本文
公安委員会の開催概要(令和5年12月20日)
審議概要
本部長、警務部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長、首席監察官及び生活安全企画課長同席の上、下記の報告を受けた。
令和6年度警察費当初予算要求の概要
警務部長から、「令和6年度警察費当初予算については、厳しい財政状況の中、『県民の期待と信頼に応える強い警察』を実現するため、真に必要な予算を要求していくこととし、財政折衝を行っている。
要求額であるが、総額は383億3,294万7千円で、前年度と比較して約4%の増額となっている。
増額の主な要因であるが、運転免許行政の利便性向上のための運転免許証即日交付施設の拡充及び運転免許証とマイナンバーカードの一体化に係る経費、犯罪捜査のスピード化のためのスマートフォン等解析資機材の整備及び映像解析等支援システムの導入に係る経費、退職予定者の増加による退職手当給付費の増額等によるものである。
主要事業であるが、県警察では、やまぐち未来維新プランのうち『時代を勝ち抜く産業力強化プロジェクト』『豊かで利便性に優れた暮らしづくり推進プロジェクト』『暮らしの安心・安全確保プロジェクト』の3プロジェクトに沿った7つの重点施策事業を中心に予算要求を行っている。
重点施策事業1つ目の『強みを伸ばす産業基盤の整備』では、今年度から取り組んでいる経済安全保障対策として、技術情報流出防止対策推進事業に係る経費を要求している。
2つ目の『豊かさと幸せを実感できるデジタル社会の実現』では、運転免許行政の見直しとして、運転免許証即日交付施設の拡充及び運転免許証とマイナンバーカードの一体化に係る経費を要求している。
3つ目の『犯罪や暴力から県民を守る対策の推進』では、継続的施策事業としてうそ電話詐欺未然防止推進事業、少年の防犯・交通安全意識の高揚を目的としたICT機器を活用した少年の被害防止対策等推進事業に係る経費を要求している。
4つ目の『地域に密着した安全・安心活動の推進』では、老朽化・狭隘化した警察署や駐交番の建替えに係る経費を要求している。また、業務の合理化・効率化としてRPAシステムの導入に係る経費を要求している。
5つ目の『交通事故から県民を守る対策の推進』では、交通事故の減少と交通死亡事故ゼロを実現するための継続的施策事業として、交通安全県やまぐち推進事業のほか、交通事故防止施設総合整備事業に係る経費を要求している。
6つ目の『サイバー空間における安心・安全の確保』では、早期の事件解決に必要不可欠となるスマートフォン等解析資機材の整備に係る経費を要求している。
7つ目の『社会の変化に対応した捜査力の強化』では、捜査のデジタル化を図るため、映像解析等支援システムの導入に係る経費を要求している。
今後の流れであるが、財政当局及び知事の査定を経て、2月県議会に上程される予定である。」旨の説明があった。
大田委員から、「6つ目の『サイバー空間における安心・安全の確保』に関し、これから重点的に力を入れられるだろうが、限られた予算の中においても充実した活動をお願いする。」旨の説明があった。
今村委員から、「厳しい財政状況ではあるが、施策的経費をより多く要求できるよう工夫していただきたい。警察の予算要求は控え目に感じるので、よりアグレッシブな要求をお願いする。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「物価高騰もあり、より多くの経費がかかるかもしれないが、来年度に向けて新たな施策を打っていただきたい。」旨の発言があった。
交番・駐在所広報紙コンクールの実施結果
地域部長から、「交番・駐在所が作成する広報紙は、警察が地域住民に情報を発信する手段として重要なツールであり、SNSが普及する現在でもその重要度は高い。各自治会で広報紙を回覧して地域住民に見ていただき、特に高齢者にとっては身近な犯罪情報などを入手できる有効な手段となっている。また、広報紙コンクールの作品は、事前に各警察署協議会で選考していただくことから、協議会の活性化にも繋がっている。
県警察では、平成20年から広報紙コンクールを実施しており、公安委員会による表彰は地域警察官の大きな励みとなっている。
広報紙コンクールの審査は、11月15日の警察署協議会会長会議の開催に合わせて行い、各警察署協議会において選出された『ベテラン部門』『若手部門』の30作品が審査対象となった。
表彰式は12月13日に開催し、式終了後には受賞者と公安委員の懇談会を行った。
広報紙作成の技能向上に向けた取組であるが、年度初めに広報紙アドバイザーによる研修会を開催している。また、警察署における取組として、審査時に協議会委員からコメントをいただき、作成の参考にしているほか、コンクール受賞者による教養も行っている。
引き続き、タイムリーで分かりやすい広報紙とするため、作成技能の向上及び交番・駐在所勤務員の士気高揚を図っていく。」旨の説明があった。
大田委員から、「交番や駐在所は、住民の生活の場に近い存在であり、住民とのより濃密な情報交換が必要となってくる。その手段の一つである広報紙は非常に有効だと思う。懇談会において、受賞者が自身の活動が評価されたことに大変喜んでおられた。受賞者を含め、地域警察官が益々活躍されることを期待する。」旨の発言があった。
