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知事記者会見録・平成29年1月4日実施分
日時 平成29年(2017年)1月4日(水曜日)
10時30分~11時14分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 年頭に当たって
(「山口ゆめ花博」PRポスター) - 性暴力被害者支援システム「あさがお」の運用開始について
- 「サイクル県やまぐち」のシンボルイベントについて
- 山口宇部空港における台湾との国際連続チャーター便の運航の確定について
知事
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年一年が、報道関係の皆さまにとりましても、実り多い年になりますことを、心から願っております。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、先ほど、公務始めに当たりまして、職員に訓示を行いました。
今年は、県の総合計画であります「チャレンジプラン」の最終年度を迎えます。プランに掲げる目標の達成を図るべき重要な年であります。目に見える形で、取り組みの成果を発揮をしていかなければならないと考えています。
このことを念頭に、職員には3点の指示を行いました。
1点目は、「チャレンジプラン」の確実な実現と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の着実な推進についてです。
待ったなしの人口減少問題をはじめ、県政が直面する政策課題を「突破」していくためには、産業振興による雇用の創出、あるいは、少子化対策の充実等に向けまして、より実効性の高い施策を、最大のスピードで進めていかなければなりません。これまでの取り組みを徹底して点検・検証して、一層の見直しと改善を図り、確かな成果につながる施策へと深化させる必要があり、そして、さらに、幅広い主体の力を結集して、より大きな成果を確保していくことが重要であると考えています。
職員に対しては、このことを伝え、厳しい財政状況の中でも、チャレンジプランの目標を「突破」し、総合戦略に基づく地方創生の取り組みを加速するため、実効ある施策を構築するとともに、その重点的な推進に取り組むように指示しました。
2点目は、明治150年に向けた取り組みの推進であります。私としては、来年に迫った「明治150年」に向けて、先人たちの志、そして行動力に改めて学び、現代が直面するさまざまな困難に立ち向かっていく力強い機運を、「明治維新胎動の地」であります本県から全国へ発信したいと考えています。
記念事業の一環として来年開催をします、全国都市緑化やまぐちフェア「山口ゆめ花博」も、今後、その準備が本格化をしてまいりますし、「明治150年」という大きなテーマのもとに、観光をはじめ、幅広い分野での一体感を醸成し、高い相乗効果を上げることができるように、全庁を挙げた取り組みを指示いたしました。
なお、山口ゆめ花博につきましては、このたび、PRポスターを作成いたしましたので、お知らせをします。
今回のポスターは、まずは山口ゆめ花博を知っていただくために作成したものでありまして、シンボルマークの「花」をかたどって、大変ワクワク感があって、いろいろな楽しいものが集まる、そういった大会であることを、このポスターでしっかりとイメージをしていただきたいと、そういった思いを込めて作っております。
これから、このポスターを活用しまして、山口ゆめ花博を多くの方々にしっかりとPRするとともに、開催に向けた諸準備を着実に進めていきたいと考えております。
それから、3点目は、安心・安全の確保です。
県民の安心・安全を守るためには、いつ、どこで起こってもおかしくない災害などの危機的な事態に対して、万全の備えをしておくということが必要であります。防災・減災対策につきましては、先般取りまとめました方向性に沿って、各対策を具体化し、速やかに実行へ移すとともに、どのような事態にも迅速・適切に対応できるよう、職員一人一人がそれぞれの立場で、十分な心構えと備えに努めることを改めて指示したところです。
今年は、まさに、県づくりの成果が求められる年と考えています。これまでの実績の上に立って、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、引き続き積極果敢に取り組んでまいりますので、県民の皆さまの一層のご理解とご協力をよろしくお願いします。
次に、性暴力被害者支援システム「あさがお」の運用開始についてであります。
