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知事記者会見録・平成30年11月19日実施分
日時 平成30年(2018年)11月19日(月曜日)
11時40分~12時01分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 大島大橋損傷に係る対応について
知事
それでは、今日は、私の方から、大島大橋の損傷に係る対応につきまして、道路、そして水道の復旧の見込み、それから周防大島の復興に向けました支援の概要について、お話をさせていただきます。
まず、道路と水道の復旧の見込みについてですけれども、これまでは12月上旬までには、応急復旧工事が完了するというお話をさせていただいておりましたけれども、一日も早くという思いでですね、関係者、昼夜を分かたずに工事を進めてきまして、順調に進みまして、道路につきましては、11月の29日には応急復旧工事が終了し、そして、翌30日から全面通行が開始をできる見込みとなりました。そして、水道につきましては、11月30日に300ミリの仮設管の敷設工事が終了して、12月の8日には、おおむね全ての家庭への給水が可能となる、そうした見込みとなってまいりました。
このような形で、道路と、そして水道の復旧につきましては、一定のめどが立ったところでありますけれども、次のステップといたしまして、今回の事故によりまして、大変大きな被害、影響が生じております。この周防大島町の観光、経済、大変大きな影響を受けておりますけれども、この復旧後ですね、切れ目なく直ちにこの支援を行い、町の早期の復興を図っていきたいと思います。そのため、このたび、県といたしまして、「復興支援パッケージ」を取りまとめまして、12月の10日から実施をしていきたいと思います。
これらの事業費等につきましては、来る11月県議会におきまして、関連の補正予算を提出をしたいと考えています。
このパッケージの概要につきましては、お手元に配布をしております資料(PDF:144KB)のとおりです。五つの柱、これをですね、掲げて、観光業、農林水産業等への支援を効果的また総合的に行っていくこととしています。
まず、1番目の「周防大島応援キャンペーン」です。町内の観光施設等が企画・実施しますイベントへの補助、また県内外での周防大島町の観光PR、また特産品フェア等を実施をします。復興に向けましたさまざまな情報発信を行うことで、県内外からの集客の拡大、また農水産物等の販売促進などを図っていきます。
2番目の「観光産業への支援」です。宿泊施設でキャンセルが相次ぐなど、今回の事故によりまして、特に影響の大きい観光業を支援をするものです。プレミアム商品券[宿泊券]ですとか割引クーポン券、そうしたものを発行を行いまして、個人あるいは団体旅行の需要の喚起など、島の中の消費の拡大を図っていこうとするものであります。
3番目の「農林水産業への支援」です。観光客の減少によります観光農園のミカン選果に対する支援ですとか、町の特産品であります大島みかん、この収穫の労働力が十分確保できていない、そうした状況にあります。収穫サポーターの確保の支援、そうしたことをはじめとしまして、また県職員によりますミカン農家への援農ボランティア、そしてまた農林漁業者に対するセーフティーネット資金の無利子化を行ってまいります。
4番目の「商工業への支援」につきましては、先ほども申し上げましたけれども、町内の小売店舗や飲食店、そして観光施設等で広く利用していただける割引のクーポン、このクーポン券の発行のほか、中小企業制度融資に、新たに周防大島復興緊急対策資金を創設をします。
5番目の「その他の生活支援」ということでございますけれども、これにつきましては、引き続き島民の皆さまのための健康相談窓口を設置をしますほか、損害賠償に関する被害者相談会の開催を支援をしようというものであります。
私たちとしては、今後とも、町や、そしてまた関係機関、しっかりと連携をしながら、住民の皆さまが一日でも早く元の生活に戻れるように、そして島の皆さん、事業者の皆さんも頑張って、元気な地域を取り戻せるように全力で復旧、そしてまた、さまざまな支援を行ってまいります。
また、ぜひですね、県民の皆さまにも、「周防大島頑張れ」と、そういう思いで、一緒に応援をしていただきたいと思います。
そしてまた、これらの取り組みにつきましては、できるだけ多くの方々に知っていただいて、ぜひ効果のあるものにしていきたいと考えておりますので、報道機関の皆さまにおかれましても、県内外への周知をですね、よろしくお願いをしたいと、そのように思います。
以上、パッケージの概要をご説明いたしました。個々の具体的な内容につきましては、後ほど、関係部局の方から、説明をさせていただきたいと思います。
以上です。
毎日新聞
