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公安委員会の開催概要(令和5年10月18日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
狩猟期における事故防止と指導取締りの推進
生活安全部長から、「狩猟期間を踏まえ、11月1日から翌年3月31日までの間、狩猟に係る事故防止と指導取締りを推進していく。イノシシ・ニホンジカの狩猟期間は、農林業の被害軽減のため、国が定めた基準を延長した11月1日から翌年3月31日までの間とし、それ以外の狩猟鳥獣の狩猟期間は、国の定めた基準に従い11月15日から翌年2月15日までの間としている。
実施重点は、『猟銃・実包の適正管理をはじめ、狩猟を巡る事故防止に関する指導』『関係法令違反の取締り』の2点である。取締りの着眼点として、銃刀法では、使用している銃が許可されているものであるか、銃を運搬する際、銃に覆いをして弾を抜いた状態であるか、車内に銃を放置していないか、禁止場所において銃を使用した狩猟をしていないか等である。また、火薬類取締法では、実包の保管管理が適切であるか、猟場での実包の貸し借りをしていないか等である。更に、狩猟法では、狩猟登録を受けて狩猟しているか、鳥獣保護区・休猟区等で狩猟していないか、日の出前・日没後に銃猟をしていないか等であり、それぞれを着眼として取締りを進めていく。
昨年の実績は、期間中に5件の違反を検挙しており、違反形態は、禁止場所での発射、車中における猟銃の放置、無登録での使用である。
推進内容であるが、1つ目は『広報啓発の推進』で、山口県猟友会に対し、狩猟期の事故防止に関する依頼文を発出した。また、県内の狩猟者に『安全銃猟ハンドブック』を配布し遵法意識の醸成を図るとともに、猟友会主催の研修会に警察官が赴き、各種事故防止について指導した。また、狩猟者以外の入山者には、狩猟期における事故防止に関する広報として、県警ホームページや広報紙、ラジオ等で注意喚起をしている。
2つ目は『実効ある指導・取締り』で、知事部局と合同による県下一斉の指導・取締りを行う。また、署事情に応じた計画的な指導・取締りとして、猟銃安全指導委員と連携し、事前に猟場を点検したうえで、狩猟時間帯の車両の検問、猟場の巡回点検を行う。更には、事案認知時の早期事件化・迅速な行政処分、併せて、猟銃等所持不適格者の早期発見と排除に務める。
過去5年における県内の猟銃事故の発生状況であるが、令和2年度と令和4年度に猟銃事故が発生しており、狩猟者自身や第三者が負傷している。全国的にも暴発事故が多く、次いで、安全確認が不十分だったために第三者が負傷する事故が発生している。こうした事故を防ぐため、注意喚起の広報、猟場の巡回点検や指導取締りを実施していく。」旨の説明があった。
大田委員から、「猟銃は危険性が高く、通常の人が持ち得ない物なので、猟銃所持者には意識を継続してもらうことが非常に大切になってくる。是非、意識の鈍化を防止するための啓発活動をお願いする。」旨の発言があった。
今村委員から、「県外の狩猟者が山口県で狩猟することはあるのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「当県では把握していないが、北海道では多いと聞く。」旨の説明があった。
弘永委員長から、「最近は、ハイキングやトレッキングで山に行く人も増えているが、猟をする人と出くわすことはあるのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「皆無ではないが、猟場は基本的に人が通らない所になるので出くわす機会は少ないと思われる。入山者には注意喚起等を行っており、警察も猟場を把握したうえで、その周辺をパトロールしている。」旨の説明があった。
職務質問実戦塾及び会話能力向上研修会の開催結果
地域部長から、「地域警察官の『職務質問による現場執行力強化』『巡回連絡等における会話能力の向上』を目的に、職務質問実戦塾及び会話能力向上研修会を開催した。
職務質問実戦塾は、警察庁指定広域技能指導官である愛知県警の警部を講師に招聘し開催した。講義は2日間に分けて行い、1日目は若手地域警察官と初任科生、2日目は職務質問指導者等が受講した。
会話能力向上研修会は、今回初めて開催したが、講師に人材育成コンサルタント会社代表を招いて若手地域警察官を対象に行った。
いずれの研修も、実務に直結した内容であり、受講者からの反響も大きく、効果的であった。
今後の予定であるが、来年1月に広島県警から女性職務質問技能指導員を招聘して、地域警察官等を対象とした職務質問実戦塾を開催することとしている。」旨の説明があった。
大田委員から、「職務質問は犯罪捜査の端緒として大切な部分である。経験の豊富な方から指導を仰ぎ、能力を高め、実践に備えていただきたい。」旨の発言があった。
今村委員から、「会話能力向上研修会は、新しい切り口でとても良いと思う。来年開催予定の女性職務質問技能指導員による実践塾は、対象者を幅広く集めていただきたい。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「警察官の勘は、非常に大切な能力である。研修を通じてこの能力を上げていただきたい。」旨の発言があった。
出張型運転免許手続の取組状況
交通部長から、「出張型運転免許手続は、マイクロバスに必要な機材を積み込んで、運転免許課員が地域に出向き、運転免許証の更新や記載事項変更等の手続を行うものである。
