こちらから積極的に攻めていく、農林水産関係の大学ですとか、高校などで、移住就業希望者の掘り起こしを行っていく、首都圏等でそうした展開を行っていくことによって担い手の確保に取り組み、首都圏からの移住就業者の大幅なアップを図っていきたいと考えております。
そしてまた、2点目で言いました「スマート農林漁業の推進」ということでございます。とてもですね、今、ICT等のですね、この先端な技術というのが、この農林水産業の分野ではですね、特にこう急速に進んでいるわけであります。こうしたことをしっかりと山口県ですね、取り入れて、山口県の農林水産業の生産性をですね、こう拡大をしていく、強めていくということがですね、重要であろうと思っております。例えば、水田での自動走行トラクター等のスマート農機とですね、ICT管理システムの連携によります実証研究等ですね、農業とか畜産業、林業、漁業の、こうした各分野におきまして、先端技術を活用しました生産性の向上を図っていって、夢をかなえる農林漁業イノベーションを推進していきます。
さらに、「農林業の知と技の拠点の形成」では、農業試験場と農業大学校等の一体的な整備を推進をして、研究と教育の一体化で、本県の農林業の新たな未来を切り拓いてまいります。
このほか、「畜産業の振興」といたしまして、県産和牛の販売力強化のため、統一ブランドの創設に向けました取り組みなどを実施をするとともに、「新たな林業[森林]経営管理制度への対応」といたしまして、国が新設をします森林環境譲与税を活用して、人材の確保や森林管理の強化を図ることとしております。
また、「水産業の振興」につきましては、世界的に評価が高い、県産の地酒の副産物であります酒かすを活用して、将来のブランド化も見据えた、本県ならではの養殖方法の研究開発に取り組むこととしています。
そして、重点項目の三つ目でございます。「人とモノの流れの拡大」についてであります。
まず、「選ばれる観光目的地やまぐちの実現」につきましては、新しいキャッチフレーズ「YAMAGUCHI MAGIC!」の下で、絶景・体験・歴史・温泉・グルメ、この5大要素をテーマとして設定をして、季節に応じた、魅力ある観光キャンペーンを効果的に展開をしていくとともに、付加価値の高い体験型コンテンツの造成に取り組むなど、不思議なパワーで「新しい山口」の魅力を発信をしていきます。併せて、東京オリンピック・パラリンピック等に向けました新たなインバウンド需要の取り込みや、キャンプ地誘致と連携した取り組みの支援等を実施をしてまいります。
また、「交流を拡げる基盤整備」では、山口宇部空港における国際路線の定着・拡大に向けて、韓国からの個人旅行者を対象にインバウンド対策の充実を図るほか、今後増加が見込まれる外国人の受け入れ環境整備のため、新たに「やまぐち外国人総合相談センター」を設置をいたします。
さらに、「国内外での新たな市場開拓」では、首都圏等において、従来の地域商社による取り組みに加えまして、新たに「オールやまぐち」として、全市町が参加をする、県産品の売り込み体制を構築をします。また、本県独自の輸出商社となる「県版エクスポーター」を育成・活用いたしまして、県産品を満載したコンテナを山口から世界へと運び、海外での競争力強化を図るとともに、東アジアやアセアン地域等への戦略的な海外展開を目指す中小企業をサポートしていきます。
さらに、「やまぐちへの移住・還流[人の還流・移住]の促進」では、首都圏在住者を中心とした地方回帰の高まりを移住促進の好機と捉え、新たに3名の移住コンシェルジュを配置して、移住希望者に寄り添い、一貫した支援を実施するとともに、国の移住支援策も積極的に活用して、本県へのさらなる移住の促進を図ります。
次に、4点目、「暮らしに満足できる生活環境づくり」についてであります。
活力に満ち、県民一人一人が安心をして、将来に希望を持って暮らせる山口県を実現をするためには、快適で、満足できる生活環境づくりが不可欠であります。
まず、「結婚、妊娠・出産、子育て支援」では、やまぐち結婚応縁センターの会員用システムに相手との相性を判定する機能を追加をしまして、マッチング成功率の向上によって、結婚の希望をかなえる応縁の充実を図ります。併せまして、かけがえのない新しい命を未来につなぐ「新生児用ドクターカー」の整備の支援や、ICTを活用した病児保育のネット予約サービスの実証実験、保育士養成学校等の学生と連携した長期休暇中の放課後児童クラブの充実など、若い世代が安心して結婚や妊娠・出産、子育てができるように、さまざまな取り組みを実施をしてまいります。
次に、「困難を有する子どもに対する支援」であります。子ども食堂の開設・運営を支援する推進コーディネーターやネットワーク会議等のサポート体制を整備をするとともに、新年度、新たに県央部に新設をいたします「福祉総合相談支援センター」への警察官の配置や、一時保護所の施設定員の増、各児童相談所に配置する児童福祉司の増員等によりまして、児童虐待防止対策の充実・強化を図ってまいります。
また、「働き方改革の推進」では、「人生100年時代」も見据えて、みんなの働く気持ちを応援するため、山口しごとセンターに就業促進コーディネーターを配置をし、女性やシニアの未就業者が希望に応じた働き方を実現できるよう支援を行うほか、障害者の就労促進に向けた企業の合同説明会や職場体験などの取り組みを実施します。
さらに、「快適な暮らしづくりの推進」では、フードバンク活動における効率的な食品管理システムの導入により、フードバンク活動の取り扱いエリアの拡大や、食品製造業者等の食品ロスの削減を図ります。併せて、宅配便受け取り時の再配達を抑制する宅配ボックスの設置によるCO2削減の実証や、魅力ある自然資源を活用したエコツーリズムの促進、中古住宅取引での建物状況調査制度の普及等による空き家対策の推進などのさまざまな取り組みを実施します。
次に、重点項目の五つ目であります。「新時代に繋げる人材の育成と活躍支援」についてです。
まず、「新時代を創造する人材育成」では、明治150年を契機として、「人生100年時代」などの変革期において必要となる施策の検討を行うとともに、薩長土肥4県が連携して、高校生を対象に、ふるさとを愛する若者を育成する研修を行うなど、山口県ならではの人づくりを推進する体制を構築します。
次に、「やまぐち型地域連携教育の推進」では、高校が地元企業や大学等と連携し、地域課題の解決等を通じて、地域貢献の意欲を持った人材や地域の産業人材を育成するモデル的な取り組みを実施するとともに、小・中・高等学校・特別支援学校の各段階でのコミュニティ・スクールの活動内容の充実により、地域教育力のさらなる向上を図ります。
また、「きめ細かな教育の推進」では、小・中学校卒業段階で一定数の児童・生徒が県外流出をしている実情を踏まえ、発展的な知識の学習のためのオンライン講座の開催等、魅力ある教育プログラムの提供により、高校教育の魅力度の向上を図ることとしています。
次に、「豊かな心・健やかな体の育成」では、LINE等の児童・生徒が利用しやすいコミュニケーションツールを活用した24時間体制での連絡窓口や、弁護士と連携したいじめ予防教育など、実効性の高い、いじめ未然防止、そして、早期解決・早期対応、この強化に加えまして、心の専門家でありますスクールカウンセラーによる心理教育プログラムの実施により、豊かな心の育成に取り組みます。
また、「誰もが安心していきいきと暮らせる社会の実現」では、子育て・介護等の複合的な課題に対して、市町全体で対応する包括的な支援体制づくりをモデル的に実施し、住民が共に見守り、支え合う地域づくりを目指します。併せて、女性が働きやすい職場環境整備への支援や、社会で活躍する女性管理職の支援、男性の育児[家事]参加の促進に向けた「カジダン入門講座」の開催など、みんなで女性の活躍をサポートする取り組みを強化します。
次に、重点項目の六つ目であります。「県民が安心・安全に暮らせる活力ある地域づくり」についてです。
