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知事記者会見録・平成29年6月8日実施分
日時 平成29年(2017年)6月8日(木曜日)
11時00分~12時14分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 政府要望について
- 「やまぐちボランティア・チャレンジデー」について
知事
おはようございます。
本日、私からは、2点報告をさせていただきます。
まず、平成30年度の国の予算編成等に向けた政府要望について、ご説明をさせていただきます。
現在、国においては、安倍内閣の下で、「人材への投資による生産性向上」を改革の中心に据えて、成長と分配の好循環をつくり上げていくとされており、地方創生については、地方の平均所得の向上や東京一極集中の是正等のため、既存の取り組みを加速化するための新たな施策により、新展開を図るとされています。
近々、「骨太の方針2017」や「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」が決定される見込みであります。今後、この両方針に基づきました来年度の概算要求等を通じまして、関係施策が具体化をされていくということになってまいります。
このため、県といたしましては、そうした検討が進むこの時期を捉えまして、本県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」のさらなる深化と、「活力みなぎる山口県」の実現に向けた諸施策の加速を図るため、国の政策との連携、あるいは国の支援が必要なものにつきまして、関係府省庁への提案・要望を実施します。
要望活動につきましては、来週13日火曜日に、県議会の柳居議長と共に上京いたしまして、関係先への要望を行う方向で、現在調整をしております。
それでは、要望内容につきましての概要をご説明します。
お手元に配布をしております資料のとおり、このたびの要望では、最終年度を迎えましたチャレンジプランの目標達成と本県の地方創生の取り組みをさらに加速・深化させるため、特に必要とする国の制度拡充や財政支援等を求める18項目について、「超重点要望」として整理をし、私から要望を行います。
また、裏面(PDF:156KB)(2ページ目)に一覧表をお示しをしていますが、国に対しまして、引き続き支援等を求めるものや、概算要求に向けた提案など、23項目につきましては、「重点要望」として、関係部局の方で各省庁への要望活動を実施することとしています。
以上、このたびのチャレンジプラン・地方創生推進要望の項目数は、合わせて41項目となります。
まず、超重点要望につきましては、新規項目として6項目を要望いたします。
1番目の「山口ゆめ花博の開催支援」につきましては、明治150年プロジェクトの中核イベントとして、新しい公園の利用・運営に向けた社会実験の展開や、ファミリー層や若者も楽しめる魅力的な会場づくりなど、これからの都市緑化フェアのモデルともなる、革新的で山口県らしい、新たなフェアに挑戦をする「山口ゆめ花博」の開催支援を要望するものです。
2番目の「明治150年プロジェクトの推進」については、いよいよ来年に迫った明治150年に向けまして、国民的な機運の醸成を図るとともに、明治150年を契機とした多様な取り組みが日本各地で推進をされるよう、国内外への積極的な情報発信や、国の関連施策の早期実施、地方が取り組む記念事業への支援等を要望するものです。
3番目は、東京一極集中の是正についてです。
まず、「東京一極集中是正のための抜本対策」として、本県や知事会からの要望を踏まえて、国において議論されている東京における大学の新増設の抑制等に関する立法措置などの早期実現や、大規模事業所の東京圏における新設・増設の制限などに関する新たな立法措置について求めていきます。
次に「政府関係機関の地方移転の推進」については、政府関係機関の地方移転を国家戦略としてさらに推進をするとともに、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の移転が行われた本県の優位性を生かして、衛星データを活用した宇宙利用産業の創出に向けて、「宇宙データ利用拠点」の整備と、産業分野等での利活用に向けたモデル事業の実施等を要望するものです。
4番目は、本県の医療関連産業の育成・集積を図るため、遺伝子情報を活用した「オーダーメイド医療」を推進するための研究開発拠点の創設や、昨年スタートした山口大学の「再生・細胞治療研究センター」の機能強化等による、研究開発拠点の形成に対する国の支援を要望するものです。
5番目は、本県でも課題となっている中小企業・小規模事業者の後継者不足を解消し、持続的な成長を支えるため、事業承継・引き継ぎ支援の拡充や税制上の措置による支援の拡充、そして県内従業員の7割を占めるサービス産業の成長に向けた取り組みへの支援を要望するものです。
6番目は、昨年、長門市で開催されました日露首脳会談を契機として、本年4月に友好・協力に関する協定を締結したロシア・クラスノダール地方と、国の協力プランに基づく新たな国際交流を推進するため、支援体制の整備や、来年の「日本年」「ロシア年」に向けた取り組み推進のための支援制度の充実等を要望するものです。
7番目以降は、昨年11月に要望した項目のうち、超重点項目として、引き続き要望するものです。
主な内容といたしましては、本県産業の振興を図り、新たな雇用創出につなげていくため、水産インフラ輸出構想の推進や、国際バルク戦略港湾、山陰道の整備促進、産業力・観光力の強化に向けた基盤整備、水素利活用による産業振興や、若者等に魅力ある雇用の場の創出などを要望します。
また、人口減少課題に対応した若者や女性の県内定着や、安心して子どもを産み育てられる環境の整備に向けて、「働き方改革の推進」や「結婚から子育てまでの支援施策の充実」などを要望します。
さらに、昨年の熊本地震も踏まえ、大規模な自然災害等の発生に備えた防災・減災対策の推進について、要望を行ってまいります。
以上、概要をご説明いたしましたが、個々の具体的な内容につきましては、後ほど総合企画部長から説明させていただきます。
次に、「やまぐちボランティア・チャレンジデー」についてです。
この「ボランティア・チャレンジデー」、略称で「ボラチャレ」と呼ぶことにしていますが、来年の明治150年を契機として、県民活動の裾野の拡大を図っていくため、これまで県民活動に参加したことのない県民の皆さんにも関心を持っていただくきっかけとして、初めて、今年度に実施をするものであります。
具体的には、7月の毎週日曜日、県内の全市町で、県民や団体、自治会、企業などの皆さまに、それぞれの地域で、さまざまなボランティア活動に取り組んでいただこうというものでありまして、そうした地域貢献の盛り上がりを、「山口ゆめ花博」への県民参加等にもつなげていきたいと考えています。
7月の1カ月間、こちらにありますこのフラッグをシンボルとして、県内をリレーしていくとともに、ボランティアのマッチングであります「あいかさねっと(やまぐち社会貢献活動支援ネット)」からもしっかりと情報を発信をして、1人でも多くの方にボランティアに参加をしていただくということを考えております。
