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公安委員会の開催概要(令和4年11月9日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、情報通信部長、首席監察官及び警備課長同席の上、下記の報告を受けた。
「犯罪被害者週間in長門」の開催
警務部長から、「犯罪被害者への理解を深めることを目的に、毎年11月25日から12月1日を『犯罪被害者週間』と定め、国を挙げて集中的な広報啓発行事を開催し、社会全体で犯罪被害者を支える支援の輪の拡大を図っており、当県では、11月15日に長門市の『ルネッサながと』で広報啓発行事を開催する。会場参加300人、オンライン参加100人を募集している。式典では、『大切な命を守る』全国中学・高校作文コンクール入賞者作文表彰や支援自動販売機の設置企業に対する感謝状贈呈を行う。その後、犯罪被害者遺族の松井克幸氏から『犯罪被害者・遺族の存在』という演題で講演していただき、続いてシンガーソングライターちひろ氏によるミニコンサートや警察音楽隊の演奏会を予定している。支援自動販売機は、購入金額に応じて犯罪被害者支援活動に寄付がなされるものであるが、この自動販売機を5年間設置している企業に対しては山口被害者支援センターから感謝状を贈呈しており、今回のイベントでは設置企業を代表して長門総合病院の病院長にお渡しする。
なお、市町における条例制定の状況であるが、すでに制定した市町は4市4町あり、その中には、見舞金制度が設けられた市もある。条例を改正中の市も1市あり、経済的支援の拡充等を予定している。また、現在制定準備中の市は3市である。
次に、山口被害者支援センターの財政基盤強化の取組であるが、本年9月末現在の支援自動販売機の設置数は223台で、本年3月に比べて27台増えた。
最後に、今後の取組であるが、市町の条例制定に向けた働きかけを今後も継続し、支援の輪を広げるとともに、広く行政の協力を求めていきたいと考えている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「まだ条例が制定されていない市町には、制定の方向に向けたアプローチを誰に対して行うべきなのか。」旨の発言があり、警務部長から、「議会に条例案を上程して、それを可決してもらうことになるので、市(町)の首長以下当局の理解が必要である。また、それを後押ししてくれる市(町)議会議員が多ければありがたい。こうしたことを踏まえると、市(町)の首長も市(町)議会議員もキーパーソンだと思っている。年内には、地区犯罪被害者連絡協議会を開催し、同協議会における働きかけを各警察署で進めていくこととしている。まずは市(町)の当局の方に条例制定を促していきたいと考えている。」旨の説明があった。さらに、弘永委員から、「自動販売機の設置となると、ある程度大きな企業の協力が必要になると思うが、商工会議所に働きかけを進めれば、市長や市の担当者にも理解してもらえるのではないか。」旨の発言があり、警務部長から、「今回のイベントは、開催地市長に犯罪被害者支援の必要性について挨拶をしていただくこととしている。ただ、過去には、イベントを開催した市であっても、条例制定に向けた動きが具体化されていない市もあり、引き続き力を入れてやっていきたい。」旨の説明があった。
大田委員から、「犯罪被害者支援の輪を広げるための、いろいろな工夫がなされていることが理解できた。まだ条例がない市に対しては、個別に働きかけることも必要だが、市長会などでトップの方に必要性を伝えるのも良いと思う。また、見舞金制度を経済的支援の拡充へ条例改正しようとしている市があるようだが、これは、1回切りの見舞金制度に比べて、手厚い支援になる可能性が高いと思う。すでに制定された市町に対しても、より支援内容を拡充していけるように新しい情報を提供していってほしい。他方、民間への働きかけも大切であり、支援自動販売機の設置活動を促すためには、設置する側の企業にとっても何らかのメリットがなければならない。例えば、報道への素材提供や自動販売機への広告掲示などを進めれば、より良くなっていくと思うし、一般の方の認識も高まっていくのではないか。」旨の発言があり、警務部長から、「大田委員からいただいた様々なアイディアを今後活用していきたい。」旨の説明があった。
今村委員長から、「2点感想を述べる。1点目は、県内の西部・北部地区の条例制定が不十分のようだ。隣接する市町が条例を制定すれば、競合が生まれ、この取組は進むのではないか。そういった意味で、今回の長門市におけるイベント開催はとても良いことだと思う。2点目は、最近は自動販売機の利用者が減り、いろいろな場所から撤去されている中、設置箇所が開拓されていることに驚いている。設置しても継続するのは大変で、撤去される所も多いので、設置5年で感謝状を贈呈することはとても意味があると思う。」旨の発言があった。
岩国市内における緊縛強盗事件の発生・検挙
刑事部長から、「11月7日に岩国市内において緊縛強盗事件が発生し、同日被疑者5人を検挙した。事件の概要であるが、被疑者らは、共謀の上、金品を強取しようと企て岩国市内のAさん方に侵入し、Aさんの同居の家族に対し、両手首を結束バンドで緊縛する暴行を加え、Aさんが所有する日本刀1振(時価120万円相当)を強取したものである。今後、事案の全容解明に努める。」旨の説明があった。
弘永委員から、「一挙に5人の逮捕は、治安を考えると大きな意味があった。共犯性のある事件は捜査も難しいだろうが、適正捜査で事件を解決してもらいたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「被疑者5人は県外の居住者であり、いったん逃げられると身柄の確保も難しかったと思うが、それを早い段階で身柄を確保できたことは部門間の連携がうまくいったからだと思う。組織性を含めて事件の全容解明に努めてもらいたい。」旨の発言があった。