近年、全国各地で大規模な自然災害が頻発をしております。昨年、平成30年7月豪雨災害では、本県を含みます西日本を中心に甚大な被害が生じたところであります。こうした災害に備えまして、人口減少、また、高齢化が進んでいる中で、医療提供体制の充実や中山間地域づくりの推進などが求められており、誰もが安心・安全に暮らせる地域づくりにしっかりと取り組んでいく必要があります。
まず、「災害に強い県づくりの推進」では、先ほど言いました7月豪雨災害、これを教訓といたしまして、災害対策を実施をするということでありますけれども、率先避難重点促進地域、これをですね、設定をいたしまして、住民の、この避難行動が自発的にですね、行われるための体制づくり、これとですね、防災意識の底上げに取り組み、「逃げ遅れゼロ」、この実現を目指してまいります。また、国の「防災・減災、国土強靭(きょうじん)化のための3か年緊急対策」に沿いまして、大規模自然災害に備えた、緊急的な防災・減災対策等を実施します。併せまして、民間建築物の耐震改修等について、補助対象に避難路沿いのブロック塀等の除去を追加をいたします。
次に、「安心の医療・介護の充実、県民一斉の健康づくり」では、小児科など医師が不足する特定診療科を対象とする医師修学資金貸付金を拡充をしまして、若手医師の県内定着を一層推進をしてまいります。また、がん治療に伴いますアピアランスケアの推進として、ウィッグの購入補助等のきめ細かな支援を通じまして、自分らしく生きる方を応援をするとともに、家族や友達が誘い合って、がん検診を受診し、大好きな人と一緒にがん予防に取り組むよう促す、新たなキャンペーンを実施をします。さらに、救急電話相談窓口「#7119」の整備によりまして、救急車を呼ぶかどうかを迷ったときの相談体制を構築をするほか、4月から正式配信を開始します「やまぐち健幸アプリ」を活用して、健康寿命の延伸など県民の一斉健康づくりのサポートや、将来的なヘルスケア産業の創出を目指します。
次に、「人口減少社会を生き抜く地域づくりの推進」では、中山間地域における地域づくりに経営の視点を導入し、地域自らが稼ぎ支える地域運営組織として、「地域経営会社」を立ち上げるための支援を行い、自立・持続可能な中山間地域のモデル創出を目指します。
以上が、「やまぐち維新プランの具現化に向けた取組の推進」として、来年度当初予算で取り組むものでありますが、このほか、「山口ゆめ花博」の成果を継承・発展し、県づくりにつなげていくため、新たに「山口ゆめ花博基金」を創設をすることとしており、今後、市町や関係団体等と設置をします検討委員会で活用方針を協議し、必要な予算措置等についても併せて検討してまいります。
次に、予算編成の二つ目の柱であります、「持続可能な行財政基盤の確立に向けた取組の着実な推進」についてご説明いたします。
これまでも申し上げているように、本県財政は、人口減少等によりまして歳入が伸び悩む中、高齢化に伴う社会保障費の増大などによりまして、歳出が歳入を上回る、そうした構造となっておりまして、毎年多額の財源不足が生じております。
このため、この硬直化した財政構造を転換して、「3つの維新」への挑戦を支える、揺るぎない行財政基盤を確立するため、平成29年度から全庁を挙げた行財政構造改革を推進をしています。
2021年度までの改革期間におきまして、徹底した歳出構造改革を進めながら、臨時的な財源確保対策を段階的に縮減をすることによりまして、こちらにありますとおりですね、歳出構造改革と、それから財源確保ですね、これを行って、今、均衡をさせているわけですけれども、これを段階的にですね、近づけていって、この2021年度までに収支均衡した持続可能なですね、財政構造、これをしっかりとつくっていきたいと思っております。そして、2022年度からはですね、このような形で、臨時的な財源の確保、これにですね、依存しない、そうした財政運営をですね、実現をしていきたいと、そのように思っております。
それでは、平成31年度の当初予算におけます財源不足への対応についてご説明いたします。
行財政構造改革の実現に向けまして、平成31年度当初予算編成におきましては、これまでの改革の成果を踏まえ、引き続き、収支均衡した持続可能な財政構造への転換に向けた取り組みを着実に進めました。
これによりまして、平成31年度当初予算におきまして292億円と見込まれる財源不足に対しまして、歳出構造改革207億円、臨時的・集中的な財源確保対策56億円など、改革の取組効果額として約310億円を確保し、財源不足の着実な解消を図ることとしています。
次に、歳出構造改革の取り組みについてご説明します。
まず、「総人件費の縮減」につきましては、定員削減といたしまして、組織のスリム化や、事務事業の見直しによります業務量の削減・業務の効率化等を図り、改革前と比較しまして、467人の定員減を見込んでいます。
このほか、給与制度の総合的見直しや、「県庁働き方改革」の推進による時間外勤務手当の縮減など、給与水準の見直しも着実に進め、総人件費の縮減として、57億円の効果額を見込んだところです。
また、「事務事業の見直し」については、昨年度実施した「全事業の見直し」等を踏まえ、引き続き、緊急性や費用対効果等の観点で見直しを行い、捻出された財源を活用して新たな施策を構築しました。
これにより、歳出水準の維持・抑制が図られ、15億円の効果額を見込んでいます。
また、「公共投資等の適正化」については、昨年7月豪雨災害を踏まえ、防災・減災対策等の充実を図る一方で、事業効果や緊急性等を精査し、公共事業等の県負担額を国予算や地方財政計画の伸び率から2%削減したところであり、5億円の効果額を見込んでいます。
また、「公債費の平準化」として、引き続き、公債費の長期的な減少基調を維持しながら、県債を30年で償還する長期債の導入を計画的に進めることとし、130億円の効果額を見込んでいます。
次に、「公の施設の見直し」についてです。
県では、社会経済情勢や県民ニーズの変化等を踏まえ、昨年定めた「見直しの基本方針」に沿って、全ての公の施設を対象に、個別施設ごとに、施設の移管・統廃合・運営手法の見直しを進めています。
詳細については、本日午後に予定をしております「行財政改革統括本部会議」において、ご説明することとしていますが、平成31年度当初予算においては、指定管理者制度やネーミングライツの導入など、見直し方針を決定した施設について、その効果額4,000万円を適切に反映しました。
これらの取り組みにより、歳出構造改革の効果額は、約207億円と見込んでいます。
次に、臨時的・集中的な財源確保対策についてご説明いたします。
まず、「保有基金の取崩し」として、市町振興基金により8億円を確保するとともに、「保有財産等の活用」では、特別会計や企業会計から繰り入れを行い、11億円を確保します。
また、「未利用財産等の売却・貸付」により7億円を確保するとともに、「県税収入等の確保」として、引き続き、「つながる。やまぐち応援寄附金」の確保・増収やネーミングライツの導入などを積極的に進め、2億円を確保します。
このほか、「その他の財源補てん」として、退職手当債を追加で確保するなど、臨時的・集中的な財源確保対策の効果額は、約56億円と見込んでいます。
行財政構造改革の効果額および収支見通しを、年度ごとにお示しをしております。
国の地方財政対策等を踏まえて改めて試算をしたところ、前年度の当初予算時点と比べると、財源不足額は若干拡大をしていますが、引き続き、2022年度当初予算時点において、臨時的な財源確保対策に依存しない財政運営を実現する見通しを立てているところです。
なお、予算編成方針の公表時点で約290億円としておりました来年度の財源不足額につきましては、当初予算編成において、歳出構造改革や財源確保対策の取組効果額を反映した結果、約29億円まで改善をしました。
この結果、この最終的な財源不足額は、財源調整用基金の取り崩しで対応しますことから、来年度末時点の基金残高見込みは96億円と見込んでおります。
