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知事記者会見録・令和3年11月24日実施分
日時 令和3年(2021年)11月24日(水曜日)
13時30分~14時31分
場所 県庁2階 記者会見室
発表項目
- 令和3年度11月補正予算(案)について (PDF : 203KB)
- 新型コロナワクチンの3回目接種の開始について (PDF : 372KB)
- 「やまぐち観光振興支援パッケージ」について (PDF : 595KB)
知事
それでは本日は、令和3年度11月補正予算についてご説明させていただきます。
まず初めに、11月補正予算の規模につきましては、感染拡大防止対策、観光業の支援など、新型コロナウイルス感染症対策関連経費、そして人事委員会勧告に基づく給与改定などの給与関係費における所要の補正により、総額で15億円となります。
では、新型コロナウイルス感染症対策関連の概要についてご説明させていただきます。
現在、本県の新型コロナウイルスの感染につきましては、落ち着いた状況にありますが、冬の感染拡大期を迎え、新たな感染の再拡大が懸念されています。そのため、この冬の感染の第6波に備えまして、先般発表した本県の新たな「保健・医療提供体制確保計画」を踏まえまして、県民の安心・安全の観点から万全の体制を確保するために、今回の補正で必要な予算措置を講じることとしております。
主な内容としては、第6波における最大療養者数として算出した1400人全員を入院または宿泊療養施設での受け入れが可能となるよう、入院医療機関における病床数を16床追加し、649床を確保するとともに、宿泊療養施設を新たに開設し、930人分を確保いたします。さらに、宿泊療養者などの容体が急変した場合、入院までの待機期間に適切な医療を行う体制を確保するため、臨時の医療施設について県内に1カ所、60床の規模で設置することとしています。これらの措置により、医療提供体制全体としては、最大1639人の受入体制を確保したところであり、今後の感染拡大に対しても十分に対応できる体制を整備できたと考えております。
この他、季節性インフルエンザの流行期に想定される発熱患者の増加と、多くの人が往来する年末年始の時期に対応するため、市町との連携の下、地域の実情を踏まえた相談・診療・検査体制の強化、そして、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の迅速かつ円滑な実施に向けた体制の確保等、必要な感染拡大防止対策に取り組んでまいります。
また、感染状況が落ち着きを見せる一方で、地域経済を支える本県の観光業は、長期にわたりコロナ禍の影響が直撃しており、宿泊事業者をはじめ観光事業者は事業存続が危ぶまれるなど、危機的な状況に陥っています。
この本県観光業の大変苦しい現状を早急に回復し、本格的な復興を目指していくための支援策として、「設備投資への支援」、「観光需要の喚起」、「支援窓口の設置」の3点を柱とする「やまぐち観光振興支援パッケージ」を取りまとめ、観光事業者に対し、切れ目のないきめ細かな支援を実施してまいります。詳細については後ほどご説明いたします。
以上、11月補正予算の概要についてご説明いたしました。私といたしましては、これまで同様、県民の皆さまの命と健康を守る、このことを最優先に、引き続き高い緊張感を持って、この冬の感染拡大に備えて万全を期すとともに、現場の切実な声を反映した支援策により、疲弊した地域経済を回復、活性化させるため、今回の補正予算を通じて全力で取り組んでまいります。
続きまして、新型コロナワクチンの3回目の接種、いわゆるブースター接種の開始についてご説明させていただきます。
県では、これまでに、速やかに3回目の接種が開始できるように、接種対象者のリストアップや接種体制の確保など、市町や医療関係団体と準備を進めてきたところでありますが、先般の11月16日、国において、接種対象者や接種間隔などが正式に決定されたところです。具体的には、3回目(接種)の対象者は、2回目接種を完了した、18歳以上の全ての方で、2回目接種から、原則8カ月以上経過した方となります。
県としては、接種後、時間の経過とともに、免疫力は低下することから、感染防止対策上、ワクチンの追加接種は重要と考えており、希望される方が一刻も早く接種していただけるように、迅速で円滑な接種を進めてまいります。
記者配布資料の通り、来月の12月1日からは、医療従事者に対して接種を開始いたします。まず初めに、本県の医療提供体制を守るため、早めの接種が必要な、コロナ患者の受入医療機関や「診療・検査医療機関」、ワクチン接種医療機関の方の接種を開始して、順次、一般病院等の接種を行うこととし、来年の2月中には、医療従事者の接種が完了できるように、速やかな接種を進めてまいります。現在、市町から医療従事者の方への接種券の発送が順次行われており、接種会場となる病院へのワクチンの配送など、開始に向けた準備が順調に進んでいるところです。
そして、年明けの1月からは、各市町において、一般県民向けの接種がスタートします。接種は、まずは、65歳以上の高齢者について、1月から4月にかけて実施し、その他の一般県民の方は、概ね、3月から接種が開始される予定です。1月からの高齢者接種につきましては、大部分の市町では、まずは、高齢者施設入所者から接種が始まります。
県民の皆さまには、お住まいの市町の広報誌等で、具体的な接種券の発送日や接種の日程、予約方法等についてご確認をいただき、接種をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
県としましても、引き続き、市町や関係機関と緊密な連携の下、迅速で円滑な接種に向けて、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。今後、冬の感染拡大期を迎え、新たな感染の再拡大が懸念されますが、ワクチン接種や医療提供体制の確保など、感染防止対策に万全を期してまいります。
次に、「やまぐち観光振興支援パッケージ」について、改めて説明をさせていただきます。
長引くコロナ禍の影響を受けた本県観光の早期回復に向け、宿泊事業者をはじめとする観光事業者に対する総合的な支援策として、「やまぐち観光振興支援パッケージ」を取りまとめています。この支援パッケージは、「設備投資への支援」、「観光需要の喚起」、「支援窓口の設置」、この3点を柱として、予算総額24億円、実施期間令和4年1月から令和5年3月まで、観光事業者に対して切れ目のないきめ細かな支援を実施します。
