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知事記者会見録・平成29年11月7日実施分
日時 平成29年(2017年)11月7日(火曜日)
11時00分~11時35分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 政府要望について
- やまぐち結婚応援パスポートについて
知事
おはようございます。
今日、私からは、2点報告をさせていただきます。
まず、平成30年度の国の予算編成等に向けました政府要望につきまして、ご説明をさせていただきます。
国におきましては、安倍総理の下、少子高齢化、人口減少が急速に進む中で、「生産性革命」、そして「人づくり革命」の二つの改革の推進、あるいは活力ある元気な地方を創るために、地方創生の実現に取り組むとされています。
そして、これらを具体化するための来年度予算の編成、税制改正の作業が、いよいよこれから佳境を迎えるということになってまいります。
このため、県といたしましては、本県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」のさらなる深化や関連施策の推進を図るため、国の政策の方向が定まるこの時期を捉えて、国の政策との連携、あるいは国の予算措置等が必要なものにつきまして、関係の府省庁への提案・要望を実施いたします。
要望活動につきましては、明後日、9日の木曜日に、県議会の柳居議長と共に上京しまして、関係先へ要望を行う方向で、現在調整をしております。
それでは、要望内容について、概要をご説明いたします。
お手元に配付をしております資料のとおり、このたびの要望では、地方創生の取り組みなどを一層進めるため、特に制度拡充や財政支援等を求める18項目を「超重点要望」としています。
岩国基地関連の要望については、国策関連要望と特別要望を合わせて行うことといたしました。
また、裏面(PDF:134KB)(2ページ目)に一覧表をお示しをしていますが、国に対して、引き続き支援を求めるものや、予算編成に向けて事業採択等に係る、27項目については、「重点要望」として、関係部局で各省庁への要望活動を実施することとしています。
以上、このたびの要望項目数は、合わせて46項目となります。
それでは、まず、超重点要望について、ご説明をいたします。
1番目の「山口ゆめ花博の開催支援」につきましては、明治150年プロジェクトの中核イベントとして、山口県から新しい公園の在り方を全国に提案をするなど、これからの都市緑化フェアのモデルともなるよう、これまでにない、革新的で山口県らしい新たなフェアに挑戦をする「山口ゆめ花博」の開催に係る支援を要望するものです。
2番目の「明治150年プロジェクトの推進」につきましては、国による積極的な国内外への情報発信や、記念式典の開催などの関連施策の実施、地方が行う記念行事や明治150年を契機として将来に向けて新たに取り組む事業への支援などを要望するものです。
3番目は、東京一極集中の是正についてです。
「東京一極集中の是正」については、本県が提案をし、9月に文部科学省が正式に告示をした東京の大学の新増設などの抑制措置を恒久的なものとするための立法措置の実現と、地方大学の振興や企業の地方分散に向けた抜本的な対策などを求めていきます。
4番目は、「政府関係機関の地方移転の推進」についてです。政府関係機関の地方移転を国家戦略としてさらに推進をするということとともに、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の移転が行われた本県の優位性を生かして、衛星データを活用した宇宙利用産業の創出に向けて、「宇宙データ利用拠点」の整備や、社会モデル実証事業の実施等を要望するものです。
5番目は、「次世代産業の育成・集積に向けた研究開発拠点の形成」についてです。次世代産業の育成・集積を図るため、山口大学の先端的医療研究開発拠点形成に向けた支援や、微生物の発酵技術等を活用して、医療、環境・エネルギー分野での新たな研究開発に取り組む「山口大学中高温微生物研究センター」の機能強化に向けた支援を要望するものです。
6番目以降の主な内容といたしましては、本県産業の振興を図り、新たな雇用創出につなげていくため、県内の中小企業の持続的な成長や、水産インフラの輸出構想の推進、国際バルク戦略港湾や、山陰道の整備促進、重要港湾や幹線道路、工業用水などの基盤整備などを要望します。
また、人口減少課題に対応した若者や女性の県内定着や、安心して子どもを産み育てられる環境の整備に向けて、「働き方改革の推進」や「結婚から子育てまでの支援施策の充実」などを要望します。