依然として基金残高は100億円を下回るものの、基金の取り崩し額自体は今年度当初予算と比べ減少しており、改革期間中には、基金残高100億円を回復できる見込みです。
来年度当初予算におけます「プライマリーバランス」につきましては、45ページをご覧いただきたいと思います。
県債発行額を公債費以下とする、プライマリーバランスの黒字に着目した財政運営を継続し、一般分の県債のプライマリーバランスは平成13年度以降19年連続の黒字、県債全体でも平成24年度以降8年連続の黒字となる見込みです。
一方、一般分の県債残高は、現時点では平成30年度末において増加となる見通しですが、これは、平成30年7月豪雨災害に伴う災害復旧・災害関連事業や、国の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を活用した、臨時・特別の防災・減災対策を実施するため、県債を追加発行することによるものです。
「3か年緊急対策」の期間は2020年度まででありまして、一時的に県債残高の増加が見込まれますが、県民の安全な暮らしを守るため、今後起こり得る大規模自然災害に備えて、しっかりと対策を講じてまいりたいと考えています。
なお、これらはいずれ必要となる防災・減災対策を、実質的に前倒し実施するものでありまして、国においても、通常の公共事業と比べ、償還金に対する交付税措置率が引き上げられるなど、地方財政への配慮がなされているところです。
また、一般分の県債残高は、平成31年度末においても増加の見込みとなるものの、改革期間前の平成28年度末と比べると、これを下回る水準でありまして、長期的には減少基調を維持しています。
今後も引き続き、行財政構造改革に基づく公共投資の適正化などの取り組みを着実に推進することにより、一般分の県債残高の縮減に努めてまいります。
以上、当初予算案の概要をご説明いたしました。
山口県の新しい時代を切り拓いていくためには、強みを活かして、潜在力を伸ばしていく、本県ならではの取り組みによって、人口減少問題の克服をはじめとするさまざまな困難を跳ね返して、活力ある、誰もが将来に希望を持って暮らせる、そうした県づくりを実現をしていかなければなりません。
私といたしましては、来年度予算を通じまして、この「3つの維新」への挑戦に向けました施策を本格的に展開をし、県民の皆さんがその成果をできるだけ早く実感をできるように、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
それでは、続きまして、平成31年度の組織の概要について、お手元の資料(PDF:159KB)によりまして説明いたします。
平成31年度の組織につきましては、行財政構造改革の取り組みを着実に推進をするため、簡素で効率的な体制整備に努める一方、「やまぐち維新プラン」掲げる施策の具現化に向け、主要課題については、重点的な職員配置を行い、組織力の強化を図りたいと考えています。
まず、1点目は、福祉総合相談支援センターの設置です。
相談支援業務の高度化・専門化に対応した機能強化や市町相談体制への支援の充実を図るため、県央部に分散している福祉相談機関を統合し、「福祉総合相談支援センター」を設置します。
2点目は、農林業拠点形成推進室の設置です。
農業大学校や農業試験場等を統合した「農林業の知と技の拠点」の形成を戦略的かつ計画的に推進するため、農林水産政策課に「農林業拠点形成推進室」を設置します。
3点目は、観光プロモーション推進室の設置です。
幕末維新プロジェクトで磨き上げた観光素材を活用し、新観光キャッチフレーズ「YAMAGUCHI MAGIC!」の下、新たな観光プロモーションを積極的に展開するため、「観光プロジェクト推進室」を「観光プロモーション推進室」に改組します。
4点目は、次世代育成支援対策班[次世代育成支援班]の設置です。
私が全国知事会の次世代育成支援対策PTリーダーに就任したことを機に、国や知事会、他県等との連携強化や、国への政策提言を行うとともに、次世代育成支援対策の充実強化を図るため、こども政策課に「次世代育成支援班」を設置します。
最後に、その他の項目についてです。
まず、山口ゆめ花博の終了に伴い、「山口ゆめ花博推進室」を廃止します。
また、来年度から、山口きらら博記念公園に指定管理者制度を導入することに伴い、「山口きらら博記念公園管理事務所」を廃止します。
以上が、平成31年度の組織の概要となります。
こうした組織体制の整備を通じ、「やまぐち維新プラン」の具現化に全力で取り組んでまいります。
最後に、「山口県県民栄誉賞」の授与についてです。
先般、本県にゆかりのある本庶佑(ほんじょたすく)京都大学特別教授が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
このことは、山口県にとって大変名誉なことであり、本県の未来を切り拓いていく子どもたちにとっても、大きな夢と、そして、希望をもたらしてくれたものと思っております。
県としては、これまでの本庶氏の業績に敬意を表するとともに、その栄誉をたたえ、「山口県県民栄誉賞」を授与させていただくこととし、お手元の資料のとおり、来る3月7日に京都大学において、私から直接授与する予定としています。
私からは以上です。
KRY(山口放送)
予算編成、予算についてなんですが、今回、維新プランの具現化に向けた取り組みの推進と行財政基盤の確立という、二つを柱に据えられたということなんですが、維新プランの実現に向けては攻めていかないといけない、一方で行財政改革は守りという、二つを柱に据えた中での予算編成ということで、知事としてどういう苦労といいますか、軸足の置き方というのを、どう置きながらやっていったのかなといいますのを。
知事
そうですね。山口県は大変厳しい財政状況下にありますので、県債残高も減らしていかなければいけませんし、そもそもその財政収支の構造自体が、歳入を上回る歳出があるという、この構造が続いておりますので、これを均衡するようにしっかりともっていかなければいけません。このために行財政構造改革に取り組んでいき、2021年度までに、これを道筋を立てて、2022年度から収支均衡した構造、このことで財政運営をしていくという、まず大きな大方針があるわけであります。
そうした中で財政的には、かなり制約がある中で、必要な施策をその中にしっかりと盛り込んでいくということが、特にこの予算編成、毎年のことでありますけれども、苦慮しながらやっているところです。この財政構造改革を必ず成し遂げるというですね、そこをしっかりと置いた上で、その中で、県として最大限、不要不急な事業の見直し等も行いながら、これからの、今の山口県の課題、そして将来に向けて必ずやっていかなければいけない、今やっておかなければいけないこと、そうしたことにしっかりと予算を振り向けていかなければいけません。そうしたことに意を用いながら、予算を組んだところでございます。
内容については、維新プラン等においても、掲げておりますけれども、県の産業力ですとか、大交流ですとか、山口県が持っている強みや潜在力をしっかりと生かしていくことで、人口減少下にあっても山口県の活力を維持し、また、さらに高めていくことができると思っております。そうしたことに今のうちに手を打っておくということ、そうしたことをですね、さまざまな分野において盛り込んだところであります。
KRY(山口放送)
気持ちの部分としても、やっぱりやりたいことがいっぱいあるけど、ちょっとお金ないよねという、もどかしさみたいなのを感じることとかっていうのはありますか。
知事
