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公安委員会の開催概要(令和5年4月26日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
コンパクト化・高セキュリティ化駐在所の運用開始
地域部長から、「長門警察署俵山警察官駐在所を建て替え、3月29日から運用開始した。新しい駐在所は、元の場所から約400m南方の県道沿いに移転し、コンパクト化と高セキュリティ化が大きな特徴である。
県内の交番・駐在所は、老朽化した施設が増加しているものの、建替整備が追い付いておらず、限られた予算の中で持続可能な建替整備を推進するため、施設規模等の見直しによる建設費の縮減や、長寿命化のための大規模改修なども行っている。
俵山警察官駐在所はコンパクト化により建設費縮減を目指し、今後の建替整備をする駐在所のリーディングケースとして設計、施工している。
コンパクト化についてであるが、駐在所の赴任形態が変化し、単身や夫婦2人世帯での生活を想定して居住部分を従来の3DKから1LDKとした。また、建設費は資材・人件費の高騰や当該地域のインフラ整備の違い等により、一概に比較することはできないが、昨年整備した三隅警察官駐在所と比較し、約1千万円の縮減効果が得られた。
次に、高セキュリティ化についてであるが、平成30年以降、全国で続発している交番襲撃事件等を受け各種安全対策を図っており、防犯カメラ、カウンタースクリーン等の安全対策設備を充実させている。
運用開始後、地域住民からは『県道沿いに移転し警察活動が活性化される』『応接スペースがあり訪問しやすくなった』などの声が寄せられている。今後、更に運用状況を確認・検証して、これからの建替整備に活かしていく。
なお、俵山警察官駐在所の開所式は5月25日を予定している。
今後の建替計画であるが、令和6年度は下関警察署安岡交番、山口南警察署阿知須交番の建替を予定しており、引き続き、管内情勢に応じて弾力的に建替整備を進めていく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「建設費が1千万円も縮減された上に、駐在所の随所に工夫がされており素晴らしい。可能な限り同じような設計にすれば、コストも抑えられると思う。工夫の余地もまだまだあると思うので、運用状況をしっかり検証していただきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「1千万円という大幅な建設費の縮減に成功した一方、応接スペースの充実、安全対策も取られており、駐在所は地域に溶け込んだ存在であるとともに安全性の確保が重要だと感じた。また、居住スペースは、そこに住む家庭の人数等を考慮しなければならないと思う。」旨の発言があった。
今村委員長から、「コンパクト化は大切なことだが、日常生活の満足度が下がることはないのか。」旨の発言があり、地域部長から、「やや狭い印象を受けられるかもしれないが、この駐在所は主に単身向けとなっている。今後の建替整備においても設計段階から積極的な検討を重ね、より良いものとなるようにしていく。」旨の説明があった。さらに、今村委員長から、「夫婦で居住する場合でも、日常生活が満足できるよう工夫をしていただきたい。」旨の発言があった。
「やまぐちセーフティドライブコンテスト」の実施結果
交通部長から、「令和4年9月、県警とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社が包括連携協定を締結したことに伴い、地域課題解決に向けた共同取組の一つとして、同社が保有するテレマティクス技術を活用した安全運転推進に資する『やまぐちセーフティドライブコンテスト』を行った。
テレマティクスとは、Telecommunication(通信)とInfomatics(情報科学)を組み合わせた造語で、自動車などの移動体と通信システムを組み合わせ、リアルタイムに情報サービスを提供することをいうものである。
このコンテストは、同社が管理運用している『テレマティクスタグ』を車のダッシュボードに取り付け、ドライバーの運転状況をチェックするもので、採点はスマートフォンアプリを活用し、走行ごとの5項目のスコアリング(急アクセル、急ブレーキ、急コーナリング、速度超過、スマホ使用を診断)を集計し、ドライバーの運転を総合的に判断するものである。
実施期間は、2月1日から2月28日までの1か月間で、山口市内と防府市内の事業所から参加を募り、73チーム、279人の参加があった。