今村委員から、「広報紙を作る負担は少なからずあるだろうが、作成者の思いを形にできる良いツールだと思う。警察官は、個人をアピールする機会が少ないので、とても良い取組だと感じる。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「懇談会で20代の受賞者と話したが、いきいきと発言され、これからの警察人生に期待ができると感じた。我々公安委員も、受賞者と懇談の機会を持つことができて良かった。」旨の発言があった。
システム障害発生を想定した訓練の実施結果
交通部長から、「現在、全国警察では全国共通の新運転者管理システムの導入に向け、3か年計画で順次準備を進めている。当県では来年12月の導入が決定しており、新システムへの移行作業が本格化していくが、その作業過程や運用開始直後において、システムの不具合や人為的ミスなどによりシステム障害の発生が懸念されるため、障害発生時に各職員が迅速・適切に対処できるよう、免許窓口業務に従事する全職員を対象とした訓練を実施した。
訓練の実施状況であるが、『日曜日の更新手続中にシステム障害が発生し、登録作業ができなくなった』という想定に基づき、日曜日の免許更新窓口に従事する全職員を3回に分けて訓練を行った。
訓練内容は、システム障害の発生によって全ての更新手続を中止、後日改めて来場し手続をやり直していただくための案内及び手続の処理である。
本番さながらの訓練により、参加した職員からは『冷静に対処できるか緊張感が高まり、日常の勤務に対しても考え方が変わった』『来場者には落ち度がないので親切・丁寧な対応が必要』などの反響があった。
今回の訓練を通じて、来場者に分かりやすい広報要領、職員間の情報共有と来場者の統制要領、必要な備品・資機材の管理、関係所属との連携など改めて確認することができた。
今後の方針として、様々なパターンを想定した訓練を継続的に実施していく。また、今回の訓練結果を踏まえてマニュアルを改訂し、より良いものにしていく。更に、備品・資機材の整備や保管・管理要領の改善に努めていく。」旨の説明があった。
大田委員から、「参加者の感想に『日常の勤務に対する考え方が変わった』とあり、単なる訓練にとどまらず、副次的な効果があったと思う。今後も継続した訓練を重ねていただきたい。」旨の発言があった。
今村委員から、「『来場者には落ち度がない』という言葉が印象的だった。当事者が迷惑な気持ちでいる中で、担当者がいかに親切・丁寧に対応できるかということは非常に大切である。『来場者には落ち度がない』ことを担当者が心に落としておかなければならないと改めて感じた。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「システム障害の発生は十分に予想されるので、今回の訓練を糧に、万が一に備えていただきたい。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者5人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者11人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。また、他2人については、再呼出しとした。 - 次回開催する意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、令和6年1月17日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 苦情の申出の受理
公安委員会会務官から、公安委員会宛てになされた苦情の申出について要旨の説明を受け、決裁した。 - 苦情の申出に対する調査結果及び回答
刑事企画課長から、11月15日に受理の報告を受けた公安委員会宛ての苦情の申出について、調査結果の説明を受け、回答文を決裁した。 - 審査請求の審理
交通規制課長から、8月23日に受理の報告を受けた審査請求について、審理経過の説明を受け、裁決書を決裁した。 - 犯罪被害者等給付金の支給裁定
警察県民課長から、6月7日に受理の報告を受けた犯罪被害者等給付金の申請について、給付金の支給を裁定し、決裁した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
警備課長から、福島県公安委員会からの原子力関連施設の警戒警備に係る援助要求について、派遣期間等の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
運転管理課長から、11月中の運転管理課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から、11月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通規制課長から、11月中の交通規制課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、11月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、警備課長から、11月中の警備課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 11月県議会定例会の開催状況
公安委員会会務官から、令和5年11月山口県議会定例会における警察関係の議案や質問・答弁の状況について報告を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、訴訟事案について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)