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公安委員会の開催概要(令和4年1月19日)
審議概要
本部長、警務部長、生活安全部長、地域部長、刑事部長、交通部長、警備部長、情報通信部長及び首席監察官同席の上、下記の報告を受けた。
犯罪抑止対策の推進状況(令和3年中)
生活安全部長から、「令和3年中の刑法犯認知件数は3,871件(前年比-266件、-6.4%)で、19年連続の減少となり、戦後最少を更新した。
指定犯罪等については、うそ電話詐欺が増加したが、自転車盗が562件(前年比-143件)、侵入盗が302件(前年比-45件)、万引きが848件(前年比-7件)、車上ねらいが97件(前年比-43件)、器物損壊が438件(前年比-9件)でそれぞれ減少した。
うそ電話詐欺の認知状況(暫定値)は、認知件数が108件(前年比+40件)、被害額が2億7,032万円(前年比-1,270万円)で、3年ぶりに100件を超過した。増加の要因としては、7月以降、架空料金請求詐欺、還付金詐欺が多発したことが挙げられ、また、高齢者被害が全体の7割以上を占めた。
うそ電話詐欺被害防止対策として、高齢者宅を対象とした戸別訪問を行ったほか、昨年10月からうそ電話詐欺警戒警報の運用を開始するなどした。
今後の取組として
〇 万引き等の多発傾向にある犯罪の防止対策の推進
〇 広報啓発、水際対策の強化等によるうそ電話詐欺被害防止対策の推進
に努めることとしている。」旨の報告があった。
今村委員から、「新型コロナウイルス感染症の影響で外出機会が少なくなったことにより、侵入盗や街頭犯罪が大幅に減少していると思うが、それと比較し、万引きの減少幅が少ないように感じる。この点については、どのように分析しているのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「万引きの被害品については、生活必需品等が多いことから、新型コロナウイルス感染症の影響で生活困窮者が増えたことも要因として考えられる。」旨の説明があった。
弘永委員から、「うそ電話詐欺に関する報道等によると、犯行グループが海外を拠点として、そこから電話している実態もあるようで、山口県で発生している手口は、他県でも同じように発生しているものと推察している。他県警察と情報共有をする中で分かったことはあるのか。」旨の発言があり、また、弘田委員長から、「うそ電話詐欺の被害状況について、地域的な特徴はあるのか。」旨の発言があり、生活安全部長から、「警察庁や他県警察と被害状況等を情報共有しているところであり、県内で被害が発生している手口については、他県でも発生している。なお、うそ電話詐欺のうち、還付金詐欺については、首都圏よりも地方で増加幅が大きく、特に中国5県の増加幅が大きいという特徴がある。こうした情報等に基づき、共同・合同捜査を推進し、検挙を進めている。」旨の説明があった。
山口県の犯罪情勢(令和3年中)
刑事部長から、「令和3年中の刑法犯検挙件数は、2,283件(前年比-299件)であった。
このうち、重要犯罪(殺人、強盗、放火、強制性交等、略取誘拐等、強制わいせつ)については、認知件数が54件(前年比-1件)、検挙件数が54件(前年比-4件)で、昨年認知した重要犯罪は、全件検挙した。
重要窃盗犯(侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり)については、認知件数が313件(前年比-46件)、検挙件数が273件(前年比-65件)であった。
特殊詐欺(うそ電話詐欺)については、認知件数が108件(前年比+40件)、検挙件数が18件(前年比-28件)であった。
暴力団犯罪については、合田一家の組員等71人(前年比-5人)を検挙した。
薬物犯罪については、78人(前年比+2人)を検挙した。なお、検挙人員の内訳は、覚醒剤の検挙人員が51人(前年比-7人)、大麻の検挙人員が24人(前年比+9人)で、検挙人員に占める大麻の割合が年々高くなっており、大麻の検挙人員については、初犯で29歳未満の者が約79%を占めており、若者が『タバコより害が少ない』等の誤った認識を持っている例が認められることから、県薬務課とも連携しながら広報にも努めている。」旨の報告があった。
今村委員から、「大麻については、アメリカの一部の州で合法とされていることもあり、一部の若者に誤った考え方があると思う。以前、県薬務課が制作した大麻に関する広報資料を視聴したことがあるが、隠語が使用されており、我々世代ではわかりにくい面もあるが、その隠語が理解できる若者には心に響くものであると感じた。今後も県薬務課等と連携し、若者に重点を置いて、大麻の危険性を認識できる広報に努めてもらいたい。」旨の発言があった。
その他の決裁・報告
課長等から下記のとおり説明を受け、決裁を行うなどした。
決裁概要
- 人事関係
本部長から、人事関係に関する説明を受け、決裁した。 - 車両使用制限に係る処分
交通指導課長から、車両の使用制限処分に係る聴聞の結果について説明を受けた後、審査の上で処分を決定した。 - 審査請求の受理
運転免許課長から、令和3年12月12日付けで公安委員会が行った処分について審査請求を受理した旨の説明を受け、了諾した。 - 遺族給付金の支給に関する裁定
警察県民課長から、令和3年3月10日及び同年8月4日の公安委員会で受理の説明を受けた遺族給付金の裁定に係る申請について調査・検討結果の説明を受け、支給する旨を裁定した。 - 苦情の申出に対する回答
交通指導課長から、令和3年12月8日に受理した公安委員会宛ての苦情について、調査結果の説明を受け、回答文を決定した。 - 留置施設視察委員会との意見交換会の開催
公安委員会会務官から、2月2日に開催予定としている留置施設視察委員会との意見交換会の開催概要について説明を受け、決裁した。
報告概要
- 山口県公安委員会事務の専決状況
公安委員会会務官から、12月中の生活安全企画課関係及び交通規制課関係並びに10月~12月中の組織犯罪対策課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、交通指導課長から、12月中の交通指導課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について、運転免許課長から、12月中の運転免許課関係の山口県公安委員会事務の専決状況について報告を受けた。 - 警察学校卒業式の実施
警察学校副校長から、1月28日に初任科第191期の卒業式を実施予定である旨の報告を受けた。 - 機動捜査隊の活動状況
機動捜査隊長から、令和3年中の機動捜査隊の活動状況について報告を受けた。 - 自動車警ら隊の活動状況
自動車警ら隊長から、令和3年中の自動車警ら隊の活動状況について報告を受けた。 - 被疑者取調べ監督業務の推進状況
取調べ監督管理室長から、令和3年中の被疑者取調べ監督業務の推進状況について報告を受けた。
協議
今後の公安委員会における運営について協議した。
警察署協議会会長会議の開催方針
2月9日に開催予定としている警察署協議会会長会議の開催方針について協議し、開催形態を決定した。
その他
各種行事について調整を行った。
(編集 総務課)