11月の議会で答弁したところでありますけれども、性暴力被害者支援システム「あさがお」につきまして、お手元の資料にありますように1月23日、月曜日の午前9時から運用を開始いたします。
相談専用ダイヤルは「083-902-0889」、「おはやく」という番号になっています。
相談は、祝日・年末年始を除きまして、9時から、平日は22時まで、土日は18時まで、女性の相談支援員が対応をいたします。
被害に遭われた方に寄り添い、支えとなって対応していきますので、まずは「あさがお」に相談いただきたいと思います。
資料もお配りしておりますが、このようなものも作成しておりますので、ここに、番号とか、電話をすると、どういったような相談が受けられるのかということも書いておりますし、また、それに併せて、さまざまな費用の助成等ですね、必要に応じて、医療費とか、カウンセリングですとか、弁護士の相談費用とかですね、そういったものを助成する制度があるという紹介もしていて、また、いろいろと必要な情報も書いておりますので、ぜひ、こういったものを、しっかりと、われわれもできるだけ広く周知をしていきたいと思いますし、また、カードも作って、手に持っておけるように、そういったものを配布しようとしておりますので、ぜひ、報道の皆さんにもですね、こういったものをお知らせをいただければと思っております。
それから、「サイクル県やまぐち」のシンボルイベントでございます。
今年の「サイクル県やまぐち」のシンボルイベントについてですが、今年のイベントにつきましては、ロードバイクの国内最高峰のプロツアーと、マウンテンバイクの国際規格レースの、2年連続開催を目指して誘致を進めていましたけれども、このたび開催が内定しましたので、ご報告いたします。
まず、ロードバイクのプロツアーにつきましては、9月の16日、土曜日に美祢市、17日、日曜日に山口市での開催を予定しています。
美祢市でのプロツアーは、観光地のPRにもつなげたいと考えておりまして、主催団体でありますJBCF、これは、全日本実業団自転車競技連盟、JBCFに秋吉台でのロードレースを提案したところ、先方から「他にはない素晴らしい景観の中でのレースであって、ぜひ開催したい」と、そういったことで、開催が実現しました。
山口市では、昨年に引き続きまして、パークロードでクリテリウムを開催する予定であります。観光地でのロードレースと街中でのクリテリウムという、見る人にとっても魅力ある組合せのレースが実現できたと思っております。集客面はもちろん、「サイクル県やまぐち」のアピールという面でも、大きな効果が期待できるというふうに考えています。
マウンテンバイクのレースにつきましては、10月8日の日曜日、昨年と同様に、山口市の十種ヶ峰で、ダウンヒルの国際規格レースを開催いたします。
昨年のイベントの内容や運営が高く評価されまして、今年はレースのグレードが一つ上がることになりました。
シンボルイベントにつきましては、これから開催に向けて準備を進めていきますけれども、サイクルスポーツファンのみならず、観光客も呼び込んで、イベントの開催を観光の振興や、地域の活性化につなげていくことができるように、開催地ともしっかり連携して取り組んでまいります。
最後に、国際連続チャーター便の運航についてのご報告であります。
年末には、私自身が訪韓してのトップセールス実施について報告しましたけれども、今回は、山口宇部空港初となります台湾との双方向の国際連続チャーター便の運航確定についての発表であります。
昨年の4月に、私自身も台湾に行きまして、トップセールスを行いました。その成果として、チャイナエアラインが、山口宇部空港と台湾との間の国際チャーター便を新たに12本運航することとなって、これまでに既に7本が運航されています。
この年末年始には、12月30日から1月2日の3泊4日でチャーター便が運航されまして、山口県からは、ほぼ満席と好調な利用状況であったというふうに承知しております。
このたび運航が確定しました3月下旬からの双方向の連続チャーター便については、8月に発表した際には、「計画中」ということで、具体的な日程については、その段階で決まっていなかったわけでありますけれども、その後事務レベルで確認を行いながら、私自身も11月にチャイナエアラインを再度訪問して、何(か)会長に対しまして「具体的な内容の早期決定」を直接要請してきたところであります。
そうした結果、昨年末に、チャイナエアラインから、「3月23日の木曜日から4月9日の日曜日の期間に、山口宇部空港との間で5本の連続チャーター便を運航することを確定した」と、そういった連絡がありました。
