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公安委員会の開催概要(令和5年1月25日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官出席の上、下記の報告を受けた。
犯罪抑止対策の推進状況(令和4年中)
生活安全部長から、「令和4年中の刑法犯認知件数は3,845件(前年比-26件)で、20年連続の減少となった。過去5年の推移であるが、平成30年が5,419件、令和元年が5,196件、令和2年が4,137件、令和3年が3,871件であった。他方、全国の刑法犯認知件数は増加に転じ、連続の減少は19年で止まった。
20年連続減少の都道府県は、当県のほか、新潟、静岡、福井の4県である。
指定犯罪については、自転車盗が前年に比べて増加したが、うそ電話詐欺、万引き、侵入盗、車上ねらい、器物損壊は減少した。なお、無施錠による自転車盗の被害が自転車盗全体の約8割を占めた。令和4年中の抑止対策の推進状況であるが、JR駅駐輪場や学校における自転車盗被害防止広報、大型商業施設における万引き被害防止を目的とした店内パトロール、警察署に対する巡回指導等を行った。
うそ電話詐欺は、認知件数(暫定値)が107件(前年比-1件)、被害額が2億5,265万円(前年比-1,767万円)であった。特徴としては、架空料金請求詐欺被害が増加し、認知件数全体の約7割、被害額全体の約8割を占めた。また、高齢者被害が被害全体の7割以上を占めた。令和4年中の抑止対策の推進状況であるが、コンビニエンスストアに対する電子マネー販売時の声掛け要請、宅配事業者等に対する配送受付時の声掛け要請、県内に本店を置く金融機関に対する水際対策強化等の協力要請等を行った。
今後の対策であるが、高等学校等と連携した自転車盗被害防止広報、ヤフーサービスを活用したうそ電話詐欺被害防止広報等を実施することとしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「当県が全国の中でも良い成績を収めていることに感謝している。過去5年の刑法犯認知件数を見ると、コロナが始まった令和2年から大きく減少しているように思う。今後、コロナ対策の制限が緩和されると社会情勢も変わってくるので、今年以降、数値が増えないよう取り組みを進めてもらいたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「刑法犯認知件数が増加に転じた都道府県がある中で、当県は20年連続減少したということで、これは県警の皆さんの努力の賜物であり、感謝している。犯罪の中には、比較的軽微な事件もあるが、こうした事件についても、犯罪の予防に努め、発生した場合にはきちんとした対応をすることによって、県民の遵法精神も培われるのだと思う。今回は、犯罪抑止対策ということで報告を受けたが、いったん犯罪が発生してしまうと、大変な捜査が必要となってくるので、防止で留めるのが最良の方法だと思う。引き続きよろしくお願いする。1点質問であるが、刑法犯認知件数3,845件は、全国的に見ると、どのような評価か。」旨の発言があり、刑事部長から「当県の犯罪率(人口10万人当たりの刑法犯認知件数で計算)は、289.5件であり、全国9位である。犯罪率は、数値が低いほど治安が良いとされており、最も治安が良かったのは秋田県で198件であった。人口数や警察官数を見ると、当県は全国25位前後であるが、治安の良さは9位である。」旨の説明があった。
今村委員長から、「皆さんの努力の積み重ねによって全国でも上位の成果が表れているものであり、感謝している。犯罪の広域化に伴い、1県に留まらず、いろいろな情報を全国で共有して、安全・安心な社会の実現に努めてもらいたい。」旨の発言があった。
山口県の犯罪情勢(令和4年中)
刑事部長から、「令和4年中の全刑法犯の検挙件数は、2,382件(前年比+99件)であった。このうち、重要犯罪(殺人、強盗、放火、強制性交等、略取誘拐等、強制わいせつ)は、認知件数が54件(前年比±0件)、検挙件数が52件(前年比-2件)であった。重要窃盗犯(侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり)は、認知件数が276件(前年比-37件)、検挙件数が328件(前年比+55件)であった。特殊詐欺(うそ電話詐欺)は、認知件数が107件(前年比-1件)、検挙件数が24件(前年比+6件)で、手口別では、還付金詐欺が大幅に減少し、架空料金請求詐欺が大幅に増加した。また、被害額は、3年連続で2億5千万円を超えた。暴力団犯罪については、合田一家の組員等50人(前年比-22人)を検挙した。薬物犯罪については、63人(前年比-15人)を検挙した。なお、検挙人員の内訳は、覚醒剤の検挙人員が41人(前年比-10人)、大麻の検挙人員が16人(前年比-8人)であったが、大麻の押収量は、843.15g(前年比+425.56g)と増加した。
数値から見ると良好な点もあるが、全国的には殺人、強盗などの凶悪事件が頻発していることから、決して体感治安は良好とは言えない。こうしたことをしっかり認識して、検挙が最大の防御・抑止になるということを肝に銘じ、今後も犯罪捜査に力を入れていくこととしている。」旨の報告があった。
弘永委員から、「当県は検挙の面で良好な成果を上げており、引き続きお願いする。半グレが絡む事件は広域化・複雑化しており、その対応は難しいように感じている。捜査では、都道府県警察の連携が、今後ますます必要だと思う。これまでにない手法の犯罪が出てくることもあるだろうが、粘り強い捜査を継続し、頑張ってもらいたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「検挙率が上がっているのは、皆さんの努力の賜物である。また、現場で捜査に当たり、それを支援分析する皆さんも一所懸命にやっていただいていることに感謝している。全国では、日々、殺人や強盗などの事件報道がなされており、国民、県民は、治安に対する不安があると思う。そうした中で、岩国や関東圏で発生している強盗事件の捜査は、特殊詐欺事件の捜査と同じような難しさがあるように感じている。大変だろうが、よろしくお願いする。」旨の発言があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 警察署協議会委員候補者の推薦等
公安委員会会務官から、警察署協議会委員の委嘱替え手続きについて説明を受け、決裁した。 - 個人情報開示請求に対する決定方針(2件)
公安委員会会務官から、令和4年12月27日に受理の報告を受けるとともに、開示決定の期間延長について説明を受け決裁した個人情報開示請求2件について、対応方針の説明を受け、処分を決定した。 - 公文書開示請求への対応
会計監査官から、1月4日に警察本部長が受理した公文書開示請求について 対応方針の説明を受け、決裁した。 - 苦情の申出に対する調査結果及び回答
交通指導課長から、12月14日に受理した公安委員会宛ての苦情の申出について、調査結果の説明を受け、回答文を決定した。
報告概要
- 被疑者取調べ監督業務の推進状況(令和4年中)
総務課長から、令和4年中の被疑者取調べ監督業務の推進状況について報告を受けた。 - 山口県監査委員による定期監査の実施結果
会計監査官から、令和4年度上半期における山口県監査委員による定期監査の実施結果について報告を受けた。 - 山口県公安委員会事務の専決状況
交通指導課長から、12月中の交通指導課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から、12月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通規制課長から、12月中の交通規制課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、12月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、組織犯罪対策課長から、第3四半期の組織犯罪対策課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官から、第3四半期の監察実施結果について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
その他
降雪のため、最寄りの警察庁舎からWeb形式により出席した。
(編集 総務課)