市町におけます具体的な日程や実施内容につきましては、お手元にチラシ(PDF:1.22MB)を配っていると思いますが、そのとおりでございます。私も、「キックオフ」となります7月2日の長門市と、それから「ファイナル」となります7月30日の山口市のボランティア活動には、「Let’s(レッツ)ボラチャレ!」を合言葉に参加をして、住民の皆さんと一緒にボランティア活動に汗を流したいと思っています。
県民の皆さんには、この機会にぜひ、お住まいの市町で、この「ボランティア・チャレンジデー」に参加をされますようにお願いをいたします。
私からは以上です。
KRY(山口放送)
政府要望について、まずお伺いします。重点項目で、明治150年プロジェクトの推進をまた要望されますが、国立の記念施設の整備について、なかなか進展がみられない中で、今回も継続して要望ということなんですが、これについて改めて思いをお聞かせいただけますでしょうか。
知事
そうですね、山口県は維新胎動の地ということでですね、さまざまな歴史的な資産が、資料が多くあるわけですね。ですから、そういったものをぜひ強力に発信をしていきたいと、われわれは常々思っているわけですね。ですので、この150年を機にですね、さまざまなプロジェクトの中で、そういったことを多くの方に知ってもらうような形で、展開できればという考え方の中で、この記念施設も考えて、要望もしているところであります。そもそも国自体に、この150年プロジェクトを盛り上げていただきたいということで要望していく中の一項目としてやっているわけでありますけれども、そういった要望を重ねていく中で、薩長土肥の4県でも連携して求めていきましたが、国の方ではこのプロジェクト、150年の施策については検討体制を設けて、内閣官房の方に組織もつくって、関係省庁を巻き込んで、具体策を今考えられているということで、そのこと自体はいろいろと要望してきた成果かなと思っております。各省庁に照会なりをしながら施策を作り上げていく中では、基本的にはソフト中心ということになっているようでありますので、このハードというのは、現時点で見ると、なかなか厳しいのかなというふうな状況であるとは認識しておりますけれども、われわれとして特に従前から言っている、山口県にある資産をぜひ国全体でも改めて評価もしてもらって、国の資産とも一緒になりながら、いろいろ発信できたらいいなと思っておりますので、この要望自体は継続してやっていきたいというふうに思っております。
いずれにしましても、せっかくこの山口県が持てる歴史的な資産だったり、あるいは先人たちの思いとか情熱とか、そういったことも含めて、いかに県内だけじゃなくて県外、もっと言えば世界に発信できるかということを効果的にやっていきたいと思っておりますので、国の要望もしっかりとしていきますし、県としてもですね、県民会議もつくりましたけれども、ブラッシュアップをして、そういった方向に向けた取り組みをより多く、効果的なものをつくり上げていきたいなと思っております。
KRY(山口放送)
要望は継続してやっていきたいとおっしゃったんですけど、来年明治150年になりますけれども、今回ラストチャンスという思いでやられていることなんですか。それとも、ずっと要望は続けると。
知事
また来年はどうなるか、これがどうなるかによって考えたいと思いますけれども、150年に何をするかという施策が、来年度に向けてありますので、これから今年度中により具体的なものになってくると思いますし、基本的には来年が本番なわけですから、そこで国としても取り組んでいく施策というのは、今年度中にそろって、来年度予算等で出てくるのかなと思いますので、そういった意味では、今年の要望というのは、150年の関係では一番重要になってくるかなというふうには認識をしております。
山口新聞
政府要望についてですけれども、東京一極集中の是正についてというところで、地方における若者の雇用機会の創出とか、東京圏の若者のUターン就職の促進ということも挙がっていますけれども、これは県だけの取り組みでは限界があるというお考えなんでしょうか。国にどんな支援を求められるのでしょうか。
知事
われわれも今、地方創生の中で、県の人口流出をいかに食い止めていくかというのが最大の課題なわけですね。そういう中で、今年度の予算でもそうですけれども、Uターンの就職についてはさまざまな支援措置も講じたり、大学や企業とも一体となって取り組みを進めているわけなんですけれども、ここがなかなか歯止めがかからないというところが、大変厳しい状況であろうというふうに思っています。これが、この間、中国知事会でも議論になりましたが、各地方みんな県外流出が、人数の差はあれ、続いているわけですね。さらに言うと、東京一極集中というのが、国の方はいずれ流入・流出をなくしていくという計画を立てているわけですけれども、これが収まるどころかむしろ拡大をしているという状態があるわけですので、この拡大している部分に対応するというのを各地方がそれぞれ頑張るのはもちろんですが、ここをぐっと抑えていくというのは、国が構造的にやってもらわなければいけない部分であろうと思いますし、国としても東京一極集中の是正という目標は掲げているわけですから、積極的に乗り出していくというか、施策をちゃんとうってもらうということをやっていただかなければいけないと思っております。ですから、地方に任せて地方でというのではなくて、この一極集中を是正するために、国としての対応をしっかりとしていただきたいと思っておりますので、そういう中では、国が制度として今やっている大学の集中の是正だったりとか、企業が地方に移転する際の税制をしっかりと講じていくとか、国でしかできない部分と、あとは地方の取り組みをしっかりと後押しをしてもらうということが重要だろうと思います。各県それぞれが、うちの県、うちの県としてやる、もちろんその努力も必要でありますけれども、国としてしっかりと地方での就職というのを促す、国全体での施策というのをしっかりと作っていただくということが大変重要じゃないかなというふうに思っておりますので、そういった取り組みをですね、地方の取り組みの後押しと、国としても主体的な取り組みをしていただかなければ、そもそも国が目標として立てている東京一極集中の是正というのは流れが変わらないと思いますし、むしろ今、逆に集中はさらに進んでいるというところに対しては、何度も言いますけれど、狙っているところと逆に行っているわけですので、これをしっかりと国の方で危機感を持って取り組んでいただきたいという、そういった気持ちを持ちながら、こういう要望をさせていただくということです。
防府日報
2点ほど。まず政府要望で、ロシアのクラスノダール地方との新たな交流促進について伺いますけれども、昨日も「カイゼン」のメンバーの方が来られていろいろ具体的な話がありましたけれども、今後ですね、こういう形である程度話が出てきている中で、具体的にどういった取り組みを県として進めていっていきたいかということが1点。もう一つはですね、ちょっと話は変わるかもしれないですけれども、財務省が地方の基金ですね、それが余裕の表れじゃないかということで、基金の残高に応じた地方交付税を削減しようなんていう考えをされているというような話がありますけれども、それに対する受け止めを教えていただけますか。
知事