まず、「1 設備投資への支援」についてです。コロナの時代に対応した観光地域づくりを推進するため、厳しい経営環境にある宿泊事業者が行う高付加価値化・収益力向上等を図る取り組みについて、従来よりも補助上限を拡充して支援をしてまいります。
次に、「2 観光需要の喚起」です。まず、宿泊客数が落ち込む1月、2月の閑散期対策として、12月で終了する県民限定の割引「旅々やまぐち県民割」を、GoToトラベルが再開されるまでの間、継続します。さらに、割引率30%の「やまぐち割引宿泊券」を30万枚発行し、中国、四国、九州地方を対象に販売します。
また、宿泊施設の感染防止対策は進んでいるにも関わらず、会食や冠婚葬祭などによる、ホールや宴会場の利用が低調であることから、催事需要の回復に向け、宿泊事業者が行う、感染防止対策を徹底した催事会場の利活用に要する経費を支援します。また、貸切バスを利用して県内に宿泊する企画旅行の造成を支援するとともに、滞在時間の延長を図る魅力的な観光イベントの開催経費を支援し、県内外からの誘客を促進します。
最後に「3 支援窓口の設置」についてです。観光事業者からの各種相談への対応や、補助金などの申請書類の作成支援を行う窓口を県庁及び各地域に新たに設置し、観光事業者を支援する体制を構築することとします。
私としては、この「やまぐち観光振興支援パッケージ」により、地域経済を支える観光業が、コロナ禍から力強く復興するように、全力で取り組んでまいります。
私からは以上です。
NHK
今、出されました観光振興支援パッケージについてお尋ねなんですけれども、まず、「やまぐち割引宿泊券」の発行についてなんですけど。こちらは従来ありましたプレミアム付き宿泊券に似たようなものなのかなと、今お話を聞いて思ったんですけれども、これはものとしては同じようなものなんですか。何か、名称が変わっていますけれども、性質が変わったんでしょうか。
知事
性質としては基本的には変わっておらなくて、同じようなものだというふうに考えていただいて結構なんですけれども。まず、これは趣旨とすれば、需要の減少を少なく抑えていかなければいけないということで行うものです。措置率、これまで50%だったんですけれども、30%というふうに、ソフトランディングさせていくということで、そういった率にしております。あと、違うのは、販売方法を、これまでコンビニで並んで買っていただいていたんですけれども、非常に早くからというか、夜遅くから、並ばれるようなケースもあり、通常の営業であったり、あるいはお店の駐車場がいっぱいになってしまったりというところで、コンビニの業者からも、通常業務といいますか、他の業務への支障が大きいというような声もありまして、そうした方式を見直しまして、今回は、全て抽選方式に変更することにしました。ウェブでの抽選と、それからインターネットを使われない方のためにも応募できるような方法、例えば往復はがきとか、そうした方法も取り入れていくようにしていきたいと考えております。
NHK
分かりました。そして、今回、観光需要策、いろいろ他にも新規事業を積まれてますけれども、第6波の拡大もまだ懸念される中です。これから年末に向かっていくわけですけれども、運用についてですね、以前のプレミアム宿泊券等でも感染拡大期には停止をされるような運用もあったと思いますけれども、今回の施策についてはどのようにお考えでしょうか。
知事
そうですね。まずワクチンの接種も進んでおりますし、そうした中で感染が広がらないようにということを期待もしておりますし、また、それぞれの皆さま方も、感染防止対策も随分と慣れられてですね、日常化されているというふうに思っております。しかしながら、全体として感染が拡大した場合には、こうした、人を動かすための施策については、一定のコントロールをしなければいけないということも当然あり得るだろうというふうに思っております。これは引き続き、感染状況等を見ながら、慎重に考えていくということは、常にやっていかなければいけないというふうに思います。
NHK
分かりました。そして、あと今回、観光振興支援パッケージとして総額で24億円積まれてますけれども、やはり県政の財政規模から見るとかなり大きな金額だと思いますけれども、そこら辺の財政措置については、財源はどこから持ってくるんですか。
知事
財源につきましては、今は、基本的にはこれまでもさまざまな対策を国庫補助で行ってきているんですけれども、これはもう県としては全て使っている状態にありますので、一般財源を使ってということになるわけですけれども、今回の予算では、給与関係の補正がございます。それによって(一般財源)43億円、これは人事委員会勧告を踏まえた見直しですとか、当初予算からの実際の執行していく中での減とか見込まれたものを減額をしておりますので、それが43億円。それから、足りない部分は13億円、財政調整基金から取り崩して、今回の補正に必要な56億円を賄うという形にしています。
NHK
分かりました。そして、もう1点。新型コロナワクチンの3回目の接種についてですけれども、いよいよ3回目が始まるというところですけれども、ワクチン接種を巡っては、2回目の接種で副反応が強かった人など、いろんなケースがあると思うんですけれども、3回目に向けてですね、改めて知事としては、県民の方々に接種を進めていくのかどうかというところで、どのようにお考えでしょうか。
知事
そうですね。ワクチンの効果が高い状態を維持するために、3回目の接種については、ぜひ皆さま方に受けていただきたいと思っています。これについては、政府の方で3回目についての扱いが、順次方針が示されているところでありますけれども、ぜひ国の方につきましては、今回特に交互接種というですね、違う種類のワクチンを打つこともできるということになっておりますけれども、そうしたことの安全性も含め、しっかりと国民の皆さまに丁寧に説明をしていただきたいというふうに思っております。
われわれとしては、大まかなスケジュールは、今示されているところでありますので、医療従事者、それから高齢者、一般の方、そういった2回目の接種を終えている、順番に従って、原則接種後8カ月経っているところから、接種を円滑に進めていきたいと思っております。医療関係機関、それから市町とよく連絡を取りながら、接種がスムーズにいくように万全の準備を整えていきたいと思っております。
