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公安委員会の開催概要(令和5年12月6日)
審議概要
警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
男性の育児休業取得促進のための取組
警務部長から、「女性の活躍推進のため、男性の育児休業取得に対する消極的思考を解消するなどして、育児休業取得を推進することで、多様性のある強靭な組織づくりを推進している。
現状であるが、山口県警察における男性の育児休業取得率は、令和3年度までは10%台で推移していたが、令和4年度には45.4%、令和5年10月末時点では70.8%まで向上している。
育児休業取得率が向上した理由であるが、4つの取組施策の効果が現れてきたと考えている。
1つ目は『警察署に対する支援制度』である。男性警察官が育児休業を取得しづらい理由として、業務への影響が心配という声が複数聞かれたことから開始した制度で、中小規模警察署の男性警察官が育児休業を取得する場合、警察本部から支援要員を派遣し、その職員の業務を補うことで、育児休業を取得しやすい環境を整備した。
2つ目は『幹部をはじめとする職員の意識改革』である。部外講師による講演、新婚者を対象としたライフサイクルセミナー、警察学校の初任科生を対象とした講習を実施し、男性の育児参加の必要性について周知を図っている。
3つ目は『制度の周知、取得の意向確認』である。配偶者の妊娠報告の際、職員に子育て応援ハンドブックを交付し、育児休業制度等の周知を図っている。また、幹部職員が、男性職員の育児分担促進のためのチェックシートを活用し、子が出生する職員を早期に把握するとともに、育児休業の取得促進に向けた確実な声掛けと意向確認を実施している。
4つ目は『制度を活用しやすい職場環境の整備』である。機関誌に育児休業を取得した男性職員の体験記や上司のコメント等を掲載している。また、職員が使用しているパソコンに、自身又は配偶者の妊娠が判明した場合の早期報告を促すポップアップを表示するなどして制度を活用しやすい職場環境の整備に取り組んでいる。
今後の取組であるが、一部試行として実施している警察署に対する支援要員派遣制度を令和6年4月から本運用する。また、男性が家庭参画しやすい職場の雰囲気の更なる醸成に努めていく。」旨の説明があった。
今村委員から、「子育て応援ハンドブックは、警察独自で作成したものか。」旨の発言があり、警務部長から、「警務課が作成した冊子で、制度を分かりやすくまとめている。また、男性職員の育児分担促進のためのチェックシートは、幹部が使いやすいようにワンぺーパーにしている。」旨の説明があった。更に、今村委員から、「育児休業制度の活用について担当部署がしっかり発信し、引き続き、男性の育児休業取得推進に向けて取り組んでいただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「共に育児をするという意識改革が大切だと感じている。直近の男性の育児休業取得率が70%を超えているが、取得しなかった約3割の職員がどういう理由で取得しなかったのか把握しておいていただきたい。また、子育て応援ハンドブックは職員だけでなく、配偶者にも配布をお願いする。」旨の発言があった。
令和5年度警察官駐在所功労家族表彰式の実施
地域部長から、「警察官と同居し、警察官不在時の来訪者の対応や通報・相談等の取り次ぎなど、多年にわたり警察活動を支えてきた駐在所家族に対し、功労家族表彰を行った。本表彰は、昭和62年から毎年行っている。
表彰式は11月9日に実施し、功労家族として4人の受賞者に本部長が感謝状を贈呈した。
功労家族の活動状況であるが、地区の行事においてうそ電話詐欺被害防止に関する広報を実施したり、また、防犯ボランティアと合同で地区の防犯パトロールをするなど、地域の実情を踏まえ、地域に溶け込んだ活動をされている。
駐在所家族の帯同状況であるが、帯同率は年々減少しており、令和5年度は全国平均とほぼ同じで、約57%となっている。
駐在所家族への支援として、公安委員、本部長等による督励、積極的・効果的な活動に対する感謝状の贈呈、地域幹部との意見交換会等を開催している。また、初めて駐在所に帯同する方には『駐在所家族の手引き』を配布するほか、地域幹部による指導や意見交換会等を行っている。
引き続き、駐在所家族が過ごしやすいよう、勤務員及びその家族の意見要望に配意していく。」旨の説明があった。
今村委員から、「駐在所家族の帯同率が下がっている中、督励や感謝状贈呈などいろいろな方策でモチベーションを上げることが大事だと改めて思った。」旨の発言があった。
大田委員から、「駐在所に帯同してもらうためには、経済的な面に加え、活動に対する評価が非常に大切になってくる。今後もこの表彰を継続していただきたい。」旨の発言があった。
大規模災害等発生時における検視・遺族対応合同訓練(第11回)の実施
刑事部長から、「大規模災害等発生時における多数死体の検視や身元確認の手順等を確認するとともに、関係機関との連携強化を図るため、美祢市内の体育館において検視・遺族対応合同訓練を実施した。
訓練には、医師会、市、消防等関係機関及び警察の合計94人が参加した。
想定は、『県央部を中心とした局地的豪雨により、山間部で土砂災害、河川が氾濫し、多数の被災者が発生した』というものである。
訓練内容は、救急隊による遺体の搬送、捜査員による遺体受付、検視部隊による検視・身元確認、遺族への説明・引渡しである。