クラスノダール地方との協力関係を築いて、昨日は早速、カイゼンの皆さんが来られ、話もさせてもらいましたが、非常に経済的な面での交流といいますか、山口県の持てる技術なり、企業のノウハウなりをロシアの方でうまく活用したいなというふうに私は強く感じました。今回県内の企業も幾つか視察をしていただいて、そのことについても評価を、その企業の技術等につきましても評価をされている様子が分かったわけであります。私自身も、クラスノダールに行って、コンドラチェフ知事と話した時には、非常に農業が盛んな地域であるけれども、加工とか付加価値を付ける部分というのは非常に産業が弱いので、その点で、山口県との交流をすることで、それが伸びていけるような展開が図れればと、そういう思いを強く感じております。これは、山口県の企業にとってもビジネスチャンスということであると思いますので、そこがお互いニーズがマッチすれば、両方の関係、ウィンウィンの関係が築けると思いますので、せっかくそういった形で、カイゼンという民間の団体の方も間に入って、そういった取り組みを進めていきたいという思いを持たれているので、大変これはありがたいことだと思っております。これから具体的に、また両者で話をしながら、より県内の持てる企業の技術力なり、県内企業が伸びていけるような形で展開ができればなと思っておりますので、一つはそういった分野で交流ができればなと思っております。
それから、あとは大学等の関係でもですね、県立大学なり山口大学にも行っていただいたわけでありますけれども、大学の方も関心を持っているところでありますので、その学術面とか、あるいは人材面での交流ですとか、お互いの文化を理解するとか、これは考えていけばいろんな幅広い分野があるわけでありますので、関係の大学なり、関係団体の意見もよく聞きながら、お互いにとってこれだったらメリットのあるといいますか、望んだ形で交流ができますねということを、これからそういう接点をつくっていくんだろうなというふうに思っております。来年がロシア年、あるいは日本年と、「ロシアにおける日本年」、「日本におけるロシア年」という年になりますので、一つそれに向けて、ちょうど良いタイミングですから盛り上げていきたいと思いますし、国の方でも、日本におけるロシア年、ロシアにおける日本年というのを旗を振られているわけですので、それをしっかり地方の取り組みを後押しをしていただきたいなと思っております。
それから基金の話ですね。今年になって財政審(財政制度等審議会)の方で、地方財政について基金が増えているのが問題であるということをやり玉に挙げて、地方財政を圧縮しようという、そういう意図で議論を進めていこうということではないかというふうに、大変危機感を持っております。私、予算の編成をして、皆さんにも何度も説明をしましたが、山口県の基金はもう底をついてどうなるかというところでありますので、山口県から見ると、そもそもとても余裕のある状態ではありませんし、基金自体も減っているという状態でありますし、もう底をつきそうだと大変危機的な状況であると思いますので、余裕があるというのはとんでもない議論だというふうに思います。また、その地方トータルで増えているという部分もですね、これは県というより市町村の方で増えている部分が多いと思うんですけれども、これもよく分析をしていく必要があろうというふうに思います。やっぱりこれから各市町村の方でも、ますます高齢化も進んでいって、介護ですとか医療ですとか、さまざまな経費がかかる、そしてまた、どんどん人口も減っていけば、過疎地域が増えていって、それらの対策も必要になってくるということで、備えというのはいくらあっても不安が尽きないわけですね。合併が進んで、その後合併特例債等で一定の財政的な需要をカバーしていた部分がなくなって、合併の方の算定も減っていったりとか、合併してから10年以上が過ぎていくと、さまざまな財政的な切迫というのも増えていくという、そういった懸念もあるんじゃないかと思います。これは想像ですけれども、やっぱり個別によく、つぶさに見ていくということが必要だろうと思います。単に金額だけを見て、余裕があるから切ろうということであっては、あまりにも短絡的だろうというふうに思います。
それから、国と違いますのは、国は、要はお金が足らなければ赤字国債を出して財政を埋められることができるわけですね。しかし、地方というのは、お金がなければ赤字地方債というのは自由に出すことはできないわけです。そうすると基金を崩して対応するしかないということになってまいりますので、そもそも国と地方の財政的な制度の違いという部分を見ておかなければいけないと思います。その辺もよく考慮した上で、よくしっかり精査もしながらですね、評価というのはすべきであって、単にそういったものを全部度外視して、額面だけを見て評価をするというのは、あまりにも物事の一面しか見ていないということになりはしないかという懸念はしております。これはまた、知事会なり、市長会とか地方6団体の方でも大きく問題意識としては捉えて、議論をするということになると思いますので、そういった中で力強く連携して訴えていくということは必要かなと思っております。
NHK
発表内容と異なるんですけれども、今日、下関の風力発電について知事意見を提出されたということで、改めて知事の意見、お考え、受け止めをお願いします。
知事
そうですね、今回の知事意見というのは、事業者が環境影響評価準備書を作って、これに対してわれわれとしては経産大臣(経済産業大臣)に対して意見を述べるという中で、法律に基づいて行っているものです。審査に当たりましては、県の技術審査会を開きまして、住民の意見ですとか、下関市長の意見ですとか、そういったことに配慮して、そしてまた、環境影響に係る科学的な知見を基に、総合的に慎重に審査をしたわけでありまして、この審査会の答申を、私としては尊重して、このたび知事意見として取りまとめて提出をするということにしたものです。
NHK
県としては、十分に議論を尽くして、審議を尽くして提出したという認識でしょうか。
知事
そうですね。審査会をつくって、これは環境保全という観点から、専門的な審査をしていただいて、また、住民なり市長からの意見等も、これも配意をしながら総合的に審査をされたものと思っておりますので、十分な審査を尽くしているというふうに思っております。
毎日新聞
関連して、これと他の件もお尋ねしますが、風力発電の件ですね。前田市長が県知事に意見を出された際に、もちろんその意見自体は事業の可否を問うものではないというのは承知の上でお尋ねするんですけれども、当時市長は、この内容からすると事業を進めるということについても結構厳しいのかなという発言をされていたようなんですが、今回の知事意見は、その市長意見よりもさらに厳しいご意見になっているかと思うんですが、事業の進展について、何らか知事が今時点で感じていらっしゃることがあるのかという点をお尋ねしたいと思います。
それから、あと全然別の件でございますけれども、2点目が下関北九州道路の検討会が論議がようやく始まりましたが、これからの論議に対する知事としての期待とか、課題として思っていること等を整理してお聞きできればと思います。
3点目は、非常に柔らかい話なんですけれども、ワーク・ライフ・バランスの関係で佐賀県知事と宮崎県知事と、妊婦ジャケットを着た動画を作られて、それがこのほど、福岡広告協会賞の大賞を、昨日受賞されて、リーダーだった佐賀県の局長さんが昨日表彰状を受け取りに行かれたようなんですけれども、知事としてその受賞に対しての感想、それから実際に、改めてになるかと思いますけれども、妊婦ジャケットを着て家事を実際にこなされていて、感じたことといいますか、体験したことといいますか、その辺についてお聞きできればと。
知事