NHK
分かりました。ありがとうございました。
KRY(山口放送)
補正予算、ワクチン接種等もすごく重要なことだと思うんですが、先ほど、自民党の会合の中で、知事が選挙への思いみたいなものを語られましたが、改めてこの記者会見の場でその辺の思いをお願いします。
知事
はい。そうですね。間もなく、私の2期目の任期が来るわけでございますが、この2期目は、「3つの維新」を掲げて産業の振興、それから交流の拡大、また教育や子育ての充実等々ですね、取り組んできたところであります。それぞれの分野において一定の成果も上げつつもあったところでございますけれども、そういう中で、この2年間は、未知の新型コロナウイルスとの闘いに明け暮れることになりました。県内で病床の確保、医療提供体制の確保ですとか、あるいは検査体制の充実、そしてワクチンの早期接種、そうしたことに努めてきているところでございますが、コロナとの闘いはまだ続きますし、コロナの克服はまだ途上にあるという状況であります。
そういう中で、2期目の任期を迎えることになるわけでございますけれども、この新型コロナウイルスという世界が直面している危機から、県民の皆さまの命と健康、これをしっかりと守っていくこと、そして傷んだ社会、経済、これを発展的に再生させていくこと、こうした重要な責務を継続してしっかりと果たしていかなければいけないと考えております。そうした思いで、次の知事選挙に立候補することを決意をいたしました。
今日も発表しておりますとおりですね、これからさらなる危機に備えた医療提供体制の充実、療養体制の充実、またワクチンの3回目の接種、さまざまな課題に対してしっかりと対応して、県民の皆さまの命と健康を守っていかなければいけません。それから、長いコロナ禍によって大変傷んでいる経済に対しても、しっかりと支援措置を講じて再生をしていかなければいけないと考えています。
さらに、このコロナによりまして、世界も日本も大きく変わってきているところです。とりわけ、デジタル化、また国内で言いますと、都市から地方への人の流れ、そうした新たな動きが出てきている中で、この新しい動きをしっかりと捉えて、これからの山口県の成長、山口県の未来をつくりだしていくこと、そうしたことを積極的にやっていく必要があると考えております。そうしたことに全力を挙げて取り組んでまいりたいと、そのように考えています。
KRY(山口放送)
このタイミングというのは、何か思いが。
知事
そうですね。もちろん、選挙までもう2カ月を切っているということもございますし、ワクチンの接種等も2回目までが終わり、そして今回11月の補正予算で、これからの対策についてもまとめたところでございますので、この次は、もう私は任期が終わって、その次のことになってきますので、この段階で私としての考え方を、このように述べさせていただいているということであります。
KRY(山口放送)
コロナ禍で、コロナ対応に明け暮れたということでしたけど、前半の2年間は行財政構造改革、県有施設の見直し等、いろいろされていたと思いますけど、この辺、今後はどうするとか、やり切れたのかどうかとか、その辺りはどうでしょうか。
知事
そうですね。順調に進んでいることもありますし、コロナによって大きく状況が変わったものもあると思います。山口県は、活力をしっかりと維持して高めていくためには、やはり産業を強化していかなければいけないと思っています。私は、最初の就任から一貫して、企業誘致は特に力を入れてやっているところでございまして、1期目も含めた8年間で言いますと、200件を超える企業誘致、そして、新たに生み出した雇用は5千人を超えています。県内の三つの企業団地も完売をいたしました。そうした中で、今、さらに人の流れも都市から地方へと来ていますが、企業の方も地方の方で事業活動したいという意欲も実は高まってきています。先日、ウェブで、山口県の企業立地フォーラムというのをやりまして、その後で、いくつか山口県に関心を持っている企業との意見交換もしました。そういう中で、都市部からぜひ地方の方に立地して、今テレワークですとか、そうしたICT等を使った新しい働き方というのもどんどんできるようになってきておりますから、むしろ、地方で立地をして、住み慣れた所で暮らしながら働ける、そうした環境をつくりたいと、そういう思いを持っている都市部の企業もありまして、非常にありがたく思っているんですけれども、そういう動きもしっかりと取り入れて、これからさらに県内の魅力的な仕事の場、そして、ずっと山口県に住んで働き続けられる、暮らし続けられる、そういう地域づくりをさらに進めていきたいというふうに思います。
それから、特に、「3つの維新」の中では、大交流維新というのを二つ目の柱に掲げて、これは観光振興ですとか、移住者の増とか、そうしたことを目指した取り組みです。1期目から2期目にかけまして、山口県の観光客数、初めて3千万人を超えて過去最多となりまして、インバウンドも過去最多に増えていたんですけれども、ここは今コロナで非常に落ち込んでいるところです。なので、ここはできるだけ早く、もちろんこのコロナを克服して、さらに元の状態に戻して伸ばしていくということを取り掛かれればと思っています。すでに観光については、(山口県観光)V字回復プランというのを作り、また今回の補正予算においても措置を講じていますけれども、やはり、特に、このコロナ禍で大きな打撃を受けているところであります。特に、観光のためにはやはり宿泊施設というのが基本になりますので、ここがなくなってしまいますと、なくなるというのはあれですけど、非常に弱くなってしまいますと、観光の、まず人を呼ぶこともできませんし、そこから県内を動いてもらうこともできなくなるわけですので、ここはしっかりと支援を講じて維持をし、さらにコロナ後に伸ばしていけるような取り組みをしていかなければいけないと思います。
例えば、今回の措置でもそうですけれども、単に、需要喚起だけじゃなくて、新しい投資というのを観光の方にも促すようにしておりますけれども、例えば、今の流れを受けて、例えば温泉であれば、入浴施設を部屋の中に作ったりですとか、あるいは、集団で食べるんじゃなくて、少人数で食べられるようにするですとか、あるいは、観光についても、新しい商品づくりというのも、アウトドアですとか、体験型というのが、コロナの中でさらにそういう志向が高まってますけれども、そういう未来に向けた形での盛り上げということを、これから方向転換してやっていかなければいけないというふうに思います。
