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宇部港港湾計画改訂について
宇部港は、平成23年に徳山下松港とともに「国際バルク戦略港湾」の石炭部門に選定されており、宇部港背後の企業のみならず、広く西日本の産業界全体の国際競争力の強化に資する港湾として、さらなる機能強化が求められているところです。こうした中、輸送船舶の大型化、防災や環境に対する住民ニーズ等、宇部港を取り巻く社会経済情勢等は近年大きく変化しており、平成14年に改訂した既定の港湾計画では対応できない状況が生じていたことから、2030年代前半を目標年次として港湾計画を改訂しました。
1 港湾計画の基本方針
物流
○バルク貨物の広域供給拠点の形成
石炭の輸入について、大型船による効率的な輸送に対応する大水深岸壁等を整備し、バルク貨物の広域供給拠点の形成を図る。
○地域産業振興に資する物流機能の強化
港の物流機能を強化するとともに、既存施設を物資補給岸壁へ転換して荷役効率を向上させ、地域産業の振興を図る。
○環境分野への取組の促進
モーダルシフト促進を図るため、新たなRORO船定期航路の誘致を図るとともに、循環資源等の環境負荷軽減に資する貨物を効率良く取り扱う。
安心・安全
○暮らしや産業を守る機能と空間の確保
背後地域が被災した際の防災拠点としての機能強化を図るとともに、物流機能強化に伴って発生する浚渫土砂等の処理空間を確保し、また災害廃棄物も含めた廃棄物の処理空間確保の要請にも対応できるようにする。
○災害時のエネルギー供給機能の確保
今後、想定される大規模災害等に対し、国際バルク戦略港湾として徳山下松港と連携して、石炭のサプライチェーンを維持するため、新沖の山地区で幹線貨物輸送ターミナルを確保する。
みなとまちづくり
○にぎわい空間の形成と親水性の向上
市民や訪問客に親しまれる水辺空間として親水性の向上を図るとともに、急増しているクルーズ需要を取り込んでいけるようにぎわい空間の形成を図る。
2 港湾の能力
目標年次(2030年代前半)における取扱貨物量を以下のとおり定めました。
[取扱貨物量]4,070万トン
3 主な施設計画
物流
・大水深公共岸壁の位置付け(新沖の山地区)
岸壁(水深16m×延長390m、新規計画)
航路・泊地(水深16m×面積47ha、新規計画)
安心・安全
・大規模災害対策施設<耐震強化岸壁>の位置づけ(芝中地区)
岸壁(水深12m×延長240m耐震化、変更計画)
・廃棄物処理空間の確保(新沖の山地区)
海面処分用地39haほか
みなとまちづくり
・親水空間<緑地>の形成(本港地区、東見初地区)
緑地27haほか
<宇部港全景>