今回の知事意見、風力発電の関係ですけれども、これにつきましては先ほど申しましたように、審査会において、住民の意見なり市長の意見、そういったことを踏まえて、また、専門的な観点から総合的に検討して出されたものでありまして、私としてはこれを尊重し、知事意見として提出をするというものであります。その中で、これは地元の反対運動が起きている現状だったりとか、あるいは積極的に情報提供した上で、地域住民等の理解を得るように努めることですとか、そういったことは触れている、現状を踏まえて触れているところでありますが、あくまでも内容としては、環境保全という観点から、県としての法的な役割を果たしていくということでありまして、そういった専門的な見地からの評価ということでありますので、事業の可否についてこちらが判断するというものではございません。ですので、そういった意味では、当然ですね、この意見書の中にも書いておりますけれども、実際にどういった事業を進めるのかということについて、専門的な観点から申すべきことは申し上げているところでありまして、まずこれは、先に経産大臣に意見を出しますので、経産大臣から事業者に対して出されるということでありますから、われわれがこう出している意見について、的確に受け止めて、しっかりと反映をしていただきたいというふうに思っているところでありまして、今回の意見書自体は、事業そのものの可否について触れるものではなくて、あくまでも専門的な知見からの意見ということであります。
2点目は、下北道路(下関北九州道路)の関係ですね。下北道路については、われわれ従来から2県2市で必要性等、老朽化が進んでいる中で、代替性、多重性のネットワークが必要だということで、国に対して、その事業の実施について要望を重ねてきたわけです。現地に大臣も来ていただいて、必要性等についてもご理解をいただいた中で、今回そのルートや構造、事業手法等を具体的に検討を進めていくことについて、国から補助事業が認められたということでありまして、先般その会議が立ち上がったところであります。これは、実際に国の知見等が必要でありますので、国の方にもメンバーに加わっていただくことを要請しておりましたところ、これも国の方から協力が得られて、メンバーに入って、一緒に検討するということになり、大変心強く思っているところであります。事業を進めていく上で、ステップとして、まず必要性を理解してもらって、検討を前に進めるというところはクリアして、今進んでいるわけですね。これからさらに、具体的なルートとか構造とか事業手法ですとか、そういったより具体化していく上での検討作業に入ってきておりますので、まずはこれをしっかりと行って、それを踏まえて、また国に対して引き続き要望していくと、そういったステップになっていくと思っております。これをしっかりと今年度検討をして、具体的な形に仕上げていきたいと思っております。
それから、妊婦のですか、あれはですね、今回福岡の方で表彰されたということで、その取り組み自体が評価されたということは大変うれしいことであります。もともと普及啓発ということでですね、知事自らがやることによって、よりそういった意識を広めていこうという中でやってましたので、それがまた、今回こういうふうに表彰されたということによって、さらに認知度が高まるということにつながってくるんではないかと思います。そういった意味では、今回表彰を受けたことはありがたく、うれしく思っております。あれは、去年の暑い時期に撮影をしたと思うんですけどね。暑いけど、流すのは秋に流しますので、長袖で上着を着てやってくれということで、相当暑い中でやったんですけれども、時間自体は非常に何分かの動画にまとまっていますけれども、撮る作業は半日くらいかけてやったわけなんですけれども。やっぱり思ったように自分が動作ができない、物を取ったり、かがんだりとか、起き上がったりとか、靴を履いたりとか、洗濯を干したりとか、全て思うように動けないという中で、かなり体力的にもつらいですし、何よりも精神的につらいんですよね。そういう中で、特に強く感じたのは、その時に、私は妻が横にいたんですけれども、少しだけ手助けしてもらえると、ちょっとしたことでもサポートしてもらえると、もちろん作業自体も楽ですけれども、精神的には随分楽になるということを強く感じました。その時も、いろんな統計データがある中で、男性の家事・育児の参加時間が増えれば増えるほど、その世帯の子どもの数が多いという統計データがありますけれども、ちょっとした共同で一緒にやるという、精神的にも寄り添って、一緒にやっていくという部分が大変重要だなということを強く感じましたね。動画にもありますけれども、妊婦体験をやると、家事・育児を男性もしっかりと協力してやらなければいけないというのがほぼ99%ぐらい(96.7%)、そういう意識に変わっていくということでありますので、ぜひ皆さんも、もうそういう時期を過ぎた方もいらっしゃるかもしれませんが、やっていただければなというふうに思いますから。今回の表彰を通じて、より多くの人に関心を持ってもらえることになれば、実際にやったものとしては、本当にうれしいなというふうに思います。
読売新聞
政府要望の案件なんですけれども、岩国基地の安心・安全と地域振興策の実施については、5月25日に要望済みということになっていますけれども、一応、県の交付金の関係と特措法(基地周辺の振興を図るための特別措置法)の絡みでいうと、まだ保留という段階だと思うんですけれども、今度の13日の要望には、改めて知事が要望されるということでよろしいんでしょうか。
知事
基地の関係は、前回あれは今回の政府要望を前倒しして要望するという位置付けにしておりますので、今回はそのことについての要望はいたしません。
読売新聞
今回もうしない。
知事
前回やったということですね。市町と一緒になって、前回要望したということです。
読売新聞
分かりました。
それとですね、中電(中国電力)の株主総会は28日にあるんですけれども、その対応について、今年どうされるかということを教えてください。
知事
中電の対応は、毎年のことと同じなんですけれども、これまで株式の所有とそれから会社の経営というのは分離して考えて、経営への関与・参画は行わないと、そういった基本姿勢で対応してきております。今年につきましても、そういった考え方で対応していくこととします。株主として中立的な態度を明示するために、昨年度と同様に株主総会は欠席をして、議決権行使は白紙で提出をするという考えでいます。
朝日新聞
6月4日に阿武町で住民避難訓練が、ミサイル発射を想定したものが行われましたけれども、これについてですね、改めて知事の方で振り返り、総括をお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
知事
ミサイル発射が続いていまして、そういった中で、通常の災害時の対応とこのミサイル、国民保護での対応というのは違うわけですね。当然、住民の避難行動とかも違うわけです。ですので、通常の防災訓練というのは、毎年、これも先般もやりましたけれども、いろんな地域でもやってますし、県としても総合防災訓練もやっておりますが、ミサイルに特化した訓練というのをしっかりとやって、住民の方々にも意識を持ってもらいたいですし、課題があれば、われわれとしても早めに洗い出して、対応していきたいと思っております。
