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公安委員会の開催概要(令和5年1月18日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
令和5年度組織改編計画
警務部長から、「組織改編の基本方針は大きく2つあり、1つは、『やまぐち未来維新プラン』で県警察が取り組むべく表明した各施策を実現すること、もう1つは、社会情勢の変化に適応する柔軟かつ効率的な組織を構築することである。
改編概要は、
〇 参事職の拡充
〇 サイバー犯罪対策の体制強化
〇 犯罪捜査支援業務の体制強化
〇 情報管理体制の強化
〇 特殊詐欺検挙対策の強化
〇 警護体制の強化
〇 経済安全保障対策の体制強化
〇 その他
・ 採用募集活動体制の強化
・ 警察署留置管理体制の強化
・ 女性術科指導体制の強化
・ 健康管理体制の強化
である。
今後の予定であるが、山口県警察本部組織規則等、関係規程の改正を行い、人事異動に併せて公表することとしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「令和5年度の組織改編は、サイバー犯罪への対処、デジタル化の推進など、今の治安情勢に応じた的確なものになっていると感じた。この改編の趣旨が、警察全体に伝わるよう進めてもらいたい。」旨の発言があり、警務部長から、「組織改編のねらいは、署長会議においても説明することとしている。」旨の説明があった。
大田委員から、「昨年、警察庁に新設されたサイバー特別捜査隊には、当県からの出向者がいるのか。」旨の発言があり、警務部長から、「2人の警察官が出向等している。サイバー特別捜査隊で培った経験を県警に持ち帰ってもらい、県警のサイバー捜査の能力アップにつなげていきたいと考えている。」旨の説明があった。
今村委員長から、「職員の増員がない中で、所属を新設すると兼務などのいろいろな弊害が生まれるのではないか。組織運営上、問題はないのか。」旨の発言があり、警務部長から、「委員長ご指摘の問題は、組織改編の議論をする中で、特に意識している点である。定数は決まっており、所属を新設すれば、どこかの所属で減員になるが、弊害が生じないよう、いろいろな所属に少しずつ負担してもらっている。」旨の説明があった。
令和4年中の110番受理状況と110番の日広報の実施
地域部長から、「令和4年中の110番受理件数は、110,375件(前年比+7,438件)であった。このうち、通報を受け現場に臨場し、措置に至った、いわゆる有効110番件数は78,424件(前年比+4,019件)、割合としては約70%であった。それ以外の『いたずら』、『無応答』、『誤接』などの件数は、31,951件(前年比+3,419件)、割合としては約30%であった。
なお、昨年10月に試行開始した110番映像通報システムの運用件数は20件あり、うち12件は、行方不明者に関するもので、そのほかの8件の中には、窃盗被疑者の検挙に役立った事例も認められた。
次に、110番の日広報の実施状況であるが、適切な110番利用などについて県民の理解・浸透を図り、初動警察活動の強化に資するため、1月10日の『110番の日』を中心に、県内の各地域で110番利用の広報を実施した。今後は、110番広報の継続実施、110番映像通報システムの積極的な運用、トータルリスポンスタイムの維持・短縮に向けた取組の強化を進めていくこととしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「最近は、事件事故以外でも警察関係のニュースを多く目にするようになり、広報を担当する方の努力を感じながら視聴している。先日は、110番映像通報システムの説明や効果が新聞に出ていたが、このシステムについては、まだ知らない人が多いと思うので、広報に努め、県民に知るきっかけを作ってもらいたい。1つ質問であるが、『誤接』とはどういうことで起こるのか。」旨の発言があり、地域部長から、「『誤接』は、スマホの普及が大きく影響しているものと認められ、スマホをポケットや鞄の中に入れていると画面や電源ボタンが当たって緊急発信されてしまうものである。この問題は、当県だけでなく全国的に増加傾向にある。」旨の説明があった。
