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公安委員会の開催概要(令和5年11月1日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
山口県ネットワークセキュリティ協議会の開催
生活安全部長から、「山口県ネットワークセキュリティ協議会は、サイバーセキュリティに関する産学官の連携組織の中で一番歴史が古く、不正アクセス禁止法が施行された平成11年に設立した協議会である。協議会の会員は、インターネットに精通する団体で構成されており、会長、副会長を含め33の会員構成となっている。
協議会の設置目的は、コンピュータ・ネットワークを利用して行われる各種犯罪の被害と拡大の防止及び違法・有害情報の排除を図り、県民生活の安全確保と高度情報通信社会の健全な発展に寄与することである。
協議会は10月13日に開催し、警察本部での集合参加及びWeb会議システムにおけるリモート参加とした。
開催内容であるが、サイバー犯罪対策課員によるサイバー犯罪の現状の説明及び4会員がサイバーセキュリティ対策に係る取組事例の発表を行った。
具体的な発表事例であるが、県デジタルガバメント推進課は『知事部局におけるセキュリティネットワークの構築及びセキュリティ対策』について、地域プロバイダは『社員に対するセキュリティ教養』について、大学は『フィッシング・標的型攻撃の実例と標的型メール訓練の実施』について、総務省中国総合通信局サイバーセキュリティ室は『実践的サイバー防御の演習(通称:CYDER)の紹介』について発表した。このCYDERであるが、組織がサイバー攻撃を受けた際のインシデント対応を学習する体験型の防御演習で、仮想のネット空間を使って、サイバー攻撃によるインシデントの検知、対応、関係機関への報告、プレスリリースの仕方、回復までの一連の対処方針を体験でき、警察職員も毎年参加している。
今後の取組であるが、サイバー空間の脅威の増大に伴い、協議会員と連携し、サイバーセキュリティに関する取組や対処方法について情報共有を図るとともに、県警察からセキュリティ対策に必要な情報を適宜発信し、産学官が連携したサイバーセキュリティ対策への取組を強化していく。」旨の説明があった。
大田委員から、「CYDERの申込方法、費用について伺いたい。」旨の発言があり、生活安全部長から、「総務省のホームページでも紹介されているが、CYDERを検索すると出てくるQRコードから申し込みができる。費用は1人約8万円で、国・県の機関等は無料である。」旨の説明があった。
今村委員から、「団体のレベルアップのためにも、しっかり情報を発信していただきたい。1年に1回の協議会で、会員に十分な情報は行き渡るのか。」旨の発言があり、本部長から、「開催は年1回だが、協議会で培ったネットワークにより各団体の連携が生まれている。引き続き人脈形成を築き、知見を広げていきたい。」旨の説明があった。
弘永委員長から、「会員に中小企業をもっと入れてはどうか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「この協議会はコアなメンバーで構成されているが、他に『山口県サイバーセキュリティパートナーシップ』の中に『リレーパートナー』といった組織があり、中小企業等の団体が多く加盟している。」旨の説明があった。
「下関海響マラソン2023」開催に伴う交通対策
交通部長から、「大会概要であるが、下関海響マラソンは観光交流都市として下関を全国にアピールするとともに、地域の活性化を図ることを目的に平成20年から開催されており、今年で16回目となる。全国各地から参加者が集まり、現在では全国規模の大会となっている。
開催日時は11月5日、午前8時30分のスタート、最終走者のゴール見込みとなる午後2時30分までの6時間である。競技種目は、フルマラソンと子供も参加できる2kmファンランの2種目である。出場登録者数は合計9,649人、フルマラソンは前回大会のコースを一部変更している。
交通規制であるが、原則、コース上は全面通行止めとするが、一部のコースは片側車線規制を行う。また、マラソンが終了した区間については順次規制を解除していき、一般交通の影響を最小限に抑えるよう合理的な交通規制に努める。
交通対策の体制であるが、警察官による信号交差点の交通整理、白バイでの先導・区間誘導、パトカーによる安全確認・突発事案対応などで下関署及び長府署の警察官約80人、主催者の自主整理員約800人がコース上での交通整理や安全確保に当たる。
事前広報では、交通情報板や道路交通情報センターによる情報提供のほか、主催者の広報チラシの各戸配布、広報看板の設置、公共交通機関や運送会社等への協力要請を行っている。