3月下旬から4月は、台湾の皆さんに人気の高い日本のお花見のシーズンに当たっております。インバウンド需要が期待できますことから、ぜひ多くの方々に本県を訪れていただいて、県内の桜の名所など、さまざまな観光地なども堪能していただきたいというふうに思っております。
また、台湾からだけではなくて、山口県からも利用できる双方向での運航でありまして、山口県から台湾へのアウトバウンドにつきましても、これからいろいろな旅行商品が造成されて、そして販売されていくということになりますので、ぜひ、このチャーター便を利用して、春の台湾を多くの県民の皆さまに楽しんでいただきたいというふうに思っています。
県としては、今後も将来の定期便を視野に、台湾との間でもこのようなチャーター便の実績を重ねていきたいというふうに思っております。
私からは以上です。
中国新聞
サイクル県やまぐちのイベントについてなんですけれども、去年初めてこういう形で、パークロード沿いで開催されていますけれども、集客の面ですね、人数が少ない時間帯もあったように見受けられたんですけれども、どのように集客を、今回、時間もあると思いますけれども、どのように集客をしていきたいと思われますか。
知事
そうですね。PRなんかもしっかりやっていかなければいけませんし、実際に来て見られた方はですね、非常に迫力もあって楽しかったと言われるんですが、まだ、去年は初年度でもありましたし、よく分からない中でですね、そもそも情報自体が十分行ってなかった面もあるのかなと思いますし、また天候も悪かった面もあったので、そういった面もあるとは思いますけれども、いろいろと去年、われわれとしても初めてやった、その取り組みの結果も踏まえて、今年またしっかりと、このイベント自体を盛り上げていきたいと思っております。競技団体の方もですね、非常に高い評価をいただいておりまして、ぜひ継続してやりたいということと、今年美祢の方ではまた新しく開催をすることに、開催地として美祢市の方でもやることになりましたけれども、そういった観光の面とかですね、そういうことも含めて楽しんでもらえるイベントにしたいと思っております。レース自体もそうですけれども、実際県民の方が来て、いろいろと楽しめるようなイベント、これをぜひ作っていきたいと思っております。昨年も作っていたんですが、雨でいろいろと中止になったりとかあったのでですね、それ自体が検証できなかったというところもありますけれども、そういったことはしっかりとうまく組み込んで、多くの方が来て、実際にこの自転車の楽しさを知ってもらって、関心を持ってもらいたいし、自分から何か触れ合うイベントとかそういったものもですね、これも昨年、キッズのイベントとか用意したんですけれど、それもできなくなったりもしましたが、一つは天気がよければいいなと思いますし、なかなか悪天候だとできないことも、制約もありますので、難しい面もありますけれども、そこはしっかりとした準備をして、2年目ですからより多くの方に来ていただきたいと思います。
中国新聞
それに関連してですが、ここのパークロードの所ですね、県庁の中は、今年はしない予定なんですかね。
知事
そうですね。県庁の中は、今年はですね、しない予定。その分がだから、美祢の方のレースになっているということですね。少し長いコースの方がいいという先方の意向もあってですね、長いのと短いクリテリウムですね、その組み合わせが、連続しているレースとしては両方あった方がいいというようなこともあるように聞いておりますが、われわれとしてもせっかくレースがありますので、この藩庁門トライアルもそれはそれで面白かったんですけれども、しっかりと山口県の走る魅力を多くの方に知ってもらうという意味でも、美祢というのも適地ではないかと思っていて、提案もしたところですね、向こうの方からも、ぜひ美祢での開催を希望するといいますか、そういった景観の中でレースができることは素晴らしいので、自分たちとしてもぜひ開催したいという話がありましたので、そういった形に今回はさせてもらっています。
KRY(山口放送)
2017年、今年ですね、空母艦載機の移転の一つの目安とされていると思うんですが、今後の移駐に向けての現時点の見通し等ございましたら、お願いします。
知事