さらに、大規模な自然災害等の発生に備えた防災・減災対策の推進について、要望を行ってまいります。
岩国基地につきましては、長年にわたる基地の存在に加え、米軍再編に伴う空母艦載機の移駐などにより、地域の皆さまがさまざまな不安を抱え続けること等を踏まえ、住民生活の安定確保に十分な安心・安全対策と、わが国の平和と安全への大きな貢献に見合う地域振興策について、引き続き要望します。
併せて、艦載機の移駐が実施段階に入ったことを踏まえて、艦載機移駐後の安心・安全対策の推進や、市町への再編交付金、県交付金などの地域振興策の拡充について、地元市町と連携して、特別要望を行うこととしています。
以上、概要をご説明しましたが、個々の具体的な内容につきましては、後ほど総合企画部長から説明をさせていただきます。
次に、「やまぐち結婚応援パスポート」についてであります。
県では、新婚の方やこれから結婚を予定している方々が、協賛店舗からさまざまな優待サービスを受けられる「やまぐち結婚応援パスポート」制度、愛称「ハピちょるパスポート」を、11月22日、この日は「いい夫婦の日」ということでありますけれども、11月の22日からですね、この制度をスタートするということにいたしました。
現在、結婚式場ですとか、不動産、それから引っ越し、あるいは旅行、家電・家具等、結婚の準備や新婚生活に関わりの深いですね、県内の632の店舗にご賛同いただいておりまして、さまざまな料金の割引ですとか、記念品のプレゼントなどですね、新婚夫婦を支援するサービスを提供していただくことにしています。
これらのサービスを受けるには、専用のホームページを作りまして、そこからスマホ(スマートフォン)で取得したパスポートを提示してもらうと、こんな感じで、専用のホームページがあるので、そこで取得してもらって、このようにスマホでパスポートが取れますので、これをこうお店で見せてもらうということですね。それによって、先ほど言ったいろんな所で割引とか、記念品をもらったりとかできるということですね。そういう意味では、若い人たち、結婚をこれからする人たちは、当然みんなスマホを持っていらっしゃる方ばかりだと思いますけれども、手軽にですね、これを行うことができるということでありまして、ここにあるように、結婚式場とか、ショッピングとか、あるいは旅行とか、そういったもののさまざまな優待のサービスを受けて、結婚をしっかり応援していこうということでございます。
より多くの方にですね、これをぜひご利用いただいて、少しでも結婚による経済的な負担が軽減されるように、協賛店舗もさらに拡大をして、社会全体で結婚を応援する機運を高めていきたいと思っております。この取り組みをしっかり広げていきたいと思います。
私からは以上であります。
TYS(テレビ山口)
政府要望の、岩国基地関連の件について伺いたいんですが、県交付金の拡充であるとか、市町への交付金の拡充、現時点では国から、まあ前向きにというところで回答は止まっていると思うんですが、県交付金に関しては、市町の期待も大きいと思うんですが、今回の要望で、国からどのような回答を望まれてますでしょうか。
知事
そうですね。県の交付金についての拡充の要望を、これまでもしておりまして、前向きな回答というか、感触を得ているところであります。今回もですね、また、地元の市や町の方とも、一緒に行くように調整をしておりますけれども、これから予算編成が大詰めを迎えてきますので、しっかりと、改めて、われわれとしての考えを伝えて、国の方から、より具体的な回答を、ぜひいただきたいというふうには思って、要望をしていきたいと思います。
TYS(テレビ山口)
それに対して、見通しは今どのように。
知事
見通しですか。見通しはちょっと、分からないですね。どの程度、具体的なものが今の時点で言えるのか、予算編成って大体その最後、予算が決まる時に全部発表されるものであり、その途中段階で、検討状況ってなかなか言えないケースが多いと思いますので、あまりその大きな、相当具体的なものがそこで示されるかというとですね、それは実際の予算編成の進め方からして難しい面があるかもしれませんけれども。われわれとしてはできるだけですね、今、国の方で前向きに考えていただいているものが、より具体的になればと、そういったことを期待して、またそういった思いを、われわれの思いをしっかり伝えるために、地元の市や町の方と、また議会の方とも連携をして、改めて強く求めていきたいと思っています。
NHK
今回の政府要望に当たって、要望先ですね、村岡知事と柳居議長が会われるカウンターパートは、どういった担当大臣なりになるのでしょうか。
知事
そうですね。これはまさに調整中ですので、また整い次第、皆さんにお知らせをしたいというふうに思っております。ただ、皆さんお忙しいところでありますので、どの程度調整ができるか、分かりませんけれども、できるだけこの、特に超重点要望の関係をお話するのに、できるだけ多くの方にお会いしたいなと思っております。
