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公安委員会の開催概要(令和5年5月31日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
自転車盗被害防止対策強化期間の実施結果
生活安全部長から、「4月10日から4月30日までの間を自転車盗被害防止対策強化期間として、各種活動を実施した。これは、新型コロナウイルス感染症の収束による人流増加を背景に、自転車盗の被害増加が懸念されることから、緊急的な取組として実施したものである。
自転車盗は刑法犯認知件数の約17%を占めており、県民の身近な犯罪被害の一つである。被害の形態は、無施錠による盗難被害が大半で、自転車盗の過去5年平均のうち約80%が無施錠となっている。また、被害者は学生が多いため、学生を対象に重点的な施錠の呼び掛けを申し向けていくことが重要となっている。
期間中における広報啓発活動であるが、県民の防犯意識を向上させていくため交通部と連携し、キャッチフレーズ『自転車・カギかけ・ヘルメット』を設定した。次に、県教育委員会等を通じ、県内全ての中学・高校に対して生徒への指導を要請した。更に、各警察署において、少年セーフティリーダーズや自治体・学校などの関係機関と連携した広報啓発活動を実施した。
警察活動においては、各警察署が管内の被害状況を分析、駅駐輪場等の重点対策場所を選定し、生活安全課員と地域課員等が連携して被害防止対策、検挙活動、被害品の発見・回復等の犯罪抑止活動を実施した。
取組成果であるが、無施錠率が79%から76%へ3ポイント改善した。更に、盗難自転車の発見に至り被害回復した事例、職務質問・検挙により被害回復した事例もあった。
今後の取組であるが、あらゆる機会を通じてキャッチフレーズ『自転車・カギかけ・ヘルメット』を呼び掛け、施錠を促進していく。また、県内3つの大学の学生に自転車盗難被害防止ののぼり旗を作成してもらい、駐輪場等に掲示して注意喚起を図る活動を進めていく。例年、夏休み時期に自転車盗被害が増加していることから、7月を目途に対策を強化していく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「コロナが落ち着いてきて多くの人が動き出すので、いち早くアクションを起こすことは非常に大切だと思う。4月から自転車運転時のヘルメット着用が努力義務化されたこともあって、自転車に対する意識も変わってきている。キャッチフレーズなどを含めた県民に響くような声掛けや、中学・高校に対する要請も効果的だと感じた。引き続きしっかり取り組んでいただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「人流が増えれば自転車盗も増えるようだが、どのような人が自転車盗を犯してしまうのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「自分の財産として使うというよりは、使用窃盗的なものが多いと思われる。少年の非行の形態では、自転車盗や万引きは初発型の非行として捉えられており、ちょっとした犯意が深刻化していく場合もある。」旨の説明があった。更に、大田委員から、「ヘルメット着用も含めて声掛けしやすい時期だと思うので、自転車盗被害防止の取組とセットでどんどん進めていただきたい。」旨の発言があった。
今村委員長から、「被害者は学生が多いということだが、犯行をする者の年齢層はどうか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「年齢層は様々であり一概には言えない。まずは、自転車に施錠してもらうことで盗難防止を図っていく。」旨の説明があった。更に、今村委員長から、「のぼり旗を3大学で作成するということだが、他の大学にも声掛けをしてみてはどうか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「今回賛同していただいたのは3大学だが、他の大学にも声掛けをしており、引き続きお願いしていく。」旨の説明があった。
PIII研修の開催状況と今後の取組
地域部長から、「PIII(ポリストリプルアイ)は高度警察情報通信基盤システムの略称で、平成31年4月から全国警察で運用している。県警察では地域警察官の街頭活動を中心に運用しており、110番指令の受信、事案現場の映像伝送、外国人と意思疎通を図る上での翻訳等幅広く活用している。
こうした中で、県警察全体におけるPIIIの効果的な活用促進を更に高めていくことを目的に、研修を実施した。
研修は、より多くの警察官が参加できるよう2回に分けて実施し、本部所属は集合形式、警察署はオンライン形式により、PIIIの特徴や機能の説明のほか、実機使用による操作体験を実施した。
