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公安委員会の開催概要(令和6年1月24日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
令和5年中の110番受理状況と110番の日広報の実施
地域部長から、「令和5年中の山口県の110番受理状況等であるが、受理件数は119,331件、前年比で8,956件増加した。このうち有効110番の件数は83,671件、前年比で5,247件増加した。有効110番とは、事件や事故など緊急な現場対応が必要な通報及び緊急案件ではないものの警察措置を必要として指令したものである。また、有効110番以外の通報は35,660件、前年比で3,709件増加した。
110番受理件数に占める有効110番の割合は約7割で、それ以外のものが約3割となっている。
過去5年間の有効110番の推移であるが、令和元年は8万件を超えていたものの、令和2年及び3年は7万件台に下がり、令和4年から再び増加に転じて、昨年8万件台となった。この増減については新型コロナウイルスによる行動制限及び解除が少なからず影響していると推察する。
有効110番の事案別受理状況であるが、『交通関係』が最も多く27,827件で、全体の約3割を占めている。次に、警察安全相談や落とし物の問い合わせなど急を要しない『各種照会』が19,487件、不審者情報や犯人の目撃情報などの『各種情報』が18,998件となっている。緊急対応を要しない照会やいたずらが少なくなく、110番の適正な利用について県民の理解と協力が不可欠である。
こうした趣旨の下、例年1月10日を110番の日として広報啓発活動を重点的に行っており、県下16警察署が創意工夫による広報活動を実施した。
今後の対応であるが、あらゆる機会を通じて110番の適正な利用に向けた広報を継続的に実施していく。また、110番通報では一刻も早い警察官の到着が望まれることから、通信指令担当者の技能研鑽などにより、迅速・的確な通信指令業務を推進していく。」旨の説明があった。
大田委員から、「有効110番以外の割合が約3割ということで、その中には110番にふさわしくない利用も含まれるかもしれないが、県民が警察を頼りにして電話を掛けてくることもあるので、適切な対応をお願いする。」旨の発言があった。
今村委員から、「110番の日広報は、地域の実情に合わせたり、適切な場所を選定したりといろいろ工夫しておられ、とても良いと思った。110番の広報に加え、緊急を要しない場合の警察相談専用電話『#9110』の広報もよろしくお願いする。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「110番は、意外にいたずらも多いという印象を受けた。110番の日は、年に1度の良い機会なので、県民に対する広報啓発を引き続きお願いする。」旨の発言があった。
山口県の犯罪情勢(令和5年中)
刑事部長から、「令和5年中の山口県の犯罪情勢であるが、全刑法犯の認知件数は4,186件で、前年対比で341件増加した。検挙率は全国11位である。
重要犯罪の認知件数は55件で、全て検挙している。検挙率は全国2位である。
重要窃盗犯の検挙率は110.2%で、2年連続全国1位である。
特殊詐欺の認知件数は84件で、前年対比で23件減少しているものの、検挙件数は前年対比で23件増加した。これは昨年、組織体制を強化した成果と考えている。
暴力団犯罪の検挙人員は58人で、前年対比で8人増加した。
薬物・銃器犯罪の検挙人員は71人で、特に銃器犯罪では、銃器事犯1件、4人を検挙した。
今年も引き続き、犯罪捜査に力を入れていく。」旨の説明があった。
大田委員から、「高い成果は、捜査員の努力の結果だと思う。引き続きよろしくお願いする。特殊詐欺では、新しい捜査手法を取り入れて客観的な証拠による検挙も期待する。」旨の発言があった。
今村委員から、「今後は新たな捜査手法も加わっていくだろうが、伝統的な捜査スタイルが根底にあると思うので、それを伝承していただきたい。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「重要窃盗犯の検挙率が100%を超えているのはなぜか。」旨の発言があり、刑事部長から、「例えば、県外で発生した事件を当県で検挙した場合などは検挙率が100%を超える。」旨の説明があった。更に、弘永委員長から、「全国でも好成績をおさめられており、素晴らしい。今年も引き続きお願いする。」旨の発言があった。
交通事故発生状況(令和5年中)
交通部長から、「令和5年中の山口県の交通事故発生状況であるが、県内の交通事故発生状況は、人身事故件数が2,269件で、前年に比べ8件増加、死者数は35人で、前年に比べ4人増加している。人身事故件数、死者数、負傷者数、重傷者数の全てが前年対比で増加するという結果となった。死者数は、平成30年以降6年ぶりに増加、人身事故件数は、平成12年以降24年ぶりに増加した。