あとは、これもコロナの中で変わってきたものとしては、教育の関係は、力を入れてやっていかなければいけないと思っているんですが、元々1人1台パソコンを導入しようと、これは7年計画でやろうとしていたんですけれども、コロナで学校の休業が続く中で、もう一斉に導入しようということで、県立学校については、1人1台タブレットを一斉に導入しました。これは、コロナ対策ということがきっかけではあったんですけども、しかしこれを使って、今、行っている授業、一人一人の個別の学力等に合った最適化した学習を進めていこうですとか、あるいは、県内の学校をつないで、ハイレベル授業を合同で実施をするですとか、あるいは、資格取得のための講座を県内一斉に行うですとか、そうしたさまざまな活用の可能性が広がっております。こうした教育、一人一人を大切にする、このスマートスクール構想もしっかり前に進めて行きたいというふうに思っております。
さまざまな取り組みをこれからもしていかなければいけませんけれども、財政の健全化、すみません、最初、財政の健全化の話だったんで話をしますと、これも県のさまざまな事業の見直しですとか、職員数についての見直しも行いまして、県の借入金残高は、私が知事に就任するまでは、ずっと一貫して増え続けていたんですけれども、毎年減らしてきておりまして、これまでに700億円の県の借入金残高を減らしてきております。こうした将来に向けて健全な財政を残していくということは継続してやっていかなければいけませんので、コロナの中でさまざまな対応も必要ですけれども、一方で見直すべきものは見直しをして、将来に対する負債というのは、着実に減らしていく、このことをこれからも努めていかなければいけないと考えています。
KRY(山口放送)
分かりました。ありがとうございます。
朝日新聞
今日、立候補表明をされた場なんですけれども、これまず最初に、自民党県連の常任総務会という会合の場でお話をされました。知事にとってもこれをもって正式に表明をしたということでよろしかったでしょうか。まず1点。
知事
一般の県民の皆さん向けには、この場(知事記者会見)で言ってるつもりでおるんですけれども、自民党の常任総務会っていうのがいつもオープンな場なんですね。ということで、たまたまと言うか、そういった場で発言をする機会ですね、それは自民党県連の中の方向けに基本的には話をしているところでありますが、マスコミ入られてるんで、皆さんそれで知ってるということであると思いますけれども、県民の皆さま向けには、ここでお話をしているという思いであります。
朝日新聞
分かりました。あと、前回もそうですけれども、前回と言いますのは、2期目に向けた時がそうだったんですけれども、県議会で代表質問に答える形で、思いを、まず決意を述べられるっていうことが一般的だったかと思うんですけれども、今回は、それより前にお話をされました。これに関して、狙いですとか目的っていうものは何かあるんでしょうか。
知事
そうですね。いずれにしましても、もう時期が近づいて来ているところでありますので、代表質問がどういった形で出るのかというのはこれからだと思いますけれども、そうしますと12月に入ってからということになります。前回は、9月の議会で答弁をしたことだと思いますけれども、もうかなり日程的にも迫ってきておりますので、今日こうした形でお話をさせていただいているということです。
朝日新聞
今年は9月の時点で、まだ表明と言いますか、それに至らなかった。どうしてでしょうか。
知事
そうですね。9月、第5波の真っただ中、終わり始めていた頃だと思いますけれどもね、そうした時期でありますし、その時も申しましたが、ワクチンの接種もしっかりと終えていかなければいけないという中で、コロナ対策としても、まだまだやっている真っ最中のところがございました。そうした中で、まだ次について述べるのは時期が早いだろうと、自分の考えも整理をして述べるのも時期が早いだろうと思っておりました。そうした中で、今の表明に至っているということです。
朝日新聞
ということはその当時から、3期目に向けてご自身の中では、続投というものも選択肢として考えていらっしゃったということでしょうか。
知事
それは常に、自分のこれからの仕事等をどうするかということは考えてはおります。その時になって初めて考えるんじゃなく、常に考えておりますけれども。ただそれをきちんと固めて、これまでの取り組みと、そしてこれからしたいことということを整理する上では、やはりまだ9月の段階では早かったかなと思っています。
朝日新聞
ご自身の中で、考えが整理できたのは、固まった時期っていうのはいつだったんでしょうか。
知事
そうですね。もちろん、第5波が一定の収束を見せて、そしてワクチンについても、これは医療従事者の皆さん、それから市町にも大変協力をいただいて、無事に完了したということが、これ先月の末でありますので、その段階で、一つ感染を抑えていくこと、それから、一通り皆さんに免疫を獲得してもらうワクチン接種というのが終わったというのは区切りだと思っておりますので。それから、この4年間をどう総括し、その次をどう考えるかということを固めていったということです。
朝日新聞
今日も、自民党の方から、県連としては、これからもタッグを組んで、これからも話をしながら、県政を運営していただきたいという話もありました。知事も、自民党員になられて、この3期目してこられたわけですけれども、この山口県におけるその自民党と一緒に県政に取り組むということの意義ですとか、この3期目に向けて、これからどうしていきたいのか、その自民党との関係について、教えてください。
知事
そうですね。これまでもさまざまな政策提言ですとか、議論も重ねながら政策づくりもしておりますし、またそれぞれの議員さん、各地域、地域の課題もしっかりと把握をされて、そうした中で、県としてどういう方向を目指していくべきなのかということも、意見交換をよくしながら、方向性を出していくということは、とても重要だと思っています。
今回の観光の支援策についても、自民党の方で、実際の聞き取りとかですね、実際に観光事業者の方に、個別に実際に行かれて話を聞かれて、それから要望についてまとめられて、提出をしていただいているというところもございます。やはり、地域、地域の状況ですとか、目指すべき方向について、よく意見を交わし、それから方向についてもよく議論をしながら進めていくということは、実際に取り組みについて実効を持たせていく上では、特に重要なことだというふうに思っておりますので、これからもそうした考え方で取り組んでいければと思います。