参加した関係機関からは、『日頃の業務とは違った感覚を持つことができた』と評価をいただいた。
今後は、訓練を実施する側の練度を更に高め、訓練の高度化を図っていく。」旨の説明があった。
今村委員から、「実際に訓練に参加した人には力になるが、見学者は意外に身につかないこともある。見学者にも臨場感が伝わるよう工夫していただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「この訓練は、災害に限らず日頃の犯罪捜査においても役立つと思うので、見学者にはもっと近くで見てもらった方が良い。どういう目的で何をやっているのか伝わるようにすれば、より良い訓練になると思う。」旨の発言があった。
「第11回山口県サイバーテロ対策協議会総会」の開催結果
警備部長から、「11月30日、第11回山口県サイバーテロ対策協議会総会を開催した。開催の目的は、サイバー攻撃に関する各種情報共有を行い、サイバー攻撃の未然防止と発生した場合の被害拡大防止を図ることである。
今回の総会は、サイバー関係課とより連携を深めるため関係課長にも出席していただいたうえで、協議会会員が取組を紹介、会員相互の情報共有を促進した。
また、総会後にサイバーセキュリティセミナーを開催し、会員に加え、先端技術を有する県内企業等にも参加していただいた。この講演は、経済安全保障対策と連動した取組となった。
今後の方針であるが、サイバー関係課と更なる連携を図るとともに、企業等を対象とした講演や訓練を行っていく。」旨の説明があった。
今村委員から、「サイバーテロ対策は、自助・共助・公助の最たるもので、自助として自らを守り、共助として企業が互いに情報共有し、公助として警察がやるべき対策を行っていくということが大切だと思う。」旨の発言があった。
大田委員から、「サイバーテロ対策はより専門化し、更新されていくものなので、今回の総会やセミナーはとても意義のあるものだと思った。また、警察職員が参加することによって、デジタル人材の育成に資するものだと思うので、引き続きお願いする。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者2人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者16人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。また、他6人については、再呼出しとした。 - 次回開催する意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、12月20日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 猟銃所持者に係る銃刀法違反に伴う行政処分の実施
生活安全企画課長から、猟銃所持者に係る銃刀法違反に伴う行政処分について、聴聞結果の報告を受け、所持許可の取消処分として決裁した。 - 猟銃所持者に係る銃刀法違反に伴う行政処分の通知
生活安全企画課長から、猟銃所持者に係る銃刀法違反に伴う行政処分について、聴聞結果の報告を受け、指示処分として決裁した。 - 審査請求の受理及び弁明書の提出要求
警察県民課長から、11月15日付けで警察本部長が行った処分について審査請求を受理した旨の説明を受け了諾するとともに、処分理由の説明を受け、弁明書の提出要求について決裁した。 - 交通信号機の決定
交通規制課長から、定周期式信号機の新設及び廃止について報告を受け、決裁した。 - 令和6年山口県警察運営指針の策定
企画室長から、令和6年山口県警察運営指針を策定した旨について報告を受け、決裁した。 - 公安委員会宛て文書に対する裁決
公安委員会会務官から、公安委員会宛てに送付された文書について対応方針の説明を受け、裁決書を決裁した。
報告概要
- うそ電話詐欺犯人との会話を編集した広報動画の公開
生活安全企画課長から、通信会社を装った「音声ガイダンス利用のアポ電」の音声データを入手したことから、解説画面とともにYouTube山口県警察公式チャンネルで公開する旨の報告を受けた。 - ストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況
人身安全対策課長から、11月中のストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況について報告を受けた。 - 交番・駐在所広報紙コンクールの投票結果及び表彰式の開催
地域企画課長から、交番・駐在所広報紙コンクールの投票結果、最優秀者及び優秀者に対する表彰式の実施概要について説明を受けた。 - 山口県警察視閲式の実施概要
企画室長から、12月9日に開催される令和5年山口県警察視閲式の実施概要について説明を受けた。 - 職務質問実戦塾の開催
地域部長から、令和6年1月19日に開催される職務質問実戦塾の実施概要について報告を受けた。 - 総務課関係業務報告
公安委員会会務官から、総務課関係業務について報告を受けた。 - 公安委員会の権限に属する事務における今後の方針
公安委員会会務官から、今後における公安委員会の権限に属する事務の処理の在り方について説明を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
その他
弘永委員長は、11月県議会定例会出席のため、第1の審議、第2の1の⑴~⑷及び2の⑴の決裁・報告を欠席した。
(編集 総務課)