大田委員から、「有効な110番通報の件数以外の通報が30%もあるのに驚いた。110番通報は、捜査の端緒であり、それが適切に行われるかどうかによって、その後の捜査にも大きな影響が出ると思う。また、被害の発生予防、拡大防止という点でも大切なものである。通報の30%が有効件数以外であったとしても、これに対応する警察官は、正確な情報が得られるよう適切に対処してもらいたい。1つ質問であるが、映像通報システムとはどのようなものか。」旨の発言があり、地域部長から、「このシステムは、昨年の10月から試行されているもので、音声だけでは把握が難しい事件・事故等の現場の状況をスマホ等の映像機能を利用して警察に通報してもらうものである。本年4月からは本運用となる。」旨の説明があった。さらに、大田委員から、「被害者や目撃者が110番通報する早い段階で、映像等の提供を受けることに意味があるということか。」旨の発言があり、本部長から、「そのとおりである。今は、スマホからの110番通報が増えており、通報があった時に、現場の映像送信の同意が得られれば送ってもらうもので、それが動画であったり、静止画であったりする。まさに初動での情報提供が画像でなされるというメリットがある。」旨の説明があった。
今村委員長から、「2つ質問である。1つ目は、有効110番件数の全国平均はどの程度か。地方と大都市圏では件数に差があるのか。2つ目は、よくニュースで県警のことが取り上げられているが、日頃から何か工夫をしているのか。」旨の発言があり、地域部長から、「有効110番に関するお尋ねは、正確な数値を持ち合わせてないので改めてお示しする。広報に関しては、各所属の広報担当者が、報道各社に積極的な働きかけを行っている成果である。」旨の説明があった。加えて、警務部長から、「広報の働きかけは、各所属で行っているほかに、総務課の広報担当も行っている。」旨の説明があった。さらに、今村委員長から、「県警関連のニュースは、その情報が視聴者に身近なものなので、老若男女を問わず関心のある内容である。5分のニュース枠で、3分くらいは警察の話題という日もあるように思う。きっと警察と報道で良好な関係を築かれているのだと思う。」旨の発言があり、本部長から、「そこは正に委員長がおっしゃったとおりであり、総務課には、広報を専門にしている係があり、また、報道各社には警察担当の記者もいるので、我々の日頃の仕事を理解した上で適切に広報していただいている。むしろ、我々が説明する以上に彼らの説明の仕方がうまかったり、見せ方がうまかったりすることもあるので大変に助かっている。年末にパソコンの画面を乗っ取られてお金を要求されるサポート詐欺が頻発していたが、タイムリーに、そういう事案が発生していることを広報してもらったので、そこは日頃のコミュニケーションの成果だと思っている。それから、有効110番件数の中には、緊急を要しないものもあり、それは『#9110』の別の番号で相談してもらいたい旨を広報している。他県事例だが、先日の新聞で、110番通報で水が流れる音だけがしており、一見『誤接』や『無応答』に思われたが、位置情報を確認したところ山の中で遭難している人が沢で倒れていることがわかり救助に至ったという記事を見た。通報を受ける側は常に緊張感を持ちながら判断する、そういった意識が必要だと感じている。」旨の説明があり、今村委員長から、「一般の人には、緊急性があるものと、ないものの判断は難しい。緊急性のないことで110番通報してきた人には、『#9110』を伝えていってもらいたい。」旨の発言があった。
自転車総合対策の推進~自転車安全利用モデル校の委嘱式の開催~
交通部長から、「県警では、昨年3月に『自転車等総合対策検討委員会』を立ち上げ、良好な自転車交通環境の実現に向けた対策を推進中である。自転車安全アドバイザーの提言を踏まえて、県立熊毛南高校を「自転車安全利用モデル校」に委嘱した。今後は、同校を中心に、自転車用ヘルメットの着用促進をはじめとする諸対策を推進することとしている。委嘱式は、昨年12月20日に開催し、県警と包括連携協定を締結している、あいおいニッセイ同和損保株式会社から自転車用ヘルメット10個が寄贈された。今後は、所轄の柳井署と連携し、熊毛南高校の少年セーフティリーダーズを中心に、自転車用ヘルメットの着用指導及び着用率の調査、通学路点検による危険箇所の把握(危険箇所マップの作成)、自転車ワークショップ(体験型講座)などの取組を実施する予定である。」旨の説明があった。
弘永委員から、「自転車の安全利用を考えた場合、この施策は大変に良い取組だと思う。今回は、熊毛南高校をモデル校として委嘱したわけだが、同様の学校が増えていけばさらに良好な交通環境が生まれると思う。また、モデル校以外の学校に対しても、自転車の安全利用に対する意識が高まるような啓発活動を進めてもらいたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「自転車通学する高校生はヘルメットを着用していないように思う。他方、中学生は、通学では着用しているが、通学以外では着用していないように思う。そういった点では、この施策をどんどん広げていくことが必要だと思う。学校側も、生徒の安全を守るための教育の一環として、非常に受け入れやすい施策だと思うので、モデル校の指定のいかんに係わらず広げていってもらいたい。また、ヘルメットは、頭を防御する点で、有効なものだと思うので、それを示す客観的なデータ等があればそれを保護者等の啓発に活用し、着用を促進してもらいたい。」旨の発言があった。