観光関係のプレミアム宿泊券ですが、ちょうど今、西日本ふっこう割(ふっこう周遊割)の対象になっていると思いますが、そことのダブりがあるのかないのか、そこの整理を教えていただけますか。
知事
そうですね。ダブりというか、両方使えるかどうかということですか。
毎日新聞
そうですね。両方使えるのか。
観光政策課長
今、13府県で「ふっこう周遊割」というのを実施しております。こちらとの併用ということになるんですけれども。こちら国の方に確認をいたしましたところ、県の独自の宿泊補助制度との併用は構わないということですので、特段、今、排除することは考えておりません。
毎日新聞
ということは、確認ですけど、2泊以上という条件の下においては、この5割引きプラス1泊4千円でしたよね、確か、山口県の場合、それだけの割引になるということでよろしいですか。確か、最大5泊6日という条件があったかと思いますけれども、その条件の範囲内であれば、利用可能ということで考えてよろしいでしょうか。
観光政策課長
はい、そうです。
知事
ちなみに、国の方は2泊以上ということですけれども、こちらは1泊から、われわれの方は1泊から使えるということですので、より使い勝手としては、利用しやすくなっているというふうに思います。
また、「ふっこう周遊割」はですね、国の方は1月末で終了予定なんですけれども、今回のわれわれの宿泊券は、ゴールデンウィーク含みます5月まで、事業期間としていく予定ですので、より長い期間使えるというものにしています。
毎日新聞
そこでの確認ですけど、取りあえず、今回は予算上の問題もあって1万枚としているのかもしれませんけれど、5月末までをやる方が優先なのか、予算の枠内で、仮にそれが全部埋まったら終わりということなのか、そこはどちらでしょうか。
知事
もちろん予算が、予算の範囲でできるだけ早く使ってもらう方が、われわれとしては、町の一日も早い復興につながりますので、それを目指していきたいというふうに思います。
毎日新聞
ありがとうございました。
読売新聞
先ほど、橋の全面通行の再開の時期が11月末に早まったというご説明がありましたけれども、その早まった理由をですね、説明の中では工事が順調に進んだという話がありましたが、もう少し、その早まった理由を詳しく教えていただけますか。
知事
そうですね。当然、工事をする上で、さまざまな不確定要素がありますので、そういったことも考慮しながら、いつまでに終わるということを考えてやっているわけですけれども。今、特に大きい工事、バイパスビームですね、設置する工事、この部分が特に不確定要素が大きくてですね、これは天候の問題とか、あと潮の流れも、とどまっているときでないとできないという、いろんな制約がある中でですね、いろんな不確定要素がありました。これも、もちろん関係の皆さんも全力で頑張っていただいて、また、さまざまな条件にも恵まれてですね、順調にいったというところで、そういったところの見通しがはっきりと確定的に言えなかったところが、順調にいったというところがございます。
これから先は、橋の上での工事というのが、海からの工事というのは基本的には、もうないというふうに聞いていますけれども、橋の上からの工事ということですので、ある程度、見通しを立てやすいというふうに聞いております。ですので、これをしっかりと行ってですね、11月の末に開通できるように頑張っていきたいと思います。
読売新聞
要は、バイパスビームの2本の取り付けが無事に完了したことが、一番この理由ということでしょうか。
知事
そうですね。そこが工事としては変動要因というか、思う通りにいかないことも多いだろうというところであったんですけれども、そこができたというのが大きいですね。
NHK
今回の支援パッケージなんですけども、これは、これとして終わりというものなのか、それとも、これが第一弾ということで、今後、必要に応じて第二弾、第三弾と打ち出していくのか、これのどちらでしょうか。
知事
これは町の方と話をして、一応こういった形で、今回のプランをしっかりと実行していこうとしています。これ、それぞれですね、また関係部局に聞いてもらったらいいと思いますけれども。例えば宿泊でも、あるいは、いろんな物販もですね、今回の災害によって、どのぐらい落ち込みがあったかという、影響を受けたかと、そこを戻すという考え方でですね、基本的な規模とかいうことは考えておりますので、それができれば、これがしっかりと執行できれば、今回の事故があった影響というのが、これがなかったものと同じ規模まで戻せるんじゃないか、それだけの効果を期待をして行うものですので、これをしっかりと実行していきたいと思います。
NHK
今、大体の損害額が分かった上で、支援パッケージを出されているのか、それとも、大体の損害額は、これまだ計算中ということでしょうか。
知事