毎日新聞
引き続きずっと要望されている明治150年記念施設なんですけれども、来年がその150年という中でですね、要望していくというのは、かなりもう、ラストチャンスと言っていいんですかね、そういう時期に来ているのかなと思うんですけれども、特に施設の必要性だったりとか、そういったことは、どういった形でこう、例年に引き続き求めていくのか、来年だからという形で、より特別な形で求めていくのか、どういうお考えなのか。
知事
この要望自体も、この150年における対応として求めてきましたので、この施設の関係もそうですけれども、それ以外のいろんな記念事業なり、さまざまな普及についての取り組みもですね、来年を特にターゲットにして要望してきているものです。実際、国の方で、今、関係省庁を集めた勉強会といいますか、検討体制が整えられていますけれども、その中でどの程度、さまざまな取り組みが前に進められるのか、われわれとしては、これをずっと一貫してやってきましたから、ぜひしっかりと進めていただきたいと思っています。来年度の予算が一つ大きな、一番、30年の年の予算ですから、150年のまさに予算なんで、そういった意味では、この予算編成の今の段階というのが、一番大詰めの時期でありますし、重要なところだと思いますので、これまでの基調と同じでありますけれども、しっかりとわれわれとしての考えは伝えて、国の方で前向きに検討していただきたいなと思っております。
山口新聞
超重点要望の中に、昨年とアプローチの仕方は少し違えど、引き続き、東京一極集中の是正についてというふうに書かれていると思うんですけれども、地方大学の振興や、東京における大学の新増設の抑制等が盛り込まれている中で、改めて、引き続き地方が抱える課題というのは人口減少の克服があると思いますが、知事自身、その超重点要望の中に盛り込まれた思いを、改めてお聞かせください。
知事
そうですね。この東京一極集中の問題、山口県にとっても大変大きな問題ですし、これは全国の地方が同じような課題認識を持っていて、そういったことで、もちろん県としても、東京の大学の新しい定員を増やしていくことを抑制していくという思いは持っていましたが、これは全国の知事の賛同もいただいて、大きな動きができたと思っています。その結果としてですね、今、文科省の方では、一定期間、東京の方の新増設については抑制をしていくという動きになってきているので、これは一つ大きな成果だったと思っています。今回、それをまたさらに恒常的にしていただきたいということと、それと合わせて地方の大学の振興策ですよね、これを強く求めていきたいと思っています。なぜかというと、やはりですね、人口の移動というのは、人の人生の中で、一定の時期、進学時と、それから就職時なんですよね。それ以外ではですね、大きな移動はないわけです。だから、人口移動っていうのを捉えるときに、そこのところをポイントを絞って、施策を打っていく、あるいは仕組みを作っていかないと、効果的なことはできないと思っておりますので、地方の魅力を、もちろんいろいろつくってやるのもあるんですけれども、その、人が大きく動いていくところについて、何らかのやっぱり、そこについて、しっかりとした施策をですね、各地方もそうですが、国の方で打ってもらわないといけないと、そのように思っています。そういう中で、今回、一極集中の是正に向けた、一つは大学の首都圏における、東京における新増設、定員の拡充の抑制とその恒久化、それから地方大学の振興ということで、やっています。これは各大学の方も非常に真剣に、県内の大学もですね、それぞれの魅力の向上、あるいはその、大学リーグもつくってですね、県内の進学を、県内の自分たちの大学の魅力をしっかりと連携して訴えて、県内進学を進めていこうということを始めていますので、これは思いを一つにして取り組んでおります。ぜひ国の方でですね、その後押しをしていただきたいと思っておりますし、この一極集中がどんどん進んでいくのはですね、早めに早めに歯止めをかけないと、どんどんどんどん状況が深刻化していくと思っておりますので、今この地方創生という、国が力を特に入れている、柱を立てて取り組んでいる中で、ぜひこれを、政策を前に進めていただきたいと思っております。今回特に、また超重点要望として、改めて位置付けて、強く訴えていきたいと思っております。
KRY(山口放送)
ちょっと関連してなんですが、地方大学での授業料無償化を先行実施というのは、具体的にどこの大学というのがあるのかというのと、県も県立大学をお持ちですけれども、県として、そういったところも自前にやっていくというようなお考えがあるのでしょうか。
知事