今後、引き続き情報通信部等と連携しながら、PIIIの効果的・効率的な活用が図られるようタイムリーな指導教養に努めていく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「映像伝送機能があるということだが、映像があれば現場の緊急度が判断しやすくなると思う。全ての警察官が有効に使えるよう、行き届いた研修をしていただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「これから外国人技能実習生等も増えるので、PIIIの多言語翻訳機能は非常に有効だと思う。研修を通じて操作に習熟していただき、加えて、端末の台数を増やせていければ良いと思う。」旨の発言があった。
今村委員長から、「PIIIの機能は、警察官の身を助けるものだと思うので、有効に使っていただきたい。端末に疎い人でも、教わればできると思うので極め細やかな指導をお願いする。」旨の発言があり、本部長から、「技術の進歩に追いついていくことは大きな課題である。警察職員である限り、若い者はもちろんのこと、年齢の高い者でもきっちりと使いこなせるよう十分教養していく。」旨の説明があった。
大規模警備の実施結果
警備部長から、「2つの大規模警備が終了した。G7サミット警備では、米国要人が米軍岩国基地を利用した出入国となり、大規模な警備を実施した。警護関係部隊、エリア警戒関係部隊、交通規制関係部隊などを運用し、多くの警察官が業務に従事した。
また、皇嗣殿下のお成りでは、側近警衛隊、お成り先やお泊り所関係部隊などを運用し、御身辺の絶対安全を確保しつつ、皇室と国民との親和に配意した警備を実施した。
いずれも、万全の体制により特異事案なく無事終了することができた。
今回の大規模警備の教訓を踏まえながら、今後の要人の来県において、完璧な警護警備を行っていく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「予定の変更や、いろいろな事態が起こることを想定しながらの警備で大変だったと思う。警備に従事した警察官を労いたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「サミットは安全第一、皇嗣殿下のお成りは安全性に加え、皇室と国民との交流に配慮しなければならず大変だったと思う。今回の警備の経験を今後に役立てていただきたい。」旨の発言があった。
今村委員長から、「無事に終了したことを喜びたい。県警察にとって貴重な経験となったと思う。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 苦情の申出の受理
公安委員会会務官から、公安委員会宛てになされた苦情の申出について要旨の説明を受け、決裁した。 - 運転免許関係事務委託の公示
運転免許課長から、令和5年度運転免許関係事務委託の公示について説明を受け、決裁した。 - 審査請求の受理
運転免許課長から、4月19日付けで公安委員会が行った処分について審査請求を受理した旨の説明を受け、決裁した。 - 苦情の申出に対する調査結果及び回答
刑事企画課長から、4月19日に受理の報告を受けた公安委員会宛ての苦情の申出について、調査結果の説明を受け、回答文を決裁した。 - 審査請求に係る山口県情報公開・個人情報保護審査会への諮問
警察県民課長から、2月22日に受理の報告を受けた審査請求について、山口県情報公開・個人情報保護審査会に諮問する旨の説明を受け、決裁した。 - 山口県個人情報保護条例に基づく公文書の提示依頼の受理及び提示
警察県民課長から、山口県情報公開・個人情報保護審査会に対する令和4年9月21日付けの諮問について、山口県個人情報保護条例第34条第1項の規定に基づく公文書の提示依頼があった旨の説明を受け、決裁した。 - 山口県使用料手数料条例の一部改正
交通企画課長から、道路交通法の一部を改正する法律に基づく山口県使用料手数料条例の一部改正について説明を受け、決裁した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
警備課長から、福島県公安委員会からの原子力関連施設の警戒警備に係る援助要求に関し、派遣期間等の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
運転免許課長から、4月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通企画課長から、4月中の交通企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、4月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通規制課長から、4月中の交通規制課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 留置施設視察委員会委員任命状交付式の開催
留置管理課長から、6月7日に開催される令和5年度山口県留置施設視察委員会委員任命状交付式の実施要領について説明を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、4月中の警察本部長宛てになされた苦情の処理状況等について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)