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公安委員会の開催概要(令和4年7月27日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
犯罪抑止対策の推進状況(1~6月)
生活安全部長から、「6月末現在の全刑法犯認知件数は1,876件、前年同期比で9件増加した。指定犯罪(うそ電話詐欺、万引き、自転車盗、侵入盗、車上ねらい、器物損壊)については、うそ電話詐欺、自転車盗、車上ねらいが前年同期比で増加した。自転車盗と車上ねらいは、無施錠での被害が多いため、防災メール等各種媒体を活用した被害防止広報や駐輪場における自転車の鍵かけ点検等を推進した。
うそ電話詐欺は49件を認知し、前年同期比で20件増加しており、被害額は約1億2,000万円であった。うそ電話詐欺の中では、架空料金請求詐欺が増加し、認知件数で全体の約7割、被害額で全体の約8割を占めた。また、還付金詐欺被害が増加しており、還付金詐欺と認められる不審電話も増加している。
うそ電話詐欺被害防止対策として、
〇 県内に本店を置く金融機関に対する水際対策強化等の協力要請
〇 コンビニに対する電子マネー販売時における声掛け要請
〇 無人ATM等を中心とした立ち寄り警戒
を実施中である。
今後は、
〇 県下の犯罪情勢を本部で集約し、各署にフィードバックするなどの先制的な予防対策
〇 企業による防犯CSR活動への積極的な助言と情報提供による広報啓発活動
〇 うそ電話詐欺の未然防止功労者への積極的な賞揚
などを推進していくこととしている。」旨の説明があった。
今村委員から、「車上ねらいが増加しているが、その理由は何か。分析はできているのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「当県は、車上ねらい被害車両の無施錠率が他県に比べて高いことから、そういった部分が認知件数増加の一因と考えている。各種媒体を活用して被害防止広報を行っていきたい。」旨の説明があった。
弘田委員長から、「車上ねらい、侵入盗等の窃盗は、常習性があり、特定の者による犯行が多い。強盗事件等に発展するおそれのある侵入盗が抑えられていることは、抑止対策の効果の現れだと思う。常習性のうかがえる犯罪は、抑止と検挙の面から早めに手を打ってもらいたい。万引きも常習性のある犯罪だが、前年に比べて2割くらい減っている。どのような理由からか。」旨の発言があり、本部長から、「侵入盗、車上ねらい、万引きは、常習性があり、特定の者によって犯行が繰り返されるケースが多く、うまく検挙に結び付けば発生を抑えられるが、検挙できなければ認知件数が増える傾向にある。認知件数の増減は、検挙に左右される面があり、引き続き、犯罪抑止と検挙の両面から対策に取り組んでいく。」旨の説明があった。
山口県の犯罪情勢(1~6月)
刑事部長から、「6月末現在の当県の犯罪情勢について、
〇 全刑法犯は、認知件数が1,876件、前年同期比で9件増加した。検挙件数が1,202件、前年同期比で110件増加した。検挙率は、64.1パーセント、前年同期比で5.6ポイント増加した。認知件数は平成14年をピークに19年連続減少した昨年とほぼ同数で推移している。検挙率は、全国第9位である。
〇 重要犯罪(殺人、強盗、放火、強制性交等、略取誘拐等、強制わいせつ)は、認知件数が31件、前年同期比で3件減少した。検挙件数は26件、前年同期比で5件減少した。検挙率は、83.9パーセント、前年同期比で7.3ポイント減少した。認知件数は、前年同期と比較して、ほぼ同数で推移している。検挙率は、全国第31位である。
〇 重要窃盗犯(侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり)は、認知件数が167件、前年同期比で2件増加した。検挙件数は203件、前年同期比で101件増加した。検挙率は121.6パーセント、前年同期比で59.8ポイント増加した。認知件数は前年同期と比較して、ほぼ同数で推移している。検挙率は、全国第2位である。
〇 特殊詐欺(うそ電話詐欺)は、認知件数が49件、前年同期比で20件増加した。検挙件数は3件、前年同期比で5件減少した。被害額は約1億2,000万円、前年同期比で約4,000万円増加した。前年同期と比較して、認知件数と被害額が大幅に増加した。手口別では、架空料金請求詐欺が大幅に増加した。
〇 暴力団犯罪は、検挙人員が20人、前年同期比で4人減少した。
〇 薬物犯罪は、検挙人員が30人、前年同期比で3人減少した。」旨の説明があった。
弘永委員から、「全刑法犯の検挙率は全国第9位で64.1パーセントとのことだが、1位はどこか。また、検挙率はどのくらいか。」旨の発言があり、刑事部長から、「全国第1位は山形県で、検挙率は82.1パーセントである。」旨の説明があった。また、本部長から、「地方は比較的に治安状況が良く、認知件数が少ないため、きっちりと検挙して検挙率が上がる。一方で、大都市圏は、認知件数が多く、検挙が追い付かない傾向がある。」旨の説明があった。