実施結果であるが、100点満点からの減点方式で、減点項目では『急ブレーキ』『スマホ使用』の回数が多かった。しかしながら、平均スコアは97.96点と高得点であり、コンテストを通じて安全運転推進と交通マナーの向上に一定の効果があったものと考えている。
なお、成績上位者には表彰を予定している。
今後は、収集した走行データを分析し、急ブレーキ多発地点等の危険箇所をデジタルマップに反映した『交通安全マップ』を作成し、県警ホームページに掲載するなど各種広報啓発に活用していく。また、このコンテストは継続実施を計画しており、関係機関や団体、民間企業と連携して参加者の拡大を図り、より多くの県民に安全運転を心掛けていただけるよう取り組んでいく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「チームでの参加となっているが、一人一人のスコアは出るのか。また、参加料はいるのか。」旨の発言があり、交通部長から、「委員のおっしゃるとおり、一人一人スコアが出る。その日の運転状況がスマホに表示されるので、それを確認することで自身の運転を反省できる。参加料については、同社の事業のため無料である。」旨の説明があった。
大田委員から、「是非、参加者を増やして実施していただきたい。データが多くなれば、参加者の意識向上、危険箇所の注意喚起、交通取締、道路の整備など様々なことで役立てることができると思う。」旨の発言があった。
今村委員長から、「収集したデータを有効に活用していただきたい。参加料は無料ということだが、警察として経費の支出はしているのか。」旨の発言があり、交通部長から、「警察では経費の支出はない。」旨の説明があった。
衆議院山口県第2区及び第4区選出議員補欠選挙に伴う警護警備の実施結果
警備部長から、「衆議院山口県第2区・第4区選出議員補欠選挙に伴う警護警備であるが、選挙運動期間中(4月11日から22日までの12日間)には複数の警護対象者に対する警護警備を実施した。
今回の警護警備は、日程把握から警護実施までが短期間であった上、新幹線利用や警護車列を編成した長距離移動、同日に複数の警護対象者に対する警護警備が必要となった。
なお、警護措置として、本部長等の実地踏査に基づく警護計画の作成、指定警護要員の広域運用による警護員の確保、防弾スクリーン等の活用等による銃器攻撃対策の徹底、事前検索や職務質問等の再徹底、制服警察官の増強配置、警察犬の運用等を実施した。
これら万全の警護措置により、特異動行なく終了することができた。また、非常に厳しい警護情勢の中、主催者にもご協力いただき完璧な警護警備を実施することができた。
今後も、警護員に対する教養・訓練、資器材の習熟に努め、これからの警護警備に備えていく。」旨の説明があった。
弘永委員から、「警察官の警護警備は、以前に比べ厳重になったと感じているが、群衆の周りに警察官がいることが多いので、群衆の中にも私服警察官を配置した方が、いざという時に対応できるのではないかと思う。」旨の発言があった。
大田委員から、「選挙の警護警備は、ケースバイケースで対応しなければならない難しさがある。妨害行為を企図する者に実行に移させないためには、見せる警備が大切になってくると思う。」旨の発言があった。
今村委員長から、「警察の警護警備に対する国民の期待は大きい。今後も万全の態勢で従事していただきたい。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 審査請求の受理
運転免許課長から、1月16日付けで公安委員会が行った処分について審査請求を受理した旨の説明を受け、決裁した。 - 犯罪被害者等給付金の申請受理
警察県民課長から、4月14日に申請された犯罪被害者等給付金の申請について報告を受け、決裁した。 - 令和5年度留置施設実地監査実施計画
留置管理課長から、令和5年度における留置施設実地監査の実施計画について説明を受け、決裁した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
警備課長から、G7広島サミット開催に伴う山口県内警備のため、千葉県公安委員会及び福岡県公安委員会に援助要求を行う旨の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 永年勤続並びに優良警察職員表彰式の開催
監察官室長から、5月30日に開催される永年勤続並びに優良警察職員表彰式について説明を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)