損害額というのと、またこのパッケージと対象のずれはあると思いますけれども、われわれ、このパッケージを作っているのは、例えば、どれだけキャンセルが生じているかとか、そういった宿泊についていえば、そういったものを考慮して、それを埋め合わせるというか回復するということを、そのために必要なロット、今回その規模でパッケージを作っていったということですね。損害っていうのは、これは、だから本当に町民の皆さんの生活とかいろいろなところでありますので、それとは直接、対象としては、必ずしも一致しませんけれども。
中国新聞
今回のパッケージの内容なんですけれど、これはどういう基準でピックアップされたのか、例えば、町民へのいわゆる聞き取りであったり、町からの要望であったりとかあるんですか。
知事
そうですね。これはもちろんわれわれの方でも、どんなことができるかというのを考えて、また、町の方からも、いろんなこういった支援が欲しいという話、ここをよく調整をして行ってきております。ですので、今回のパッケージも、補正予算も町の方とも一緒になってやるということにしておりまして、さまざま、町の方が、当然、住民の皆さんからいろいろと聞いているさまざま、こうした支援をしてほしいとか、こういったことについて、困っているということを吸い上げて、それを施策にしているということですね。例えば、ミカンを選果するとかいうこともそうですし、また、いろんな人が、今、足りないですね。先ほど少し触れましたけれども、応援してもらう方々ですね、特に島の外から来てもらう方々というのは、毎年100人ぐらいいていただいているんですけれども、それが今回、橋が通れないということで、島内の方を中心に40人ぐらいになっているということですね。そういった作業をすることも支障が生じているということです。収穫サポーターというふうに申し上げたものですけれども、こういったものも、この募集をしたりとか、あるいは、さらに足りないところは県の職員がですね、ボランティアということで行って、支えていくということにしていますけれども、いろいろときめ細かく、ニーズを把握をして、それに対して何ができるかということを組み立てているつもりです。
中国新聞
もう1点。1番のところの応援キャンペーンでですね、いわゆる県内外でいろんなプロモーション、イベントを打っていくということなんですけれど、村岡知事自らが、何か表舞台に立ってやられるというものが、この中にあれば、ちょっとご紹介いただきたいのですが。
知事
そうですね。これは具体的に詰めていきますので、例えばプロモーションも県外もですね、例えば広島とか愛媛とか首都圏とか、ということを想定をしております。そういった所もぜひ、積極的に私自身も行ければと思いますし、実は今日この後、私は大阪に行くんですよ。観光プロモーションですね、山口のプロモーションをやるというので、その旅行会社とかそういった方々に集まっていただいて、山口の観光の情報発信をするんですけれども。その中でも早速、今回のこのパッケージについては触れて、こういった割引等行っていきますということを、私自身が直接アピールをしていきたいと、そういうことを予定しております。
中国新聞
分かりました。
毎日新聞
まず予算を11月議会に、補正予算案を提出するということでしたけれども、通常であれば会期末に議決をいただくというのが、一番普通の手順なんでしょうけど。急ぐということもあるでしょうから、例えば議会側に要請をしてですね、先行して議決をいただくとか、そういうふうな手というのは考えていらっしゃるのでしょうか。
知事
そうですね。この議会の日程、明日議運が開かれて決まっていくということになりますけれども、通常のスケジュールでいきますと議会の終了を待っていると、これは速やかに実施ができなくなりますので、今回はですね、明日ご提案をするんですけれども、この分の予算は分離採決をお願いしたいということをですね、議会側に提案しようと考えております。それによりまして、議案を、予算は他にもありますけれども、これは分けてですね、それを先に採決をしていただくということをお願いをしようと、そのように考えております。
毎日新聞
2点目です。つまり、その要請を受けた上でですね、今のところの予定といいますか、希望といいますか、当然議会を通らないといけないわけですけど、議会を通ったということでいうと、実際にはこれ自体をですね、いつからスタートになるのか。
知事
今、10日からということをですね、われわれは、先ほど、口で言ったのであれですけれど、10日から実施したいというふうに思っています。
毎日新聞
それからですね。先ほどちょっと考え方についてのお話で、今回のいわゆる損失分をですね、ある程度ほぼ補填(ほてん)できるんじゃないでしょうかと、知事は言ってらっしゃいましたけど、例えばの話、宿泊の場合で言いますと、これ延べ1万泊分になるわけですね。それを逆に言うと、この間の被害がやっぱり延べ1万泊程度というようにみてて、それがこれで埋まるという考えですか。
知事
そうですね。そういう考え方ですね。
毎日新聞
