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知事記者会見録・令和3年12月27日実施分
発表項目
県内におけるオミクロン株による新たな感染確認について (PDF : 365KB)
知事
本日、私の方から、新型コロナ感染症に関連して、4点ご説明をさせていただきます。
まず、1点目は、オミクロン株による新たな感染確認についてです。
先週の金曜日、本県で初となる感染事例をご報告をしたところですけれども、本日、環境保健センターにおけるゲノム解析の結果、2例目、3例目となります、2例のオミクロン株による感染が確認されました。
まず、2例目の方は、一昨日に公表しました30代の男性の方で、海上自衛隊岩国航空基地の自衛隊員の方です。現在、県内医療機関に入院されており、発熱、咳などの症状があります。この方の感染経路についてですが、オミクロン株感染の1例目となった基地従業員の方との直接な接触はありませんが、1例目の方が利用されていた米軍基地内の施設を利用されており、この施設内で感染した可能性があると考えております。また、この方の濃厚接触者、または接触者となる同僚50人の方に対しまして、既にPCR検査を実施をして、そのうち2人の陽性が判明をいたしました。2人とも、変異株スクリーニング検査によって、オミクロン株疑いの結果が出ておりまして、現在、ゲノム解析を進めているところです。
次に、3例目の方は、一昨日に公表しました50代の女性で、現在、県内医療機関に入院されており、咽頭痛、鼻汁の症状があります。この方は、他県でオミクロン株の感染が判明した方の濃厚接触者ということでありまして、その他県の方から感染したものと考えております。また、この方の濃厚接触者3人のPCR検査を実施をし、全員陰性であります。現在、これらの方については宿泊療養施設に入所されており、現時点で、さらなる感染の広がりはありません。
今回判明した2事案は、保健所による疫学調査の結果、いずれも感染経路が推定できることから、市中感染ではないというふうに判断しております。
2点目は、本県の感染状況についてです。
現在の県内の感染状況につきましては、本日で5日連続、新規感染者が発生をしているという状況になります。先週1週間で10人の感染者数になっておりますなど、増加傾向にあります。また、複数のオミクロン株の感染が確認をされ、今後、感染のさらなる拡大が懸念をされます。本日、午前中に専門家によるモニタリング会議を開催をしまして、その中で、専門家の意見も踏まえまして、現在、県内の感染状況は「レベル1」の状態にあると、そのように判断をいたしました。
3点目は、感染拡大防止対策についてです。
感染力が強いオミクロン株の確認に加えて、これから、感染拡大しやすい時期に入るとともに、県内外での人の移動が多くなる年末年始を迎えますので、これを迎えるに当たって、今後、感染の拡大が懸念をされます。
県としては、感染拡大を抑えるためには、後ほど詳しく説明をしますが、新型コロナワクチン3回目の接種の迅速な実施が重要であると考えております。希望される方が一刻も早く3回目の接種をしていただけるように、最大限、接種の前倒しを実施してまいります。
また、新規感染者の早期発見、早期治療の観点から、県、そして市町において、相談窓口の設置や、無症状の方を対象としたPCR検査を実施してまいります。
相談窓口については、多くの医療機関がお休みとなる年末年始においても、県民の皆さまから、発熱等に係る相談に確実に対応できるように、市町において、特別相談窓口を設置をするとともに、県においても、相談センターを設置することとしています。また、県外行動歴があるなど、感染に関して不安がある場合には、年末年始も含めて、無症状の方を対象としたPCR検査、これも実施してまいります。
県民の皆さまへのお願いでございますが、体調がすぐれない場合は、外出を自粛をしていただくとともに、発熱や咳など感染を疑う症状が出た際には、速やかに、かかりつけ医ですとか、先ほど説明しました市町の特別相談窓口、あるいは県の相談センターに、お気軽にご相談をいただきますように、よろしくお願いいたします。
また、オミクロン株であっても、基本的な感染予防対策が重要であることに変わりはありません。3密の回避、そしてマスクの着用、手洗い等の徹底など、基本的な感染予防対策をしっかりと行っていただきますように、重ねてお願いをいたします。
特に、これから、人の移動や会食の機会が多くなる年末年始を迎えることになります。万全の感染予防対策を講じた上で、混雑する日時・場所をできるだけ避けるように努めていただきたいと思います。また、外食する際には、感染防止対策に取り組む「やまぐち安心飲食店」等を利用して、飲食店から求められる感染防止対策には協力をしていただきますようにお願いいたします。
県民の皆さまには、感染状況を現状よりも悪化させないように、引き続き、気を緩めることなく、慎重な対応をお願いいたします。
4点目は、ワクチン3回目接種の前倒しについてです。
今般、国においては、医療従事者や、重症化リスクの高い入所者が多い高齢者施設等については、2回目接種完了からの接種間隔を、これまで8カ月以上だったところから2カ月前倒しをして、6カ月以上で追加接種できる、そうした方針が示されたところであります。
まず、モニターにもありますけれども、医療従事者につきましては、今月1日から、コロナ患者の受入医療機関を皮切りに開始をしております。12月23日現在、全体の半数を超える約3万2千人の接種が終了をしているところでありまして、この状況は全国で一番早く接種が進んでいるという、そういう進捗であります。順調に進捗をしているところです。
