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公安委員会の開催概要(令和4年12月21日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、交通部長、警備部長、情報通信部長、首席監察官及び刑事企画課長同席の上、下記の報告を受けた。
令和5年度警察費当初予算要求の概要
警務部長から、「来年度の警察費当初予算要求については、厳しい財政状況の中、『県民の期待と信頼に応える強い警察』の実現に向け、真に必要な予算を要求していくこととしており、その額は、約362億6,900万円となった。前年度に比べて約2億9,500万円減額となったが、その主な要因は、定年延長に伴う退職者数の減少等が見込まれることである。
主要事業は、『やまぐち未来維新プラン』の『時代を勝ち抜く産業力強化プロジェクト』と『暮らしの安心・安全確保プロジェクト』に6つの重点施策を掲げて予算要求を行った。
1つ目の『強みを伸ばす産業基盤の整備』では、技術情報流出防止対策推進事業(新規)について、2つ目の『犯罪や暴力から県民を守る対策の推進』では、うそ電話詐欺未然防止推進事業等について、3つ目の『地域に密着した安全・安心活動の推進』では、警察署建設費や駐在所等改築費等について、4つ目の『交通事故から県民を守る対策の推進』では、横断歩道見える化事業(新規)や交通事故防止施設総合整備事業等について、5つ目の『サイバー空間における安心・安全の確保』では、サイバー犯罪相談対応高度化事業(新規)について、6つ目の『社会の変化に対応した捜査力の強化』では、捜査の高度化・デジタル化推進事業(新規)について、それぞれ予算要求した。
令和5年度は、『やまぐち未来維新プラン』の最初の年となり、県警としても色々な施策について予算要求をするが、他の部局からも新しいプランに紐づけた施策が出され、厳しい競争になることが予想される。いずれにしても、県警の意向を財政課に説明し、できる限り実現させていきたい。」旨の説明があった。
弘永委員から、「新規施策の予算獲得を期待している。また、交通事故防止施設総合整備事業では、多くの予算を獲得して、消えかかった横断歩道の舗装などに充ててもらいたい。ハンドサイン運動を推進する中で、横断歩道がきちんと整備されていないようではいけない。」旨の発言があり、警務部長から、「横断歩道の整備は、交通事故防止施設総合整備事業の予算で行っているが、この予算だけでは限度があるので、横断歩道見える化事業などの別の経費でも横断歩道が整備できないか財政課と調整している。」旨の説明があった。
大田委員から、「新規の技術情報流出防止対策推進事業については、本来であれば民間企業が率先して自己の技術が流出しないようにしていかなければならないが、技術情報を流出させないためのノウハウは企業間で共有できると思うので、県警で、共有できる機会を設け、ノウハウを共有してもらえるよう努めてもらいたい。また、捜査の高度化に関しては、検挙率の向上に効果を挙げる資機材もあると思うので、成果が出た際には公表できる範囲でアピールすれば予算獲得も優位に運ぶと思う。」旨の発言があり、警務部長から、「技術情報流出防止に関する事業については、委員のおっしゃるとおりであり、小規模でも高い技術を持つ企業はたくさんあるので、そういった企業を含めて技術情報の流出を防ぐ対策を幅広く知ってもらえる機会を設けたい。さらに言えば、企業がどのような対策を講じるかは、それぞれの企業の判断になると思うが、他方で、ベストプラクティスとして対策を共有することは意義があることだと思っている。」旨の説明があった。
今村委員長から、「どこの部局も予算を欲しがっているので、『やまぐち未来維新プラン』に基づいた新規事業を出して、少額の予算でも獲得していくことが必要だと思う。例えば、『横断歩道見える化事業』も、この部分だけを特出しして、ここだけは絶対に譲らないといった要求のテクニックも大事なことだと思っている。どれだけ獲得できるかわからないが是非頑張ってもらいたい。特に今回のプランは、『DX』がメインの一つだと思うので、そこの部分に目を向けて予算獲得に努めてもらいたい。オンラインで開催した柳井警察署協議会の会議に出席したが、機材が十分に整っているようには感じなかった。そういった点を踏まえて、予算獲得に努めてもらいたい。また、警察専属の産業医についても、いずれ配置できたら良いと思っている。健康管理の精度が上がってくると思う。」旨の発言があった。
指名手配制度の運用状況
刑事企画課長から、「指名手配制度は、全国の警察に対し、被疑者や事件内容の手配を行った上で、逮捕状が発せられている被疑者の逮捕を依頼し、逮捕後に身柄の引渡しを要求するものである。本年は現在のところ、19件を指名手配し、19件を検挙した。主要検挙としては、6月に防府署管内で発生した高齢男性被害の強盗事件被疑者を指名手配して逮捕した。
なお、毎年11月を『指名手配被疑者捜査強化月間(10月は準備期間)』に指定し、全国警察の総力を挙げて指名手配被疑者の追跡捜査を強化するが、当県においては、準備期間を含めたこの期間中、8件を手配し、8件を検挙した。