そうですね。まずわれわれの方では、地元の市や町の方とですね、しっかりと話を、これまでも重ねてきて、基本的なスタンスとしてですね、安心・安全の確保、それから地域振興策、こうしたものがしっかりと満たされた先にですね、移駐の容認という話があるということでありますので、国の方から今、具体的なスケジュール等まだ示されていない段階でありますけれども、そこがしっかりと満たされるということが、まずは必要な条件であるということでありますから、その点を引き続き、これまでも国に対して求めてきましたし、先般、防衛大臣の所に行った時も、岩国市長と共に私の方からもそこについての話をさせてもらいましたので、そこの動きがどうなるのかという部分をしっかりと見極めていくということになろうかと思います。
KRY(山口放送)
地元負担の増えないようにというのは、検証していくということですか。
知事
基地負担が増えないということ、まず基地機能の強化に当たるかとか、そういったことについてはですね、以前、一定の整理をしておりますので、今後容認に向けて、後は地元が理解するかどうかというところだけになっているというのがわれわれの考え方です。ですので、そこの部分で安心・安全対策、それから地域振興策がしっかりと満たされるかどうかというところがポイントになると思っております。
KRY(山口放送)
それと、先ほど今年の位置付けのお話をされたと思うんですが、知事、任期の最終年度になりますけれども、その先の、現時点の見通し、どのようにお考えでしょうか。
知事
その先については、現時点では、まだ何も考えてないです。今は、今日も訓示で言いましたが、私知事になってから、このチャレンジプランを作って、今の県の抱えている課題、これをしっかりと突破していこうということでプランを作って、最終年度になりますので、これをしっかりと成果を上げるようにですね、仕上げの年として、全力をかけていきたいというのが今の気持ちです。
KRY(山口放送)
いつ頃までにその見通しを。
知事
それは分かりません。今は考えてないです。
KRY(山口放送)
ありがとうございました。
防府日報
台湾のチャーター便のことでお聞きしたいんですけれども、今回4月9日までの分が決まったということで、これも韓国の時と同じ、どちらかというと秋から冬にかけての就航になってますけれども、来年度以降、例えば、夏とかですね、違うシーズンの就航を考えられる予定はあるのか、お伺いしたいんですけども。
知事
そうですね。これは先方との話になりますので、一番お互いにとって送客がいい時期がいつかということを考えながら、また向こうの機材繰りの関係とかもありますので、こちらがこの時期がいいということで話をするということでは、今進めているわけではありません。実際に台湾との間ではですね、これまでほとんどチャーター便と言っても年に1便だったり、そういった細々とした、言って見ればそういった取り組みだったわけですけれども、これに今回、12便ということでですね、大いに充実したわけです。ですから、これを実際に運航させてみて、その結果でもって、どういったところに実際に需要が高いのかとか、どういった観光地が非常に人気があるのかとか、そういったところを見極めながら、どの辺がじゃあ狙い目かということは、これはわれわれもしっかりと検証をしていかなければいけませんし、当然航空会社の方もですね、これは向こうの経営に関わる問題なので真剣にそこは検証すると思っております。そういう中で、一番いい形で、このチャーター便がさらに継続をして、発展ができればいいなと思っておりますので、そういった観点で、まず今回の具体に決まったのをですね、これをしっかりと結果を出して、それを先につなげていきたいと思っています。
防府日報
年末の会見の時に、韓国に関してですね、冬ダイヤをまずしっかりと定着させるという形でしたけれども、例えば、冬は韓国、夏は台湾とか、そういったようなたすき掛けで戦略を描いていくとかは。
知事
まあ、そういうのはあるかもしれませんよね。実際に韓国の方は、チャーター便の実績からしても、冬の方に非常にニーズがあるわけですね。それは、韓国が冬は非常に寒くて、この暖かい山口に、日本全体がそうでしょうけれども、冬の方が旅行の需要があるということがありますので、そこがコアな部分になって、これからもいくのだろうというふうに思いますけれども、それ以外の時期もですね、せっかく空港があるわけでありますから、多くの方に一年間通じて来てもらってですね、実際観光需要としても、インバウンドもですね、特定の時期に集中するというよりは、通年、安定してあるというのが、もちろん望ましいわけでありますので、そういった形で実現をすればもちろんいいなというふうには思っております。
そういった意味で言いますと、その辺の時期についても、今回連続チャーターの方は、韓国の今の冬の定期便の後、ちょっと重なるかもしれませんけど、若干後の方になるのかなと思いますけれども、そういう意味では時期的にずれている部分はありますけれども、もっともっと充実してですね、最終的には1年間通じて、国際定期便が就航が実現すればいいなというふうに、そういったイメージを持ちながらやっているところではあります。