基本的にはそういう考え方ですね。計算されていればなんですけど、こういう場合、実際の投資額プラス波及効果を踏まえて、経済規模とか経済波及効果とか上乗せしている場合もあるのですが。
知事
それはちょっと私は。そこはしているかどうか、ちょっと分からない。後でまた聞いてもらったらと思います。
毎日新聞
分かりました。ありがとうございます。
山口新聞
予算の分離採決もあって、12月10日から実施されるということなんですけど。特に、一番最初にスタートされる取り組みというのは、何か決まっていたら教えていただきたいのと、あと、それを最初にやられる狙いとか思いがあったら聞かせてください。
知事
まず、こういったプレミアム宿泊券とかですね、クーポン券ということも、その時から買えるようにといいますか、求められるようにしていきますし、また、いろんなプロモーションとかですね、この発表ですね、PRについても、その日から打っていければというふうに思っておりますので、こういうことをやりますよということと、それを実際にサービスとして利用できると、そういうことを10日から始めていきたいというふうに思います。
NHK
水道の復旧の確認なんですけれども、今月30日に仮設の300ミリの工事が終わって、来月8日には家庭の給水が再開できるということで間違いないでしょうか。
知事
そうですね。8日にはおおむね全家庭への給水が可能というふうに考えております。
NHK
おおむね全家庭。全家庭ではないのでしょうか。
知事
前回も必ずしも全てではなく、数日間遅れたこともあったようですけれども、基本的には全家庭にいけるというふうに企業団(柳井地域広域水道企業団)の方では考えているようですけれども、また確認とか、ちょっとこう不具合があったりとかいうこともありますので、それは思わぬことで、ちょっといかないこともあるかもしれませんけれども。一応、考えている想定とすれば、8日には全家庭にいけるだろうという考えであります。
朝日新聞
一番最後の「その他の生活支援」のところの賠償の被害者相談会の開催支援ということだったんですけれど、これは具体的には誰からのどういった被害の相談を想定されているのかということと、どのような主体がどういう支援をされるのかというのを教えてください。
知事
基本的には、法律の専門家、弁護士さん等が大島において相談窓口というか、そういったものを設けて、町の方々、これは生活面でも、あるいは事業者の方ですね、事業活動の面でも、いろんな被害が生じていると思いますので、そういったことについて、どのようにこれは求めていけばいいのかということを相談したい方が大変多くいらっしゃると思いますので、そうした方々を対象に相談会を開催をするということを想定をしております。あんまり、こういう人は駄目ですということではなくて、今回の事故によって、さまざま、いろんな分野で被害が生じていると思いますので、それについてお悩みなり、相談があれば、ここに行っていただくと、そういったものを設けていきたいと思います。
朝日新聞
賠償に向けて一括して窓口を設けるという趣旨のものとは少し違いますか。
知事
この段階では、被害者の相談会ということでありますので、これをそのまま賠償を求めていくということにはなりませんけれども、これは今、町の方とも話をしていますが、この相談会等を通じて、一体どのぐらいの被害なり、対象者なり、どういったものが項目あるのかということも、こういった相談会を通じて把握をして、それから先の展開を、それ踏まえて、また考えていくということになると思います。
朝日新聞
それは、いつ頃から設置されるんでしょうか。
知事
今、具体的には、このやり方については、町あるいは弁護士の方々と相談をしておりますので、明確には申し上げられませんが。
総務部次長
まだ、今、どういう形で相談会を開くかというところの事前準備をしている段階でございます。
中国新聞
今回の支援パッケージ、総事業費が1億5,200万円ということなんですけれど、この財源は、一時的には県から出すんでしょうけれど、これもオルデンドルフ社(OLDENDORFF CARRIERS GMBH&CO.KG)に請求していくというものなんでしょうか。
知事
請求できるものかどうか分からないですけどね。ただ、今のところ請求とか考えておらないですね。あくまでも今、とにかく落ち込んでいる、島の、打撃を受けている経済、観光とか経済面、本当に大きな被害が生じているので、これを何とか回復をしたい、復旧とともに復興を速やかに着手をしたいというそういった思いで計上しておりますので、今、当面、賠償ということは具体的に考えているわけではありませんけれども、そういったものが可能かどうかというのは、また、よく考えていきたいと思います。
※広報広聴課編集
[ ]の箇所は、当課で修正しています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課