今後も、積極的な職務質問等を行うとともに、指名手配制度に関する部内教養を徹底し、指名手配被疑者の検挙に努めていくこととしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「当県の指名手配の検挙率は100パーセントということか。指名手配の検挙率は、大都市圏になるほど低いのか。」旨の発言があり、刑事企画課長から、「本年中に指名手配した被疑者は、すべて検挙した。大都市圏は認知件数が多いため、検挙率が下がる傾向にある。」旨の説明があった。さらに、弘永委員から、「東京、大阪などの指名手配の検挙率はどの程度か。」旨の発言があり、刑事企画課長から、「他県の指名手配被疑者の検挙率のデータは手元に無いが、回答できる範囲でお答えすると、当県は、全刑法犯の検挙率が約60パーセントであり、大都市圏に比べると当県の方が検挙率は高い。」旨の説明があった。
大田委員から、「指名手配の逮捕状は、有効期限内に身柄を確保できない場合、逮捕状を更新していくことになるのか。」旨の発言があり、刑事企画課長から、「被疑者を指名手配して、他県警察が捕まえる場合に逮捕状が有効期限切れになっていると大変なことになる。逮捕状は、必ず有効期限を確認し、指名手配を継続していくことになる。」旨の説明があった。さらに、大田委員から、「指名手配は通常逮捕になると思うが、逮捕状を示す行為はどのようにして行っているのか。また、逮捕状はあるが、指名手配制度を利用していない場合、他県は当該被疑者の捜査状況を知る機会があるのか。」旨の発言があり、刑事企画課長から、「指名手配被疑者を確保した場合は、逮捕状を緊急執行する。逮捕状の呈示は、改めて手配警察署等において行う。なお、指名手配制度以外にも、一時的に身柄を確保してもらうなどの共助依頼をすることがある。」旨の説明があった。
今村委員長から、「職務質問の対象者を見極めるための『勘』と言われるようなものは、どのようにして養われるのか。若い警察官に、どうやって教え込むのか。」旨の発言があり、刑事企画課長から、「若い警察官には、指導者が付くので、指導を受けながら、経験を重ねることによって『勘』を養うことになる。」旨の説明があった。さらに、今村委員長から、「人権意識の高まりなどで、これからは職務質問も慎重にやらなければならない時代になってきているのではないか。『勘』を鍛えるプロセスがどの程度あるのか。」旨の発言があり、本部長から、「委員長がおっしゃるとおり、職務質問においては、不審な言動を見分ける能力が必要である。他方、東京や大阪などの都市部においては、見当たり捜査という形で、指名手配の写真を記憶し、街中を歩いて、その人物を捜していくという手法のものもある。」旨の説明があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者6人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者19人のうち12人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定し、7人については、再呼出しとした。 - 意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、12月29日及び令和5年1月18日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 個人情報開示請求に対する決定方針
公安委員会会務官から、12月7日の公安委員会で受理の報告を受けた個人情報 開示請求について対応方針の説明を受け、処分を決定した。 - 苦情の申出に対する調査結果及び回答(2件)
刑事企画課長から、11月9日に受理した公安委員会宛ての苦情の申出2件について、調査結果の説明を受け、回答文を決定した。 - 審査請求に係る山口県情報公開審査会への諮問
警察県民課長から、10月5日に受理した審査請求について、山口県情報公開審査会に諮問する旨の説明を受け、了諾した。
報告概要
- 女性活躍推進に向けた取組
警務部長から、女性職員の活躍推進に向けた取組状況について報告を受けた。 - 時間外勤務の縮減と休暇の取得促進
企画室長から、警察職員の時間外勤務の縮減と休暇の取得促進状況について説明を受けた。 - やまぐち未来維新プラン(確定稿)の完成
企画室長から、やまぐち未来維新プランの確定稿について説明を受けた。 - 11月県議会定例会の開催状況
総務課長から、令和4年11月山口県議会定例会における警察関係の質問状況及び答弁状況について報告を受けた。 - 交通企画課関係業務説明
交通企画課長から、交通企画課関係の業務の状況について説明を受けた。 - 山口県公安委員会事務の専決状況
運転管理課長から、11月中の運転管理課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、11月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から、11月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)