県独自に県立大学だけやるとかですね、そういったところは、今のところ考えているわけではありません。これは国として、地方大学というのが、特定の大学ということではなくて、首都圏とか集まっているところに対して、それ以外の地方という意味ですね。だから、日本全国の地方の大学にそういった措置を、要は少し差をつける措置をしていかないとですね、一律に同じ制度ですよってなると、おのずと定員が東京の方に圧倒的に、人口1割の東京に、定員の25%が集中しているわけなので、おのずと集まってくるということに、これまでなっているわけですよね。そこに歯止めをかけようと思うと、相当思い切ったことをしなければいけないので、一つは制度でしっかりと増えるのを防いでいくということ、それから、一方で地方の方に誘導するために、よりそちらの方にインセンティブを効かせていくということが必要だと思っておりますので、ここで言っている地方大学というときには、もちろん制度を作って、個別にはいろんな切磋琢磨(せっさたくま)をしなければならないと思いますけれども、基本的には、地方全体の大学の方と、少しこう差をつけて、政策を導入するにしてもですね、先行して実施をするとか、そうしたことをやってはどうかと、そういった提言であります。
KRY(山口放送)
具体的に、その山口県内の大学に先行導入いかがでしょうかというようなことのもっていき方ではないということでしょうか。
知事
そうですね。個別に大学名を挙げて、ここの大学をということは、そういう段階でもないですし、国として、まずそういう制度をしっかり作ってもらって、その中で、それが実現されれば、そのときにですね、全大学一律にそれがなるのか、あるいはみんな競い合う中でやっていくかというところは、また組み立て方だと思いますけれども。今の時点で、この大学をということは考えていなくて、全国的な制度として、まずそういったものを考えていただきたいと、そういったことでございます。
中国新聞
話が変わるんですが、先日の衆院選の結果についてですけど。まず、知事の受け止めと、新しい内閣が組閣しましたけど、期待されたりすることとか、何かあればお願いします。
知事
そうですね。これまでの安倍内閣での取り組み、アベノミクス等のさまざまな政策についての評価、それからまた、今後の政策についての期待なり、今、北朝鮮情勢等ですね、いろいろと緊迫しているものもありますけれども、そういったこと、取り組みについての期待なり、そういったことの表れで、このような選挙の結果になったのではないかというふうに思っております。それで、これからですけれども、まずは、今、政府要望もそうですが、「人づくり革命」とか「生産性革命」とかいうことを進めていって、今の日本に必要となっているものについて、しっかりとした対処をしていただくということ、それから、特に地方創生の関係ですね。これは、特にわれわれ、今回の政府要望もそうですけれども、人口減少問題、少子高齢化の問題、そして地域の活力を高めてですね、これを実感のあるものにしっかりとしていくということですね、これにさらに力をぜひ入れていただきたいと、そのように強く期待をしております。
中国新聞
追加で関連なんですけど、今回、憲法改正を公約に掲げた自民党が快勝しまして、今後、国会の中で改憲も大きなテーマになってくると思うんですが、改めて知事ご自身が、この憲法改正のお考え、どういった議論が必要と思われるか、伺えますでしょうか。
知事
そうですね。議論の中身自体は、最終的には国民の皆さんが判断をされることだと思いますので、まず国会の中で、それぞれ主張、立場、考え方があると思いますけれども、しっかりと、これから議論されると思いますが、しっかりと皆さんに分かるような議論がなされていけばいいなというふうに思っております。また、中身についてですね、いろいろと議論はあると思いますけれども、今また知事会の方でも、地方自治の部分についてどう扱うのかとかですね、その辺が議論になってくると思っております。地方自治のところについても、その考え方とか、権限とか、財源の話ですとかですね、より明確にすべきと、そういう声もありますし、私もそうだなというふうに思います。その辺りもですね、知事会の中でも、また議論をされていくと思いますが、これは私としてもその一員として、知事会の中でどういった議論をしていくかというのを考えていきたいと思いますし、また、国全体の動向もよく見ながら、注視をしていきたいなというふうに思っております。
中国新聞
地方自治の在り方となると、全国知事会とか地方自治の権限の強化などの議論というのを求めて、先日要望もされてますけれど、知事ご自身も、地方自治の権限強化についての議論というのを期待されているんですか。
知事