そういった中で、今回、阿武町で実施をしたということであります。予定していた形で、おおむね順調にいったというふうに思っておりますけれども、そういう中で、避難行動をどうするべきかということの周知をしっかりともっと、これは県というか国の方、今回の要望でも求めていくことにしておりますけれども、国の方にしっかりと住民に対して周知をしていただきたいということがあるかなと思いましたのと、あとは、建物の中に避難していく時に時間がかかる方がいらっしゃる、それについてのどういった形で対策ができるのか、あるいは、屋外放送の聞こえづらかったという声もありますので、そういった音質を向上させるというか、より分かりやすい形で放送しないと、せっかくメッセージされても相手側に伝わらないということになりますので、そういった幾つかの課題があったのかなと思っております。
また、住民のアンケートも取っていますので、これもよく分析をして、よりきめ細かい対応・対策をまた考えていかなければいけなくなるのかなというふうに思っておりますけれども、こういったことはまた改めて、来週の16日に、県内の市町を集めまして研修会を実施する予定にしております。今回得られたさまざまな成果は、しっかりと全県に及ぼしていかなければいけませんので、そういった研修会を開催して、県内全体でよりしっかりとやっていく必要があるかなと思っています。
宇部日報
東京一極集中の是正の話をさせていただいておりますけれど、今年度、超重点要望ですか、立法措置も含めた要望になっていますが、そうは言っても3年半、今の知事が就任されて、成果の方というのは見えてきた部分があるんですか。手応えを感じている部分はあるんでしょうか。
知事
人数としては、流出というのは続いております。県としては、これを減らしていこうということですね。計画を立ててやっておりますけれども、やっぱり特に県内の人口の流出はどこで一番ボリュームがあるかというと、進学時と就職時なわけですね。そこに対してしっかりと対応していかなければいけない。だから、一つは働く場所をしっかりと増やしていかなければいけない。魅力的な働く場所をしっかりと増やしていかなければいけないということであろうと思います。
そのためには、産業戦略で今ある山口県の県内産業の新しい産業を創造するための研究開発への補助、これも事業化されたものがどんどん出てきておりますし、また企業誘致も特に医療、小野薬品とかですね、テルモもまた増設する、そういった中で、また雇用の新しい場というのもできてくるわけです。企業誘致もかなり高い件数で続いて誘致の実現をしておりますし、私自身も東京、大阪等で誘致の活動も自らが会社の社長なり意思決定する幹部に会って、アプローチをして実現を図ってきているわけですね。そういう働く場所をつくっていくということ、あとは政府機関の移転、今回JAXAもありますけれども、そういったところで機関を移転して、人もセットで動かしていく。また、そこで新しい産業もつくって、特に衛星関係の解析技術を使って、新しい産業をつくっていくための前の研究会もつくって、そこで産業が生まれてくれば、また雇用も増えてくるわけですね。そういう新しい仕事の場というのをどんどんつくっていくということに取り組んでいますし、そういった中で成果も上がってきていると思います。
また、特に県内の大学生なりが県内企業のことをほとんど知らないという状態がありますから、そういった中では県内の大学をまとめて、「大学リーグやまぐち」とか、山大(山口大学)を中心とした「COCプラス」という事業の中で、企業と大学と一緒になって県内への就職を促進をしていく、企業のことを知ってもらってインターンとかもちゃんと授業の中に組み入れてもらって、知ってもらって県内にとどまるということですとか、あるいは高校生についても、インターンシップというのを増やしていくということ。最初に言ったのは、外から働く場所を持ってくること、今のは、県内の若者、学生たちに県内のことを知ってもらうということをやってきているわけです。そういったことを地道に積み上げていくということに尽きるんだろうと思います。あとは、観光とかもありますよ。いろいろと、今DC(デスティネーションキャンペーン)とかもありますしですね。観光産業というのも、また増やして、伸ばしていける分野だと思いますので、その辺もインバウンドだったり、定期便の誘致だったり、そういったことを積み重ねて達成されていくのかなというふうに思っております。何か一発逆転ホームランみたいのがあればいいんですけれど、なかなかそういったものはないですから、例えば、小野薬品の誘致でも何年もかかってやってきているわけですけれども、そういったものを積み上げていって、県内の定着に結び付けていくということを地道にしっかりとやっていくことに尽きるかなと思っています。
宇部日報
23年ぐらい前ですかね。ある意味、東京一極是正の先駆的な取り組みなのかもしれませんけど、県が全国紙の東京本社版に「東京卒業」という広告をうたれたことがあったと思うんですけど、それはまあ地方人の単なる東京コンプレックスの裏返しみたいな批判もあったんですけど、その広告の趣旨というのは、単なるUターンを促進するんじゃなくて、山口県そのものの魅力とか良さというのについて、出身者が気付いてほしいというメッセージも込められていたと思うんですけど、知事は今、山口県の魅力といいますか、それは何だと思われますか。山口県の誇れる魅力は。
知事
それは、いろんな見方があるとは思いますけれども、やっぱり暮らしやすさといいますか、私も知事になって、帰ってこっちに住んでいますけれども、非常に教育環境も整っているし、地域も非常に温かい方が多いですし、また食べ物もおいしいものがいっぱいあるわけですよね、山口県はですね。これは、結構山口県に帰ってきた人はみんな、東京で魚を食べてきた人は、山口に来ていかに魚がおいしいかっていうのは。魚だけじゃないですよ、お酒もおいしいですけどね。いろんなものがおいしいんですけども、そういったものは来て初めて分かるものというのは結構あると思うんですよね。だから、もちろんそれは空気がきれいとか、いろんなのがありますよ、自然が豊かとかですね。
あとは、都市化もほどほどですね。県内どこにいても、言ってみれば一極集中とかしている地域というのは、周辺の地域はなかなか住みにくい地域もありますけれども、山口県は割と分散型で、生活をしていく上では、どこに住んでも割と近い所に拠点があるということは利点かなというふうに思います。新幹線の駅も多いし、道路網も整備されてますし、空港も二つあるしとか、いろいろとアクセスという点でも県内全域を見ても、どこにいても、あまり不便を感じずに生きていける県なんじゃないかなというふうに思っております。
そういった意味でいいますと、山口県の魅力というのをしっかりと首都圏でも発信し、オフィスも作ってやってますけれども、移住の関係の相談もどんどん増えてきているわけですね。3年前と比べると倍以上に増えてきておりますので、山口県だけじゃないですけれども、地方の暮らしとか、地方に移り住んでいくということの魅力というのは、ここ数年で全国的にぐっと増えてきておりますし、山口県に対してもそういった関心を持っている人というのは、移住のファンというのは増えてきているわけですね。だから、そういう魅力を感じる人というのは必ずいるし、実際それが増えているというデータがある中で、しっかりとここは県もそうですけど、市町と一緒になって、受け入れの環境整備ですとか、それをきめ細かくサポートをする、今回、中山間地域づくり推進課の方にもそのコーディネーターも配置しましたが、きめ細かくサポートして、実際の移住につなげていくということは重要じゃないかなと思います。
宇部日報