防府日報
はい、分かりました。
NHK
今回の年末年始、山口県どんなだったなあと、ちょっと振り返ってみて。
知事
そうですね。私一番心配したのは、2年前、鳥インフルエンザが起きたので、報道の皆さんもすごく心配したんじゃないかと思いますけれども、そういった意味では、事前にいろいろと、それぞれ注意喚起もして、チェックもよくして、必要な所には消毒とかも主体的にやっていただいてですね、一番心配していた事態はですね、なかったわけでありますけれども、ただ、実際に宮崎とか熊本とか広がっているので、全然その注意を怠ることはできなくて、これからまさにしっかりと、引き続きですね、やっていかなければいけないだろうと思います。年末年始は特に大きな、そういった意味では、事故とか災害ということもなくて、平穏でよかったかなというふうには思っております。
毎日新聞
先ほどの訓示の中でも、明治150年に向けて、相乗効果を高めていくことに全庁を挙げて取り組んでいくということでしたが、知事のイメージされる観光以外の分野での幅広い分野での取り組みということで、どういったことがイメージというか、こういった分野でも明治150年に向けて連携できるんじゃないかとか、イメージされることがあれば、教えていただけますか。
知事
そこはですね、具体的な形を作っていくのは、これから全庁的に議論をしてやっていきたいと思います。さまざまな分野はあると思っております。この「ゆめ花博」もありますので、この中でもひとつ明治150年ということも意識しながらいろんな発信が、せっかくこの集客するイベントがちょうどありますし、きらら博記念公園も使って、大変大きなイベントでありますから、そういった中で明治150年をどう入れ込んで発信をしていくのかということを、全庁で連携をしてやっていきたいと思っております。
この緑化ということももちろんそうなんですけれど、それを少し超えても150年という中でせっかく集客をする、全国からもですね、ファンの方もいらっしゃいますので、そういう中でいろんな発信ができればいいなと思っておりますし、観光も当然絡めながらやっていきたいと思っておりますけれども、150年というのがですね、われわれこの去年、おととしは、世界遺産の登録もあって、幕末もそうですし、明治以降の近代化においても、山口県というのは大変重要な役割を果たしたわけです。世界遺産の登録を通じて、県民の多くの皆さんもそういった素晴らしいわれわれの歴史なり、実際に活躍した人物や志について、知ることもこういった機会が増えたと思っております。そういうタイミング的にも単に150年という、たまたま年数がそこにきたというだけじゃなくて、世界遺産登録とかそういったものも、実際追い風になってきているだろうと思っております。
今、日本全体も大変いろんな課題もありますし、そういった中で政府としても改めて明治からの歩みをしっかりと学んでこれからにつなげていくということも、これもわれわれのずっとかねてから要望したことも実現をして、政府全体でも取り組んでいくということになったわけであります。
例えば、明治以降の新しい日本をつくっていった若者とか女性とか、さまざま活躍をした人物にしっかりとスポットライトを当てていくということを国の方でも考えていくということで、それも素晴らしいことだと思います。われわれ、山口県も非常に明治維新、そして明治以降も日本の近代化に大きく貢献をした、さまざまな分野で貢献をした人材を大変多く輩出をしているわけですね。そういった方々の志とか行動力とかですね、足跡、しっかりと改めて学んで将来につなげていくということも重要だと思っております。
そういった意味で、イベントとかもそうですし、実際そういったことを学んで将来につなげていくような、これは教育の面なのか、どういった形でやるのかというのはありますけれども、生涯学習とかいろんな方法があると思いますけれども、そういったものは一つ重要な要素になるかなというふうに思っております。一つのイベントとして大きく発信するということも大事ですし、将来につなげていくという部分ですね、これから育っていく若い人たちにそのことをどう伝えていくかということを改めて大きく進めていく、大変大きなチャンスかなと思ってはおりますので、その辺ですね、要するにこの機会にいろいろと、こういう集客に合わせて発信をするのと、将来つなげていくという部分とですね、そういう二つの観点を持って取り組んでいきたいなというふうに思っております。