そうですね。地方自治について、今、憲法での書き方というのは、なんて言いますか、非常にシンプルと言いますかですね、そこをもっと具体的に分かりやすくする、また、しっかりと権限とか財源とかを付与するというのは、これは私は、憲法にどうするかは別にして必要なことだと思っています。法律でやるべき問題もあるでしょうし、憲法に書いていってもいい問題もあると思います。そこは峻別(しゅんべつ)して議論しなければいけないと思いますけれども、いずれにしても地方自治をですね、しっかりと強化をしていく。特に今、いろんな課題というのは、地方、地方でそれぞれ実情によって違いますし、対応の仕方もまちまちでありますが、いずれにしても、それぞれの地域の課題を地域でしっかりと地方自治の原則の下で対処していくと、そのための権限や財源をしっかりと付与すべきというのは、基本的には私は思っておりますので、それが法律でどうするのか、予算でどうするのか、また憲法でどうするのかというところは、峻別しながら議論しなければいけないと思いますけれども、その辺の議論をしていくということは、大いに意味があると思います。
朝日新聞
本日、一部の報道で山陽小野田市に宇宙部隊のごみ監視レーダーを設置するという報道があったと思うんですけれども、県に、既に説明っていうのは、防衛省からどういうふうな内容が、どういった時期にあったのかというのをお教えいただけないですか。
知事
まず、防衛省の方からは、3月に中国四国の防衛局の方から、レーダーについて、要は必要性としては宇宙ごみ、スペースデブリと言われる宇宙ごみが急増しているとか、あるいは、衛星を攻撃する兵器が開発をされたりとかですね、そういった中で、宇宙空間を安定的に使っていくということが危機にさらされているから、それは対処が必要だということでありまして、そういったことで、山陽小野田の今、跡地が名前が挙がっていますけれども、そこに設置をするということを検討しているという話をですね、3月に中国四国防衛局から説明を受けております。
朝日新聞
その時には、北朝鮮の緊張の高まりということも背景にあるということは、触れられてないんですか、どうですか。
知事
その時に、私が直接説明を受けたわけではないので分かりませんけれども、もともと政府としては、そういった方針を決めていて、平成30年代の前半までに構築をしたいと。25年の12月に閣議決定されたものの中で、宇宙空間の安定的利用を確保するための監視について取り組みを進めるとなっておりますから、この時点だと、今のような緊張状態ではなかったのだと思います。いずれにしても、北朝鮮の問題だけじゃなくて、スペースデブリとかですね、意図的にというよりも、事故で起こってしまうこともあるわけですから、そういったものをしっかり確保しなければいけないということの認識自体は国にもあって、その時点で、国として計画の中でそういったことを進めていくと、30年代前半までに、防衛省、JAXAはじめ、政府関係機関一体となって、宇宙状況監視の運用体制というのを構築するというのが決まっているので、それに沿っているものだと理解をしています。
朝日新聞
改めてですね、知事として、こうした施設が山陽小野田市に、県内に設置されるということの受け止めというのは、どういったものがありますか。
知事
そうですね。場所として、その機能を果たすのに適切な場所ということで選んでいるというふうに聞いておりますけれども、今言ったように、スペースデブリ、宇宙ごみが増えているとか、あるいはその、衛星を落とすための兵器が開発されているとかいう中で、宇宙空間を安定的に使うことが、非常に危機にさらされているという状況、それに対して一定の対処をやるということは、理解ができます。そういう中でですね、今、山陽小野田が適地だということで考えられているということでありますけれども、いずれにしてもその必要性は、国の方でしっかりと整理をされているんだと思いますが、われわれ、住民の皆さんが不安に思うようなことがあってはいけないと思っております。これはしっかりと、近く国の方からも改めて、地元の住民の方を対象にした説明会があると、予定されておりますので、その場でしっかりと理解が得られるように説明をしていただきたいなと、そのように思っております。
朝日新聞
最後に、今回この設備に関しては、危険設備でもないということで交付金が出ないんじゃないかと思うんですけれども、これに関してはどういったものが、説明としてはありましたか。
知事
その話は、今、まだないですね。まだ、そういう段階ではないのかもしれません。
毎日新聞
11月に入りまして、艦載機の移転ですけれども、政府の説明では11月頃にスーパーホーネットが、米軍の発表の方ではこの秋にも、グラウラーという説明がありましたが、今、そのスケジュールに関して、時期、また部隊の変更とかですね、そういったことに関して、国から何か説明はありましたでしょうか。