朝日新聞
ワクチンの3回目接種についてなんですけれども、これまでの接種の時には、学校の教職員の方々ですとか、高齢者施設、障害者福祉施設、障害者施設の職員さんというところも、その優先接種の対象となってきていましたけれども、今回3回目の方では、そういったことを実施する予定はありますか。
知事
そうですね。基本的には2回目が終わってから8カ月という原則になりますので、2回目が終わって8カ月経った方から、そのスケジュールで打ってもらうということが基本になります。なので、これは各市町の方で、今回3回目の接種券も順次配るように準備されています。というのが、前は一斉に配って、それで打ちたい方から順次ということで、そういう中で優先順位とかもあったわけですけれども、今回2回目に打っているスケジュールが、それぞれの方について分かってますので、例えば2週間に1度とか、そういった形で接種券を発行したりですね、あなたそろそろですよっていうことでお示しをしていくということになりますので、最初の方、早く打っている方は、それに合わせて早く8カ月が来ますから、案内が届くのではないかと思います。
朝日新聞
分かりました。
あと補正予算案の中で、今回、県内経済の下支えということで、これまで出されている飲食店の応援事業ですとか、中小企業等の事業継続の支援事業ですとか、そういったところでの予算計上っていうのもありますが、これの狙い、目的っていうのはいかがでしょうか。
知事
中小企業の事業継続ですか。
朝日新聞
二つあったかと思います。飲食店の応援事業と、中小企業の事業継続支援。
知事
事業継続(中小企業事業継続支援事業)の方は、前に、40万円、20万円の、申請が見込みよりも増えた分で、予算的に不足しているところを措置するという内容になります。それから、もう1個の方(飲食店応援事業)は、第三者認証の方の(申請件数の見込みが)5千件だったのがもっと増えるから、その分の措置ということですよね。だから新しい施策というよりは、これまでやっていた部分が、実際に見込みよりも増えたとか、そういったことに伴うものでありますので、当然それらはしっかりと措置を、今回補正をして行う、手当をしていくというものです。
朝日新聞
分かりました。ありがとうございます。
中国新聞
知事選についてお聞きしたいんですけれども、先ほど、またデジタルの方に力を入れていくと言われてましたけれども、広島の湯崎知事は、街頭で選挙活動を一切せずに、オンライン集会であるとか、そういうことで選挙戦を戦われたんですけれども、村岡知事の方はどういったことを想定されていますか。
知事
そうですね。それはこれからどのようにするか、よく考えていきたいと思います。もちろん、湯崎知事のお考えもよく分かりますしですね、一つの方法だと思います。もちろん、私も県内のコロナ対策の責任者でありますから、そうした中で、どのような感染拡大防止をしっかりと行いながらやっていくかというところは、十分、意を用いていかなければいけないところだと思いますので、これまで行われている、湯崎知事の選挙も含め、いろんな選挙も参考にしながら考えていきたいと思いますし、一方で、4年に1度のせっかくの機会でありますから、県内各地域、地域の、いろんなお声を聞く機会でもあります。その辺り、感染拡大防止を留意しながら、直接にお声を聞いたり、あるいは届けていくというところを、どのようにしたら両立できるのかということをよく考えていきたいと思います。
中国新聞
すみません、追加で。知事は大事な話っていうのは直接会って、みたいな、常々言われていると思うんですけれども、基本はやっぱり直接出向いて訴えるっていうことになるんですか。
知事
そうですね。もちろん直接、各地域、地域でですね、お声を聞いたり、お話をしたりということができればというふうには思っておりますが、ただこれも、感染状況がその時どうなるかということも分からないです。特に1月20日からということになりますから、1年前で言えば第3波のピークの頃なわけですね、今非常に落ち着いているので、これがどうなるのか分からないですけれども、その状況によっても、当然変えていかなければいけないことだと思います。
中国新聞
今の落ち着いた状況で進んでいけば、直接ということですか。
知事
そうですね。いろんな地域に行って、お話を聞いたり、お伝えをしていくということは、やはり私は、基本的にコロナがなければ必要なことだというふうに思います。やっぱり4年に1度の選挙でしか、なかなか行けない所ですとか、見られない実情ですとか、聞けない声というのがありますから、そうしたことをしっかりと把握するというのが、とても重要な機会だというふうに思いますので、基本的にはそうしたことをやりたいという思いは持っておりますが、ただ一方で、これと考え方としてはぶつかってしまう感染状況対策ですね、人との接触ですとか、そうしたところの機会が増えれば増えるほど、リスクを高めるということになりますから、そこをどのようにバランスをとるかということを、よく考えて、やっていかなければいけないというふうに思います。
中国新聞
あと推薦の依頼っていうのは、自民党県連の方にされたということなんですけれども、他はどこかされたんですか。
知事
そうですね。これまでの選挙と同じですけれども、自民党、公明党、連合(山口)の推薦をお願いする手続きを、今進めています。
中国新聞
公明党と連合(山口)は、これからということ。
知事
もう話をしておりまして、今、手続き中だということですね。
中国新聞
分かりました。ありがとうございます。
朝日新聞
今のお話に関連してなんですけれども、知事選の、他の政党や団体というところへの推薦要請というのは、公明と連合(山口)だけということでよろしいですか。
知事
そうですね、はい。
朝日新聞
他、野党の推薦を求められたりはしないということですね。
知事
そうですね。これは、最初の選挙の時の形なんですけれども、その時に、いろいろと関係の方々と話をしながら、こうした体制にしてきたわけですけれども、大きく変更する必要も、これまでと変える大きな必要性もないと考えておりますので、これまで通りの形で進めていければと思っています。
朝日新聞
分かりました。ありがとうございます。
