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知事記者会見録・平成30年2月20日実施分
日時 平成30年(2018年)2月20日(火曜日)
11時30分~13時15分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 平成30年度当初予算(案)について
- 平成30年度組織について
知事
皆さん、こんにちは。
今日、私からは、2点報告をさせていただきます。
まず、平成30年度の当初予算案についてです。
このたびの知事選挙におきまして、多くの県民の皆さまから温かいご支援をいただきまして、引き続き、県政執行の重責を担わせていただくこととなりました。
今後の県政運営に当たりまして、この2期目は、これまで私が進めてきました県づくりの成果の上に立って、将来にわたって活力ある山口県を実現をしていく、そのために重要な4年間であるというふうに思っております。来年度当初予算は、その最初の予算となります。
私としては、選挙中にいただきました県民の皆さまの期待にしっかりとお応えをしていく、そのためにも、これからの県づくりに向けた取り組みを、来年度の当初予算から速やかにスタートしていきたい、そのように考えております。
それでは、資料に沿いまして、説明をさせていただきます。
まず、当初予算編成の基本的な考え方です。
平成30年度の当初予算では、今年迎えました明治150年や、「山口ゆめ花博」の開催等を契機といたしまして、県づくりの主役であります県民をはじめ、県全体の活力を高めていくとともに、その高まりやこれまでの県づくりの成果を活かして、「活力みなぎる山口県」の実現に向けまして、新たな時代を拓く「3つの維新」への挑戦を速やかに始動してまいります。
また、恒常的に歳出が歳入を上回る厳しい財政状況を踏まえまして、当初予算編成過程を通じて、これまで検討してきた方向性に沿って、行財政構造改革の確実な具現化に取り組み、「3つの維新」への挑戦を支える、揺るぎない行財政基盤の確立に一定の道筋をつけました。
これらを踏まえ、私は、平成30年度当初予算を「『3つの維新』発進予算」、そのように位置付けまして、県政の最重要課題であります人口減少問題をはじめとする、さまざまな課題の克服に向けて、新たな県づくりを力強くスタートさせていきたいと考えております。
そこで、平成30年度当初予算は、「『明治150年』の開花と未来への継承」、「新たな『3つの維新』の始動」、それから三つ目は「財政健全化に向けた行財政構造改革の確実な具現化」と、この三つを柱としまして、編成をいたしました。
その結果、来年度の一般会計の当初予算規模は、6,730億円、本年度当初予算に比べて79億円、1.2%の減少となっています。
それでは、予算編成の三つの柱に沿って、説明をしていきます。
一つ目の柱は、「『明治150年』の開花と未来への継承」ということであります。
平成30年は、明治改元から150年の節目の年に当たります。そうしたことから、山口県が明治維新や、また、日本の近代化に重要な役割を果たしてきた、そのことを振り返って、その精神に学び、これからの山口県の在り方を考えていく上で、これは絶好の機会であるというふうに考えております。
このため、来年度、「明治維新胎動の地」であります山口県への県民の誇りと愛着、国内外における本県の認知度等を一層高めて、未来に向けた県づくりのさらなる推進につなげていく、そうしたことをやっていきたいと思っております。
そして、まず中核イベントとして、9月14日から11月4日まで、山口きらら博記念公園で開催をします「山口ゆめ花博」では、バーチャルリアリティ体験により、楽しみながら維新を体感できる「維新体験館」や、「明治150年記念式典」、「若者国際シンポジウム」等のさまざまな催しを通じまして、「明治150年」と「明治維新胎動の地」山口県を、国内外へ向けて力強く発信をしていきたいと考えています。
また、「山口ゆめ花博」に先立ちまして、5月からは、県内各地に数多く点在します博物館等の、それぞれの「点」を「線」へと結び付ける「幕末維新回廊」、これを構築して、明治150年を契機に各地で開催される企画展を、楽しみながら県内を巡る全県的なイベントを展開していきます。
このほかにも、明治150年プロジェクト「やまぐち未来維新」では、四つの視点からさまざまな取り組みを進めます。
まず、「県民の意識啓発・機運醸成」ということでありますが、「山口ゆめ花博」と連携しました幕末・明治期の先人たちの歩みを巡る啓発用映像コンテンツの制作ですとか、「平成の松下村塾」の充実などの学びの場づくりを進めていきます。
また、2点目、「未来を担う人材の育成」ですが、これを図るため、若者を対象にトップリーダーとの意見交換等を通じて、主体的に考え、また、行動することを学んでいく「やまぐち未来維新塾」等を開催をするほか、幕末・明治期に活躍した若者・女性等の掘り起こし調査などを実施をします。
このほか、「国内外に向けた情報発信・PR」については、「やまぐち幕末ISHIN祭」や、本県と鹿児島、高知、佐賀の4県連携によります「平成の薩長土肥連合」、こうしたことなどの観光キャンペーンを積極的に展開をするほか、「歴史の保存・顕彰・継承」の取り組みを進めていきます。
新しい150年のスタートに当たりまして、私としては、こうした取り組みを通じて、県づくりの主役である県民をはじめ、県全体の活力を高めていきたいと考えています。
その上で、こうした活力の高まりも活かしまして、私が目指します「活力みなぎる山口県」の実現に向けた取り組みを、力強く前に進めていきたいと考えています。
このため、予算編成の二つ目の柱には、「新たな『3つの維新』の始動」ということで掲げております。
これまでの4年間の県づくりにおきまして、100件を超える企業誘致を実現し、約3,000人の雇用を創出したほか、山口宇部空港初の国際定期便の就航を実現させ、観光客が年間3,000万人を突破し、過去最高を達成するなどの成果を得ました。
また、多子世帯の保育料軽減等の子育て支援を充実するとともに、全国で唯一、全ての公立小・中学校にコミュニティ・スクールを導入するなど、地域連携教育の推進にも注力をしました。
こうした取り組みによりまして、総合計画の123の成果目標の8割以上が達成見込みとなりました。
しかし、県政の最重要課題であります人口減少問題の克服への道のりは、なお険しいわけであります。未来を見据え、活力みなぎる山口県を実現をしていくためには、これまでの成果の上に立って、県全体の活力の高まりを活かして、力強く取り組みを進めることが必要であります。
そのためには、私は、これからの県政運営において、本県の強みや、また、潜在力を活かして、山口県の未来を切り拓いて、「産業維新」と「大交流維新」、「生活維新」、この「3つの維新」を果敢に進めて、そしてこれらに挑戦し、実現していきたいと考えております。そのため、平成30年度予算から速やかに始動してまいりたいと考えております。
まず、「産業維新」では、瀬戸内の産業集積をはじめとする、本県の強みを最大限に活かして、活力の源となる産業力を大きく伸ばすため、来年度においては、成長分野における新たなイノベーションの創出や中堅・中小企業の成長支援体制の強化、また、強い農林水産業の育成を図っていきます。
また、「大交流維新」では、本県の潜在力を活かし、人やモノの流れを飛躍的に拡大をして、山口県を活性化する大交流を実現するため、来年度においては、山口宇部空港の国際交流拠点化や、県産農林水産物等の国内外への売り込み強化に取り組みます。
さらに、「生活維新」では、県民誰もが、希望を持って、いつまでも安心して暮らし続けることのできる山口県の基盤を築くため、来年度においては、「希望を叶(かな)える暮らしづくり」、「人材の育成と活躍への支援」、「安心・安全で活力ある地域づくり」の三つの視点から、子育て支援や働き方改革の推進、新時代を創造する人材の育成、防災・減災対策等の取り組みを強化します。
それでは、「3つの維新」の項目ごとに、平成30年度当初予算における主な取り組みについて、新規や拡充事業を中心に説明します。
まず、最初に「産業維新」についてです。
まず、「産業力の強化と成長分野でのイノベーションの創出」では、本県の強みであります化学ですとか、製薬の産業集積と、これまで培ってきた「医療関連」、「環境・エネルギー関連」、そうした分野での産学公金のネットワーク、これを基盤として、新たにバイオ関連産業の創出に向けた推進・支援体制を構築いたします。
さらに、地域の強みを活かした産業振興を図るため、国際バルク戦略港湾や、山陰道をはじめとする幹線道路網など、産業基盤の整備の促進に、引き続き全力を挙げて取り組んでまいります。
次に、「中堅・中小企業の成長・安定・創業支援」であります。県経済を牽引する中堅企業・中核企業の創出や成長を支援するため、企業が抱える経営課題や技術的な課題の解決に向けまして、金融機関等と連携したサポート体制を構築してまいります。
また、企業の事業拡大と地域の安定的な雇用の創出・拡大を図るため、新たに、やまぐち産業振興財団に「生産性向上・人材創造拠点」、これを設置して、事業展開の段階に応じた専門家による一貫した支援を実施していきます。
さらに、県内中小企業等の人材確保が大きな課題となっています。「若者就職支援センター」について、この名称を「山口しごとセンター」ということで変更をしまして、支援対象をですね、若者だけじゃなくて、シニアや女性、これから活躍が期待されている、そういったところも対象に追加をして、女性の就業率におけます、いわゆる「M字カーブ」、これの解消ですとか、インターンシップの充実等によりまして、県内就職、また、定着の一層の促進に努めることとしております。
このほか、宇宙利用産業の創出に向けまして、産業技術センターに、新たに「宇宙データ利用推進センター」を設けて、ここにおいて、県内企業の衛星データ利用に係る調査研究ですとか、事業化を支援するということとともに、また、航空機産業での大型案件の受注ですとか、宇宙機器産業への参入を目指して、企業連携による一貫生産体制の確立支援や販路開拓等を行ってまいります。
また、中小企業の生産性向上、これに向けまして、IoT技術を活用した新サービスの創出等についての支援を行うとともに、市町域を越えました全県的な空き店舗マッチングシステムの構築等を通じまして、創業支援を強化していきます。
次に、「強い農林水産業の育成」でありますが、市町が選定したブランド品目の産地計画に基づきまして、新規就業者の受け入れや生産体制強化に必要な機械・施設整備等の補助を通じて、魅力ある産地形成や新規就業者の確保を図ります。