知事
今の時点で、具体的な時期等についての説明は特に受けておりません。また、移駐スケジュールに変更があるかどうかについても、国に確認をしておりますけれども、現時点で回答を受けておりません。また、具体的な移駐時期等につきましては、確定した段階で、国から情報提供があると、そのように考えています。
毎日新聞
移転は、こういった第2陣が今度、来るということですけれども、移転スケジュールがこう進んでいる中で、一部の報道で、馬毛島(まげしま)の買収が難航しているという報道がありまして、FCLP(空母艦載機着陸訓練)の移設用施設、移転について、国から何らか山口県の方に説明とか、現段階で公表するとかそういったものの説明はありましたか。
知事
そうですね。馬毛島の話は国の方が責任を持って、地権者等としっかりと話をしていただくべきものだと思っておりますが、特段、その後、状況についての説明は、特には聞いていないですね。
毎日新聞
最後に、艦載機の移転のスケジュールは、進んでいる中で、馬毛島の買収の話というのがなかなか、われわれとしては見えてこないという状況で、艦載機の移転が終わっても、まだそういう施設がなかなか見通しが立たないという状況であれば、9月にあった厚木でのFCLPが強行されたりとか、そういった状況も岩国に同じようなことが起こりうるんじゃないかという、住民の不安もあると思うんですが、まだ、こうしたFCLPの施設が、まだ状況が見えてこないという今の現状について、知事の今のお考えというのはありますか。
知事
そうですね。その施設の建設については、国の方で、当然、一生懸命取り組まれていることだと思いますし、いろいろと地元との調整に努められているんだと思います。われわれとしては、基本的なスタンスは一貫しておりますので、FCLP等、住民に不安を与えるような訓練は行われてはならないというスタンスでありますので、それをしっかりと、これまでも言っていますが、国に対しても、そういった姿勢をこれからも一貫して取っていきたいと思っておりますし、それがしっかりと不安なく、われわれが思えるように、しっかりと施設の方も着実に建設に向けて、取り組んでいただきたいと思っております。
YAB(山口朝日放送)
先日報道で、インフルエンザのワクチンが足りていないという話がありましたが、県内で、そういった状況というのは、今、どのように把握していらっしゃるんでしょうか。
知事
そうですね。これは国全体で今年のワクチンの製造株を決めるというのを、その決定が遅れてですね、遅れた関係で、製造が通常よりも約1カ月遅れて始まったということで、ワクチン自体が、今の段階で、昨年と比べると、製造が少し遅れているという状況があります。ただ、12月ごろには、昨年度と同程度の供給数を確保できる見込みであると思いますので、最終的に不足ということにはならないんだろうと思いますけれども、今の時点を区切ると少し昨年よりは来ていないという状況があります。そういう中で、県内のワクチンがあまり過不足が生じないように、薬の卸をしている業者の方と、個別に協議をして、そういった偏在が起きないように配慮するようにお願いもしております。また、医療機関への納入状況の調査もして、偏在がもし起こるようなことがあれば、そういったことが起こらないように働き掛け、配慮等をしてもらうようにまた依頼をしていきたいと思っております。いずれにしても12月には、例年並みのものが来るということでありますので、皆さんにも特に、受ける際にあらかじめ予約してもらうということと、あとはそもそもインフルエンザにかからないように予防対策ですね、手洗いとか感染予防の取り組みに、ぜひ努めていただきたいなと思っております。
中国新聞
今日の朝日新聞さんの朝刊で、県の貸付金2億円が回収不能になっているという報道があったんですけれど、県知事として、今回の回収不能になったという対応が適正であったかどうか、どのようにお考えですか。
知事
この貸付の決定や、あるいは回収の手続き等については、適切に処理をしているというふうに認識をしておりますので、当然貸したものは本来はきちんと回収するというのが、あるべき姿でありますけれども、中にはそういった形で回収が困難になるというのも出てくるわけです。そういった中で、しっかりと手順を踏んで、手続きを適正にやるということが必要だと思っておりますので、それについては、特に何か課題があったとか、問題があったというふうには認識はしておりません。
中国新聞
結果として、2億円が回収不能になったわけですけれど、それについてはどのように受け止められますか。
知事
そうですね。これの融資自体は昭和50年代ですね。その時点での審査基準にのっとって適切に審査をして、貸付が決定されたものだというふうには認識をしております。
作成:山口県総合企画部広報広聴課