本文
公安委員会の開催概要(令和4年11月2日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
令和4年度警察官駐在所功労家族表彰式の開催
地域部長から、「この表彰は、駐在所に警察官と同居し、警察官不在時の来訪者の対応など、多年にわたり警察活動を支えてきた家族に対し、警察本部長が感謝状を贈呈するものである。本年度の受賞者は7人で、帯同期間10年以上が6人、20年以上が1人である。表彰は11月14日、警察本部において開催する。現在の駐在所の住み込み状況は、30代から50代の勤務員が全体の80パーセントを占めており、家族の帯同率は、約60パーセントで、5年前に比べて約20ポイント減少している。今後も、駐在所家族の士気高揚を図るために、督励や駐在所の施設整備等を進めていくこととしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「駐在所督励をして感じたことは、同居されている奥様が地域に溶け込むために大変に苦労されていることである。地域の方にとって駐在所は大事な場所なので、地域の安全・安心のために頑張っていただきたい。駐在所にお住まいになる奥様にはなんらかの報償がなされているのか。また、家族帯同率が5年前よりもかなり下がっているようだが、本部としてこの数値をどのように見ているのか。」旨の発言があり、地域部長から、「駐在所に在宅している日数によって異なるが、毎月一定の手当を支給している。ただし、同居していても、ほかに仕事をしている奥様に手当の支給はない。次に家族帯同率だが、今の若い警察官は、早くに家を持つため、家族帯同での駐在所希望者は減っている。そうした中、組織は、駐在所希望者を個別に確認しており、家族帯同で駐在所を希望する家庭には優先して駐在所に入ってもらっている。一方、単身で駐在所を希望する警察官がいれば、単身で駐在所勤務をしてもらっている。駐在所に住み込むと一定の危険を伴うため安全対策を講じる必要があるが、そうしたことを理由として家族帯同率を下げようとする考えはない。」旨の説明があった。
本部長から、「駐在所勤務は、地域に溶け込んでもらう意味からも家族帯同が好ましく、安全対策を含めきっちり措置を取っていきたい。」旨の発言があった。
大田委員から、「駐在所の良さは家族帯同であり、地域に溶け込むということが1番だと思う。ただ、駐在所で勤務されている方は、30代から50代の方が多く、子育てなど大変な時期であり、加えて、都市部から離れており、そういった不便な場所で勤務してもらえる警察官は、県民にとっても警察を身近に感じられる良い対象になる。また、過去には、駐在所の襲撃事件が他県で発生したこともあるようだが、安全対策が弱いと、襲撃等の罪を犯そうとする者のターゲットにされやすいと思うので十分に配慮してもらいたい。」旨の発言があった。
今村委員長から、「世の中は、未婚率が高くなり、結婚する年齢も高くなっているが、駐在所員を配置する上で、問題はないか。また、妻が警察官、夫が会社員というような住み込みの形態はあるか。」旨の発言があり、地域部長から、「今のところ未婚率等が原因で、駐在所への配置が問題になったことはない。また、妻が警察官、夫が会社員というようなケースの駐在所家族はいない。」旨の説明があった。さらに、今村委員長から、「駐在所の本質は、優しくて、身近で、かつ、大変な時に県民を守ってくれることにある。これは、どのように時代が変わろうとも、不変でなくてはならない。」旨の発言があった。
うそ電話詐欺警戒警報発令期間中の認知・検挙状況
刑事部長から、「上半期のうそ電話詐欺は、増加傾向にあったことから6月27日に警戒警報を発令し、現在も継続中である。この警戒警報期間に入ってから、生活安全部が金融機関等への協力要請やだまされた振り作戦への協力依頼などの被害抑止対策を講じたことから、認知・検挙において一定の効果が認められた。
まず、本年上半期は、認知件数49件(前年同期比+20件)、被害額1億2,287万円(前年同期比+4,301万円)と増加傾向にあったが、警戒警報発令(6月27日)から10月末現在のうそ電話詐欺の認知・検挙状況は、認知件数42件(前年同期比-23件)、被害額7,748万円(前年同期比-7,732万円)と大幅に減少した。
ただし、本年1月から10月末現在までの数値は、認知件数89件(前年同期比-4件)、被害額1億9,718万円(前年対比+52万円)となり、ほぼ前年と同じ水準に戻った状況にある。
一方、オレオレ詐欺の認知件数は、上半期わずか1件で減少傾向にあったが、警戒警報期間中に大幅に増加した。オレオレ詐欺は古典的な手口であるが、息を吹き返した状況にある。
次に、この警戒警報期間中の検挙人員は20人(前年同期比+6人)であり、本年上半期の検挙人員が20人であったことから、検挙人員は増加している。ただし、1月から10月末までの累計の検挙人員は43人(前年対比-7人)である。