併せて、国の米政策の改革に対応しまして、米の事前契約拡大に向けた大規模流通試験や地域間連携による統一商品づくりなど、米価の変動の影響が少ない安定した生産供給体制を構築していくということとともに、消費者の多様なニーズに応える高収益作物への生産転換を図っていくための体制整備を促進していくことによって、農業者の所得向上につなげてまいります。
さらに、女性農林漁業者向けの経営講座・販路開拓支援による経営参画者の育成や、「ステキ女子」のネットワーク構築により、農林水産分野における女性の活躍を促進します。
畜産分野では、酪農業の経営安定・生産基盤の強化を図るため、市場価格が今高騰しております乳牛の安定確保体制に向けまして、全国初となる「後継牛バンク」の立ち上げを支援をするほか、昨年9月の全国和牛能力共進会、これで山口県の牛が全国3位に入賞したわけでありますが、そうした県産種雄牛のさらなる改良と成果を踏まえました「やまぐち和牛」ブランド力の向上を図っていきます。
水産分野では、水産大学校の持つ知見を活用して、雇用型経営体による収益性の高い複合経営モデルの構築ですとか、新たな基幹漁業の立ち上げ支援等に取り組んでまいります。
そして、「3つの維新」の二つ目の「大交流維新」であります。
まず、「国内外との交流の拡大」では、明治維新150年を契機とした観光需要の拡大に向けまして、「やまぐち幕末ISHIN祭」等の観光キャンペーンを積極的に展開するとともに、「平成の薩長土肥連合」と連携した広域観光プロジェクトを推進してまいります。
また、山口宇部空港と韓国・ソウルを結びます、国際定期便の定着・拡大や、国際チャーター便の運航支援等により、山口宇部空港の国際交流拠点化を目指します。
このほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたキャンプ地誘致活動等の支援や、山口ゆめ花博会場でのフラッグツアー歓迎イベント等の取り組みの推進、経済・文化・スポーツなどのさまざまな分野における、海外自治体との国際交流の推進などを図ります。
また、「国内外への売り込みの強化」では、昨年10月に設立しました「地域商社やまぐち株式会社」との連携による首都圏等への売り込み強化や、「ぶちうま!維新」による県産農林水産物の販路拡大等を通じて、県産品のさらなる売り込み強化を図ります。
また、本県の強みを活かした水産インフラ輸出構想を推進するため、ベトナムへの水産関連技術・製品等の輸出を目指す県内企業の取り組みを支援してまいります。
このほか、中小企業の海外展開をより一層推進するため、新たに、やまぐち産業振興財団を海外展開拠点とし、海外コーディネーターを配置することにより、総合的な支援を行います。
次に、「やまぐちへの(人の)還流・移住の促進」では、移住関心層を移住につなげるための連続講座「YY!ターンカレッジ」等を開催するほか、「やまぐち暮(ぐ)らし東京支援センター」の相談員を現行の1名から2名に増員をし、首都圏の移住希望者に対する相談体制を強化していきます。
また、林業分野では、東京・大阪での就業相談会の開催から、県内事業体視察・就業体験までの一体的な実施により、県外の林業就業希望者の本県への移住を促進します。
次に、「3つの維新」の三つ目、「生活維新」であります。
まず、「希望を叶える暮らしづくり」の視点から、「結婚から子育てまでの切れ目ない支援」、これにおきましては、今県内に153カ所あります「地域子育て支援拠点」を活用しまして、子育て支援に加えて、母子保健相談も受けられる「まちかどネウボラ」、これを全県で展開していく「やまぐち版ネウボラ」を推進します。
また、中学校・高等学校に、定期的に地域の乳幼児親子が集う「子育てひろば」を設け、中高生が家庭や子どもを持つことの楽しさ、素晴らしさを身近に感じる機会を創出します。
さらに、病児保育について、居住地にかかわらず、希望する場所で利用できるよう、全市町参加の広域利用体制を整えるなど、子育てと仕事を両立できる環境づくりを進めていきます。
次に、「働き方改革の推進」では、従来の「やまぐち働き方改革支援センター」の支援アドバイザーに加えて、企業に身近な専門家を新たに民間アドバイザーとして養成するほか、生産性向上に資する新商品・サービスの開発等に対する助成金を創設するなど、企業サポート体制を強化していきます。
また、教員の長時間勤務を是正するため、校務支援システム等の導入により、学校における働き方改革を推進します。
さらに、建設産業においても、建設産業向けの講習会や相談支援体制の充実のほか、公共事業における週休2日の実現に向けた環境整備等を実施します。
次に、「快適な暮らしづくりの推進」では、都市公園の新たな利活用を検討するため、「山口ゆめ花博」を社会実験の場として活用して、民間活力やボランティアによる継続的な活動に向けた体制づくりを支援します。
また、民生家庭部門におけるCO2の排出量削減の取り組みを強化するため、太陽光発電の余剰電力買取期間の順次終了を踏まえ、新たに蓄電池導入に対する助成制度を創設します。
次に、「人材の育成と活躍への支援」、この視点から、「新時代を創造する子どもたちの育成」では、コミュニティ・スクールをはじめとした地域連携教育のさらなる充実を図るため、核となる地域連携教育エキスパート・アドバイザーなどの人材を配置し、「地域教育力日本一」の推進体制を強化します。
また、教員の事務を補助する「学校業務支援員」や、教員に代わって専門的な指導を行う「部活動指導員」の配置により、教員の負担軽減による教育環境の充実を図ります。
次に、「誰もが活躍できる地域社会の実現」では、「山口ゆめ花博」を契機に活発化が見込まれますボランティア活動等の県民活動を継続させるための取り組みを推進します。
また、「生涯スポーツ推進センター」を新設し、市町とスポーツクラブが連携したスポーツの場づくりを支援します。
さらに、女性の活躍を促進するため、「M字カーブ」の解消に向けて、女性が働きやすい職場環境整備に対する企業向け補助制度を創設するとともに、「男女共同参画手帳」を配布し、男性の家事・育児への参画意識を醸成します。
また、障害者アート作品展や農福連携マルシェの開催を通じた障害者の社会参加促進にも取り組みます。
次に、「安心・安全で活力ある地域づくり」の視点から、「防災・減災対策の強化」では、災害発生時における被災者の一日も早い生活再建のため、罹災(りさい)証明等の迅速化に資する、全県統一の被災者生活再建支援システムを構築します。
また、大規模災害に備え、県民参加型のシェイクアウト訓練による防災意識の一層の向上や、地域の防災リーダーの育成等を通じて、県民防災力の充実強化を図るとともに、渓流の危険度や、過去の浸水被害の範囲など、災害危険箇所を事前に調査・把握し、県民の安心・安全の確保を図ります。
次に、「安心して暮らせる環境づくりの推進」では、今後予定されている成年年齢の引き下げを見据え、消費者トラブルの増加が懸念される若年消費者に対する被害防止対策の強化や、電子マネー型など新たな手口による被害が増加している、うそ電話詐欺の未然防止対策の強化に取り組みます。
次に、「保健・医療・介護の充実」では、平成30年度から開始される新専門医制度に対応して、研修医等を対象とした県内病院合同説明会を開催するなど、若手医師確保対策を推進します。
また、県民の健康寿命の延伸を図るため、継続的な健康行動に資するアプリを開発をし、健康づくりの「見える化」、「日常化」を推進します。
併せて、肝がん・重度肝硬変患者の医療費負担軽減を図るため、医療費に対する助成を行うとともに、がんの早期発見、早期治療のため、協会けんぽと連携し、がん検診受診率向上に向けた受診勧奨を実施します。
次に、「活力ある地域づくりの推進」では、中山間地域の活力を向上させるため、将来的な元気生活圏形成につながる集落機能の維持・活性化に向けた、支援員の配置や地域づくりの取り組みへの経費支援を新たに実施するとともに、交流拠点・産業振興など複数の地域づくり活動を一体的にソフト・ハード両面から支援してまいります。
また、コンパクトなまちづくりの推進に向けては、市町による立地適正化計画の策定支援や、都市間連携の視点に立った広域連携ガイドラインの作成等を行います。
以上が、「3つの維新」への挑戦のうち、30年度当初予算で取り組むものであります。
次に、予算編成の三つ目の柱であります、「財政健全化に向けた行財政構造改革の確実な具現化」について説明いたします。
本県の財政は、人口減少等によって歳入が伸び悩む、その中で、高齢化に伴います社会保障費の増大などによって、歳出が歳入を上回る、そういう構造が続いていて、毎年多額の財源不足が生じているわけであります。
このため、この硬直化した財政構造を転換し、これからの県づくりを支える揺るぎない行財政基盤を確立していく、そのため、昨年4月に設置をいたしました「行財政改革統括本部」を中心に、全庁を挙げて改革に取り組んできたところであります。
平成30年度当初予算の編成に当たりましては、この統括本部で検討を進めてきた取り組みを確実に具現化して、そうしたことを行ってきたところでありまして、平成33年度までの改革期間を通じまして、歳出構造改革や臨時的・集中的な財源確保対策を着実に実行することにより、多額の財源不足を解消し、収支均衡した持続可能な財政基盤への転換を図ってまいります。
まず、「改革期間における財源不足の解消」についてであります。
平成29年度の当初予算時点で、試算額1,350億円と見込んでおりましたが、これが58億円減の1,292億円、平成30年度の地方財政対策を踏まえてですね、改めて試算をした結果、現在では1,292億円、これが財源不足となっております。
この財源不足に対しまして、総人件費の縮減や全事業の見直し等の構造改革によりまして881億円、そして、臨時的・集中的な財源確保対策で273億円を見込むほか、執行段階での節減等によります148億円と合わせ、1,302億円を確保いたしまして、財源不足の着実な解消を図っていくこととしております。
次に、「収支均衡した財政構造への転換」ということであります。
このイメージの、この図に示しているとおりでありますけれども、改革期間において、徹底して歳出を減らしていくと、この青いところですね。減らしていくということを進めていきながら、臨時的な財源確保策は、その段階でですね、歳出改革が全部できませんので、足りないところは臨時的な財源確保をしていかなければいけないということであります。これは改革の実現に伴って、段階的にこれが縮減をしていくということです。
平成33年度末までに、収支均衡した持続可能な財政構造に転換して、平成34年度の当初予算からは、ここに書いてあるですね、臨時的な財源確保対策に依存しない財政運営を行いたいと考えております。
それでは、歳出構造改革の取り組みについて、ご説明をいたします。
まず、「総人件費の縮減」につきましては、今年度、600人以上の定員削減を掲げて検討を進めてきたところであります。