運用に至った経緯であるが、現在、各警察署や幹部交番で行っている運転免許窓口での手続について、取扱いが著しく少ないものは、総合交通センターや各方面の一部の警察署に集約させるなど、事務の合理化に取り組んでいる。その一環として、運転免許更新等の申請数が少ない4幹部交番においては、4月から運転免許窓口を週1回に縮小し運用しているが、一方で、地域住民の利便性が低下する可能性があるため、それを解消する取組として出張型の運転免許窓口の開設を試験的に運用している。
具体的には、山口警察署管内の阿東幹部交番で行っている免許窓口について、4月から毎日行っていたものを週1回に縮小した。この運用変更にあたり、月1回は出張型の窓口を開設し、阿東幹部交番より約10km離れた徳佐地区の地域交流センターで実施している。これにより、県民の利便性の維持、併せて、阿東幹部交番に常駐させていた交通課員を本署に配置転換することができた。また、出張型は災害等発生時における代替措置として期待でき、今後検証していく。
今後の方針であるが、運転免許行政において、即日交付施設の拡充など業務の合理化を計画しているが、県民が不便を感じることのないようニーズに応じた運用を検討していく。出張型運転免許手続においても、写真を持参することなく、現場で写真撮影ができるよう機材の導入も検討しており、更なる効率化を図っていく。」旨の説明があった。
大田委員から、「運転免許窓口の合理化と県民の利便性のバランスが取れた施策である。出張型の場所の選定は、地域のニーズを踏まえた選定をお願いする。」旨の発言があった。
今村委員から、「警察にも地域にもWin-Winで、今後の方針も良いと感じた。当面は事務の合理化と県民の利便性に向けて取り組まれるだろうが、恒常的になるとニーズも変わってくる。長期的な視野を持って取り組んでいただきたい。」旨の発言があった。
弘永委員長から、「素晴らしい取組だと思うので、これから更に前進していただきたい。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者2人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者15人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。また、他1人については、再呼出しとした。 - 次回開催する意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、11月1日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 審査請求の受理
運転免許課長から、7月2日付けで公安委員会が行った処分について、審査請求を受理した旨の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
運転管理課長から、9月中における運転管理課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から、9月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、9月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通企画課長から、9月中の交通企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通規制課長から、9月中の交通規制課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通指導課長から、9月中の交通指導課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 令和5年度上半期の会計監査実施結果
会計監査官から、令和5年度上半期における会計監査の実施結果について報告を受けた。 - 交番・駐在所広報紙コンクールの開催
地域企画課長から、11月に開催する交番・駐在所広報紙コンクールの概要について説明を受けた。 - オープンデータカタログサイトを活用した「熊の目撃情報」に関する広報
地域企画課長から、山口県オープンデータカタログサイトを活用した熊の目撃情報の掲載について説明を受けた。 - 捜査支援分析課の活動状況(4~9月)
捜査支援分析課長から、4~9月における捜査支援分析課の活動状況について報告を受けた。 - 猟銃の所持許可に係る対応方針
生活安全企画課長から、猟銃所持者に係る所持許可について、今後の対応方針に関する報告を受けた。 - 令和5年秋の勲章伝達式の実施
監察官室長から、11月7日に実施される令和5年秋の勲章伝達式について説明を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、9月中の警察本部長宛てになされた苦情の処理状況等について、監察官から、令和5年度第2四半期における監察実施状況について、それぞれ報告を受けた。 - 逮捕術大会の実施
教養課長から、11月2日に開催を予定している令和5年度山口県警察逮捕術大会の実施要領について説明を受けた。 - 捜査第一課関係業務報告
捜査第一課長から、捜査第一課関係業務について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)