それはありますよ。それはやっぱり予算的にはどうしても制約がありますからですね。これは、これからの山口県を活性化する上でもですね、今のうちに整えておかなければいけないインフラもたくさんありますし、さまざまな県の魅力をしっかりと発信をしていく上でもですね、もっと予算があれば力強くできるだろうということもありますけれども。しかし一方で、この財政をしっかりと将来に向けてですね、安定した財政、しっかりとした行財政基盤を作っていかなければ、この貯金が底をついたり、借金がどんどん膨らんでいくと、そうしたものを将来に残してしまっては、いずれ山口県全体が立ちゆかなくなることは明らかなわけでありますので、将来に向けても、安心できる財政構造というのはしっかり作っていかなければいけないことは、これは必ずやっていかなければいけないことでありますので、そういう制約がある中で、財源的に限られたものを最大限有効にどのように活用できるかということを考えていかなければいけないと思っております。そうしたことは、基本的に当然据えながら、個別の事業についても考えているところであります。
山口新聞
今おっしゃった、今将来のために、今やっておかなければならないことというのが、防災・減災対策だったりということなんでしょうか。その辺りを。
知事
そうですね。一つは産業力の強化ということでいいますと、山口にある素晴らしいこの産業の集積、また、その技術をですね、これから新しい、その時代において、山口県が強みをもっと持って、こう高めていくということが必要だと思います。
当然、人口が減っていくと、域内だけを相手にしていると経済というのはどんどん縮小していきますけれども、県外に対して、また海外に対してもですね、どんどんこう山口県が稼げる力があれば、人口減少しても山口県全体はですね、非常に活力を保って、これからも県内に住む皆さんが希望を持って暮らしていける、そうした県になるだろうと思います。ですので、今回の産業力の強化、イノベーションの創出等もそうですけれども、このオープンイノベーションの創出ですとか、あるいは、今あるですね、この産業をしっかりとこう伸ばしていくためのさまざまな研究開発の支援ですとか、そうしたことはですね、力を入れてやっていきたいというふうに思います。
それとともに、今おっしゃった防災の話も大変重要であります。当然、災害も非常に多いですから、昨年7月も大変な豪雨災害に見舞われですね、県東部を中心に大きな被害が生じました。そうした中で、安心できる基盤というのをしっかり整えていかなければいけません。
今回、国の方も、緊急の安心・安全対策ということで、公共投資についてもですね、この3カ年の対策を講じる、これもわれわれもしっかりとこれに対応して、県として必要な防災・減災のハードの整備というものを着実に進めて、前倒しをしてですね、進めていきたいというふうに思っておりますし、また、ソフトの面でいいますと、ちょっと先ほど説明でも触れましたけれども、特に熊本地震以降ですね、いろんなソフト面での充実、例えば自治体間の連携ですとか、広域連携とかですね、あるいは避難所に来られた方に対するいろんなサポート、福祉関係のいろんな団体とも協定を結びですね、さまざまなサポート体制をつくることは、どんどん充実してやってきているつもりでいますけれども、特に、起きたときの避難ですよね、が、まだまだ皆さんの意識の中で、自分は大丈夫だっていうところがどうしてもあるだろうと思います。いざというときにしっかりと避難してもらうというですね、その体制をつくっていかなければいけないと思っておりますので、今回の予算、今はですね、7月豪雨を踏まえて検討会(山口県防災会議防災対策専門部会)をやっておりますけれども、その中でも、いかにこの逃げ遅れというか、避難というものをしっかりと意識を持って、実際の行動に起こしてもらうか、つなげてもらうかということを、特に中心に検討していただいております。そうした中でですね、先ほどの資料でも書きましたけれども、逃げ遅れをなくす、「逃げ遅れゼロ」を目指していく、ということでございます。
特に、避難のですね、率先して避難をしてもらうべき重点的な地域というのを定めて、そこでの避難体制、これは一人の人に皆さん危ないですよというんじゃなくてですね、いろいろと意見も、専門の方にもお聞きをしてもですね、やっぱり、こう周りがしっかりとそれを声を掛け合うとか、あるいは、その地域にリーダーをしっかり置いて、その方が地域の住民を、しっかりと各戸を回って避難を呼び掛けるとか、そういう地域での体制というのがやはり必要だろうと。個々の方々の意識を高めるのももちろんですけれども、それだけではなかなか行動に結び付きづらくて、しっかりとそれぞれの地域で、リーダーシップを発揮して動いてもらう、そういった体制をつくっていくことが必要でありますので、そうしたものを県内各地域につくっていきたいと思っています。
今回の予算で、それも入れておりますけれども、特にこの7月豪雨等、また、あるいは去年、国内で起きたさまざまな災害をみてもですね、避難をしっかりと実施をしてもらう、危ないときにですね、地域でその対応力を身に付けるということを力を入れてやっていく、そのための予算を、今回計上しております。
山口新聞
一時的に県債残高が増加することになっても、今、踏み切っておくべきだという判断ですか。
知事
そうですね。今言ったハードの話についていいますと、当然、県債残高自体は減少させていかなければいけませんし、私もそこをこだわって、これまでもやってまいりました。そうした中でですね、今回、国の方、通常のベースでいいますと、国の地方財政計画というですね、地方財政トータルで、投資規模をこのぐらいにしていこうということに対して、2%われわれは減らしていくということを目標にずっとやっています。これ自体のベースはですね、維持をして減らしていく。それに伴って、県債残高もですね、こう減っていくということになるわけでありますけれども、今回、国の方で、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」ということがあったり、われわれも7月豪雨を踏まえてですね、災害復旧等もやっていかなければいけない、そうした中でですね、投資規模自体は、こう増えております。しかしながら、これ自体はいずれも必要な事業でありますし、いずれはやらなければいけない事業、これをですね、前倒しをして実施をするということであります。
また、そうした中で、国の方でもですね、この3カ年の緊急対策については、県で地方債を起こして、県債を起こして、その元利償還に対して、地方交付税で措置をするということでありまして、地方の実質的な負担が、こう抑えられる形になっております。ですので、いずれやらなければいけないことを、今、有利な財源を活用してやる方がですね、トータルでは県の負担も減りますし、また、将来やるべきことを今やるということでいいますと、その効果をより早期に発現をさせることができるわけでありますので、この31年度予算だけを見るとですね、瞬間的には増えるということになりますけれども、これは必要な事業でありますし、また、長期的にはですね、この県債残高自体は抑えていくということ、この基調自体は変えずに、今回もそうですし、これまでもこれからもそのようにやっていきたいと思っております。
NHK
今回の当初予算案にですね、知事がネーミング、お名前を付けられるとしたら、何予算っていうような形でよろしいでしょうか。
知事
「3つの維新」をですね、本格化させていくということでありますから、「『3つの維新』本格化予算」というふうにしたいと思います。
昨年作った維新プランをですね、これに沿って、初めて本格的にこれを取り組んでいくということでありますので、そういったことが分かる名前ということで、そのようにさせていただきたいと思います。
中国新聞
今回、新規事業が75盛り込まれているんですけれど、特に村岡知事の一押しといいますか、ここはPRしたいというお考えはお示しいただけますか。
知事