そんな魅力がありながら、四半世紀前に志を持った青年が、宇部の町を出られて、東京の大学に進まれましたけど、県内は、山口大学もあれば県立大学もありますけれども、それじゃあ物足りなかったのかなと思って。
知事
私のことですか。
そうですね、それは私自身もいろいろ自分の考え方がある中で、東京に行って、東京で本当は仕事をしようと思って行ったわけですけれども、そういう中でやっぱり自分のふるさとがどんどんどんどん人が減っていって、商店街だって銀天街(ぎんてんがい)も新天町(しんてんちょう)も昔ほどの活気がなくなって廃れていくという中で、自分が地方の人間として、このまま東京で、東京のためにといいますか、自分のためにというか、働くということでいいのかという自分自身はそういう思いを持って、地方出身の人間として、地方のために何か自分としては仕事をしたいと思いを持った中で、自治省(現在の総務省)という役所に入って、地方の活性化、実際に北海道や広島市、高知県にも行きながら、それぞれの地方の活性化をする、そういった国全体の地域の活性化ということをやっていこうということで、自分としては、そういった中で山口も含めて日本の地方を良くしていこうと、そういう道に進んでいったわけです。
機会があって、今こうして知事になって、山口県のためにやってますけれども、行った時と、実際に行ってから感じていることですよね。東京に住んで、そこから見える地方とか、いかにこれが危機的で何とか何とか自分はこうしなくていいのかとか、そうした思いを持つとか、という意味では、東京に行って良かったのかなという面もありますけれども。
実際に東京に行って、この間も日大(日本大学)の学生とも話をしましたけれども、やっぱり地元の、ふるさとへの関心というか、何とかしたいという思いは非常に強くありますので、それが帰ってきて、実際に山口で活躍をしてもらうのか、いろんな形で山口を応援してもらう、それはそれぞれの人生の選択ですから、必ずこうしなさいとは言えませんけれども、そういう思いをうまく山口の活性化につなげるということも必要かなというふうに思います。
結構、県外もそうですし、海外でも、この間も中国に行ったら、中国の山口県人会があって、非常に山口のために何かしたいという思いがありますんで、そういったものをうまくつなげて、単に人口だけじゃなくて山口のいろんな産品を中国で扱ってもらうとか、そういったことにつなげることで、また山口の活性化につながりますから、必ずしも人がみんな帰ってくる、それだけしかないということではなくて、いろんな応援の仕方はあると思います。
宇部日報
地方原点ということで、今の立場から見るんですけど、前の知事の産業戦略を引き継がれて3年半、チャレンジプランも作られて、就任当初からの掲げた目標のどのくらい、今クリアされているのか、達成されているのか、例えばパーセンテージで答えるとどのくらいなんですか。
知事
それは、毎年、チャレンジプランの成果指標についての達成具合というのを出していますから、それを見ていただければなというふうに思いますけれども。
宇部日報
半分ぐらいきていますか。
知事
どうでしょうか。ちょっと確認してください。政策企画課の方でやってます。
中国新聞
岩国基地関連で三つほど。
一つ目は、岩国市長が9月議会で艦載機移転についての判断というお考えを示されていますけど、改めての質問なんですが、知事ご自身は艦載機の移転の判断は、いつ判断をしていかれるのかということと、もう一点が、先日、米海兵隊の総司令官がですね、在日米軍再編のグアム移転計画の見直しについて言及されまして、7月にトランプ政権下で初めて2プラス2もあるかと思うんですけど、再編全体のパッケージが崩れた場合にですね、艦載機移転の是非の判断にも影響されるのかどうかという知事のお考えを伺いたい。最後が、米軍機のトラブルについてなんですけど、6日ですか、岩国基地の所属機がエンジントラブルで緊急着陸をしていて、県と市の方も同日付で国や基地の方へ安全点検などを要請されたり、口頭要請されたようなんですけど、この要請内容とか事実関係について、県民・市民に公表されなかった理由について伺わさせてください。
知事
すいません、最後は何の件ですか。
中国新聞
米軍機トラブルで口頭要請を6日付で山口県と岩国市は国の方にされたようですけど、この要請内容の事実関係について、県民・市民に公表されていなかった理由について。
知事
要請内容。どういう要請をしたかというのを。
中国新聞
ええ。要請したという発表はされてなかったと思うんですが、それはなぜですかという質問。
知事
1点目の判断の時期は、市や町の方でそれぞれ議会の意見も聞いて、それぞれ判断されると思いますので、われわれは従来から言ってますように、地元の意向を尊重するという立場の中で、それぞれの市町の判断というのを踏まえて判断していきたいと思っております。今は、それを待っているという状態でありますから、あらかじめ時期について、この中で申し上げることはありません。
それから、すいません。2点目の話もよく分からなかったんですけど。
中国新聞
グアム計画、在日米軍再編の一環だったと思うんですけど、これの見直しに総司令官が言及されてまして。仮にの話になるんですけど、この米軍再編が、パッケージが崩れた場合に、艦載機移転の是非の判断が遅れるような、影響がするようなことというのはあり得る。
知事
その発言というのがどの程度のことなのか分からないところがありますので、何ともコメントがしづらいところですね。われわれとしては、当然それが変わるんであれば、また国からの説明もあるだろうというふうに思いますし、今はそういう、今の予定しているものがそのまま進んでいくという前提で考えて検討していくということであります。
それから3点目。
中国新聞
米軍機トラブルの。
知事
これはちょっと、どういう事実関係だった。
岩国基地対策室次長
これは、予防着陸でもありますし、直接岩国周辺の住民に影響したものでありませんので、特にその対応について、公表はしませんでした。
中国新聞
ありがとうございます。
中国新聞
関連しまして。岩国基地関連のことをまず1点聞きます。この間、自民党の県連大会がありまして、知事もおられたと思いますけども、その場で岸外務副大臣の方が、あいさつの中で岩国基地関連、今月中には国からはっきりしたことを聞き出すための努力をしたいという発言があったんです。県とかの要望に対してですね。それの受け止めというのはありますか。そういうもっとこうさらに引き出したいみたいなご発言だったと思うんですが、岸さんのご発言は。
知事
だから交付金の、県交付金の話とか、特措法の話とかの関係ですね。あれは、その発言自体はちょっと岸さんがどういう思いで言われたのかというのは、ご本人に聞かれるのがいいかと思いますけども、われわれとすれば、県のですね、今いただいている交付金の充実であったり、あるいは特措法の話という部分については、先般も要請をしたわけですね。そういった中で、国の方からは検討を加速していきますよという話がありました。そういった意味では、われわれの思いというのはしっかりと受け止めてもらったのかなと思っておりますので、それについての回答を待っているということであります。時期について発言があったということでありますが、今の時点でわれわれが何か国から聞いているわけではありませんので、また国の方から話があればお聞きをしたいと思っています。
中国新聞
今度は別の質問に入ります。中電による電線、公道上の電線を張る際に必要な許可を取っていなかったという問題についてなんですけども、これについては知事はどのように受け止めておられますか。法律違反等の認識がおありになるのかとかですね、ずっと昔からどうも張っていたりして、もしかしたら時効の部分も出てくるかもしれませんけども、そこら辺も含めて請求するのかとかですね、あと、延滞料なども請求していきたいのか。