さらなる組織のスリム化や、次にご説明します全事業の見直しによる業務量の削減、業務の効率化等を図り、知事部局・教育・警察を合わせて、ここに書いてあるとおり、5年間で657人、この定員を削減をするということにいたしております。
また、給与制度の総合的な見直しや、通勤手当の見直しなど、給与水準の見直しも着実に進めて、総人件費の縮減として、改革期間中に233億円の、この効果額を見込んでおります。
次に、この「事務事業の見直し」であります。
「全事業の見直し」といたしまして、県民サービスに支障を来すことのないように留意をしながら、施策効果、民間・市町との役割分担等の観点で見直しを行いました。
その結果、177事業を休廃止するなど、全体で7割を超える888事業を見直し、平成29年度当初予算での見直しと合わせて、63億円の効果額を見込んでいます。
なお、平成30年度当初予算では、見直しにより捻出された18億円の財源を活用して、新規重点施策を構築したことにより、最終的には、一般財源ベースで4億円、業務量で約30人役の見直し効果となっています。
全事業の見直しについては、本日午後の行財政改革統括本部会議において、休廃止事業の内容など、詳細をお示しすることとしています。
このほか、「公共投資等の適正化」として、公共事業費等の県負担額を5年間で10%削減するとともに、「公債費の平準化」として、公債費の長期的な減少基調を維持しながら、県債を30年で償還する長期債の導入を今年度から計画的に進めています。
これらの取り組みにより、改革期間中における歳出構造改革の効果額は、約881億円と見込んでおります。
また、効果額としては計上しておりませんけれども、「公の施設の見直し」として、老朽化に伴う維持管理経費の増加や県民ニーズの変化等を踏まえて、中長期的な改革として、施設の移管・統廃合等を行っていきます。
詳細については、統括本部会議において、ご説明をすることとしていますが、このたび、地元の利用割合の高い施設や地域振興の観点で市町に移管した方が効果的な活用が図られる施設の市町移管、利用が低迷している施設の廃止など、見直しの基本方針を定めたところです。
今後、この方針に沿って、施設ごとの具体的な見直し方針を検討していきたいと考えています。
次に、臨時的・集中的な財源確保対策について、ご説明いたします。
まず、「保有基金の取崩し」として、市町振興基金等により90億円を確保するとともに、「保有財産等の活用」では、企業局の電気事業会計から、産業力強化・環境エネルギー対策の財源として35億円の繰り入れを行うなど、52億円を確保します。
また、「未利用財産等の売却・貸付」では、学校や県職員公舎の再編を踏まえた新規物件の掘り起こしなどにより、未利用財産や、東京・大阪職員公舎等の売却を進め、31億円を確保します。
また、「県税収入等の確保」では、「ふるさと納税の確保・増収」として、寄付者の共感を得やすい分野に特化した募集を行うとともに、「ネーミングライツ」を、今年1月から導入した、「維新みらいふスタジアム」の実績を踏まえ、全県的に導入するなど、合わせて8億円を確保します。
このほか、総人件費の縮減により将来の償還財源を確保することを前提に、高止まりしている退職手当の財源として、退職手当債約92億円を追加で確保します。
これらを合わせて、改革期間中における財源確保対策の効果額は、約273億円を見込んでいます。
行財政構造改革の効果額、そしてまた、収支見通しをですね、各年度ごとにお示しをしているのがこちらでごさいます。
このたびの予算編成を通じまして、歳出構造改革の取り組みの具現化を図ったことにより、表の一番下、赤い所、下段で示したように、臨時的な財源確保策を除いた、歳入と歳出ギャップ、このギャップの部分ですね、これについては、縮小をだんだんしていって、平成34年度当初予算時点でプラスになると、そうした形で財政構造が改善をされ、構造的な収支不足が解消されると、そうしたことをここでお示しをしております。
このため、私としては、収支均衡した持続可能な財政構造、このことへの転換に一定の道筋をつけることができたと、そのように考えておりますが、今後、改革を着実に実行をして、山口県の将来を支える自立・安定した財政基盤を確立してまいります。
なお、平成30年度については、予算編成方針公表時点で約290億円としていた来年度の財源不足額が、歳出構造改革や財源確保対策等により、約30億円まで改善したところです。
この最終的な財源不足は、財源調整用基金の取り崩しで対応することから、来年度末時点の基金残高見込みは78億円ということになっています。
依然として基金残高は100億円を下回るものの、基金の取り崩し額自体は今年度当初予算と比べて減少しておりまして、改革期間中に、基金残高100億円を回復できる、そのような見込みであります。
来年度当初予算における「プライマリーバランス」について、ちょっと飛びまして49ページの資料をご覧いただきたいと思います。
一般分の県債については、136億円の黒字となり、平成13年度以降18年連続での黒字、「一般分の県債残高」は、16年連続での減少を達成できる見通しとなっています。
また、県債全体でも、160億円の黒字となり、平成24年度以降7年連続の黒字となる見通しです。
なお、県債全体の残高については、平成30年度末の残高見込みは78億円の減少となり、平成26年度以降5年連続の減少となる見通しであります。
次に、岩国基地に係る交付金については、41ページをご覧いただきたいと思います。
平成30年度の交付金は、前年度より30億円増額をされ、50億円となったところであります。来年度予算では、基金繰り入れ約7億円と合わせて57億円、55事業を予定しています。
このうち、従来から対象となっているハード事業に加えて、来年度から新たに対象となるソフト事業については、「産業振興」、それから「交流促進」、「定住対策」、この三つの区分で約8億円、7事業を計上しています。
こうした取り組みを通じて、ハード・ソフト両面から、岩国・和木・大島地域の振興や安心・安全対策に取り組んでまいります。
以上、当初予算案の概要をご説明しました。
今年は、明治改元から150年という節目の年に当たります。
この150年の間、山口県の先人たちが逆境を乗り越えて、日本の近代化に多大な貢献をしてきたという、そういう素晴らしい歴史が、われわれにはあるわけであります。
そして今、山口県は、新しい150年のスタートラインに立っていると、そのように考えております。
この節目の年に新しい任期を迎えたことに、私は大きな縁を感じておりますし、また、新しい時代に向けまして、人口減少問題の克服をはじめとするさまざまな困難をはね返して、活力ある、誰もが将来に希望を持って暮らせる、そうした県づくりに全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。また、そうした取り組みをですね、確実に実現をしていくために、強い決意を持って、さらに進めていきたいと考えております。
私としては、来年度予算を通じまして、新たな時代を切り拓く「3つの維新」、これへの挑戦を速やかにスタートさせていき、新しい150年の幕開けにふさわしいスタートをしっかりと切っていきたいというふうに考えております。
次に、平成30年度の組織の概要について、お手元の資料(PDF:94KB)によりまして説明をいたします。
平成30年度の組織については、行財政構造改革の確実な具現化に向け、簡素で効率的な体制整備に努める一方、県政の主要課題については、重点的な職員配置を行い、組織力の強化を図りたいと考えています。
まず、1点目は、農林水産事務所の設置です。
担い手の減少や高齢化、産地間競争の激化など、農林水産業を取り巻く共通課題に的確に対応し、成長産業化に向けた総合的な振興を図るため、農林事務所と水産事務所を統合し、「農林水産事務所」を設置します。
2点目は、県民生活課と地域安心・安全推進室の統合についてです。
県民の安心・安全の確保に向け、県民に身近な消費者行政と防犯・交通安全行政を効果的・効率的に推進するため、県民生活課と地域安心・安全推進室を統合します。
3点目は、指導監査室の廃止です。
施設等に係る設置認可・指導監督・関連事務等を一体的・効果的に実施するため、指導監査室を廃止し、業務を施設等の許認可事務を所管する関係課に移管をします。
4点目は、団体指導室の廃止です。
部内各課・各出先機関と連携した効率的・集中的な指導検査体制の確立と、農地中間管理機構を活用した農地の集積・集約化を加速するため、団体指導室を廃止し、業務を農林水産政策課と農業振興課に移管します。
5点目は、山口県税事務所防府分室の本所への集約です。
自動車税のコンビニ収納の開始や納税確認の電子化など、納税者の利便性向上を踏まえ、本所の体制強化と事務の効率化を図るため、防府分室を本所、これは山口総合庁舎の方に集約をいたします。
以上が、平成30年度の組織の概要となります。
簡素で効率的な組織体制の整備に努める一方、明治150年関連事業の推進や児童相談所の強化など、主要課題については増員による体制強化もしっかりと図りながら、本県が直面する課題を突破するため、組織力をあげて全力で取り組んでまいります。
私からは以上です。
TYS(テレビ山口)
予算についてなんですが、予算編成終わられまして率直な感想というか、これまでは、なかなか苦しんだという感想が多かったんですが、今年度もそうなのか、もしくは、財政構造改革に一定のめどが付いてほっとしたとか、何かそういう率直な感想があれば、教えていただきたいと。
知事
そうですね。今年の予算編成は特に、私は選挙があったので、例年、この選挙をやっている期間はずっと知事査定、知事がまさに一番最後の議論をするところの時期なんですよね。国の予算ができて、そこからいろいろな整理をして、県としての予算を出すスケジュールから、その時期に大体知事査定をするわけですけれど、そこがすっかり、知事選挙で17日間抜けたという、そういう中で、だいぶ議論を前倒しをしてやらなければいけませんでしたし、国の予算がどうなるか分からない、個々の事業もそうですし、国のいろんな地方財政対策とか、地方財政全体のフレームがどうなのかとか、その辺が分からない中で議論をしていかなければいけなかった。それは皆さんに、職員の皆さんも大変苦労をしながら、いろんな可能性を考えながら、議論をして、選挙後はですね。また、その後の国の予算編成なりを踏まえて、全体の状況だったり、あるいは私自身も、選挙を通じてやってきた思いも踏まえて、最終的には知事査定を、かなりタイトな時間でありましたけれども、しましたので、そういった意味では、例年になく、かなりいろんなその前提条件が厳しい中での、厳しい予算編成だったというふうに思います。
