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公安委員会の開催概要(令和5年6月21日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
防犯対策の充実強化による県民生活支援事業
生活安全部長から、「地方創生臨時交付金を活用した防犯対策事業を実施するため、6月補正予算に計上する。
事業概要は、県内の要所箇所における防犯カメラ設置について地域住民に奨励をし、設置に係る費用を補助するものである。
事業の背景であるが、一連の凶悪な闇バイト強盗事件が全国各地で発生していることに加え、うそ電話詐欺被害が依然として深刻な情勢であることから、令和5年3月に犯罪対策閣僚会議が開催され、闇バイトによる強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プランが決定された。この緊急対策プランの概要であるが、四つの柱として、一つ目は『実行犯を生まない』ための対策、二つ目は『実行を容易にするツールを根絶する』ための対策、三つ目は『被害に遭わない環境を構築する』ための対策、四つ目は『首謀者を含む被疑者を早期に検挙する』ための対策を講じることとし、特に、三つ目の対策の中で、防犯カメラの設置に係る支援が明記された。
さらに、物価高騰対策として、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額が決定され、この交付金の活用の推奨事業メニュー『消費下支え等を通じた生活者支援』の中に、防犯カメラの設置など防犯対策強化のための取組に関する支援が明記され、財政的な支援が得られたものである。
このような背景を踏まえ、県警察として鋭意検討し、この度の事業の構築に至った。
事業概要であるが、防犯カメラ設置補助事業は全国で8県警が当初予算で実施しているが、当県のセールスポイントは、カメラの設置主体は自治会・商店街などの地域団体であるが、設置箇所は警察が主導・選定し、地域団体に営業活動を行っていくという点である。さらに、防犯設備士協会の協力により、協会が地域団体に防犯カメラ設置に関するアドバイスやサポートを行うとともに、防犯カメラの保守点検も行うという構想を立てている。
今後の取組として、本部と警察署が連携し設置箇所の検討を行い、自治会等への設置勧奨を行う。
なお、生活安全部各課・会計課・警務課で構成するプロジェクトチームを立ち上げ、効果的な予算の執行を目指す。」旨の説明があった。
弘永委員から、「一般市民はどこに手続に行けば良いのか分からないことが多いので、対応窓口の周知をしっかりしていただきたい。」旨の発言があり、生活安全部長から、「煩雑な手続により事業実績が低調とならないよういろいろ検討した。本事業では、防犯設備士協会がアドバイスや申請手続のサポートもしてくれる。」旨の説明があった。
大田委員から、「防犯カメラがあることによる犯罪の抑止効果に加え、映像が犯罪発生時の捜査の手がかりとなることから、解像度など捜査に耐えうるようなものが必要になると思う。」旨の発言があった。
今村委員長から、「地域団体が設置した防犯カメラの設置箇所を把握するためにも、マップがあると便利なので作成を検討していただきたい。」旨の発言があった。
現場執行力強化訓練等の実施
地域部長から、「地域警察官の現場執行力強化と殉職・受傷事故防止を目的とした各種教養・訓練を実施している。県内における地域関係の公務執行妨害事案や受傷事案は相当数発生しており、また、長野県における殉職事案は記憶に新しいところで、この種の事案がどこで発生しても不思議ではなく、緊張感を保持した街頭活動や反復した教養・訓練等について平素から指示をしている。
県民の命を守るためには、警察官自身が受傷しない・させないことが大前提となる。引き続き、実戦的な教養・訓練に努め、警察官個々のレベルアップを図っていく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「警察官は、現場での経験を重ねて成長していくのだろうが、より能力を高めるためにこういった訓練が必要になると思う。実際の現場では何が起こるか分からないので、緊張感を持って訓練していただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「現場執行力強化と殉職・受傷事故防止とを両立していかなければならない。警察装備品も使い方ひとつで効果に差が出るので、訓練に参加していない警察官にも訓練内容の周知をお願いする。」旨の発言があった。
今村委員長から、「訓練を重ねることに意義があると思うが、想定する訓練内容はより高度にしていく必要がある。」旨の発言があり、地域部長から、「県内だけでなく他県の事例も踏まえながら訓練内容を増やしていき、あらゆる想定に対応できるよう工夫していく。」旨の説明があった。
第57回交通安全子供自転車山口県大会の開催
交通部長から、「交通安全子供自転車山口県大会を開催する。開催目的は、自転車競技を通じて小学生の交通安全に対する関心を高め、正しい交通ルールと知識を身に付けさせ、交通事故防止を図ることである。この大会は昭和41年から開催し、今回で57回目となる。
開催日は7月1日、場所は総合交通センターと交通安全学習館の自転車コースを使用する。
出場者は、現時点で10チーム48人を予定している。小学校単位のチームとし、1チーム4人編成とする。
競技内容は、学科テストと実技テストの2種類で、学科テストでは交通規則、道路標識・標示等、自転車の安全な乗り方に関する内容を問う。実技テストでは、市街地を設定したコースを正しい交通ルールに従って走行する安全走行、S字走行やジグザグ走行等のテクニックを競う技能走行を行う。
なお、上位者には山口県警察本部長表彰、山口県交通安全協会会長表彰を授与する。