こうした中で、この度の国の方針を踏まえまして、2月に予定をしておりました保健師、救急隊員等の接種、これを、医療従事者は上の方に書いております、上の方が当初ということですけれども、2月に行うことにしておりましたが、これは今言った保健師ですとか、救急隊員等の方でありますが、これを1カ月前倒しをして、1月に前倒しをして行うことといたしております。この結果、全ての医療従事者について、1月中には完了するように取り組んでまいります。
次に、高齢者施設等の入所者・従事者についてです。
高齢者施設につきましては、重症化リスクの高い方が多いこと、そして、ひとたびクラスターが発生をしますと、医療提供体制に大きな負荷が生じます。こうしたことから、これらの施設の入所者等に対して、可能な限り接種の前倒しを行ってまいります。実施に当たりましては、国からのワクチンの追加配分計画を踏まえ、まずは、より介護度が高い特別養護老人ホーム、また老健施設等を優先して、順次、接種を進めることとしております。
また、その他の一般高齢者については、2月からは、原則1カ月前倒しをして、7カ月経過した方を対象に接種を進めていくこととしております。全ての高齢者への接種の完了は、当初の4月末から前倒しをして、3月末での接種完了、これを目指していきます。
この前倒しに伴いまして、2月の接種対象者は、当初予定していた人数から約2倍に増加をすることになります。このため県としましては、県の広域集団接種会場を、県央部、それから県東部、県西部、この3カ所におきまして、2月の第1週から毎週土・日に開設をして、市町の接種体制を支援してまいります。
感染力が強いオミクロン株の確認、また感染が拡大しやすい時期を迎えて、今後、さらなる感染が懸念をされます。
県としましては、引き続き、感染防止対策に全力で取り組んでまいりますので、県民の皆さまにおかれましても、改めまして、マスクの着用、そして3密の回避などの、基本的な感染予防対策、ぜひこれを徹底をしていただきますように、重ねてお願いを申し上げます。
私からは以上です。
NHK
まずオミクロン株、また2例目、3例目の感染確認が県内でされました。この土日には福岡や広島でもですね、感染が発表されていますが、改めてオミクロン株への懸念、知事のご所感をお伺いできればと思います。
知事
はい、そうですね。オミクロン株、政府の方でも水際対策をこれまでよりもかなり強化をして、危機感を持って取り組まれているところでありますけれども、やはりいろんな形で国内にじわじわと入ってきておりまして、大都市部だけではなく、この周辺にもですね、福岡、広島でも感染が確認されました。先週金曜に続きまして、われわれも今日もまた発表ということになったわけでありまして、徐々に広がってきているということに対して強い危機感を持っております。
われわれとしては、特にオミクロン株、感染力がこれまでのデルタ株よりも強いというふうに言われております。ワクチンが効きにくいという報告もございますので、このオミクロン株の感染拡大をなんとしても抑え込んでいきたいと思っております。そのためにはまず、感染経路についてしっかりと把握をする、そして分かった感染については、そこから広がらないように、速やかに、広い範囲で接触者を捉えて、PCR検査を速やかに行い、濃厚接触者については陰性であっても宿泊療養施設にしっかりと隔離をして、感染が広がらないように、この措置をしっかりと取っていきたいと思っております。
現在までのところ3例が確認されておりますが、いずれも感染ルートが推定をされる事例でありますので、県内で知らず知らず広がっているということを懸念するようなことは、今は確認されていないわけでありますけれども、まずわれわれとしてもしっかりと、市中感染が起こらないように、万全に調査や隔離というのをしっかり行っていきたいと思います。
それと、県民の皆さまには、これはオミクロン株に限らずですけれども、年末年始を迎えるに当たり、このところ全国的な感染も増えてきております。ぜひこれまでよりも一段と意識を高く持って、感染予防対策の徹底をお願いしたいと思います。
NHK
分かりました。そして今、言及のありました年末年始の過ごし方なんですけれども、現時点、感染状況はまだ「レベル1」ということですけれども、県民の方などへの行動について、県外移動等を含めて、まだ制限は特に求めないという段階でしょうか。
知事
そうですね。「レベル1」という段階でありますが、改めて申しますと、「レベル0」というのは、新規陽性者数ゼロが維持できている状態ということであります。これはこのところ、感染が日々確認されていますので、「レベル0」という状況ではなく、「レベル1」、「レベル1」というのは、これ以上感染拡大しないように、現在の感染状況を「維持すべきレベル」ということにされているところであります。この状況に至っていると、今日、専門家の会合を踏まえて判断したところであります。
県内において感染がどんどん次から次へと広がっているという状況ではありませんし、オミクロン株も、今のところ、ルートはしっかりと押さえて囲い込みをしているところでありますので、県民の皆さまに過度の心配をしていただく必要はないですけれども、ただ一方で、全国的に感染もじわじわと増えておりますし、これから年末年始を迎えて、人の往来、県をまたぐ移動というのも増えてきます。そうした意味では、これまでも感染防止対策、予防対策を、県民の皆さまにお願いしておりますけれども、少しリスクが高まっている状況を迎えておりますので、一段、意識を高めていただいて、これまで以上に3密回避ですとか、あるいはうがい、手洗いの徹底ですとか、そうした基本的な感染防止対策を行っていただきたい、より徹底して、意識を高く持って行っていただきたいと思います。
NHK
ありがとうございました。
作成:山口県総合企画部広報広聴課