そしてまた、今お話があったように、特にその、財政構造改革をやっていかなければいけません。この道筋をつけるという意味で、今年度の予算は、今年だけの話じゃなくて、今後も、4、5年先のことまで見据えて、どのように見直しをしながら、今年の予算を作っていくのかということもありましたし、もちろん、毎年毎年の収支が、最終的には均衡するように作っていくということも、道筋をつけなければいけませんでしたので、今年の予算だけじゃなくて、今後の予算なり財政運営もですね、しっかりと見据えて、そこをどのように組み立てるのかということもやりながらということでしたので、そういった意味では、非常に限られた時間なり、いろんなスケジュール的な制約がある中で、ボリューム的には例年以上のことをやる必要がありました。またさらに、チャレンジプランも終わって、次の「3つの維新」という新しい取り組み、次の県としての、私としての取り組みを進めていく、「3つの維新」という柱を新たに掲げて作っていった予算でありますので、そういった意味でも、新しい組み立ての中で、もちろんその取り組み自体、今までの成果の上に立ってやっていくものでありますけれども、組み立てとして、そういう新しいその三つの柱の下でやっていくと、そういう中でですね、いろいろと試行錯誤もあったわけであります。そういう中で、しっかりとした議論ができですね、いい形の予算ができたというふうに思っております。新しい施策の体系にも併せて、今までの成果に立って、新たな事業をいろいろと盛り込んでおりますし、職員の皆さんには、大変頑張ってやっていただいたと思います。私としても、自らのこの思いをしっかりと反映できた、そしてまた、財政構造についてもですね、一定の見通しを立てることができた、収支が均衡した状態、財政構造が収支ギャップがあるところを、5年間で収支均衡させるというですね、この目標を立ててやってきたわけですけれども、これについて、一定のめどが付けられたという意味では、一つ大きな仕事ができたなというふうに思っています。
ただ、財政構造改革はこれでできたわけじゃなくて、これは、いろんな取り組みをこれから具体化して、実際実施していかなければいけませんし、当然国の予算とか地方財政対策というのは、これから地方交付税とかそういうところも、また議論がされていきます。もっともっと抑制、地方にお金たまっているじゃないかとか意見もありますのでですね、そういう中でもっと削っても地方は頑張っていけるじゃないか、国は大変だと、こういう議論があるので、そうしたことに対しては、知事会とか、私個人もそうですし、知事としてもそうですし、知事会としてもいろんな反論もしながら、議論もしていかなければいけない、そういう不安もあるんですけれども、そういう国の状況によっても、またこれは左右されてきますので、これは全て順風満帆にこのとおりにというわけでは必ずしもなくて、そういう外の状況、県財政を取り巻く外的な要因といいますか、そういった変化もあるし、またこの今作っている中身もですね、確実に実施するためには、いろんなまた汗もかいていかなければいけない部分が多くありますので、それはしっかりとやっていかなければいけません。ひとまず、あらかたこういうことで進められるだろうということはですね、できましたので、一つの通過点は突破したと思っていますが、これを確実に実現をするということで初めて、それは実現するものでありますから、これからまさに、その実施をしっかりとやっていかなければいけないと、そういった意味では気持ちを引き締めて、やっていく必要があると思っております。
KRY(山口放送)
行財政改革についてですね、県の事業の1割以上を休廃止するということなんですけれども、詳細は今日の午後から発表ということなんですが、関連した諸団体については、調整されながら議論を進めてこられたのかということとですね、これは県民サービスの低下しないのかということを、県民の理解を得られるのかどうか、その辺りについてはお考えいかがでしょうか。
知事
そうですね。もちろん、その影響が大きいところは、当然それは、担当課の方でもその関係の影響もよく考えながらやっていくことでありますので、当然今年度の予算もそうですけれども、これからの見直しについても、その影響があるところは、よく注意をしながら、理解が得られるかどうかということもですね、そういったこともきちんと中で、しっかりと整理をしながら進めてきております。事業の中身についても、これはまた午後ですね、本部の方で、個別の事業については、またありますので、そちらの方でも聞いてもらえればなというふうに思うんですけれど、財政が厳しいといっても、できるだけ県民サービスへの支障がないようにするということは、これはもう、基本方針としてしっかりと、重要な柱として置いて取り組んできました。事業が、始めたけれども、ある程度、当初の目標を達成をしているもの、そうしたものは役割としては、元々目指していたものができたんだから、それは惰性で続けるんじゃなくて、これはしっかりと終わらせましょうねと。そういったものですとか、それから、細かい話ですけれども、例えば、県の広報誌なんかはですね、県の情報が入ってくるわけですけれども、これも回数を減らすと。これは配る分だけ経費が掛かるわけですね。回数を減らすと、じゃあ来る情報が少ないじゃないかということについては、1回当たりのページ数をその分倍にするとかですね、情報量としては落ちない、けれどもコストは少し抑えていくと、そういう細かいことですけれど、そういう積み上げをですね、しっかりやっていくということで。今のは県民サービスが落ちないということの一つの例ですけれども、県民サービスを維持しながら経費としては抑えられるということを、それぞれの事業について工夫をしてやっております。また、後で説明があると思いますけれども、聞いていただければと思いますが、私は、基本的には、県民の皆さまにも理解が得られるような見直しの内容じゃないかなというふうに思っております。それも丁寧に、当然、説明をしていかなければいけないと思いますが、しっかりとお話をさせてもらえれば、そうかなと納得が得られるものじゃないかなというふうには考えております。
KRY(山口放送)
チャレンジプランが今年度終わるんですが、来年度以降、この予算との関連というか、今後どうしていくかというのは、何か考えはありますか。
知事
そうですね、チャレンジプランを作ってやってきましたし、当然その中で、目指すべき姿というのも考えながら、個々の事業を組み立ててまいりました。それが、今年度末で期限が終わりますし、8割の活力指標について目標達成をしましたけれども、課題自体はですね、人口減少問題等ですね、大変大きな課題がありますから、それで当然終わりじゃなくて、まだまだ課題は多く、やるべきことがあります。これまでの、一定いろいろな成果もでてきている部分をさらに伸ばしていくということをやっていかなければいけません。そのために、「3つの維新」ということで掲げて取り組んでいるわけでありまして、それも今回の予算の中で、この三つの柱の中でですね、施策を組み立てて、それに基づいて進めてまいります。30年度から、これから先もですね、この三つの柱で取り組んでいきたいと思っておりますので、これをどういうふうに中期的に進めていくかということは、やり方については、また考えていかなければいけないというふうに思っております。どのような形で、これを組み立てていくのか、毎年、毎年の予算じゃなくてですね、ある程度中期的な見通しといいますか、目指すべきところを考えながら、当然事業というのは組み立てていきますので、そういったことをしていく上で、どのような形で進めるかというのは、これからしっかりと考えていきたいと思います。
NHK
知事の選挙期間中に「産業維新」を訴えられて、今回の予算の中でも、水素ですとかバイオ、それから宇宙航空産業など挙げられています。今ですね、やっぱり第4次産業ということで、IoT、第4次産業革命ですかね、IoTということで、今回は事業の中でおよそ900万円を盛り込まれていますけれども、他の自治体、例えば広島県などでは3億5,000万円余り、それから佐賀県では5,000万円余りで、今回この900万円余りに込めた思いは、行財政構造改革との兼ね合いもある中で、このようなIoTの政策を打ち出された思いというのを伺ってもよろしいでしょうか。
知事
もちろんIoTを活用をしていくということは、生産性の向上ですとか、新しい産業をつくっていくという上で重要だというふうに思っております。今、生産性革命といわれておりますけれども、その生産性を上げていくためにも重要なものですし、その導入促進もしっかりとやっていかなければいけませんし、また、産業としてそういったものが山口県の中でしっかりと根付いたりとか、新たに生まれてくれば、そういったものも山口県の活力の創出につながるだろうなというふうに思っております。ですので、そういったことはしっかりと後押しをしていきたいと思っております。事業というのはですね、結局、今あるニーズとかに対して、どのように対応していくかということでありますので、広島や佐賀の予算が、どういったことを盛り込んでいるかというのは承知をしておりませんけれども、方向性として、そういったものはしっかりと取り込んでいくということは、われわれも目指していくべきだと思っておりますので、当然、それに大きな予算を投入して、大きなものをつくるということになっていくことがあれば、当然、それはそういった状況の中で予算もまた考えていく必要があると思いますが、現時点では、今回の予算措置をしているということです。
NHK
今後、補正予算などで。
知事
補正でというのは、具体にそういう話があればですね。話というか、例えば、そんな事業が大きく進みそうで、県としての後押しで大きくすれば、大きく物事が前に進んでいくとか、そういった当然、県の予算だけが何か1人こう走っているんじゃなくて、やっぱり民間側の取り組みがあって、そういったものを県としてどのようにそれを後押しできるのかというのがあって、じゃあこういう事業を作りましょうとかなるわけなんでですね。そういった展開が出てくれば、またそれに応じて、われわれもそこは重要な分野だと思っておりますから、取り組みを当然充実したりですね、新しい取り組みをしていくということは十分考えられると思いますし、意識してそういったものは、ずっと見ていかなければいけないなと思っています。
NHK
もう1点だけなんですけども。明治150年に関連して、この知事の会見の場でもたびたび取り上げられた、福島県を訪問するのかどうかという、今回は「大交流維新」などで福島との交流なども見受けられませんけれども、これについての知事の思いはいかがでしょうか。
知事
前も、ちょっとお話したとおり、予算で何か事業としてやるということはございませんが、当然、福島との関係では、例えば、災害でも職員を派遣したりとかいうこともやって、いろんなつながりもできておりますし、私も、前も言いましたように、内堀知事とは同じ役所におりましたので、よく知った関係ですし、知事会でも、若手の知事会でも一緒になって、いろんな話もさせていただいております。