県が策定した『第11次山口県交通安全計画』では、令和7年までの目標数値を設定しており、令和7年までに死者数を36人以下とすること、重傷者数を390人以下とすることとしているが、昨年は、死者数が35人、重傷者数は396人となり、死者数は目標数値を達成したものの、重傷者数は目標数値にわずかに届かなかった。この目標数値を一つの指標とし、達成に向けて気を引き締めたところである。
次に、交通死亡事故の特徴であるが、年齢層別では、高齢者が20人で、全死者の57%を占めており、依然として高い水準にある。ドライバー別では、高齢ドライバーによるものが13人で、全ドライバー死亡事故の39%を占めている。当事者状態別では、歩行中に被害に遭った方が12人で、全死者の34%を占めており、その内7人が高齢歩行者である。このような現状を踏まえ、当県では高齢者対策を重点として、歩行者とドライバー双方への取組を更に推進する。また、昨年、年齢に関わらず歩行者被害の事故が多かったことと日常的に高速度のドライバーが起こした事故が散見されことを受け、これを踏まえた広報啓発、交通規制及び交通取締りを展開していく。
飲酒運転による人身交通事故は15件で、前年に比べ2件増加した。引き続き、夜間検問等による飲酒取締りを実施していく。
交通事故に伴う危険運転致死傷事件の検挙は5件で、前年に比べ3件増加した。違反形態は5件とも異なり、現場の警察官が鋭敏な感覚で積極的に取り組んでいる。」旨の説明があった。
大田委員から、「交通設備が充実し、車の安全機能が上がっているにも関わらず、交通死亡事故は増えている。これを防ぐには、運転者の意識改革が必要だと考える。」旨の発言があった。
今村委員から、「交通事故死者数のうち高齢者は約6割ということだが、『高齢者6割』というフレーズが覚えやすいので、しっかり啓発していただきたい。また、飲酒運転による人身交通事故が15件というのは氷山の一角だと思う。飲酒運転絶無のため、より強い指導をお願いする。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「交通事故を起こす要因はドライバーにあることが殆どだろうが、道路標識が見えづらかったり、道路形状が悪かったりするなどの要素も考えられる。警察署協議会の委員にお願いして、住民の方の意見を吸い上げるのも良策だと思う。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 審査請求の審理
交通企画課長から、令和5年5月31日に受理の報告を受けた審査請求について、審理経過の説明を受け、裁決書を決裁した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
警備課長から、島根県公安委員会からの「細田博之前衆議院議長お別れの会」開催に伴う警護実施に係る援助要求に関し、派遣期間等の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
運転免許課長から、12月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通企画課長から、12月中の交通企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、12月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、組織犯罪対策課長から、10~12月における組織犯罪対策課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通規制課長から、12月中の交通規制課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 留置施設に対する実地監査の実施結果
留置管理課長から、令和5年度留置施設実地監査の実施結果について報告を受けた。 - 山口県監査委員による定期監査の実施結果
会計監査官から、令和5年度上半期における山口県監査委員による定期監査の実施結果について報告を受けた。 - 職務質問実戦塾の開催状況
地域企画課長から、1月19日に開催した職務質問実戦塾の開催状況について報告を受けた。 - 能登半島地震に伴う特別生活安全部隊の活動状況
生活安全企画課長から、能登半島地震に伴う特別生活安全部隊の活動状況について報告を受けた。 - 能登半島地震に伴う広域緊急援助隊交通部隊の活動状況
交通指導課長から、能登半島地震に伴う広域緊急援助隊交通部隊の活動状況について報告を受けた。 - ストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況
人身安全対策課長から、12月中のストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)