山口県の交通事故情勢(1~6月)
交通部長から、「6月末現在の当県の交通事故発生状況は、
〇 人身事故発生件数が1,112件、前年同期比で90件減少し、平成23年以降連続して減少している。
〇 死者数は15人、前年同期比で3人減少し、5年前の半数以下となり、統計を開始した昭和26年以降最少となった。当事者別では、自動車6人、歩行者5人、二輪車3人、自転車1人であった。なお、高齢者の死者数は12人で全死者の80パーセントを占め、統計史上最も高い割合となった。
〇 負傷者数、重傷者数、物損事故件数も前年同期と比較して減少し、特に、重傷者数は、5年前に比べて半数近く減少した。
〇 事故累計別の死者の状況は、車両相互正面衝突で5人死亡し、前年より4人増加し、過去5年で最多となった。
今後は、
〇 高齢者の交通事故防止に向けた各種施策の継続推進
〇 「横断歩道ハンドサイン運動」の推進
〇 交通指導取締等街頭活動の強化
〇 テレビ等各種媒体を活用した広報啓発活動の推進
に取り組んでいくこととしている。」旨の説明があった。
決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 運転免許の行政処分
運転管理課長から、運転免許の行政処分に係る意見の聴取・聴聞への出席者4人からの聴取結果について報告を受けるとともに、処分理由等の説明を受けた後、3人については、審査の上で処分を決定し、1人については、保留とした。欠席者19人のうち16人については、運転管理課長から処分理由等の説明を受けた後、審査の上で処分を決定し、3人については、再呼出しとした。 - 意見の聴取・聴聞の主宰者指名
運転管理課長から、8月10日に開催する意見の聴取・聴聞における主宰者の指名について説明を受け、決裁した。 - 警察署協議会委員の選考
公安委員会会務官から、警察署協議会委員の推薦について報告を受け、決裁した。 - 苦情の申出の受理(2件)
公安委員会会務官から、公安委員会宛てになされた苦情の申出について要旨の説明を受け、苦情として受理した。 - 審査請求に係る弁明書の作成
運転免許課長から、6月8日に受理の報告を受けた審査請求について、処分の説明を受け、弁明書の提出を決定した。 - 審査請求に係る弁明書の送付及び反論書の提出要求
警察県民課長から、審査請求人に対する弁明書の送付及び反論書の提出要求について説明を受け、決裁した。 - 犯罪被害者等給付金の裁定
警察県民課長から、5月11日に受理の報告を受けた犯罪被害者等給付金の申請について、調査・検討結果の説明を受け、支給する旨を決裁した。 - 苦情の申出に対する調査結果及び回答
刑事企画課長から、6月8日に受理した公安委員会宛ての苦情の申出について、調査結果の説明を受け、回答文を決定した。 - インターネット異性紹介事業に係る処分基準の改正
生活安全企画課長から、インターネット異性紹介事業に係る処分基準の改正について説明を受け、決裁した。 - 警察職員の派遣に係る援助要求
警備課長から、高知県公安委員会からの教育研究全国集会開催に伴う警備の援助要求に関し、派遣期間等の説明を受け、了諾した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
運転管理課長から、6月中の運転管理課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から6月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、生活安全企画課長から、6月中の生活安全企画課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、組織犯罪対策課長から、第1四半期の組織犯罪対策課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通規制課長から、6月中の交通規制課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、それぞれ報告を受けた。 - 山口被害者支援センターの役職員の変更
警察県民課長から、山口被害者支援センターの役職員の変更について報告を受けた。 - 山口県知事が許可する住居集合地域における麻酔銃猟への対応状況
生活安全企画課長から、山口県知事が許可する住居集合地域における麻酔銃猟への対応状況について報告を受けた。 - 逮捕術大会の開催
教養課長から、9月2日に開催予定の令和4年度山口県警察逮捕術大会の実施要領について説明を受けた。 - サイバー攻撃共同対処訓練の実施
公安課課長補佐から、8月26日に開催予定のサイバー攻撃共同対処訓練の実施要領について説明を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
(編集 総務課)