そうですね。いろいろあるんですけれども。もちろん維新プランに基づいてですね、やるものも着実に進めていきたいと思いますけれども、一つ、先ほどキャッシュレスの話を出させていただきました。キャッシュレス自体が日本全体で遅れているということがありますし、海外ではですね、例えば、韓国では89%キャッシュレス、中国では60%、日本では18%ということでありまして、諸外国と比べると日本のキャッシュレスは随分遅れているということでありますし、山口県も全国平均と比べるとですね、これ地域別のしっかりとした取り方は、これから国の方が精査をするようですけれども、例えばクレジットカードだけでいってもですね、全国平均よりも下回っていると、そういった状況にあるわけです。このキャッシュレス自体は、今、国の方も進めようとしておりますけれども、今、人手不足もありまして、事業者の方も人をあまりかけずにですね、事業活動をしなければいけない、生産性を向上しなければいけない、そうしたこともありますし、一方で、県内でいろいろ買い物をする方のですね、利便性の向上、そしてまた、域外から来られる方々に対しても、キャッシュレスというのはですね、これから前提条件のようなものになってくるだろうと思います。やっぱりそういったものが使えないと、なかなか地域としても選ばれなくなるということになるんじゃないか、そのような思いも持っております。
今回、国において消費税の導入[消費税率の引き上げ]に合わせまして、キャッシュレスについて、端末を国の方で支援をする、事業者の方が負担なく導入ができるということを、今年の10月から期間限定で行いますし、また、その際の手数料についても支援があったりということであります。国がですね、一気に、今、進めようとしている、環境を整えているうちに、ぜひこの山口県において、キャッシュレスを一気に進めていきたいと思います。
このためにですね、さまざまな今回、予算を講じておりますけれども、例えば、各地域において、実際キャッシュレスを進めるとなると、例えば、商店街単位でどのように進めるかということについては、みんな話し合いもしなければいけませんし、そもそもどんな方法があるのか、どんなキャッシュレスを進めるのかということについても、いろいろと意見の調整もしなければいけません。そうしたことも、実際にまだ分からない方が多くいらっしゃると思いますし、特に中小の事業者の方はですね、その辺りを勉強する余裕もなかなかないかもしれません。そうしたことでいいますと、コーディネーターをしっかりと各地域に配置をして、地域のキャッシュレスをしっかりと進めるために、さまざまなサポートをしてもらう体制をつくることにしていくことにしております。
それからあとは、いろんなその、実際に端末が無料だったり、負担がなかったりですね、手数料が減免[軽減]されたりということもありますけれども、さらに、これに取り組みを勢い付けていくために、各地域地域でいろんなアイデアを出してもらいながらですね、取り組みを進める、例えば、ポイント還元キャンペーンとかですね、あるいは端末を導入して、これを活用した場合に、自分のところの、この何といいますか、この商品がどう売れたのかということの分析をするためのですね、いろんなアプリを開発をするですとか、さまざまですね、地域においてキャッシュレスを導入するための取り組み、これをぜひ積極的にやっていただきたいと思っておりますけれども、ここをしっかりと支援をしていきたいと思います。
通常であれば、補助率等を設けて地域の取り組みについて支援をするということになるんですけれども、今回は定額補助ということで、500万円を上限にして、各地域、商工会議所だったり、観光協会だったり、そういったところに対して定額の補助をすることにしております。これによってですね、ちょっと負担があるからなかなかこう足踏みするということをなくして、一気にこれが進むように、加速化をしていきたいと思っております。
何といいましても、私、この課題についてはですね、キャッシュレス、今、国がやろうとしてる、ここでやらなければですね、あとからやっぱりしまったと思っても、なかなかそれは進め難いと思います。実際に国が端末等の支援等もしている中でですね、一気に、この県内のキャッシュレス化を進めていく、そうしたことをですね、ぜひやっていきたいと思います。
そういう支援策とともに、「やまぐちキャッシュレス化実現会議」ということで、県内の関係の方々を集めて、県内全域でキャッシュレスを強力に進める、そういうですね、対策、取り組みについて、しっかりと検討して実施をしていきたいと思います。
防府日報
予算編成に当たって、知事が、新たな発想でですね、いろいろ考えてほしいということを強くおっしゃられていましたけれども、実際に、出てきた各事業の中、新規・拡充等を含めてですけれども、これは、実にいい、新たな発想でよくできているなというふうに、こう目からうろこが落ちたような事業とかというのがおありになるかというのを一つと、もう一つ、これらを、また、県民に発信して活用していただくというところも課題だということを、新年のあいさつでもおっしゃっていらっしゃいましたけれども、そこの部分に向けて、どういうふうに取り組んでいかれるかというのを教えてください。
知事
そうですね。いろいろありますけれども、例えば、産業維新の関係でいいますと、GMP(医薬品等の製造及び品質管理基準)というですね、お話をさせてもらいました。山口県、医薬品関係の産業が、今、集積が進んでいます。最近でも、テルモですとか、小野薬品(工業)ですね、進出が、資料の3ページですね、3ページのイノベーションの創出の関係であります。ここにあるもの基本的に全て、新しい発想だということがいえると思いますけれども、例えば、GMPについていいますと、これは、私もよく話を聞きますけれども、医療関係の企業というのが、製造ラインをつくるときにですね、これ、通常と違って、相当ですね、審査とかですね、いろんなプロセスについてのチェックというのが、ものすごい厳しいんですね。なので、これ、ものすごく時間がかかるわけなんです。これがですね、これは、厚労省(厚生労働省)の方もですね、こうしたのを進めたらどうかというですね、お話もいただいておりますけれども。この製造とかですね、品質管理について、山口県のこの県庁には、かなりノウハウが蓄積をされています。ここのところといいますか、以前からですね、こういった医薬品関係の企業の集積が進んでいますので、この審査とかの手順というのがですね、非常に熟知をしております。ここをこういうふうにすれば、ここは短縮できるとかですね、期間を短縮できるとか、そうしたことがですね、われわれしっかりと蓄積をされていますので、ここをですね、むしろ売り出していこうということであります。
県内に立地する企業の中でもですね、こうした新たな審査とか、検査ですとか、そういったところについてはですね、非常に、まあ何といいますか、慎重といいますかですね、大切なところでありますので。ここについてですね、県内でどんどんどんどん蓄積して、しっかりとこう短期間で、しかも質の高いものがですね、県内ではできますよということをですね、整えて確立していきたいと思っております。
こういったものもですね、非常に、何といいますか、山口県が持っている強みで、新しい発想でですね、しかも、企業にアピールできるものだろうというふうに思っております。
例えばこういったものですね、新しい発想、しかも山口県がこれまでに培ってきたノウハウとかですね、そういったものを生かしながら、これからの県内のさらなる企業誘致とか、県内の活力を高めていくことにつなげていけるものということでありまして、非常に、これは、期待をしながら、進めていきたいなというふうに思っております。それから、何とおっしゃいましたっけ。あとの質問は。
防府日報
そういったことを、こう具体的に、ちゃんと活用してもらうために、どういう発信をしていかれますか。
知事
そうですね。発信は、いろんなレベルでやっていかなければいけなくて、例えば、事業者向けのものは、しっかりと事業者に対して届くような形でですね、発信もしなければいけませんし、また、県民の皆さまにですね、しっかりとこの意識を高めてもらわなければいけないところについては、どのように、また広報等ですね、われわれするべきか、また、ぜひ、メディアの、マスコミの皆さんからもですね、いろんなアイデアがいただければと思いますけれども。さまざまなですね、県民の皆さんが、施策を知って、また、知るだけじゃなくてですね、その意義が分かって、自分もやってみようというふうになるようなところまで、していかなければいけないだろうというふうに思っておりますので。それについてはですね、新年度においてもしっかりと、この、われわれの施策なりのPRの仕方とかですね、施策の生かし方ということは考えていきたいなと思います。