歴史とかですね、そういったことを踏まえて、また今、この150年を節目にどういったことができるかということを行政がというよりは、民間の方でいろんな動きが出てくる中で、行政としても何かできることがあれば、やっていくということはあるかなと思いますけれども。行政自らが先に立って、流れをつくっていくとかいうところは、現時点で考えているわけではありません。市の方とか、個別には、また萩とか会津若松とかあるんでしょうけれども、そういった中で、自治体だったり、あるいは民間団体だったりですね、関係が深まっていくのはこれはいいこと、とても素晴らしいことだと思いますので、そういう中で、県としても何か応援できることがあれば、当然それはやっていきたいなと思っておりますが、現時点で、何か今考えているとか、動きがあるとかいうものではありません。
防府日報
新規の事業に関してなんですけども、厳しい現状の中で91の新規事業が立ち上げられて、特に重点項目で78項目ってあるんですけども、ちょっと見てますと、なかなかよそでもよくやってるなというような、例えば、航空機とか宇宙産業とかといったら、他県、岡山とか広島とかでも重点的にやってますし、海外とか行ったら、飛騨(ひだ)牛なんか20カ国で販売されてるとか、そういったことがあって、こういったものを実際、達成していく上で、地域間競争っていうところで、まず勝ち抜いていかなければいけないということになってくると思うんですけども、まず、これから2期目を迎えるに当たって、そういった山口県を活性化する取り組みの中で、地域間競争を勝ち抜くために、現状でどういったことをしていかなきゃいけないのかという見識と、あと、実際、今、1期目から含めて、例えば、水素とか医療関係とか、これから取り組むバイオとか宇宙産業とか、新しい種をまいていっていると思うんですけれども、これが、長い目で見たときに、どれくらいの時期に花が咲くのが望ましいのか、例えば、飛騨牛とか10年ぐらい前から輸出の体制を整えて、今、20カ国というような話になっていますけども、そういった長期のスパンで見たときに、いつぐらいにそういう、こう成果を出していきたいという、知事ご自身のお考えをお聞かせください。
知事
成果ということで言うとですね、やればやった分の成果というのは出てきていると思います。今までの医療・環境・エネルギー、そういった分野での事業化についてもですね、県としても、産学公金の取り組みを支援をして、具体的に事業化が出てきているわけですね。
例えば、第1号で言うと、東洋鋼鈑のDNAチップなんかそうですけどね。薬事承認を得て、これは、東洋鋼鈑の金属の表面処理の技術をこれからのオーダーメイド医療に生かして、そういった成長分野に、今までの持っている技術、金属の表面処理の技術も、もちろんとても重要な技術ですし、それでやっていかれてるわけですけれども、それを生かしてこれからの成長分野に展開をしていくということが、山口県の産業はいろいろできるわけですね。基礎素材型産業、基礎的な部分の産業がありますので、ある意味、応用がいろいろと利くという分野でもあろうというふうに思います。実際に、化学関係の企業が多いですけれども、実際に、どこの企業も医療とかそういった分野にも関連する会社を持ったり、事業部門を持ったりしてやってる。今まで持っているノウハウをしっかりとこれからの成長産業に生かせるという産業のベースというのが、山口県は、これはすごく強いんだと思っています。何かに特化した産業であれば、それが時代が変わっちゃうと何もできなくなっちゃいますけれども、山口県の産業は、基礎素材型産業で、これは弱いんじゃないかというふうにですね、見られていた部分もありますけれども、それが新しい分野への展開ができるという可能性を大きく持っているわけですね。そうしたものを伸ばしていくというのは、山口県が取り組めることでありますし、また、それが強みだというふうにしっかりとわれわれも認識をしてやっていかなければいけないと思います。
実際に、東洋鋼鈑のケースもそうですけれども、さまざまな分野で事業化が出ています。今のDNAチップも薬事承認を得られて、いろんながんの治療についても、がんの種類ごとに承認がいるんですけれども、それもどんどん展開をできているということでございますから、そういったものは、何かトータルの量というより、一つ一つを積み上げていって、たどり着くものなんだろうと思います。そうしたものを一つでも多く出していくということが重要です。
ほかの中で、勝ち抜いていくためにどうするかという話ですけれども、今言ったように、弱いところで強いところと戦っても難しいので、山口県が持っている強みという部分をしっかりとわれわれが整理をして、認識をして、そこを今の環境を見たときに、どのように伸ばせるかということを考えていく必要があるだろうと思います。磨けば勝てるところで戦っていくということが、まず重要だと思いますね。そのためには、先ほど言った医療とか環境・エネルギーとか、これまでやってきましたが、今回の予算でも新たにバイオというのを入れております。これは、県内にバイオ関係の企業の集積もありますし、今度は、薬学部も新しく、山口県にできるわけですね。医学とか工学だけじゃなく、薬学部ができる。そうした中で、産学官の連携というのは、もっといろんなバリエーションが出てきます。そうしたことも強みにして、新しく伸ばしていく分野として、今回、バイオの方も追加をしてやっていくということです。
それから、航空機とか宇宙関連の産業も、企業の名前を言うとあれなんですけれども、いろいろと山口県にはスペシャルなものが造れる企業というのが、中堅企業、中小も含めですけども、多くあります。そうしたものを、これからの成長産業に仕向けていく、向かっていくための後押しをしていくということですね。
ですから、何でもかんでもというより、少しそういうふうにですね、今ある持てる力、伸ばしていくことができるんじゃないかと思うものをしっかりと見て、そこに集中的にやっていくということが一つ重要だろうと思います。
それから、海外展開の牛とかの話もされました。山口県の和牛が、非常に全国3位で評価が高いわけですけれども、認知度がまだまだ低かったり、あとはブランドも確立されていなかったり、というところでやや伸び切れていないところがあると、もっともっと伸ばせると思っております。そういった意味では、ここに「『やまぐち和牛』のブランド力向上」というふうに書いてますけれども、少しこのブランドも、今、ちょっとそれぞれがやっているところもあるんですが、少しそれをもっと大きな形で打ち出していけないかということも考えておりますし、また、売り出すのもそうなんですけれども、生産の方もしっかりとやっていかないといけないので、それについても、「後継牛バンク」という安定して牛を生産できるような、そういう新しい全国初の取り組みをやっていこうとしております。供給するためには、きちっと生産をして、担い手がいて、生産がきちっと効率的に安くいいものができるようにして、そして、また販路を開拓する、売り込みをする、いろんなものが要りますので、これは結構いろんな分野についての対応が必要になってくるんですけれども、そうしたことをやれば、伸ばしていける力はあるだろうというふうに思っておりますので、そういうことを意識して予算を組んでいると。予算だけじゃなくて、これからの取り組みもそうですけれど、しっかりと強みを生かしていく、潜在力を引き出して伸ばしていく、そうしたことを特に意識をしてやっていきたいなと思ってます。
防府日報
実際こうですね、やっぱり10年ぐらいのスパンで見ておられる。
知事
それは、10年たてば、10年の成果が出るでしょうけどね。1年でも2年でも成果は出ますよね。実際に売り込みをすれば、それで取引が成立すれば、それで一つの成果なわけですから。大きくするためには、継続してやっていかなきゃいけないのはもちろんだと思います。
中国新聞
13ページなんですけれども、888事業・18億円の見直しをして、中でまた、新規事業とか重点事業ということで、14億円ほど投じますけれども、ここの18億と14億のバランスですね、多分知事、ここはさじ加減ということになると思いますけれども、ここのさじ加減、削るところと増やしていくところとか、ここら辺の知事の思い、狙いですね。
それとあと、知事査定等で、こんな事業をやったらどうかと、逆に部局に提案して、今回反映された事業があればお願いできますか。
知事
課題はいっぱいありますし、やりたいことはいっぱいあるんですけどね。財源には限りがあるし、財政健全化もしっかりやっていかなければいけませんので、限られた予算をどう使っていくかっていうことを考えてやらなければいけません。対象事業を見直して、見直した以上に使ったら財政悪化しますので、その中に収めて当然いかなきゃいけないわけですね。当然、新規事業をやらなければ、それだけ財政は楽になりますけれども、今言ったようなさまざまな事業ですね、今ある課題にもしっかり対応しなければいけませんし、また、これから伸ばしていける分野というのを、スピーディーにやっていかなきゃいけないということもあります。だからそういう、今の県民の皆さまの暮らしや、将来に向けた投資というのも、同時にやっていかなければいけませんので、削るだけではなくて、やっぱりその、伸ばす部分という、これからしっかりと手当てをしていかなければいけない部分というのもありますから、そこを、バランスを見なければいけないんですが。最終的には4億円削減ということでありますけれども、今年の予算の最終的な形としても、基金100億円達成はできませんが、基金の取り崩し額自体も、今年度ですけどね、前年度よりも減らす状態にできましたし、予算後の基金残高も去年より増やすことができました。さらにその、それを続けていけば、目指している収支均衡した、臨時的な財源補填(ほてん)をしなくてもいい、財政構造ができるという、そういう見通しも立てていく中で、こうした形で、新規事業もやっていって、財政的にも問題ないだろうなと、そういったことの中で、財政状況と将来の見通しと、また、今年度のやるべきことを考えながら、総合的に取り組んだというところであります。
中国新聞
あともう1個質問したのが、査定段階で。
知事