それから、知事が就任されてから2期8年という時が経ちますけれども、振り返られてみて、村岡知事が山口県知事になられてからの、この8年弱の間、山口はどんなところが変わったというかですね、知事の手によって、どんな郷土になったのかという辺り、手応え等あれば、振り返ってお聞かせください。
知事
そうですね。先ほど触れた話と重なるというか、かなり重なるんですけれども、やはり地方にとって重要なのは、人がとどまることだと思います。そのためには、単に自然環境がいいね、だけじゃなくて、やはり魅力的な仕事の場があり、そして、そこで何かそれぞれの方が夢をかなえられると、そういった環境を、各地、各地で整えていかなければいけないと思います。人口が減っていくのは、日本全体のことですし、社会減というのも起きて、これは地方に、常に伴っているわけでありますけれども、そうした中で、やはり魅力的な仕事の場をたくさんつくっていくというためには、私は最初から、企業誘致は特に力を入れてきております。200社を超える企業の誘致、それから5千人を超える新たな雇用の創出、そして県の工業団地は三つ完売しました。そういう中で特に大きなものとしては、テルモとか、小野薬品ですとか、特にこれから成長していく医療とか医薬の関係、このことについてはですね、特に力を入れてきました。これによる雇用の人数も、かなりの規模になるんですけれども、それに加えまして、医薬品の原薬の出荷額は、山口県が全国1位になりました。そういう意味では、これから日本が非常に競争力を持っている部分、そして世界的にも需要が伸びていく部分について、要は競争力のあるところについての誘致についても、力を入れて取り組んできて、一定の成果を上げてきているというふうに思っております。
これは、例えば、一方で人材の定着についても、山口東京理科大学に薬学部ができて、これは私の努力ではないのですけれども、県としても一定の支援をして、初めて県内に薬学部ができた。そうした人材が、今言ったような医療とか、医薬の関係に県内で働けるということもできるわけですね。そうした魅力ある職場というのもつくり続けていかないといけないと思いますし、またそれは、これからは、デジタルがどんどん進んで、先ほど言いましたように、都市部から地方の方に拠点を移したいという企業も大小かなりあります。そうしたところをしっかりと呼び込んで、何も都市部に行かなくても、山口でこれから成長するような企業で働いていける、そうした魅力をもっともっとつくっていけるだろうと思います。そのために、もっと努力をしていかなければいけないというふうに思います。
それから、そういう拠点、県内での働く場づくりとともに、県内のいろんな魅力をもっともっと多くの方に知ってもらう。山口県の観光客も、先ほども言いましたように、3千万人を超えて増やして、増えてきたわけですけれども、コロナでそこが2千万人とかに落ちてきております。これはですね、しかし、その中で、やっぱり各地域、地域で、新たな魅力の磨き上げとか、そうしたものも進んできておりますので、これをさらに、アフターコロナの中に、より、国内、また国外の人を引き付ける魅力あるものに磨き上げていかなければいけないというふうに思います。
それから、移住者も年々増えてきておりますので、特に、地域おこし協力隊というのがあるのですが、これは定着率が山口県は全国1位なんですね。やっぱり、いったん来て、山口県でいろんなことにチャレンジして、頑張ってみて、ここで引き続き頑張ろうと思ってくれている人が、言ってみれば日本で一番、その割合が高いわけですね。そういうポテンシャルが非常にあると思っています。そうしたものを、一つ一つ、各地域、地域でつくっていくことによって、山口の魅力が全体的に上がっていくだろうと、そうしたことをこれからは目指していかなければいけないというふうに思います。
それから、あとは、農林水産物なんかも、お酒なんかは、すごく、12年連続でコロナ前までは販売は伸びていましたけれども、さまざまな産品の輸出もどんどん進めてきております。輸出できるような環境も整え、いろんなもの、一個一個は小さいですけれども、それを束ねて輸出するような仕組みというのも作りまして、海外に輸出している品目というのも、どんどん増えてきているんですね。そういうふうに、人を呼んでくる、あるいは、山口の魅力をどんどん県外、国内、県外、海外と展開していくということが、やっぱり山口県の活力をさらに高めていくことになりますので、そこは、引き続き目指していくべき方向だろうというふうに思います。
あとは、これからの時代に向けては、特にデジタルがテーマになると思っています。これは、一つは、教育の分野でも先ほど申し上げたように1人1台タブレットを導入しましたけれども、これによって、一人一人の個の状況に応じた、きめ細かな教育ができるようになってくるですとか、あるいは、私も、先日、山口高校に視察に行きましたが、県内のいろんな学校をつないで、ハイレベルな課外授業を行っているわけですね。そこで、あたかもみんな同じ場所にいるかのような形で、今は、授業ができるようになってきています。その時も山口高校にいた生徒は4人くらいだったんですけれど、ただ、県内全体では数十人になるわけなんですね。一校一校の学校ではできないことが、結ぶことによってできるようになる。それがデジタルによって、これまでできなかったことが、できるようになるということの一つだと思います。各学校、どうしても少子化で人が減っていき、各学校単位でできることが少なくなってきますけれども、しかしそれをつなぐことによって、レベルの高いものですとか、何かに特化したことができるようになるということですので、こうしたことは、今、進めているデジタル化によって、初めて、コロナでできなかったこと、課題として大きくなりつつあったことが、解消されるということになります。教育の分野もそうですし、子育てですとか、防災、減災とか、インフラの点検もデジタルを使って、AIですとかドローンとか使って効率的に、効果的にやろうとしてますけれども、これが、山口県の安心・安全を高めたりですとか、あるいは、教育の質を上げたりですとか、そうしたことにつながっていくと思いますので、先般、「Y-BASE(ワイベース)」も新しく造りましたけれども、そうした所を拠点にして、さまざまな地域課題の解決だったり、人材育成ということもやっていかなければいけないし、それが、目指すべき一つの大きな方向だろうというふうに思っています。
朝日新聞