今村委員長から、「ヘルメットを被っていることが格好いいというようになれば良い。そのためにはいろいろなデザインのヘルメットも必要だと思う。」旨の発言があり、本部長から、「学校では、ヘルメット着用が多数派になるとヘルメットを被るのが当たり前になるが、それが少数派だと被らないままになってしまう。まずは、重点的な対策を進めてヘルメット着用を広めていきたい。ヘルメットは、デザイン性の高いものもあるが、そういったものは高価である。こうした点も含めて、努力義務になることを踏まえ、普及を進めていきたい。」旨の説明があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者4人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者14人のうち13人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定し、1人については、再呼出しとした。 - 審査請求の受理
運転管理課長から、令和4年9月21日付けで公安委員会が行った処分について審査請求を受理した旨の説明を受け、了諾した - 意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、2月8日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 個人情報開示請求の受理及び決定方針
公安委員会会務官から、公安委員会に対する山口県個人情報保護条例に基づく個人情報開示請求を受理した旨の説明を受け、了諾するとともに、対応方針の説明を受け、処分を決定した。 - 個人情報開示請求に対する決定方針
公安委員会会務官から、令和4年12月27日に受理の報告を受けるとともに、開示決定の期間延長について説明を受け決裁した個人情報開示請求について、対応方針の説明を受け、処分を決定した。 - 審査請求に係る弁明書の作成(2件)
運転免許課長から、12月7日に受理の報告を受けた審査請求2件について、弁明書を決定した。また、審査請求人に対する弁明書の送付及び反論書の提出要求について説明を受け、了諾した。 - 審査請求の受理及び弁明書の作成(2件)
警察県民課長から、令和4年10月12日及び同年12月22日付けで公安委員会が行った処分について審査請求を受理した旨の説明を受け、弁明書の作成を了諾した。 - 審査請求に係る山口県情報公開審査会への諮問(2件)
警察県民課長から、令和4年11月2日及び同年11月16日に受理した審査請求について山口県情報公開審査会に諮問する旨の説明を受け、了諾した。 - 審査請求の審理
交通規制課長から、6月22日に受理の報告を受けた審査請求について、審理経過の説明を受け、裁決書を決定した。 - 監察関係業務決裁
監察官から、行政事件訴訟の説明を受け、決裁した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
運転管理課長から、12月中の運転管理課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通企画課長から、12月中の交通企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、警備課長から、12月中の警備課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 初任科第193期卒業式の実施
警察学校副校長から、1月27日に初任科第193期の卒業式を実施予定である旨の報告を受けた。 - 令和4年度山口県警察柔道・剣道大会の実施
教養課長から、2月に開催を予定している山口県警察柔道・剣道大会の実施要領について説明を受けた。 - 留置施設に対する実地監査の実施結果
留置管理課長から、令和4年度留置施設実地監査の実施結果について報告を受けた。 - 留置施設視察委員会の概要説明
留置管理課長から、留置施設視察委員会の概要について説明を受けた。 - ストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況
人身安全対策課長から、12月中のストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況について報告を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、損害賠償請求事件の発生及び12月中の警察本部宛てになされた苦情の受理状況について、監察官から、12月中の非違事案について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)