「交通死亡事故抑止レッドフェニックス作戦」の実施
交通部長から、「この施策は、年末にかけて、夕暮れが早まり、薄暮時間帯や夜間の交通死亡事故が多発傾向にあることから、事故の多い時間帯・路線に赤色回転灯を点灯させた白バイ、パトカーを集中運用することにより、全ての道路利用者に注意喚起し、交通死亡事故抑止を図るものである。実施期間は、11月9日から12月31日までの53日間で、この期間中、パトカー等によるパトロールのほか、薄暮時間帯の交通事故多発交差点において停止合図灯を把持した交通立哨を実施する。そのほか、『高齢者の交通安全県民運動(11月9日から11月15日)』、『年末年始の交通安全県民運動
(12月10日から1月3日)』と連動した取組を推進する予定である。県下では、10月下旬に交通死亡事故が相次いだ。また、今月1日には、交通死亡事故多発高齢者警戒情報も発表されている。10月末には、これまでマイナスで推移してきた交通事故死者数もプラスに転じたこともあり、11月、12月は、交通警察の総力を挙げて交通死亡事故抑止対策を推進していきたいと考えている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「夕方の帰宅時間帯は、車も急いでいる。一番危ない時間帯だと思うので、指導・取締りをよろしくお願いする。」旨の発言があった。
大田委員から、「パトカーや白バイの赤色灯を見ると心にブレーキがかかると思う。一番危険な時間帯にパトカーや白バイに出てもらって注意喚起するという点では、とても効果があると思う。死亡事故が多い時間帯が17時から19時ということだが、この時間帯に白バイは活動しないのか。」旨の発言があり、交通部長から、「この期間中は、おおむね18時頃までは、白バイも指導・取締りをする方針である。特に、交通機動隊がある防府市台道の国道2号線は交通量が多いため、白バイに乗った姿を見せるだけでも効果があると思うので柔軟に対応していきたい。」旨説明があった。
「下関海響マラソン2022」における警備・交通諸対策の推進状況
警備課長から、「11月6日、下関市の『海峡メッセ下関』前をスタート・ゴール地点として下関海響マラソンが開催された。県警は、『参加者等の安全の確保』と『交通事故の防止と円滑な交通の確保』を基本方針として、警備・交通諸対策を推進した。大会当日は、PIII(ポリストリプルアイ)を活用した現場映像の配信による指揮機能を強化した上で、ランニングポリスによる警戒警備や主要交差点における交通規制等を実施した。」旨の説明があった。
弘永委員から、「海響マラソンは無事に終えられて良かった。警察官がこの大会に利用したPIIIとはどういったものか。」旨の発言があり、警務部長から、「PIIIは、ポリストリプルアイが正式な名称である。これは警察専用のスマホのイメージである。我々が私用で携帯しているスマホと同じ形をしており、警察電話が使えるほか、映像送信や翻訳機能を備えている。」旨の説明があった。さらに、本部長等から、「トリプルアイの『III』は、『Integrated Info-communication Infrastructure』の略である。まさに警察版のスマホであり、秘匿性を高めて警察の中で活用するシステムである。災害等の現場の状況もPIIIを利用すれば、より的確に把握することが可能となる。」旨の発言があった。
大田委員から、「県警は、県民葬や海響マラソンなどの大きな警備が続いたが、この経験を来年開催されるG7サミットのテロ対策に活用してもらいたい。前回の大会は、自転車による警備だったようだが、今回ランニングに変更した理由は何か。」旨の発言があり、警備課長から、「ランナー目線の方が不審者を発見することも容易ではないかという結論に至りランニングに変更した。ランニングポリスは、下関警察署の若手警察官12人を選定した。警戒警備中に転倒したランナーの救護に当たったなどの報告が上がっている。」旨の説明があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 苦情の申出の受理(4件)
公安委員会会務官から、公安委員会宛てになされた4件の苦情の申出について、それぞれ要旨の説明を受け、苦情として受理した。 - 審査請求に係る弁明書の送付及び反論書の提出要求(4件)
警察県民課長から、4件の審査請求人に対する弁明書の送付及び反論書の提出要求について、それぞれ説明を受け、決裁した。 - 苦情の申出に対する調査結果及び回答
刑事企画課長から、9月21日に受理した公安委員会宛ての苦情の申出について、調査結果の説明を受け、回答文を決定した。
報告概要
- 決算特別委員会の開催状況
会計監査官から、10月27日に開催された決算特別委員会の開催状況について報告を受けた。 - 地方公務員災害補償制度に関する説明
警務課主幹から、地方公務員災害補償制度について説明を受けた。 - 山口県公安委員会事務の専決状況
組織犯罪対策課長から、第2四半期の組織犯罪対策課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通企画課長から、10月中の交通企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 交通安全ポスター審査会の開催
交通企画課長から、11月16日に実施する交通安全ポスターの審査要領について説明を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官から、10月中の非違事案について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)