ありがとうございます。非常に県政の課題が多岐にわたるんだなというのが、改めて、今の知事のお話でよく分かりました。いろいろある中で、とりわけ知事が、その3期目含めてですね。大事にしていきたい、特に注力していきたい分野というのがあれば、教えていただけますか。
知事
そうですね。これは、さまざまありますが、一つは横断的に言いますと、今言ったように、デジタルでいろんな課題を解決する、教育の質を上げるですとか、子育てをより一人一人に寄り添えるようにするですとか、インフラについての点検、監視のレベルを上げていくですとか、そうしたさまざまことにですね、デジタルの技術を使うことが可能ですので、これは、今、「Y-BASE」、それからシビックテックですとか、さまざまな取り組みをしておりますけれども、そういう中で、一つ一ついろんな分野についてつくり上げていけるだろうと思います。
ここは、今、政府におきましても、「デジタル田園都市国家構想」ということで、地方の方こそ、デジタルを先に進めていこう、5Gなども地方の方から先に整備をしていこうと、そうした動きもあって、これ大変心強いです。今度、また、全国知事会議が東京でありますけれども、そこでも、私は知事会でデジタル推進本部長をやっておりますので、しっかりと政府の方に、そこについての応援をしていきたいなと思っていますけれども、そうした地方の方でデジタルによって、地方から都市への人の流れですとか、そうしたことを大きく逆転できる、大げさではなく、そういう可能性があるんだろうと思うんですよね。今、働き方だって、テレワークが進んでいって、二地域居住、転職なき移住という言い方もしますけれども、仕事は東京でしながら、仕事の本籍と言いますか、所属している会社は東京にありながら、住んで仕事をするのは山口で、という働き方も増えてきています。つまり、そうことができるのであれば、地方の方へ住みたいと、そう思う人が増えてきているわけなんですよね。これは大きなチャンスだと思います。
そういう新しい流れをしっかりとつかんで、山口県で都会にはない豊かさを感じながら、ゆとりをもって、しかし魅力ある仕事も同時にできる、そういったところが目指すべき地域だろうなと思います。それは、デジタルという大きなくくりによって実現できる可能性が大いにあるだろうと思いますので、ここはしっかりと追及していきたいと思いますし、それとともに、企業誘致等も進めてまいりましたが、県内のさまざまな産業自体もより成長志向で、これから山口県を引っ張っていけるような、そういう企業に多くさらに立地をしてもらう、あるいは県内のそういった企業により成長してもらう、そうした後押しもですね、これは山口県の活力を維持して高めていく上では欠かせないものでありますので、それはしっかりやっていきたいと思います。
朝日新聞
ありがとうございます。それから、やはり、人口の話ですね。これは、なかなか8年間知事が取り組まれる中でも、なかなか人口減のペース、流出のペースというところは、なかなか鈍化させるというところも、なかなか厳しく、全国的な問題ではありますけれども、その辺りは、これからどんな工夫して、打開していくというか、今までもデジタル技術を活用するとか、本籍を東京に置きながら関係人口を増やしていくとか、いろんな方策が考えられるのですが、次の4年間でその辺というのは、大きく好転させられるかどうか、その辺り、見通し等あればお聞かせいただけますか。
知事
そうですね。そこは、山口県にとっての最大の課題であり続けることは変わらないだろうと思いますし、何か一つやれば、それが一気に解決するというものがないというのも、これは変わらないだろうと思います。ですので、やはり、一つ一つの取り組みを、レベルを上げていくということを積み重ねていくことに尽きるんだろうと思います。
今、言いましたように、魅力ある仕事の場ですとか、あるいは、暮らしにおいても都市部と遜色なく、便利に暮らせるとか、質の高い教育を受けられるですとか、そうしたことが重要になってくるというふうに思います。その辺りのハンデを解消できれば、本来的には、地方で暮らす方がより豊かでゆとりがある中で暮らせるだろうと思いますけれども、そこを乗り越えるには、まだまだやらなければならないことはたくさんあるんだろうと思います。それは、しっかりと、そうした方向を見据えながらやっていきたいというふうに思います。
朝日新聞
分かりました。ありがとうございます。
それからちょっと話は変わりますけれども、昨年ですね、購入をしました、県の公用車で貴賓車のセンチュリーというのは、購入されましたけれども、これは、今後も、今、なかなか皇室の方とか利用する機会がなくて議長車として使われている状況なんですけれども、これ今後、見直されたりするお考えは今のところありませんか。
知事
そうですね。現時点では考えていないですね。次期更新のときには、また考えていかなければいけないと思いますが、今あるものを有効活用していきたいと思っております。これは、議長が使うというのもありますけれども、例えば外国から大使が来られた際とかにも使っておりまして、最大限有効に活用をこれからもしていければと思います。
朝日新聞
はい、分かりました。ありがとうございます。
読売新聞
知事選に関連してなんですけれども、今日、この場で県民の方に向けては正式な出馬表明というご説明がありましたけれども、今日の自民党県連の常任総務会の冒頭でも友田幹事長から説明がありましたように、知事は今月の8日の時点で、自民党県連に対して推薦願を出されているということで、その時点では当然、出馬する意向を、知事ご自身の中では意向を固められてらっしゃったと思うんですが、それが正式な出馬表明が今日の24日の2週間以上経ってですね、正式な表明になったという経緯については、どうしてずれ込んだというか、ちょっとタイムラグがあったということになるのでしょうか。
知事
タイムラグという、あまりそういう認識ではなくて、手続きは手続きとして進めながら、そこは正式には、このように考え方を整理をして述べたいと思っておりましたので、それがたまたま今日ということでありまして、何かその出した日がすごく重要な意味ということには、私自身は特に思っないんですけれども。
読売新聞
じゃあ、もちろん出馬の意向は、当然11月8日以前に、もう固められていたと。
知事