この大会が事故なく、安全かつ円滑に行われるよう関係機関と連携を強化し、必要な対策を行っていく。」旨の説明があった。
大田委員から、「下関海響マラソンは風光明媚な良いコースである。6時間という長い交通規制となり大変だろうが、事故のないようお願いする。」旨の発言があった。
今村委員から、「天気が気掛かりだが、気を付けて従事していただきたい。交通以外の対策は行うのか。」旨の発言があり、警備部長から、「交通対策に加え、テロ対策も万全に行う。」旨の説明があった。
弘永委員長から、「下関には大会の前日から市外・県外の方が多く来られる。一大イベントなので無事に終わるようお願いする。」旨の発言があった。
国際テロ対策の推進状況
警備部長から、「緊迫した国際情勢に呼応して、国際テロ組織の活動も活発化しつつあり、当県においてもテロ等不法行為の発生が懸念される。
テロ対策の推進状況であるが、山口県及び各地区テロ対策パートナーシップ会議において情報共有及び危機意識を醸成するなどした。
次に、爆発物原料対策として、販売事業者に対する指導やロールプレイング訓練の実施、薬剤師会及び教育委員会と連携した小・中・高校の合同点検を行うなどした。
また、水際対策として、関係機関等と水際テロ対応訓練を実施した。
広報活動では、各種イベント会場においてテロ対策の広報を行うとともに、県内のプロスポーツチームと連携し、ポスターや広報グッズを作成した。
今後の方針であるが、テロ対策パートナーシップの枠組みの拡大、事業者に対する教養動画等を活用した効果的な訓練を行っていく。」旨の説明があった。
大田委員から、「インターネットを見て、テロに使うような機材を簡単に作り得る時代になった。テロに関する情報を入手し、共有するような団体・個人がいるということを意識していかなければならない。」旨の発言があった。
今村委員から、「テロ対策というと水際対策のイメージがあったが、爆発物原料対策を入念にやっていくことも大切だと感じた。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「海外情勢に呼応したテロに加え、ローンウルフ等によるテロも起こり得るので、しっかり取り組んでいただきたい。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への欠席者8人について、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。また、他3人については、再呼出しとした。 - 審査請求の受理(2件)
運転管理課長から、7月26日及び10月4日付けで公安委員会が行った処分2件について、それぞれ審査請求を受理した旨の説明を受け、決裁した。 - 次回開催する意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、11月15日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 苦情の申出の受理(2件)
公安委員会会務官から、公安委員会宛てになされた苦情の申出2件についてそれぞれ要旨の説明を受け、決裁した。 - 審査請求に係る弁明書の作成
運転免許課長から、10月18日に受理の報告を受けた審査請求について、弁明書を決定し、審査請求人に対する弁明書の送付及び反論書の提出要求について説明を受け、決裁した。 - 自動車の使用者に対する是正措置命令等の処分基準の改正
交通企画課長から、アルコール検知器の使用義務化規定が12月1日に施行されることに伴い、自動車の使用者に対する是正措置命令等の処分基準が改正される旨の説明を受け、決裁した。 - 審査請求の審理
交通企画課長から、4月26日に受理の報告を受けた審査請求について、審理経過の説明を受け、裁決書を決裁した。
報告概要
- ストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況
人身安全対策課長から、10月中のストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況について報告を受けた。 - 山口県公安委員会事務の専決状況
組織犯罪対策課長から、7~9月における組織犯罪対策課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について報告を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、11月県議会で報告する損害賠償事案について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)