NHK
改めまして、今年、先ほど重要な年だということで成果を上げていかれたいということですけれども、去年は確か飛躍の年にされたいとおっしゃったかと思いますが、今年はどんな年にされたいというのは。
知事
そうですね。これは、チャレンジプランの最終年度ということであります。
私ですね、選挙の時から「突破、突破」ということを言ってきたんですけれども、山口県にあるさまざまな課題、人口減少、そういった中で非常に将来的に山口県全体が縮小していって、経済面でも生活面でもさまざまな支障が出ることが予想されるわけですね。
しかしこういった中で、しっかりと地域を元気にして、この壁を突破していかなければいけないと思っております。そういった意味で、今年「突破」ということをキーワードにしてやっていきたいと思いますし、先ほど、職員の訓示の中でも、その壁を突破をしていくと、そういったことを力を入れてやっていかなければいけないという話も申し上げたところです。
このチャレンジプランの最終年度に当たってですね、県政が今抱えている、県が直面しているさまざまな課題をしっかりと、困難を突破をして、着実な成果を、そして大きな成果を上げる、そういった年にしていきたいと思っております。
NHK
なかなか突破する壁って、厚そうですか。
知事
そうですね。もちろん人口減少とか、これはずっと山口県だけじゃない全国の地方が同じように抱えている問題で、同じようにどこの県も、一部の大都市を除いては苦しんでいる問題だと思っておりますが、そういった中で、われわれは将来を見据えてしっかりと地域をつくっていかなければいけない。
そのためにやるべきことはさまざまあるわけですね。それがチャレンジプランの中に書いているもろもろの取り組みであります。これをしっかりと進めるという方針を持って4年間進めてきたわけでありまして、それが最終の年になるということでありますから、実際にもう成果が出てきているものもありますし、もう少し力を入れてやることによって花が開いていく部分もあると思います。そういった部分ですね、仕上げの年として、これから予算編成も佳境を迎えますけれども、効果的な取り組みをしっかりと、これは全庁挙げて検討して、結果の出る良い取り組みをしていきたいと思います。
山口新聞
先ほどの訓示の中でも、幅広いの主体の力を結集するために、これまでに作ってきた新しい仕組みをフル稼働させたいというのがありましたけれども、幅広い主体に参画を促していくためには、県政への理解を深めてもらうとかですね、目標を共有するとか、そういうことが必要だと思うんですけれど、知事はそれをどういうふうに進めていきたいとお考えでしょうか。
知事
例えば、経済の問題でも、今、「一億総活躍」等と政府も言って、働き方改革とか、あるいは大学への進学とか就職とか、県内への就職・定着とかっていうこと、それから子ども子育ての環境とかを考えても、県だけが頑張ってできるものではないわけですね。さまざまな主体が同じ方向を向いてしっかりと手を取り合って、それぞれが役割を、同じ方向を向いて果たしていくと、それぞれの役割を果たしていくということがなければですね、成果は上がらないというふうに思っておりますので、そういった意味では、例えば、大学で言っても、COCプラスの枠組みだったり、大学リーグやまぐちだったりですね、これは県内への進学、そして県内への就職、これは企業も巻き込んだ形で、取り組みを始めているわけでありますし、また働き方改革でも労使が一緒になって、また、それ以外の有識者の方とか、大勢いらっしゃいますけれども、関係者が一堂に集まってやっていくということも進めていかなければいけないわけであります。
また、子ども子育ての環境づくりでも、もちろん第3子の保育料の軽減とか、不妊治療費の助成の拡充とか、県としてやるべきもの、厳しい財政状況の中でも進めていますけども、それだけでなくて、例えば子育てのサポートをするサポーターバンクだったり、あるいは企業の方にも寄付をもらいながら、子ども子育て応援ファンドだったり、住宅メーカーとか、不動産会社とかに協力してもらいながら、三世代同居・近居とか、そういったもの、とにかく行政が予算を付ければそれで進むということではなくてですね、やっぱりそれぞれ構成主体がしっかりとその取り組み自体をやってもらうということをしなければ、取り組みの成果が上がらない、そういった課題ばかりなんじゃないかと私は実は思っているんですけれども、そういうことで、枠組みも作ってきたわけでありますから、そういったものをしっかりと進めて、取り組みを具体化して進めていかなければいけないというふうに思っております。