そうですね。もちろん査定の中で、いろいろと注文も付けていますが、特にですね、私、選挙終わってからも、知事査定、その前ももちろんいろいろやってますけれどもね。知事査定と正式には言わないのかな、あれは。知事調整というのかな。査定というのは、皆さん取材をされたあれが知事査定、という、正式にはそうらしいですけれども。それっていうことで言いますと、選挙で回ってですね、非常に感じたのは、県内の経済の状況というのは、4年前と比べると随分、皆さんも、大変だ大変だという人は減ってきたなと感じましたですね。雇用が厳しいということはありました。なので、特に雇用の関係は、それは選挙に限らずその前から言われているんで、今回、女性の活躍にしても、そのシニアの活躍にしても、山口県はまだまだ潜在的に活躍ができるだけの力を持った人たちがいっぱいいらっしゃって、活躍の場もありますので、そうしたものを促していくための、「山口しごとセンター」っていうのも、組織も大きくしてやっていくということも、そういったことも指示しながらやってきたんですけども。知事査定という、その選挙後のことについて言いますと、特に県内を回った中で、やっぱり厳しいという声が多かったのは、特に中山間地域ですね。中山間地域はどこに行っても生活の維持、もちろん活性化もそうですけど、今の生活がこのまま本当にこの、いろんな住民サービスとか、維持できるんだろうかとか、買い物とかですね、いろいろあるわけで、医療とかですね。その、移動手段とかですね、いろいろとやっぱり不安がありますし、高齢化もさらに進んでおります。そういった意味では厳しさというのが、さらに増してるなと。空き家も増えて、見た目に空き家も増えていますし、なかなかこう、知事をやってて、県内各地に行きますけれども、本当に集落の細い道に行くことっていうのは、そうそうないので、そういった意味では、この選挙期間を通じて、こんなことが、実際に見て、聞くだけじゃなくて、資料で見るだけじゃなくて、目で見たり、話で聞いたり、肌で感じることができたなと思っておりますが、特に感じたのが、中山間地域がさらに厳しくなっているし、皆さまのいろんな不安も高まっているなというふうに思いました。なので、それを指示をしまして、中山間地域の、これ、生活維新のさっき説明をしましたけども、「元気生活圏形成につなげるための周辺集落等への支援」ですね。人の配置だったり、経費の支援、これは元気生活圏というのをつくってることに対して、地域が主体的に自分たちの地域をこのようにしていこうということに対して、支援する予算をこのチャレンジプランの中で位置付けて、やっておりますが、そこに至らないけれども、非常に、まだその周辺の集落で今のその生活もなかなか大変だったり、元気生活圏という、これからこう頑張っていくぞというところまでには、まだいっていないところについて、しっかりと生活の維持なり、また、地域づくりをですね、支援をしていくということも重要なんじゃないかということで、この事業は、全くなかったのを、その選挙後にこれは指示をして作ったということです。
中国新聞
行財政構造改革の関連で、12ページなんですけど、歳出構造改革の取り組みの中で、退職手当の引き下げを挙げられてまして、平成29年度から国の見直しに準拠するものだと理解してるんですけど、県内の市町では、退職者の混乱を避けるために、新年度からの実施をされる例もあるようなんですけど、県が年度内にされる理由とですね、あと、いわゆる駆け込み退職を招く恐れがないのか、県の知事のご見解をお聞かせください。
知事
今回の退職手当の見直しの趣旨は、官民の格差を是正すると、解消すると、そういったもので行われるものでして、国の方では、既に改正法がこの1月1日から施行されております。退職手当の制度とは、国に準じてやっていくというのが基本でありますけれども、国の法改正を受けて条例を改正してということになります。他県においても、多くの団体で年度内、引き下げをするという予定と聞いております。そうした際に、山口県でありますけれども、今日も縷々(るる)説明しましたように、大変厳しい財政状況にもあるわけであります。徹底した行財政構造改革に取り組んでいる中であります。そうした中で、年度内の引き下げを行わないということは、そっちの方が県民の理解も得られませんし、われわれとしてはしっかりと、それはやっていくべきだというふうに考えておりますので、今回、そのようにする形で提案をしているわけでございます。駆け込みのですね、これは本人の意思ですけれども、できるだけしっかりと働いていただきたいというふうにも思います。しかし、そうした中で発生した場合には、職場の実態を踏まえながら、業務に支障がないようにしっかりと対応していきたいと考えております。
時事通信
行財政改革についてお伺いしたいんですけど、歳出改革と財源確保のメニューをこうやって見ると、いろんな分野で積み上げて、どんどんこう圧縮していったように印象を受けるんですが、議会の方でも、統括本部長の方が、聖域なき改革っていうことをおっしゃっていて、これまで聖域だった分野というのはどういったところで。
知事
これまで何。
時事通信
これまで聖域だった分野って、どういうところで、今回力を入れて新たにメスを入れた分野っていうのは、どういったところにあるのか、しかも難しかったところっていうのはどういったところにあるのか、教えていただけますか。
知事
聖域というのは何かが聖域と位置付けられているわけじゃないですけどね。議論をする上で、ここは議論をするのをやめようねっていうことはやめましょうと、あらゆる分野について、やっぱり見直しをするっていうことを言っているわけでありまして、最初から議論しないという分野はつくらずにやりましょうということです。特に、いろんな、どれが大変だった、これ全部なかなか大変ですよ。やっぱり、財政改革っていう、今の予算もいろんな必要があってやっているものですし、それを見直したり、組織についても、人についても、今、業務があってやっているわけでありますから、しかもその、見直せるものはこれまでも見直してきているということもあります。それをさらに一段踏み込んで見直しというのは、やっぱりいろんな汗もかかなければいけないし、知恵も絞っていかなければいけないということであります。そういう中で、特に人件費についても職員数のかなりの削減を皆さんの努力をいただいて、これがある程度めどが立ってきているということであります。当然、人を減らすというのは、仕事をじゃあどうするか、ということですね。そういったことで、全部セットなので、単純にこれ、数字を決めて、じゃあこれってはならないわけですよね。どういうふうに組織をスリム化するかとか、事業についてはしっかりやりながらスリム化できるかっていうことを考えなければいけないので、これはいろんな調整も必要ですし、なかなか大変なことでもございます。また、事業の見直しもですね、これ177事業、合計で888事業、休廃止が177、見直しが888。これ全部、これだけの見直しをする中で、いずれも簡単になくせるものではなかなかないわけです。しっかりと支障がないように、留意しながらどう見直せるか。単純に予算を、前も言いましたけど、財政健全化するのに単純に何も影響を考えなければね、歳入ってのは、入ってくるので、歳出ってのは削ればいいだろうっていうことに数字上はなるんですけど、実際にはやっぱりいろんな影響とか考えてやるってなると、そこは非常に大きな壁になってくるわけです。そこを丁寧に、しっかりと議論をしてやったと思います。やっぱり予算の中での議論だけだとですね、期間も限られていますし、その中で見直せるっていうと、やっぱり一律にこうちょっと減らす、シーリング的なやつですよね。全部必要だから、一律に少しずつ減らしましょう、みたいな話になりがちなんですけども、やっぱり根本的にその事業の組み立てから見直すというのは、こういう本部というか、構えてやって、組織全体で旗を振ってやらないとできませんので、そういった意味では、しっかりと体制もつくって、期間もかけて、議論をしてきたと思います。どれが一番ということもないですけども、いずれにしても経費の見直しというのは。どれも大変なことだろうと思います。
読売新聞
米軍再編の関連の交付金の事業ですけども、武道館建設の調査費が付いていますよね。武道館を建設するとなると、今の交付金の期間が終わった後も、維持管理費とか出てくると思うんですけれども、行革というのと、どういうふうにバランスを取られるのかっていうのを教えてください。
知事
そうですね。この武道館の関係はですね、県東部地域でのスポーツを通じました日米交流等の観点から、特に岩国市等からですね、強い要望があったものです。県東部地域の武道館の施設ということでありますけれども、この整備のですね、今これは、整備費じゃなくて調査・検討ということで着手するということでございます。実際、造るかどうかということを含めましてですね、これはいろいろな地域の実情の把握だったり、課題を整理したりですね、さまざまやるべきことがあります。また、岩国市はじめですね、周辺の市や町ともいろんな協議・調整をしなければいけないことも当然出てきます。そういったことをして、また、住民とか外部有識者とか、いろんな方々、住民ニーズの把握とかですね、そういったこともありますし、いろんな調査・検討がまず必要でありますので、そのための予算ということであります。どういった形にして、どういう運営の仕方をして、みたいな話は、それはその先の話でありますので、今はこの交付金を使って、そういったものを、まず調査・検討をしていく、そういう段階であります。
山口新聞
少し話が戻って、事務事業の見直しのところですけれども、先ほど言われている中で、知事も休廃止を含めて県民から納得が得られるようなものになったのではないかとおっしゃられていたと思うんですけれど、一方で、県民サービスに支障がないように配慮されて見直されてきたとはいえ、もうちょっと、その見直しの過程が、県民が見えるような形で進められてもよかったんじゃないかという声を聴く中で、その辺はもうちょっとどうあるべきだったのかなという思いというのはありますか。
知事
そうですね。住民の皆さまに、すごく大きな影響がある話、例えば、県の計画を作ったりとかすることは、パブリック・コメントをしたりとか、いろんな形で住民の皆さんのご意見を聴くという機会をつくりながらやっているわけですね。これについて、事業の見直しをする中で、もちろん本当に住民生活にすごく大きな影響があればですね、それを一方的に進めて、もうこれですというのはいかがかと思います。しかし、今組み立てている中で言うと、当然、関係の部局の方でも、これをやったとしてどういう影響があるかということもしっかり考えて、大きな、いろいろとですね、当然予算が減った分、なにがしかのその影響はないとは言えませんけれども、ただそれは、ある程度皆さんが許容できるというか、事業の目的からしても、あるいはその役割を終えたとか、あるいは組み直しをすることによってですね、大体、そのご理解を得られるんじゃないかと、そうしたものは、きちんと予算で説明をしていくということでいいんじゃないかなと私は思います。
TYS(テレビ山口)