それと、あと、こういう中電の企業体質をどのように知事は見ておられるのか。そして、筆頭株主でも山口県はありますので、何か筆頭株主としての立場として、中電に何かご意見を述べるようなお考えはおありでしょうか。
知事
経緯とすれば、5月30日に中電の山口支社の副支社長が県庁に来られて、土木建築部長にこの道路占用許可の申請漏れについての説明と、また謝罪があったというふうに聞いています。県道等を管理する県としては、誠に遺憾であるというふうに思っておりますので、こういったことがないようにしていただきたかったなと思っておりますけれども、中電によりますと、現在、山口県内で共架電線類で許可を得ていない箇所というのは、推定で約2万1千カ所あるんじゃないかと。そのうち、山口県の管理道分は推定で約3,700カ所ということであります。正確な箇所数を中電の方で調査をして、12月末までに完了して、確定をさせるというふうに聞いておりますので、県といたしましては、できるだけ速やかにこの数値を確定して、適正な道路占用許可申請等をやっていただきたいと思っております。ちょっとその占用料とか、そういったその先にはなってくるわけですけれども、それについても電線の設置時期等を踏まえて、また請求等をしていくことになるのかなというふうに思いますが、まずは調査をしていただいてですね、今どういう状況なのかというのを、しっかりと精査して説明をしてもらうということが先かなと思っています。
中国新聞
引き続き、これはもちろん当然いただくものはいただくという方針で、これは間違いないですか。
知事
当然占用していますので、占用料をいただくということになっていきます。
中国新聞
また、そういう、先ほどもちょっと質問しましたけども、そういった中電のですね、体質というとちょっと大げさかもしれませんけれども、そういう中電の姿勢というかこういうことがあったことについては、どのようにお考えですか。
知事
本来申請をされなければいけない部分であったんですが、今回共架のところで少し認識の思い違いというのがあったようだというふうに聞いておりますけれども、何か意図してやったものではないとは思いますが、そういう事務的な漏れという部分でありましたので、中電の方からは直接こちらに来て、謝罪ということもありました。今後このようなことがないようにしていただきたいと思いますし、これからきちんと精査の作業もしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
中国新聞
筆頭株主として、特に知事から中電に何か一言申し上げたりとかということは、お考えはありますか。
知事
当然、うちの部長の方に謝罪がありましたので、それはしっかりと自分たちの対応がまずかったというところを反省されているものだというふうに思いますので、これからはしっかりとやっていただきたいと思います。
中国新聞
あとすいません、それに関連して、筆頭株主であると思いますけれども、今後、今、県の行財政改革を、ちょうど部局の方でされていますけれども、この株というのは、保有してその配当金をもって、今も理系人材の活用の方に使われていると思いますが、この姿勢は今のところ変えるつもりはないのか、それとも売却も視野に入れたところもあるのか、どうでしょうか。
知事
これは財政トータルで考えなきゃいけないので、あらかじめ予断を持って、これは絶対どうするということは言えないんですけども、ただ、中電の株については、かなり安定的な配当が入ってきていますので、これは長期的に見て保有していく方が、トータルで見れば有利だろうというふうに私は今思っています。
ただ、いよいよ本当になくなって、今年の金がないとかいうことであると、その時には、また別の判断はあるかもしれませんが、本来はこれまで安定した配当がありますので、何度も言いますけど、長期的に見るとですね、持っている方が財政にとっては有利だろうと思いますので、それはできるだけ売らないという対応をしていきたいと思います。
毎日新聞
沖縄県知事が、移設工事の関係で、工事の差し止めの訴訟を7月にも起こすということを表明されましたけれども、今は岩国の判断が迫られているんですけど、そういった判断自体、またその判断の時期に対して、このことへの沖縄県知事の表明というのが、影響するのか影響しないのかということ、そういったこともその表明自体に対する受け止めというのもありましたら。
知事
沖縄県の知事としてのお考えで、いろいろ対応されているのだろうと思いますので、私としてそれについてコメントは控えたいと思いますが、いずれにしても、普天間の移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められないという部分は、今回の受け入れをするかどうかと併せて判断をしていきたいと思いますので、その時点での動向と、それから国がどう対応しようとしているのかということを、しっかりと整理して判断をしていきたいと思っておりますから、今回の沖縄県の知事としてのどうしようと思っているという動き自体が直接に影響するかどうかというのは、それはまた先ほど言いました、判断をする中で、これは総合的に考えていくことでありますので、その判断の中で、県としての考え方をよく整理をして対応していきたいと思います。
KRY(山口放送)
先日中国を訪問されましたけれども、改めて現地の印象とですね、今後の友好関係の在り方について、どのようにお考えかお願いします。
知事
そうですね、山東省、私は初めて行きましたが、以前の山東省を知ってる人からすると、随分と大きな都市になったという印象を持たれているようです。人口も9,900万人を超えて間もなく1億人に達するということでありましたし、もともとある市とちょっと少し近い所に新しい市をどーんとつくったりとか、地下鉄も一遍に十何本も通すような計画を今進めていたりとか、新幹線も各省内の市を高速鉄道を通すとか、非常に大きなプロジェクトも進んで、どんどんどんどん発展していくというのが、目に見えて感じられる地域でありました。
そういう中で、35年間の間、特に環境とか、経済面とか、文化の面とか、交流を重ねてきておりまして、大変そのことについても山東省の方々が評価といいますか、感謝をいただいております。山東省にいらっしゃった方もですね、また、国際交流員の方も来てもらってますが、実際山東省で活躍されている方、何人も山口県に以前いらっしゃった方にお会いをして、お話も聞きましたけれども、大変山口県との交流についての感謝の気持ちを持たれていらっしゃいました。いろいろとあるんですけど、これまでの協力・友好関係を引き継いでいき、またさらに発展させていきましょうということとともに、さらに新しい課題がそれぞれの地域で生じているので、そういった課題でも、協力できる部分はやっていきましょうということです。具体的には、一つはシニア、高齢化がどんどん進んでいるということで、私は山東老年大学という所に行きましたけれども、これは現役引退されている方の大学でして、いろいろと書を学んだり、京劇を学んだりとか二胡(にこ)の演奏を学んだりとか、いろんなカリキュラムがあって、これを3年間くらいかけてしっかりと教育をするというか、しっかりしたプログラムの下でやっていくんですけど、キャンパスが六つくらいあると言っていまして、またこれから何か広げていくという話でした。そういう方々を今度また、山口にも来てもらって、山口のいろんな文化関係の団体とか、シニアの方との交流とか、そういうのをやっていきたいという話が、今進んできております。そういう高齢化に対応したいろんな取り組みについても、もちろん情報共有をしたりとか、あるいは実際に人が交流をしていく中でですね、お互いにとっていい形で展開していこうということが動き始めてきておりますので、よりそういったものをまたこれからつくり上げていきたいなと思っております。具体的に、龔正(きょうせい)さんという新しい省長さんともそういった話もしまして、確認書も結んでまいりましたけれども、これを35年を機に、ますます成長していく地域と、経済においてのいろんな交流もより広がっていけばいいと思いますし、そういったものも後押しをしていければと思っています。