COCプラスだとか、大学リーグやまぐちだとか、働き方改革推進会議とか、これはまだ昨年できたばかり、COCプラスは一昨年、できたものであります。これから具体的な取り組みをしていくことになりますので、そういったところをよく意識をして関係者をしっかりと巻き込みながらやらなければ取り組みの成果が実質上がらないと思いますので、そこは意識してやるようにしてまいりましたし、職員にも改めて知事訓示の中でも申し上げたところです。
中国新聞
先ほど少し話がありましたが、艦載機の移転について少し話を伺います。まず、三つの基本姿勢とですね、二つの基本スタンスについて先ほど言及があったかと思うんですけれども、その今後移駐に関してですね、移駐の容認の是非の判断と、それから移駐の時期についての判断が、どういう形でですね、別々の形で判断することになるのか、あるいは同時に判断することになるのか、何かその辺り見通しというのは、お持ちでしょうか。
知事
そうですね、順番としては、まず容認の話があって、それから時期の話ですね。時期の話が容認よりも前に決まるということはないわけでありますけれども、容認の判断については地元の意向を尊重するという中で、先ほど言いました安心・安全対策、そして、地域振興策ですね、この辺について国の方からどういった内容のものになるのか、それを地元がどう理解、受け止めるのかというところを見ながら判断をしていくということになろうと思っておりますが、時期については、普天間の移設の見通しがどうかということでありますので、それはまた国の方の動きなりですね、国の方からまだ時期の提示なり、まだ今ないわけでありますから、そういったものがどう動いていくかということによるというふうに思っております。同時になるかも知れませんし、少し後になるかも知れませんし、そこは今の段階ではわれわれが決めるというよりも、全体の状況がどう動いていくかということによると思います。
中国新聞
今お話がありました、普天間移設の見通しについては、昨年末の記者会見で少し質問が出たように思いますけれども、国と沖縄県の訴訟が一つ最高裁で判決が出まして、政府の方が工事の再開を2月にも、と出てますけれども、移設の見通しについて、現時点で立っているのかどうかについての認識というのはいかがでしょうか。
知事
今ですね、先ほど言いましたように移駐自体を容認していない中で、われわれもしていないということをですね、国の方も空母艦載機の移駐の時期等については具体的に提示をしているわけではありませんので、今の時点で普天間基地への移設の見通しが立っているか立っていないか、そういった見解をお示しをする段階にはないと思っています。
中国新聞
先ほどの基本姿勢であるとか基本スタンスについての整理が出たのがですね、ちょうど1年前の1月の岩国基地議連の会合の中で、県の方から示されたと認識しているんですけれども、その中で、県としては政府と沖縄間の普天間飛行場の移設の見通しが立つかどうかというのは、基本的には国の見解が、あるいは国の対応がどうなるかというところを注視していくことが大事で、その他の状況であるとか、沖縄県と国との争いの状況であるとか、その辺りというのは、基本的には判断材料とはならないという認識の説明があったんですけれども、そこについて知事のご見解をお聞かせしていただいてもよろしいですか。
知事
そこについて。
中国新聞
要は移設の見通しが立つというのを判断する上で、政府の対応を見ていくのか、それともそういう訴訟の動向も含めたより広いものを見ていくのか。
知事
当然政府の対応も、当然今の判決なり何なりいろんな状況の中で、対応があるということだと思いますので、最終的には政府の対応ということになりますけれど、その状況がどういう状況になっていて、それに対して政府はどう対処するのかということを見ていくということになります。
中国新聞
あともう1点。具体的な時期の話については、まだ現段階では国からの説明はないということでありましたけれども、一方で米軍の方が今年から着手したいという情報もあるんですけれども、そこについて、現時点で何か知事の方に情報としてはお持ちになっている、あるいは連絡を受けていらっしゃるということは。
知事
それはないですね。
中国新聞
分かりました。ありがとうございます。
共同通信
基地の関連で、F-35は1月に来るということで、今月中にいつ来てもおかしくないという状況になっているんですけれども、岩国市長は機体を実際アメリカで見られてますが、知事は今回基地に移駐されて来たときに、見に行くご予定とかはあるんでしょうか。
知事
それは特に予定はないですね。
共同通信