行財政構造改革の話に戻るんですけれども、平成34年度以降の話、もうちょっと長いスパンで考えたときに、収支均衡できましたと、で、先ほど国の動向とかの要素もあってというお話もありましたが、県内で見ると、例えば、高齢化に伴う社会保障費であるとか、そういう不安要素というのは必ずあると思いますし、人口減少が進めば当然収入も減るという、想定を超えてさらに厳しくなるという心配もあるかと思うんですが、その辺りどのように考えられて、どのように対応されますか。
知事
あのですね、本来、社会保障費とかが増えれば、これは国が義務付けとか、制度的にやらなければいけないことですので、私のいた総務省の世界で、地方交付税がきちんとそこで手当てされて、必要なサービスが提供できるだけの財源をきちんと国が保障しなければいけないわけですね。だから今、国は財政というのは基本的には、国の地方への一般財源というのは同水準で維持しましょうといわれているんですね。税とか、地方交付税とか含めた地方の財源というのは、基本的には同水準を維持しましょうというのが、骨太の方針とかでの中期的な、ある程度中期的な国の財政運営の方針なんですよね。そういう中で、今財政フレームとしてもそれはある程度続くだろうと、一定続くだろうということで見立ててやっているわけです。しかしこれが、例えば5年たったときにどうなっているのか、本当に地方が、社会保障がものすごく増えて、削るものも何もない、そうするとやっぱり、歳入を増やすしかないわけですよね。当然それは、国が必要な財源も保障しなければいけない。これは、制度的にそうなっていますので、法律に従って国はきちんと財源を措置しなければいけなくなるだろうと思います。しかし、そのときに、どういう状況なのかは分からないので、今の段階で、歳出はある程度見越せても、社会保障はどういうふうに伸びていくのかというのは、人口について一定の前提を置いて、その上、高齢化がどのくらいあって、ある程度社会保障費というのは伸びていくだろうと分かるというふうに思いますけれども、分からないのは、歳入が分からないんですね。地方税というのが、ある程度、制度が変わらなければ大きくは伸びずに、人口が減れば少し減って、でも、企業が良くなれば少し良くなるかもしれません。だけど、例えば10年後税収はどうなっているかというのは、なかなか見通しづらいと思われますし、大きいのは、地方交付税とか国の方の地方財政の措置というのが、地方財政全体にどれだけのお金を充てるのかというのが全部変わってきますので、そういう前提が全部分からない中で、あまり10年後、20年後を考えても、現実的な議論ができないという面は実際あります。ある程度、4、5年先ということであれば、財政的なフレームもそう大きくは変わらないだろうという中で組み立てることができますので、そう大きく、油断はできませんが、大きく変わることもないだろうという中でですね、それに基づいて議論をしているわけであります。ですから、確かにおっしゃるとおり、ずっと高齢化は進んでいきますから、増えるんですよね。財源が一定だったら、それだけで見たら、財政はますます厳しくなる。その時点で考えないといけないとは思いますが、一方で、ある程度公共事業も抑えていけばですね、借金の返済とかは減っていくので、減っていく経費というものもあります。だから、そういったものの兼ね合いがどうかっていうところがですね、歳出の面であるのと、歳入面ではとにかく、国の方がどれだけ地方に金を与えようとするのか、地方は金があるからって削ろうとするのかというところに大きく振り回されますので、そうした混乱が生じないように、しっかりと財政運営できるようには、ずっと継続して言っていかなければいけないだろうと思います。
中国新聞
岩国基地の関連交付金の件でお尋ねなんですが、41ページ、ソフト事業の中で、定住対策として住宅環境改善支援事業を挙げられてまして、地域振興策とは別に、艦載機移駐後の騒音対策というのを国に求められていまして、今回、国の交付金を使って、県がこういった形の、いわゆる定住対策とはいえ、騒音対策に近いものを実施される狙い、理由についてお聞かせ願いますでしょうか。
知事
そうですね、これは当然、これに限らず事業全体を市町の方に、ご意見やご要望を踏まえた上で、これを組み立てています。この事業を何のためにやるかということは、これ定住対策ということでですね、進めていく上で、その阻害要因の一つとして、住宅の騒音等へのいろんな住民の皆さまの不安感、これを軽減するということも重要だろうと、そういったことでこの住宅環境改善に要する経費を助成していくということで、地域の定住対策を支援していくというものであります。そういう位置付けのものでありまして、またこれからよく、具体の仕組み、制度設計については、市町の意見も聞きながら、組み立てていきたいというふうに思っています。
中国新聞
従前から求められている住宅防音区域の拡大などの、いわゆる安心・安全対策としての騒音対策は、これは変わらず国に求められていかれるお考えでございますか。
知事
そうですね。それは、もちろん地元の市や町の方がですね、従来から国の役割ということで、国からしっかりやってもらうべきものということで言っています。それが変わるものではないですけれど。
中国新聞
あと、もう1点だけ。今回、県交付金が2.5倍と大幅に増額されまして、一方で隣県の大竹市などからは、大竹市議会などからは、事業の対象区域外になりますので、不満の声も上がっておりまして、広島県知事も基地立地県に限らない県交付金を広島県側への交付金というものを求めていきたいという考えを示されてまして、立地県の知事として、改めてなんですが、こうした隣県での動きをどう受け止めていらっしゃるかどうかと、今後の要望などでの何らかの連携などはお考えなのかについて、お聞かせください。
知事
今、国の制度が立地している県というのが対象になっているので、そういう制度の下で、山口県が交付を受けているということだと理解をしております。
広島の知事さんが発言で、時々というか、中国新聞の質問を受けて答えられているんだと思うんですけど、私としては、他県での措置についてコメントするような立場でもないんですが、また知事会とかの場で話があればですね、それはよくお聞きをして考えていくべきことじゃないかなと思ってます。
YAB(山口朝日放送)
事業の件で、来年度の予算編成措置の中で、全事業の抜本的見直しという前提の中で、今回177事業をやめて91事業を始められるということで、そもそも廃止事業というのは、全部じゃないですが、チャレンジプランの中で3カ年事業でやっていたものが落ちているのが多いのかなっていう、ちょっと感じなんですけれども。そうなってくると、例えば、3年間やってきて、ある程度成果が上がって、ここから後は税金投入しなくても民間活力でやっていけるからやめても大丈夫ですよねというものもあるでしょうし、あとは反対に、例えば、3年間お金、公金投入して成果がなかったら、ちょっとここはもうすみません、やめさせてくださいと、ちょっと厳しい対応を取らざるを得なかったものもあるのかなと思うのですが、そこら辺、この廃止177事業はどういうふうに理解すれば。
知事
そうですね。それはちょっと個別にまた聞いていただくと内訳が分かると思うんですが、おっしゃるように、一つは、3年間でやると言って目標を達成したので、役割を終えたというものもあるでしょうし、達成できなかったからやり方を変えてですね、別のものにしていくというものもあると思いますし、これをやってももう意味ないからとやめたものもあるのかもしれないけれども、ちょっとそれはあまり聞いていないです。やっぱり、それなりに役割を果たして終えるというのものは、結構あるんだろうなというふうに思います。詳細は、担当課の方から聞いてもらったらいいと思いますけれども。
3年たったから終わるというお話がありましたけれども、結構、役所の事業って3年たっても、またもう3年とか、もう3年とか、結構続くんです。いろいろと、
国の方でもそうですけどね、国の事業でも3年期間限定でやったけれど、まだまだできていないからもう3年とかですね、ありますし。特に、特別立法なんかも大体3年、期間限定で3年の法律とか5年の法律とか、大体延長、延長でこういくわけです。だから、結構やめるというのも、なかなか大変なことではあるんです。
やっぱり、それは当初の目的がしっかり達成されたのかどうかとか、単純に続けるのは簡単なんですよ。もちろん事業をやっている人はいるので、続いた方がありがたいに決まっているので、続ければ何の問題もないんですけれども。しかし、お金がない中で役割を達成したものは、それはちょっと別の財源に振り替えていくとか、あるいは財政健全化に役立てるとか、そういったことを丁寧にやっていかなければいけませんし、そうしたことを積み上げて、この177というのがあるんだろうと思います。
ちょっとご理解いただきたいのは、単純に3年、当初3年だったのが3年たったから終わるというのは大したことないじゃないかと思われるかもしれませんけれども、実はそうでもないというところをご理解いただきたいなと思います。
YAB(山口朝日放送)
そこに切り込んでいこうというご決意というか、理想というか、切り込んでいかないといかんなという思いはあったんですか。
知事
それはもちろん、財政健全化をしないと破綻してしまいますので。基金のグラフはないですけども、基金がずっと減っていって100を切っているわけですね。昔は何百億もあったわけですけれども。それはやっぱり構造を変えていかないと、どこかで破綻してしまいます。破綻するというのはどういうことかというと、いきなりサービスをガーンと落とさないといけないとか、山口県独自に税金をバーッと上げないといけないとか。およそ、ものすごく影響が大きい、とても対応できるようなものではないわけですよね。そういったことにならないように、いかにこう、それは1年ではできませんから、やっぱり財政改革というのは1年で一気に、今回のやつもそうですよね、4、5年かけてやる、影響ないように、こうだんだんだんだんやっていくものであって、1年ではできませんから、そうしたことに突然ならないように、やっぱり中期的な期間を持ってやっていかなきゃいけません。ただ、取り組み自体は、1個1個は、この事業の見直しもそうですけれど、1個1個なんですよね。大きな事業がドーンとなんかあって、それをなくせば「はい、解決」とかなくて、やはり事業というのは、細かい事業の積み上げですし、それを一つ一つ見直さないことにはゴールにたどり着かない。ゴールは遠いですけれども、事業の見直しは、一つ一つすごく丁寧にやらなきゃいけないというのが、難しいところなんでしょうけれど。
それは、とにかく絶対に達成しなきゃいけないのはもちろんですし、そのためにはやっぱり根気、組織を全体を挙げて根気強くやらなきゃいけないという、なかなか大変な作業ではありますが、必ずやっていかなければいけないという、そういった思いでやってます。
中国新聞