そうですね、もちろんそれは固めてるのはさらにその前からですね。自分としては固めたからそういう手続きに入っているわけですね。ただ、その瞬間に言うというよりは、やはり私としての考え方もよく整理をした上で述べたいと思っておりましたので、今日こうした形で述べさせていただいているということです。
読売新聞
8日以降のこれまでの期間でご自身の考えがまとまったので、出馬表明、今日の表明に至ったということでよろしいんでしょうか。
知事
まあそうですね。そこはあまり厳密にということじゃないですけどね。8日というのは特別な意味があって、たまたま手続き的にそこで出してるということでありますので、実際には、その前から決めているということですね。
読売新聞
分かりました。あと、知事は自民党員でありますけれども、今回の選挙においても自民党の推薦っていうのは、やっぱり必要なものというふうにお考えだったんで、推薦願を出されたということですけれど、改めてこの自民党からの推薦の意味について、どのようにお考えでしょうか。
知事
そうですね。最初の当選のときからこの8年間ですね、さまざまな取り組みについても、よく協議をし、意見も交わしながら、県としての政策をつくり、県議会に提案をして、ご議論も踏まえて進めてきているということであります。そういう中で、ぜひ、これからもよくタッグを組んで、取り組みを前に進めていく上で、これまでと同様の協力関係の下で取り組みを進めていきたいと思っておりますので、過去2回の選挙と同様ですけれども、自民党の推薦をお願いをし、そうした形の中で、選挙を進めていければと考えているということです。
読売新聞
先ほど、他社の質問にもありましたけれども、選挙戦をリモートとかで、広島とかでは行われたということもあって、知事もそういうことも感染状況によって検討されるということですけれども、選挙戦、その手前くらいから、自民党にはどういう支援を期待しているというか、今、お考えのものがあればご説明を。
知事
それはこれからよく話をして、考えていきたいと思っていますので。私自身も、必ずこういう形じゃなきゃというものが、今、あるわけではないです。今言ったように、しっかりと、せっかくの4年に1度の選挙ですので、各地域、地域をまわるということが基本だし、そうあるべきだろうなと思いますけれども、一方で感染拡大防止ということを、しっかり意識してやらなければいけませんので、その辺りどのように接点を見出していくのかということを、今、まさに考えているところでありますので、そういう中で、よく話をしながら、体制を組んでいければと思ってます。
読売新聞
ありがとうございました。
中国新聞
今回の補正予算の中で、期末手当、ボーナスの、一般職で0.15カ月分引き下げということで、民間とのバランスを踏まえてということだと思うんですけれども、人事課の方にお伺いしたら、一般行政職で平均で約5万6千円くらいですね、下がるということなんですけど、減額分、ボーナスが下がるということ、知事としてどういうふうに受け止めていらっしゃるでしょうか。
知事
そうですね。政策的に下げるということではなくて、あくまでも公務員の給料というのは、民間とのバランスをみながら人事委員会勧告が出て、それを踏まえて決めるということですので、勧告に沿って行うという原則に忠実に行ったということです。
中国新聞
なかなか、このコロナ禍でいろいろ業務も増えて大変な中でボーナス下がるっていうことで、モチベーションの維持と言いますか、そこら辺、職員さんのケアとかお考えのことありますでしょうか。
知事
そうですね。もちろん、上がれば上がるほどモチベーション上がるかもしれませんけれども、しかしここは基本的に給与の考え方がありますので、ここを外すことなくしっかりと、それに沿ってやるということが基本だと思います。
今、職員もコロナの中で大変頑張ってくれていますし、山口県のコロナ対策も非常に評価が高いものがある、いうふうに思います。今日、実績の話でコロナの話はあまりしませんでしたけれども、例えば、医療提供体制も全国で本当にトップクラスの、病床もそうですし、療養施設も確保できておりまして、第4波、第5波と非常に全国的にも各地方でも感染者多かったですけれども、医療が受けられない自宅療養者というのは山口県ではこれまでに発生していないわけですね。ワクチンの接種も、山口県が全国トップで1回目70%、80%に到達したということです。これは、職員の皆さんがよく市町あるいは医療関係機関と調整をしていただいて、そうしたものが実現をしてきております。
また、特に検査を徹底してやっていまして、第5波において感染経路不明な割合というのは全国で2番目に低い、つまり接触者の調査というのを丁寧にやって、ほとんどが、ほとんどがと言いますか、感染経路が分かっているケースが多いので、逆に言うと感染経路不明っていうのが少ないですね。これは非常に意味があって、要はしっかりと調査しないと、そこで洩れてしまうと、そこから感染経路不明としてどんどん広がっていってしまうんですね。これは県内の感染拡大につながっていきますので、これを防ぐためには、やっぱり検査をしっかりやるということなんですね。第4波、第5波を本当に大変だったと思いますけれども、よく職員が検査もやってくれて、全国的には感染経路不明が全国2番目に少ないということになっています。
先般、日経新聞(日本経済新聞)の調査では、コロナ対応総合力ランキングみたいので全国2番目ということで、山口県も高い評価をいただきましたけれども、これもやっぱり、一人一人の職員の地道な努力のたまものだというふうに思っていますので、本当に頑張ってくれてるなというふうに思いますけれども、ぜひそれが何と言いますか、県民の皆さまの安心につながっているということを、われわれは、そこを本当に自分たちの誇りというか、報酬と思って頑張るという、そういった部分も、やっぱり公務員であるからこそ感じられるものだと思いますので、まあぜひ、県民の皆さま、あるいは具体的な数字においても、そうした評価につながっているということを、われわれは誇りに思って、またこれからも仕事を一生懸命にやっていかなければいけないなと思っています。
中国新聞
知事ご自身ですね、例えば、ボーナスを大幅にカットするとか、そういったことはお考えではないでしょうか。
知事
そうですね、そこは以前、給与カット、ボーナスのカットか、コロナの最初の頃にしたこともありましたけれども、しっかりと知事の仕事に見合う、知事の職責に見合う仕事をですね、コロナだけじゃないですけれども、しっかりとやっていきたいと思います。
中国新聞
分かりました。
作成:山口県総合企画部広報広聴課