最新鋭のステルス戦闘機ということで、いろいろ機能をぱっと見ただけでは分からないとは思うんですが、安心・安全を守っていくということで、機体を自分の目で確認するというのは、県民にとっても、安心・安全を守っていくという姿勢のアピールになるとは思うんですけれども、今のところは見に行く予定はないと。
知事
そこは、先般、市長が実際に見に行かれたわけで、市長なりに受け止められた部分があると思いますし、またそこを重ねて行くということは考えておりません。
中国新聞
今の関連で。現時点で、F-35Bの配備、今月ということですけれども、今月の何日ということはないんでしょうか。
知事
それは特に今はないです。
中国新聞
分かりました。
NHK
関連なんですけれども、今年F-35B、今こちらは配備されるよう聞いてる、既に容認されてますが、さらに空母艦載機の移駐というですね、難しい課題があると思うんですけれども、そういった意味で基地の対策についても大きな動きがある年になると思うんですけれども、県民の安心・安全を守る上で、トップとしてどのように臨まれたいかという姿勢を教えてください。
知事
そうですね、このF-35Bでもですね、皆さんもご覧のとおり、いろんないきさつもあって、安全性についてもいろんな懸念が、クラスAの事故が途中で、いったん受け入れの判断をした後に判明をして、それからまた改めて確認をしてということをやったわけでありますし、F-35Bについては、改めて内容について確認をした上で、これは機体の構造上の問題があるわけではなくてですね、問題となった、事故が起こった、その部分につきましてはしっかりとチェックをする、その体制も整えられたということでもって、われわれとしては、その当初のとおり、受け入れを判断したわけでありますが、実際にですね、F-35Bだけではなくて、FA-18ですとか、またハリアーの事故もありましたし、またオスプレイの事故もあったわけでありますので、大変、安心・安全についてはですね、また懸念、心配も高まっていると思います。
そういう中で、これから空母艦載機の移駐の話が具体的に進んでくるとなると、当然そういった部分については、特にわれわれは安心・安全の確保という部分が重要でありますから、その観点をしっかりと確認していかなければいけないと思っております。国防の関係でありますから、国の考えがあり、そういったものはわれわれも協力すべきところは協力をもちろんしていかなければいけないと思っておりますけれども、他方で基地を抱えることによってさまざまな不安があったり、地域振興の上でもいろんなネックがあったりしますので、その辺りしっかりと、これは国に解消してもらわなければいけないと思っております。
従って、これは地元が要望しており、われわれも同じでありますけれども、地域振興策と、それから県民の皆さん、市民の皆さんの安心・安全の確保という部分がどういうふうになされるのかというのを、ここはよく意識を強く持って、しっかりと求めていきたいと思います。
NHK
明治150年に向けてなんですけれども、本当に去年からずっと山口が世界から注目される機会もあって、来年明治150年ということで知事も力を入れている観光にとっても、今年すごく重要な年なのかと思うんですけれども、具体的には、またさらに力を入れていかれたいという、どのような年にしていかれたい。
知事
そうですね、観光面ではわれわれ自身が、部も作って取り組みも強化をしておりますけれども、世界遺産の登録であったり、昨年末にはプーチン大統領が来てですね、山口や長門等がですね、しっかりと発信もできた一年でありますから、そういう大きな注目が集まるチャンスがあった、これをしっかりとこれから先につなげていかなければいけないので、そういった意味で今年、大変重要な年だと思っておりますけれども、例えば、今年はJRのデスティネーションキャンペーン(DC)もあり、それに向けて、昨年から全国宣伝販売促進会議等もやって、中身もブラッシュアップをして、より多くの方が来てもらえるように、今、JRの方ともしっかりと話をしながら取り組みをしております。今、こういった形で、山口について、皆さんの目に触れる機会が増えているうちに、しっかりと取り組みを効果的なものをやっていくことが大変重要だと思っております。この機を逸しない意味では、今年のDCをはじめ、またこれからインバウンドの方も力を入れて、さらにこれが広がっていくようにやっていきたいと思っておりますけれども、また薩長土肥の4県の知事連合もありますが、そういう広域でもしっかりと連携をしながら、観光面でも大きな成果をさらに伸ばしていく年にしていきたいと思います。
作成:山口県総合企画部広報広聴課