人件費のところで、定員ですね、657人。お巡りさんは入っていないということですけれども、657人ということですけれども。定員削減、まあ退職者の補充抑制ということですけれども、ここ人が減るということになると業務量も多分、比例して減るというか、効率的になることもあるんでしょうけれども、働き方改革とかいうことをずっと言われてますけれども、そのバランスですね、どのように取っていかれるおつもりでいらっしゃいますか。
知事
そうですね。やっぱり、当然、組織、特に県の仕事というのは人でやっている部分というのが、機械とかあるわけじゃなくて、人でやっている部分が多いので、まさに人こそが県の仕事を担っているわけですね。だから当然、県の仕事をやる上では、しっかりとした職員の配置もしなければいけませんし、必要なやっぱり人数も、規模というものも当然あります。そういう中で、どういう工夫ができるかということを検討して、最大限の取り組みをしたわけであります。
当然、事業を組み立て直したりとか、組織についても今回少し触ってますけれども、いろいろと効率化を図りながら成果を上げていく、そういう組織に変えていかなければいけません。そういうことを眼目に置きながら見直しを進めてきているということですね。何か県民サービスが急にこれはやってましたけれど、これは急になくなりますとかですね、そういったものは当然ないようにしなければいけませんし、さまざまな企画立案とかもですね、しっかりとやって、これからの施策も作っていかなければいけませんので、そのための体制も要りますけれども。そういう必要なことをしっかりとやることをしながら、いかに工夫しながら、全体としては、特に人件費は財政の中で大きなウエイトを占めていますから、そこを減らすというのは、かなり金額としても大きいものがある部分はあるんですね。
そうした中で、しかし、当然サービスはしっかりと提供をして、また、職員の負担も大きくならないように、これは別途残業時間を減らしていこうとか、働き方改革というのもやっていますけれども、そういったこともやりながら、職員の仕事量とかにも配慮しながら、全体としてはうまく回っていくように、その着地点として、この人数が積み上がっているということですね。
中国新聞
関連して。教育、先生のところは教育委員会の発表もあるようですけれども、一番減り具合としては、先生というか、教育のところが470人というふうに出てて、それに併せて新規事業でシステム導入とか、いろいろいらうものも盛り込まれていますと。ちょっと教育委員会に係る部分もあるんですけれども、先生の方の働き方というか、削減についてちょっと知事として答えられる範囲でいいんですが、あれば。
知事
これは教育委員会の方で検討して、これで支障なくできるだろうというところを考えていただいたことですね。また、その説明は教育委員会の方で聞いてもらうといいかなと思いますけれども、実際に子どもの数が減ってきたり、学校の統廃合とか、いろんなことがある中で、どのように、しっかりとした教育をしながら、全体としては抑えていけるかということを考えられた、ということだろうというふうに思います。それとは別にですね、今、教員の皆さんも大変、勤務時間といいますか、働いている時間が長いので、働き方改革っていうのも進めなきゃいけない。これは教育の方ですから、予算の方でも取り組みがこれから計上されて、進められると思いますけれども、そこはそことして、しっかり意識を持って取り組んでいくというふうに承知しています。
YAB(山口朝日放送)
30ページの、「生活維新」の「やまぐち版ネウボラ」。これ、どういう要望があって、作られるのかという、その狙いとか、今後どのように展開していくのか、教えていただければ。
知事
そうですね。子育て支援をしていく上で、もちろん私たちこうやってきたような、保育料の軽減とかですね、経済的な面での支援も要りますけど、実際その、いろんな助言とかサポート、そういった体制っていうのがやっぱり必要なんですよね。そういったものをできるだけきめ細かく対応できるものにしていかなきゃいけないということで、国全体ではネウボラというですね、いろんな相談、子育てに関するいろんな相談に応じて、いろんなサポートができる場として作っていこうということをやっています。われわれもですね、いろいろとニーズの把握とかもしていったりする中で、できるだけ身近な所にそれがあった方がいいと、あった方が、やっぱり、もちろんそりゃそうですよね。身近な所に。遠い所にあるより身近な所にあった方が、やっぱりサポートってのは直接こう、相談したりとかですね、具体的な手助けをしてもらったりということですから、当然身近な所にあった方がいい、というわけですし、それは子育て環境としては、より充実が図られるわけですね。そういったものを山口県で独自に作っていこうということで、こういった形で地域での、「やまぐち版ネウボラ」というものを作っていく。「まちかどネウボラ」ということで作っていく。そのための人材育成とかですね、そうしたことをやりながら、また、普及啓発も、キックオフイベントとかやって広めていく、ということをやっていきたいということであります。
YAB(山口朝日放送)
横の拡大している、結婚応縁事業なんですけど、私も個人的に登録してもらっていて。
あんまりスピード感がなかったので、ここに書いてあるのを見ると、「スピーディーなマッチングの実現」というので。
そこが解消されるっていうことなんですかね。
知事
それは重要な問題ですね。
YAB(山口朝日放送)
その下の、「山口ゆめ花博とレノファと連携した出会いの場の創出」っていうのがちょっとよく分かんないのと。はい。
知事
これはですね、ちょっと渋滞が生じているんで、スペースをちょっと別に設けるんだったっけな。
財政課長
そうですね。全体の経費の中で、いわゆる人件費とかっていうところを、民間委託に。
知事
ああ、そうだ。民間委託に代えていって。
財政課長
その分でスペースを新たに借りることで解消を。
知事
選挙前にちょっと聞いた。経費が掛かる、それは増やせないけれども、民間の方の力を借りることで、いろいろとこう、少し広く対応できるようにしていこうということですね。だから、大丈夫ですよ。来年の今頃には。
YAB(山口朝日放送)
出会いの場を増やすということですね。
知事
それと、マッチング・サポートっていうのは、これだから、試合会場とか、ああいった所で、そういう場を。そのカップルさん。出会った。何かニコニコして聞いてますけど、出会った人たちが一緒に試合を観戦するってやつですね。
財政課長
共通の趣味とかを通じて。
知事
共通の趣味とか、花とかね、サッカーとかですね、盛り上がっていただきたいと思います。
中国新聞
ゆめ花博に関してなんですけれど、知事にとって、維新と花っていうのは、その結び付きをどういうふうに。例えば「花燃ゆ(はなもゆ)」とか、そういったものがあると思うんですけれど、その親和性について、どういうようなお考えを持ってらっしゃるのか。あまりなじみがないとおっしゃる方もいて。
知事
そうですね。それはなかなかイメージ、結び付きにくいところかもしれないですね。何といいますか、花って、まずその、「山口から開花する」って言ってますけどね、やっぱり花って、いろんなものがあって、開いて、これからももちろん明るいものでありますし、何かが実っていって開くものですよね。当然山口県も、いろいろな取り組みをして、これからどんどん花開いていかなければいけませんし、花自体そのものも人に癒やしを与えたりですね、人の気持ちを明るくしたりとか、いろんな効果があると思います。無理やり、その150年と結び付けてやるというのも、なかなか難しいっていうか、そのままだと、こじつけっぽくなってしまうので、そこをあまり言うというよりは、花博というのを一つの機会にして、山口県のいろんな魅力を発信していくということとして、位置付けているということですね。ゆめ花博って言ったら、花だけがあって、それを見るのがなんで150年だってありますけども、そこにはやっぱり、いろんな市民の参加があったり、いろんな企業の参加があったりですね、みんなでつくっていって、この山口県を活性化する。あるいは、未来の公園とか、未来の庭とか、そういう未来を感じることができるようなものが含まれている、入っていますので、花博っていう名前だけを聞いて、「ん」って思われるかもしれませんが、その中の個々の取り組みは、県内の住民とか企業の取り組みとか、これからに向けた地域づくりの、何かこうイメージができる取り組みとか、みんなが協働してボランティアとかをですね、裾野を広げていって、地域づくりの担い手を増やしていくとか、いろんなその効果といいますか、狙っている効果とかがあるわけなんですね。そういったものを、総合的に150年に結び付けていきたいと思いますし、また、会場の中でも、「150年回廊の記念式典」とか、あるいは「維新体験館」とか設けますけれども、こういったものは、ゆめ花博という会場があるから、そういった所にどんどん人を集めることができるというところがあるわけですね。だから、何も花と150年ということを1対1で結び付けることではなくてですね、そういう施策全体の中で150年と意識して、これからのことも感じたり、それぞれ考える契機になったらいいんじゃないかなと思います。
中国新聞
分かりました。
もう一つ。今年はいろんなイベントがたくさん催されるわけですけれど、来年度以降、今回の節目の年のイベント、一過性のものにならないように、知事としてどういうビジョンを持っていらっしゃるのか、お伺いできますか。
知事
そうですね。このイベントは、例えばその、花博でいいますと、そこでやったいろんな民間の方々が、試しにそこで何かお店を出してみたりとか、なんかこう、遊びの場を提供してみたりとかっていうのが、どんどんそれが実際に、そこでお試しでやってみてですね、これからつながっていけばいいと思います。また、ボランティアの活動とか県民参加の活動ってのがしっかりと根付いて、地域に展開をされていけばいいなと思います。何もこうイベント、イベントって続けていくんじゃなくて、このゆめ花博というイベントの中で、何かチャレンジをしたものが、そのまま続いて伸びていくっていうことが重要なんじゃないかなと思っております。イベントとしては、これはこれでありますけれども、何かその次に、何かこうイベントっていうのを構えているものでは今のところありませんが、例えば人を呼んでくるとか、観光とか、そういったものはしっかりと、これまでの伸びてきた部分を伸ばさなければいけませんので、それをこう減らすんじゃなくてですね、伸ばしていく、付けてきた力を伸ばしていくために、また、これはイベントと呼ばれなくて、いろんなその、魅力の発信だったりとか、誘客の促進の方策ってのは、さまざまな手段がありますから、そういったものをゆめ花博で山口県のファンになってもらった人も、さらにこう呼び込んでくるとか、増やしていくということも含めて、考えていかなければいけないだろうなと思います。
作成:山口県総合企画部広報広聴課