防府日報
はい。ありがとうございました。
山口新聞
今のGMPのことに関連してなんですが。昨年4月の山口東京理科大の薬学部開設、これも背景にあるのかなというふうに思ったんですが、大学との連携というのを今後どういうふうに進めていくかというところもあれば教えてください。
知事
そうですね。山口県は、こういった医薬関係の企業の集積があって、また、それがさらに今、その集積がさらに進んでおります。そうした中で、県内初の山口東京理科大学の薬学部がですね、県内で初めてできたということで、本当に、これはうれしく思いますし、ぜひ、これを生かしていきたいと思っております。特にですね、もちろん大学や企業との共同研究ということも期待をできますし、特に、人材の定着ということでいいますとですね、せっかく山口県にできた薬学部、この卒業する人材がしっかりと県内に定着をしてもらいたいと思っております。もちろん、いろんな薬剤師としてですね、県内各地の薬局等でもご活躍をいただきたいと思いますし、また、県内の企業にもですね、しっかりと就職・定着をしていただきたいなと思います。
今、山口東京理科大学の方ではですね、非常に、県内にしっかりと根付かせよう、学生を定着させようということで、さまざまな取り組みをしていただいておりますし、われわれも一緒になってしています。例えば、定員の中でもですね、山口県内枠というのを設けていただいてですね、120人のうち30人は県内から推薦等で進学をするということで、4分の1もですね、県内の方を枠として作ってもらっておりますし。また、入った学生もですね、県庁ですとか、県内の企業にも、実際に送って、どんな仕事をしているのかということをですね、知ってもらうということもやっています。県庁にも来られましたし、私も、山口東京理科大学に行ってですね、学生相手に、山口県の魅力を1コマもらってですね、アピールもしたこともありますけれども。そうした地域との連携、県内への定着ということをですね、特に意識をしてやってもらっておりますので、本当にありがたく思っておりますし、ぜひ、さらに連携を深めてですね、やっていきたいと思います。
そういった意味でもですね、こうした山口県において、この医薬品産業というのをですね、支援をする、その体制がしっかり整っているということはですね、極めて重要だというふうに思っておりますので、ぜひ、この辺りも強化をしながら、より多くの魅力的な産業・企業の立地ですとか、職場づくり、そうしたことをですね、やっていければと思います。
山口新聞
ありがとうございます。もう1点。行革(行財政構造改革)なんですけれども、今年、17年から21年度までで、その中間に当たると思うんですが、今年の行革の成果というのを、知事はどういうふうに見ておられるかというのを教えてください。
知事
そうですね。行革の中で、特に目指すべきゴールというのは、収支均衡した財政構造にもっていくということでございます。そうしたことでいいますと、この財源不足額というのが、毎年毎年ですね、当初予算段階での不足額が縮小することができております。これをですね、計画どおり進めて、最終的にはなくすところまでもっていきたいと思いますし、また、基金残高のですね、目標は100億円達成ということでありますけれども、これもですね、毎年当初予算段階での基金残高の額は増えて、増やしてきておりまして、今年度もですね、今年度といいますか、新年度ですね、平成31年度においても96億円ということで、目標の100億円にもうあと一歩というところまできております。この今回の予算はですね、そういった意味では、目標に、着実にですね、この財政健全化目標にですね、実現に向けて進んでいるというふうに思っておりまして、ぜひ、これからもですね、この2022年度にですね、臨時的な財源確保対策に依存しない財政構造、これを確立することに向けてですね、着実に取り組みを進めていきたいと思います。
山口新聞
ありがとうございます。
朝日新聞
予算規模に関することなんですけれども。ここのところ、財政難というのか、緊縮財政が続いていたかと思うんですけれども、4年ぶりに前年度からプラスになって、予算規模が適正かどうかというところのお考えを改めてお伺いできますでしょうか。
知事
そうですね。基本的には、予算規模自体の目標ということではないんですけれども、当然、収支が均衡するようにですね、していくということを、まず第一にしております。当然、そうしてくると、歳出も抑制をしていかなければいけませんから、当然にですね、予算規模というものも縮減をすると、そういった基調になっております。そうした中で、今年度は、予算が規模的には増えているということでございますけれども、先ほど言いました、特に投資的経費の中で、防災・減災対策ですね、特に7月豪雨等での復旧の対策、また、これから必要となる防災・減災対策、こうしたことをですね、国のこの支援措置があるうちに、しっかりと前倒しをしてやっていこうということで、まあ規模が増えた面が大きくございます。そうした要因を除けばですね、増えているということではないというふうに考えておりますけれども、そうした要因で起きているということであります。これは、先ほど言いましたように、いずれやるべきものをですね、今やるということによって、施策効果を前倒しをできますし、安心・安全をより高めることができます。そして、財源的にはですね、国の元利償還に対する国の交付税措置によってですね、実質的な県負担、すなわち、県民の皆さんの負担というのは抑えることができるということでありますので、ここはしっかりとですね、この予算規模が増えるからやらないというのではなくてですね、これは、むしろやるべきだという考えで、この予算を計上しております。
その一方でですね、きちんとその収支が均衡する、そういった財政構造の確立に向けまして、基金残高や財源不足の最終的な収支不足の額についてのですね、目標に近づくように予算を組むことができたというふうに思っておりますし、県債残高自体もですね、基調はこれからも抑えていく形でですね、やっていけるとそのように考えております。
朝日新聞
もう1点いいですか。産業分野の予算なんですけど、イノベーションの創出にかなり新規事業を割かれている一方で、廃止した事業も、新規事業の、例えばイノベーションの創出に関する事業も廃止になっている、例えば、次世代産業の育成・集積促進ですとか、力を入れていらっしゃる水素サプライチェーンの技術開発支援事業なんかも廃止をされています。この辺り試行錯誤もあるのかなというふうにお見かけしたんですけれども、その辺りの認識というのはいかがですか。
知事
そうですね。やはり、さまざまな、われわれ産業戦略本部もつくってやっておりますけれども、さまざまな企業や業者からのですね、これからの時代にどのように対応していくべきかという中でですね、どういった場を県としてつくるべきなのか、さまざまなプロトコルづくりですとか、個別の研究開発についての支援ですとか、そうしたことを、常に、施策としてはですね、試行錯誤もしながら、レベルも高めながらですね、こうやっているわけであります。
そうした中で大きな方向とすればですね、この環境エネルギーとか、医療とか、今回、バイオとかもありますけれども、これからの成長分野にしっかりとですね、山口県の企業が新しい力を付けてですね、伸ばしていけるようにということでやっておりますので、その都度、その都度ですね、その組み立てを変えながらですね、事業・企業の方とも、あるいは金融機関ともしっかり連携しながらですね、組み立てているということでありますので。当然、事業自体はなくなったり、新しいものができたりということになってきますけれども、レベルとしては、どんどん進化をさせてですね、いっているというふうに思っております。