KRY(山口放送)
ありがとうございます。
YAB(山口朝日放送)
ボランティア・チャレンジデーについてなんですけど、参加目標人数はありますでしょうか。それとこれからも○○(まるまる)チャレンジデーみたいなものっていうのは続けていかれるのかということと、もう一点いいですか。今日、STUの訪問があると思うんですが、6月17日にAKBの総選挙があって、STUも立候補しているんですけど、知事は投票とかされたりするのかなと。
知事
最初の質問、チャレンジデーでしたっけ。チャレンジデーは、今、目標人数ということは特に定めずに、自主的にどんどん参加をしてほしいということで、全ての市と町で、それぞれ何をやるかというのを組み立てていただいておりますけれども、できるだけ多くの方に参加をしていただきたいと思っています。山口県でもいろんなボランティアの団体もありますし、そういったことに参加したことがない方も、こういったことで全県的にやる中でやってみようというふうに機運を盛り上げていきたいと思いますし、それを来年のゆめ花博にうまくつなげていければなというふうに思っております。ですから、当面、ゆめ花博を目指してボランティアの機運や、活動を広げていきたいという思いでやっているものであり、ぜひともいろんなPRをしたいと思ってますので、ご協力いただければと思っています。
それからSTUの訪問が今日ありますので、私も楽しみにしています。投票については、私が個別に誰かを推すということはあまり考えていないですけれども、STUの活動自体はぜひ盛り上がってほしいなと思っています。やっぱり、せとうち観光推進機構を立ち上げて、できるだけ国内もそうですし、海外から大勢の方に来てもらおうということを進めているわけですが、やっぱりまず認知をしっかりしてもらおう、瀬戸内という地域をしっかりと、それ自体を認知してもらうという部分がまず重要かなというふうに思っています。日本にはいろんな観光地がありますけれども、瀬戸内は大変穏やかな海で、大変島も美しく、非常に魅力的なものがあると思います。まだまだ発信力が弱いので、そういった意味では、いろんなツールで発信をしていきますが、このSTUというのは非常に強力な手法といいますか、そういったグループが活動してくれるというのは大変強力だというふうに私は思っております。これは国内だけじゃなくて、海外に対しても大変な訴求力があるコンテンツになるんじゃないかというふうに期待をしておりますので、いろいろグループがありますけど、その中でもこのSTUはどんどんどんどん前に出ていってですね、認知が広まって、またファンの人がどんどん増えるように、活動が大きくなっていけばいいなというふうに願っております。
YAB(山口朝日放送)
強力になってもらうためには、1票というのが大事だと思うんですけど。
知事
特定の誰かを選んでというのは、なかなか知事として難しいと思いますけれども、グループ全体をいろんな形で応援できればというふうに思っております。
YAB(山口朝日放送)
ありがとうございます。
朝日新聞
先日、茨城県の原子力研究開発機構で従業員が2万2千ベクレルの被ばくをしたという話もありましたが、そのニュースを見て、改めて放射能に対する不安というものを抱いた県民の方も多かったと思うんですけれども、今回の事故についての受け止めを、原発立地予定地を抱える県の知事としてのお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
知事
そうですね、事故が起きたことは報道で私も知っているわけでありますけれども、まず調査を国の方でしっかりとこれからされるというふうに考えております。いずれにしましても、原子力発電、これは安全性の確保というのが大前提でありますし、その考えは従来から申しているとおりでございます。この安全性の確保については、国とそれから事業者の責任においてしっかりと対応していただきたいし、安全性は不断に追求をしていくということが大変重要と考えておりますので、そういった中で、国、事業者の方にしっかりと対応していただきたいというふうに思っております。
中国新聞
すいません、ちょっと2点。まず、中電のですね、長島の予定地でボーリング調査を始めたことに対する受け止めと、ちょっと一転変わってなんですけど、レノファのマジョール新監督への期待を。
知事
これはですね、今回の調査自体は平成25年7月に新しい規制基準というのができて、今、既設の発電所はそれに基づいて審査を行われていますけれども、データ補強に関する検討を行ってきたところ、このたびの実施計画がまとまったというふうに聞いております。われわれの埋め立ての許可自体とは直接は関係ないものでありますので、それはそういった必要な調査ということでやっているんだろうなという認識を出しております。
あとは担当部局からは、環境保全措置の確実な実施等について口頭で伝達したということを聞いておりますので、そういったことをしっかり配慮しながらやっていただきたいと思います。
それから、新監督ですね。この間来られたということで、就任を心から歓迎をしたいというふうに思います。レノファは今最下位になって、ここからは上がる一方でありますから、ぜひ心機一転、これから上昇に向けて頑張ってほしいと思います。記者会見の様子を私も見てましたが、河村社長も、われわれは残留を目指しているんじゃないと、6位以内を目指しているんだという力強い発言をされていたので、心強く思っています。私も試合はちょくちょく結果なり経過というのは見ますけれども、内容的には悪いものではなかったり、惜しい試合もいっぱいありますし、個々の選手の能力というのは非常に高いと思います。これはやっぱりチームが、今負けが続いている中でですね、やっぱり気持ちをこう切り替えて、新しい監督の下で、もちろん監督にしっかりと指導力を発揮をしてもらって、チームが一丸となって伸びていっていただきたいなというふうに思いますので、ぜひこれはレノファのこれからの飛躍に大いに期待をしたいというふうに思っております。今度は、7月1日にはホームタウン、全県、全ての自治体ですけれども、一緒にレノファを応援すると。それと併せて、県、あるいは市や町のいろんな物産とか観光のPRもするわけでありますが、やっぱり県全体で盛り上げていくということがまたレノファの力にもなりますし、われわれの輪がまた広がっていけば、県全体にも元気がどんどん増えてきて、各地域の魅力の発信なり活性化にも、またそういったいろんな連携した取り組みの中で、つながっていくと思いますので、ぜひ新しい監督の下で、大いに飛躍されることを強く期待をしています。
作成:山口県総合企画部広報広聴課