検挙した中には、だまされた振り作戦の成功事例が複数あるが、この作戦を成功させるには、前段階で被害者がうそ電話詐欺に気付き、その上で、捜査に協力してくれなければならない。そうした観点から見ると、生活安全部がこの警戒警報期間中に実施した被害抑止対策が奏功したものと考えられる。
今後の方針であるが、現場出現型の事件については、被疑者の必検を期して捜査に当たるとともに、突き上げ捜査による中枢被疑者の検挙にも力を入れていくこととしている。また、詐欺事件の本犯とは関係ないが、犯行に使用された金融口座・携帯電話など、いわゆる助長犯対策にも取り組んでいくこととしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「報告を受けた結果は、県警はもとより、金融機関やコンビニなどのいろいろな部門が連携し、被害抑止対策に取り組んだことによって表れた効果だと思う。だまされた振り作戦も、検挙する上で有効な手段であることがよく理解できた。」旨の発言があった。
大田委員から、「だまされた振り作戦では、欺罔行為に遭っている人、いわゆる自分がだまされそうになっているという認識を持った人からの協力が絶対に必要だと思うが、犯人側に、誰が警察に通報したのかを知られないようにすることが大切だと思う。被害に遭いそうになった人から通報があって、協力を要請する場合に、どのようなことに配意しているのか。」旨の発言があり、刑事部長から、「通報者に安心感を与えられるような対応をするように気を付けている。」旨の説明があった。
今村委員長から、「中枢被疑者を捕まえてもまた新たな者が出てきて、その繰り返しで、現場は大変だと思う。当県は、高齢化率が高く、これからもいろいろな手口で犯罪は続くのだろうと思っている。手口別では、オレオレ詐欺の認知件数が増えているようだが何か理由があるか。」旨の発言があり、刑事部長から、「息子かたりのオレオレ詐欺に気を付けなければならないことは、広く県民に周知されていると思うが、犯人側からすると、子を思う親の気持ちに付け込んだ手口として、その成功率は高く、そういったことを背景として、古典的な手口ではあるが今後も利用されると思う。」旨の説明があった。
大田委員から、「うそ電話詐欺は、捜査の過程において、中枢まで切り込んでいくことが難しくても、被害額を抑えることは可能であり、送金額や引出し限度額の引き下げの協力を金融防犯連合会や各金融機関等に仰ぎながら進めてもらいたい。」旨の発言があり、本部長から、「大田委員のご指摘のとおりであり、特に防犯の部分は、生活安全部で金融機関やコンビニ等に対し、相当申し入れをしており、金融機関にあっては、預金者の預金を守るという面からも、かなり熱心に取り組んでいただいている。こうした水際対策の働きかけを引き続きしていきたい。」旨の説明があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者3人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。欠席者7人のうち4人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定し、3人については、再呼出しとした。 - 意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、11月16日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 審査請求の受理及び弁明書の提出要求
警察県民課長から、10月12日付けで警察本部長が行った処分について、審査請求を受理した旨の説明を受け、了諾するとともに、処分理由の説明を受け、弁明書の提出要求について決裁した。 - 審査請求に係る弁明書の作成
刑事企画課長から、10月5日に受理の報告を受けた審査請求について、弁明書を決定した。また、審査請求人に対する弁明書の送付及び反論書の提出要求について説明を受け、了諾した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
公安課長から、兵庫県公安委員会からの天皇皇后両陛下の行幸啓に伴う警備の援助要求に関し、派遣期間等の説明を受け、了諾した。
報告概要
- 業務報告
本部長から、令和4年度下半期の業績目標について報告を受けた。 - 公安委員会宛て文書への対応方針
公安委員会会務官から、公安委員会宛てに文書でなされた申出について、要旨の説明を受け、対応方針を指示した。 - ストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況
人身安全対策課長から、10月中のストーカー規制法に基づく禁止命令等の実施状況について報告を受けた。 - 監察関係業務報告
監察官室長から、訴訟関係報告及び10月中の警察本部長宛て苦情について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)