中国新聞
予算の編成過程に関する質問なんですが。今、隣県でもですね、各部局からの予算要求から内示・決定に至るまでの流れを、よく県のホームページの中でですね、公開している、そういう状況にある中で、山口県に関しては、先般、知事が査定に入ってから本日に至るまで、県民の誰にもこの予算の編成の流れが見えない状況になってますよね。で、今、この情報開示の流れにある中で、山口県が、今の状況を見直していくべきではないかと思うんですけれど。知事は、現時点でどのようにお考えなのかお聞かせください。
知事
そうですね。県とすれば、最終的な意思決定として、さまざまな財政状況等も踏まえですね、いう中で県の予算としては、これが今回組むべき予算ということで最終的に決定をして、こう出しているわけですね。ですので、これをもって、しっかりと、その考え方を説明するというのが基本だろうというふうに思います。当然、その施策を組み立てていく上では、当然、なぜこれをやるのかという説明責任も伴うわけであります。けれども、われわれは、それぞれの事業についてですね、これはどういった背景があり、どういった課題がある、それをこのような形で成果を出していきたいからこういう事業をやるんですと、そういったことでですね、説明をしていかなければいけないと思いますので。これは、基本的には予算を出した段階においてですね、その考え方等をしっかりと説明をするということで対応すべきものだと思っております。
中国新聞
途中段階で、見直しの指摘・意見というのは必要ないということですか。
知事
また、そういった意見が県民の方からですね、多く寄せられれば、また考えていきたいというふうには思いますけれども。基本的には、予算というのは、最終的に、この考え方をきちんと固めてですね、しっかりと説明をしていくべきものだというふうに思っておりますので、そうした中でですね、説明責任を果たしていくべきかなと思います。
中国新聞
現時点では、県民の皆さんから、そういう指摘は受けていないということですね。
知事
具体的には、数値については、件数についてはあれですけれども、特段、最近それが増えているとかですね、ということではないと思います。
中国新聞
分かりました。
TYS(テレビ山口)
今回の予算なんですけれども、最大の課題、人口減少に歯止めをかけるというような思いでやっていらっしゃるのか、それはきっかけの一つなのか、それとも、どういう思いでやっていらっしゃるのか、改めてお伺いしてもよろしいですか。
知事
人口減少が、この山口県の活力をどんどんこう奪っていくというかですね、そういったことであることは間違いないことだと思います。われわれ、現在暮らす県民、そしてまた、将来ですね、山口県で暮らす今の子どもたちに対して、しっかりと活力があって、安心して希望を持って暮らせる県を残していかなければいけないと思います。そうした観点に立って、全ての施策を組んでいるというふうに思っています。当然、防災・減災対策やですね、あと今日も書いていますけれども、いじめとか、児童虐待ですとか、そういった課題、皆さんが安心・安全に暮らせる、そうした地域づくりもしていかなければいけませんし、一方で、これからの山口県が何で稼いでいくのかということですね。山口県自体が、人口が減っていって、先ほども言いましたが、この域内だけを相手にしては、どんどん縮小するわけですけれども、しっかりと県外・域外に対してですね、売っていくもの、稼ぐ力がある、あるいは山口県、どんどん人が来ると、そうしたしっかりとしたその強みを、山口県がさらに高めることができればですね、人口は、国全体で減っていきますけれども、そうした中でも、山口県が希望を持って暮らせる県になるだろうと思っておりますので。山口県は他の県と比べても、私は随分と企業の集積もありですね、素晴らしいその企業、また、素晴らしいその技術があります。ぜひですね、これを生かして伸ばしていくということに、特に注力をするべきだろうと思います。そうすることによってですね、山口県の稼ぐ力というのが、しっかりと維持して、また、高めることができる。そうなれば、山口県では、こうしっかりとやっていける県だということでですね、また安心して皆さんが暮らし続けられるだろうというふうに思いますので、基本的な考えとしては、そうしたものを持って、いろんな施策を、今やるべきことは、じゃあその中で何なのかということを考えて組み立てているつもりです。
TYS(テレビ山口)
じゃあもう、全ての施策に関して、今の、その先に見通せるのは人口減少に対する課題への克服というふうに考えてよろしいですか。
知事
全てがと言われたら、あれですけどね。
しかし、人口減少に伴うさまざまな課題があるのも事実でありますので、そうしたことに対してですね、しっかりと希望を持って暮らせる県にしていかなければいけないということであると思っておりますから、そうした観点で組んでいると思っております。
TYS(テレビ山口)
ありがとうございます。
毎日新聞
確認ですが、先ほど主な廃止事業の話をされていましたけど、昨年度のように大幅に事務事業の見直しをやった結果としての廃止じゃなくて、今年度は、基本的にこれ、終わったものですよね。これはあの、水素サプライチェーン技術開発支援のこともありました。あれも多分、確か今年度まででやっている事業で、ゆめ花(山口ゆめ花博)が終わるのと同じで終わっているということでよろしいんですよね。その確認をしたいなと。
知事
個別の事業については、終了なのか廃止なのか、ちょっとそこは個別に確認をしていただきたいと思います。ただ、実際いろんな見直しをしていく中でですね、見直し自体がだんだん厳しくなっているというのは、事実ですね。当然、これはいらないだろうという事業は、もうもはや無いと思いますので、これはですね、見直し自体も大変な苦労を伴います。ですから、事業廃止というよりは、少し規模を抑えながら、じゃあどういう効果の高いまま残していくのかとかですね、そういった工夫を特にしているということが実情だと思いますので、件数としては、年によって、もちろん廃止件数とかの増減はあると思いますけれども、全体として、予算自体は、歳出を抑えていくというですね、縮減をすると、そういう基調の中で、何ができるかということを考えていっているということです。
読売新聞
今回の新規事業も含めましてですね、知事の強い意向で、そのうちで肝いりで何か実現して盛り込まれたような施策があれば、幾つかちょっと教えていただきたいんですけど。
知事
いろいろありますけれども、もちろん、この産業戦略等もですね、全て組み立てる中で、当然、新しい指針だったり、あるいは維新プランに盛り込んでおりますので、それが予算化されているという意味ではですね、この全て、私の思いでこの組み立てたプランに沿って事業が行われているということでありますけれども、特に予算編成過程の中でといいますかですね、いろいろ議論をしていく中で、組み立ててきたということでいいますと、さっきのキャッシュレスの話ですね。これは、一つは、この今、国が進めているキャッシュレスの中で、確実に山口県のキャッシュレス化、これを高めていく、このことをですね、この機会にぜひ力を入れてやらなければいけないということで、この予算の編成においても、特に議論をしてですね、抜本的に強化をしたところです。
それからあとは、防災の関係でいいますと、この避難の関係ですね。これも、住民避難の行動促進本部ですとか、あるいは各地域において、率先避難重点促進地域をつくってですね、この成果を出していく、そういったことですね。これも、特にやっぱり、この7月豪雨等を踏まえですね、県内において、特にここは力を入れてやっていかなければいけないところだろうということで、この予算を計上しているということであります。
読売新聞
手厚く予算を、知事の手で付けたという。
知事
そうですね。今、編成過程を言わないって言いましたが、編成の中で、いろいろ議論をしてですね、増やしたといいますかですね、予算を強化したというのは、いろいろと議論をしましたけれども、その二つは特に大きく増えたところであります。