さらに、優勝したチームは8月に東京の有明ビッグサイトで開催される全国大会に出場していただく。
この大会は、近年出場チームが減少傾向にあるものの、子供のうちから正しい自転車ルールを身に付けさせるには大変意義のある取組なので、子供たちの記憶に残る大会となるよう進めていく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「開催に係る費用はどこから支出されるのか。」旨の発言があり、交通部長から、「県警察で予算措置したもののほか、交通安全協会、協賛事業者にもご協力いただいている。」旨の説明があった。さらに、弘永委員から、「自転車販売や製造業者にも声を掛ければ意外に協賛してもらえるかもしれない。良い取組なので引き続き進めていただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「私も小学生の時にこの大会に出場したことがあり、しっかり記憶に残っている。出場するためにみんなで一生懸命練習をし、交通ルールも勉強もした。この時代なので、出場者にはヘルメットを着用していただき、若い世代の人の記憶に残る企画にしていただきたい。」旨の発言があった。
今村委員長から、「出場チームが減ってきているとのことだが、出場する小学校は固定しがちなのか。」旨の発言があり、交通部長から、「委員のおっしゃるとおり、固定しがちである。校長先生が熱心な小学校の出場が多い。」旨の説明があった。さらに、今村委員長から、「興味を持ってくれる小学校が増えると良い。教育委員会を通じてアプローチするのも一つの方法だと思う。取組が広がることを期待する。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者3人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者16人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。また、他5人については、再呼出しとした。 - 次回開催する意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、7月12日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 個人情報開示請求の受理及び決定方針
公安委員会会務官から、個人情報の保護に関する法律に基づく保有個人情報開示請求を受理した旨の説明を受け、了諾するとともに、対応方針の説明を受け、処分を決定した。 - 審査請求に係る弁明書の作成
運転免許課長から、5月31日に受理の報告を受けた審査請求について、弁明書を決定し、審査請求人に対する弁明書の送付及び反論書の提出要求について説明を受け、決裁した。 - 審査請求に係る審議の併合(2件)
警察県民課長から、令和4年3月25日及び同年5月19日付けで警察本部長が行った処分2件に対する審査請求について、山口県情報公開・個人情報保護審査会から審議の併合の通知を受けた旨の説明を受け、決裁した。 - 審査請求に係る公文書の提出依頼(2件)
警察県民課長から、令和4年3月31日及び同年6月17日付けで警察本部長が行った処分2件に対する審査請求について、山口県情報公開・個人情報保護審査会から開示決定等に係る公文書の提示依頼があった旨の説明を受け、決裁した。 - 情報公開条例に基づく部分開示決定に対する審査請求に係る答申の受理
警察県民課長から、令和2年11月26日及び同年12月16日付けで警察本部長が行った処分に対する審査請求について、山口県情報公開・個人情報保護審査会から答申を受理した旨の説明を受け、決裁した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
警備課長から、香川県公安委員会からのG7香川・高松都市大臣会合開催に伴う警戒警備に係る援助要求に関し、派遣期間等の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 業務報告
本部長から、人事関係業務に関する報告を受けた。 - 山口県公安委員会事務の専決状況
運転管理課長から、5月中の運転管理課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から、5月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、5月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通企画課長から、5月中の交通企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 犯罪被害者等早期援助団体の事業報告等
警察県民課長から、令和4年度における公益社団法人山口被害者支援センターの事業等について報告を受けた。 - 第3期「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」(素案)の概要
企画室長から、第3期「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」(素案)の概要について説明を受けた。 - 捜査第一課関係業務説明
捜査第一課長から、捜査第一課関係業務について説明を受けた。 - 射撃場の指定
生活安全企画課長から、銃刀法に基づく射撃場の指定に係る申請がなされ、審査により射撃場に指定した旨の報告を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、5月中の警察本部長宛てになされた苦情の処理状況等について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)