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公安委員会の開催概要(令和4年9月6日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官出席の上、下記の報告を受けた。
「やまぐち未来維新プラン」への取組(中間報告)
警務部長から、「県が進める政策の基本的な方向をまとめた総合計画『やまぐち未来維新プラン』については、6月22日の公安委員会で、県警が取り組むべき施策の方向性ついて説明したが、その後、知事部局との調整が進み、県警の施策が十分に盛り込まれた形になった。今後の見通しであるが、今月14日に開催される山口県活力創出本部会議に素案を提出し、9月県議会で報告、その後パブリックコメントにより県民の方々のご意見をいただき、それを反映させて、年内には公表される予定である。」旨の説明があった。
弘永委員から、「警察関連の仕事もデジタルやサイバーなど、新たな領域に進んでいき、苦労も絶えないだろうが、よろしくお願いする。県警は、AI(人工知能)を活用したSNS自動検出システムにより情報収集力の強化を図っていくことも考えているようだが、フェイクニュースへの対策は考えているのか。」旨の発言があり、警務部長から、「フェイクニュースへの対処がシステム上行えるかどうかは承知していないが、いずれにしてもAIが判断したものをすべて鵜呑みにしてはいけないと考えている。それが正しい情報かどうか、最後は人の目でチェックする。AIを使うのは、たくさんの情報を集約することが目的である。」旨の説明があった。
今村委員から、「知事部局と連携できる部分は、しっかり連携して、来年度に向けて総合計画を策定してもらいたい。1つ質問であるが、『女性活躍の推進』というワードが、『事件・事故への対応のさらなる迅速化・対応力強化の推進』の項目に含まれているが、この項目以外には盛り込まれてないのか。」旨の発言があり、警務部長から、「民間における女性活躍の推進について、別の項目で記載されており、そこに記載することも一案と考えたが、知事部局と調整した結果、今村委員からご指摘のあった項目に記載することになった。いずれにしても、県警としてやるべきことは、しっかり書き込めていると考えている。」旨の説明があった。さらに、今村委員から、「スキルアップを目指している女性警察職員のためには、この項目に言葉を添えておくことはとても大事だと思う。」旨の発言があり、警務部長から、「女性警察官の数がこれからも増えていくことを考慮し、先手、先手で対応していく思いから『女性警察官の術科訓練指導推進』を盛り込んでいる。」旨の説明があった。
サイバー防犯ボランティアの活動状況
生活安全部長から、「内閣府が公表した「治安に関する世論調査」によると、自身や身近な人が被害に遭うかもしれないと不安になる犯罪などは何かという問いに対して、サイバー犯罪を挙げた回答者が約52パーセントおり、特殊詐欺や悪質商法などの犯罪に次いで2番目に多かった。このようなことからも、社会全体のサイバーセキュリティ向上を目的とした取組が必要であり、サイバー防犯ボランティア活動を通じて、県民のサイバー犯罪に対する防犯意識を高め、安全・安心なサイバー空間の実現を目指すことが重要である。サイバー防犯ボランティアの委嘱状況であるが、本年度は14団体、315人に委嘱した。主体別では、学生9団体、その他5団体である。主な活動状況としては、周南公立大学やYIC情報ビジネス・公務員専門学校を対象とした学生ボランティア研修会やサイバーパトロール活動、宇部サイバー防犯ボランティアを対象とした啓発DVDを活用した研修会などがある。今後も継続した研修会の開催、広報啓発活動やサイバーパトロールの実施のほか、ボランティア活動の支援を通じたサイバー人材の発掘などに取り組んでいくこととしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「ボランティア活動に参加する人は、大学生や専門学生が多いようだが、そういった学生を対象にリクルート活動をして警察官に採用するケースもあるのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「ボランティア活動に参加する学生は、防犯意識が高く、警察官としての適性も認められる。こうした学生の中には、警察の採用説明会への参加者もおり、今後、より発展的にリクルート活動をしていきたい。」旨の説明があった。さらに、弘永委員から、「ボランティアの委嘱に際し、選考基準はあるのか。希望すれば、誰でも参加できるのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「選考基準は設けていない。活動への参加を希望する方は、幅広に受け入れている。」旨の説明があった。