TYS(テレビ山口)
先ほどGMPの医薬品産業の振興で、日本一、優位性的、日本一を目指すというようなお話をされたかなと思うんですが、例えば、他の事業でですね、他の県にはないものがもしあれば教えていただけますか。
知事
こういうやつ。
TYS(テレビ山口)
山口県もこれで、他の県はさすがにやっていないだろうとかいう、何か取り組みがあれば教えていただければと思います。
と、あとまあ日本一を目指しているものも、もしあれば、他に。
知事
ちょっとキャッシュレスはここまでやっているところがあるかどうかは、ちょっと分からないですね。結構思い切って措置をしていると思いますので。これは自信を持って出せるんじゃないかなと思っております。
それから、どうでしょうね。そうですね。産業戦略の関係は、基本的には山口県の特性を踏まえてやっておりますので、例えば、認知症の予防プログラムもそうだと思いますね。これはもう個別のプロジェクトで、画期的な形で、島津製作所が検査手法をですね、アミロイドというですね、認知症を発症する前に、アミロイドというのが増えると、これを検査する技術を持っていて、これをですね、山口県の、特に山口大学がまたAIを使ったですね、センター、医療、医学の研究センター(AIシステム医学・医療研究教育センター)というのをですね、これは国立大学では唯一設置をされておりまして、さまざまな分析とかですね、あるいは認知症予防の方法を確立する上でも、このシステム、このセンターというのは大変重要なわけですね。そういったところと、われわれ県や市ですね、しっかりとフィールドも提供しながら、取り組んでいくということで。これはですね、研究をしてみて、実証をしてみて、しっかりとした成果を上げていきたいと思いますけれども、山口県、特に認知症が多い、当然、高齢化率も全国4位でありますから、認知症の方も多いし、これからも増えていくわけでありますけれども、こうしたことを抑えていくというのは、人生100年時代を迎えている中で、健康寿命をしっかりと伸ばしていくということ、それからまた、認知症になってくると、ご本人も大変ですけれども、周囲もいろいろ社会的なさまざまな負担というのもですね、出てくるわけですね。そうしたものを抑えていく上でも、とても重要な実証だと思っております。これもですね、確立できれば、山口県発で、日本全体の課題の解決にもつながりますし、もっといえば、世界の課題の解決にもつながってくるわけでありまして、これは山口県ならではと、間違いなくいえるものだと思います。それ以外もですね、いろいろと個別には山口県でしかやっていないものはたくさんあると思いますけれども、また、各部局の方でも聞いてもらえればなというふうに思いますが。
TYS(テレビ山口)
ありがとうございます。
山口新聞
予算と少し離れるんですけど、先ほども人口減少の話ありましたけど、先日、総務省の人口移動報告(住民基本台帳人口移動報告)で、2018年の転出超過、山口県3,377人ということでですね、前年よりは少し減ってはいますけれど、この転出超過を半減させるという目標には結び付かない、遠いのかなという気がするんですけれど、どういうふうな受け止めでしょうか。
知事
そうですね。今、国・地方で地方創生が進められていてですね、特に東京一極集中の是正というのは、地方創生の大きな柱であり、地方への人の流れをつくっていくということが柱で、取り組みをここ数年進めておりますけれども、これは景気が拡大をし、また、人手不足が深刻になっている中でですね、東京への転入超過というのが増えているという状態です。これは過去のトレンドを見ても、景気がいいときというのはどんどん東京に人が集中するということが、これはもう明らかなことでありまして、そうした流れになってきているんだろうと思いますけれども。
山口県についていいますとですね、3,400人弱の転出の超過、これは外国人を含む場合でありますけれども、そうしたことが生じておりまして、大変強い危機感を持っております。こうしたことをですね、防がなければいけませんので、繰り返しになりますけれども、さまざまな山口県での活力を高めるために、魅力ある産業、集積をさらに進めていくとかですね、雇用の場づくりですとか、安心・安全の確保、こうしたことにしっかりと取り組んでいかなければいけないわけであります。
それとともに、国の方でも、新年度の予算において、例えば、東京23区から、地方に、山口県にもですね、移住して就業・起業をした人に対して、最大で300万円を支給する、そうした事業をですね、実施をするということになっております。県としてもこれを活用してですね、市町と連携して、これをやることになっておりますけれども、こうしたことも活用しながら、人口流出の食い止めをですね、しっかりとやっていきたいなというふうに思っております。これなかなか、施策としては一朝一夕にですね、一発逆転ホームランなるものがあるわけではないので、どうしても難しいところではありますけれども、産業力の強化とかですね、魅力の向上ですとか、あるいは安心・安全の確保ですとか、また、国の施策もしっかり活用しながらですね、今言ったような地方への人の流れを促していく、そうした施策もしっかりと取り込んで活用していくことですとか、そうしたこと一つ一つですね、行いながら、これをなんとか食い止めていきたいなと思っております。
中国新聞
5ページの観光関連でお伺いしたいんですが、そもそも明治維新150年事業が終わりまして、今、観光客数の冷え込みが予想されますけど、ポストゆめ花博、ポスト維新150年事業というところの、「YAMAGUCHI MAGIC!」への転換への知事の期待のほどをお聞かせください。
知事
観光客自体は、ここ数年伸びてきております。3,000万人を超えて、直近は3,300万人ということになっておりまして、ぜひ、この勢いをさらに次につなげていきたいというふうに思います。いろんな観光関係の方、業界の方とかともいろいろ話をしますけれども、山口県、特に言われるのは、非常にもったいないと、必ず言われます。何がもったいないかというと、さまざまな観光にとっての魅力的な資源があるにもかかわらず、それが十分に生かしきれていないということですね。この「YAMAGUCHI MAGIC!」の頭文字でもですね、いろいろと、それぞれの頭文字に重ねてですね、PRをしていこうということでやっているんですけれども。例えば、観光の5大要素ですね。絶景とか、体験とか、歴史、温泉、グルメ、こうしたものがですね、山口県には各地域にそろっているわけですね。県内各地域に素晴らしい温泉があり、絶景があり、豊かな自然があって、そして、おいしいグルメがあって、そうした観光として必要な要素というのは、県内各地域がそれぞれ持っているわけですけれども、その割にですね、まだまだ観光客が少ないという状況があると思います。ですのでですね、こうした魅力をさらに強力に発信をしていかなければいけませんし、また、もっと磨き上げていかなければいけないと思います。最近は特に、見るだけではなくて、体験型の観光といいますかですね、そうしたことも特に重要になってきておりますけれども、今回の予算でもそうですけれども、特に体験型のコンテンツですね、山口県もいろんな絶景とか、素晴らしい自然とか、あるいは歴史とかを使って、いろんな体験ができるわけですね。これを磨き上げていくことをぜひやっていきたいと思います。(幕末維新やまぐち)デスティネーションキャンペーン等をやりまして、県内にはいろんな観光素材、新しくできたものがあります。こうしたものをさらにブラッシュアップをしていく、そのことを新年度予算においても、しっかりとやっていきたいと思いますし、その効果的な発信をですね、しっかりとやっていきたいなと思います。
※広報広聴課編集
[ ]の箇所は、当課で修正しています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課