弘田委員長から、「これは非常に良い活動だと思うので、是非継続してもらって、いろいろな方に参加してもらえば良いと思うのでよろしくお願いする。」旨の発言があった。
山口市阿東地福下における内縁の妻に対する殺人、死体遺棄事件の発生・検挙
刑事部長から、「同居する女性の死体を遺棄したとして、7月2日、54歳の男を死体遺棄罪で通常逮捕した。その後の捜査において、殺人事件と認め、8月24日に殺人罪で再逮捕した。引き続き捜査を継続していく。」旨の報告があった。
サイバーテクニカルアドバイザーによる講演及び共同対処訓練の実施結果
警備部長から、「来年のG7サミットなど世界的なイベントを狙った様々なサイバー攻撃の発生が危惧されている中、公安課では山口県警察サイバーテクニカルアドバイザーを招聘し、当県のサイバー攻撃に関する危機意識の向上と対処能力の向上を目的として訓練を実施した。今回の講演と訓練の講師を務めていただいたのは、株式会社川口設計の代表取締役川口洋氏である。まず講演は、8月25日、警察本部で開催した。警察署には、Web会議システムにより映像配信し、179人の警察職員が受講した。演題は、『サイバーセキュリティ業界で起きていること。いま、すべきことは?』であり、ウクライナ侵攻に伴うサイバー攻撃の実態などの現状について具体的な事例を交えながら話をしていただいた。受講者からは、『サイバー空間の脅威が現実的なものであることを再認識できた。』などの感想が寄せられ、サイバー攻撃に対する危機意識の向上を図ることができたものと考えている。次に、訓練は、8月26日、山口大学工学部を訓練会場及び配信場所として開催した。この訓練の特徴としては、企業等が参加しやすいようにオンライン参加と現地参加を組み合わせたハイブリッド形式で開催したことなどである。参加者は、県内重要インフラ事業者、自治体等及び中国四国管区内の7県警察から19チーム、102人である。訓練内容は、4~6人が1チームとなり、架空の商品販売サイトの管理者となって様々なサイバー攻撃を防御して、サイトを安定稼働させることができれば得点が得られるというゲーム方式の訓練である。訓練の反響であるが、参加者の多くが今後の業務に役立つという回答であった。最後に当面の方針であるが、経済安全保障対策と連動した企業対策やG7サミットを見据え未然防止に向けた情報提供及び情報収集を強化、さらには対処能力の強化を図っていくこととしている。」旨の説明があった。
弘永委員から、「訓練は、実際に体験してみないと実感がわかないと思う。今、世界で起きているサイバー攻撃に対処できる人材を多く育てていくことがこの訓練の意義だと思うので、こうした点の重要性を皆さんで共通認識して、訓練の成果が上がるよう努めてもらいたい。」旨の発言があった。
今村委員から、「訓練状況を視察させていただいた際に、講師の川口氏から、いろいろな説明を受けたが、お話がとても上手で、前日に開催された講演も、受講された方にとっては、きっとたくさんのことが吸収できた有意義な講演だったのだろうと推察できた。そして、訓練に参加された方は、チームで対処することの大切さを学ばれたと思うので、自身が体験したことを、是非広めていただけるようお伝え願いたい。」旨の発言があり、警備部長から、「今後、『参加チームがどのようなフィードバック教養をしたか。』また、『今回の訓練で足りなかった点はどこか。』など、様々な意見を聞きながら共同対処訓練のレベルアップにつなげていきたいと考えている。」旨の説明があった。
弘田委員長から、「訓練に参加した当県の警察官のスキルアップに向けた意欲について、警備部長として、どう感じているか。」旨の発言があり、警備部長から、「当県警の順位は、過半数よりは上であったが、それに甘んじることなく、レベルアップに努めてもらいたいと考えている。実際に参加した警察官からも、レベルアップに努めたいといった声が上がっており、今後、更なる飛躍が期待される。」旨の説明があった。
弘田委員長から、「ホストする立場の当県が、ゲスト県警に順位を譲ってほしくないので是非頑張ってもらいたい。」旨の発言があった。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
その他
台風11号の接近等に伴い、最寄りの警察庁舎からWeb形式により出席した
(編集 総務課)