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障害者虐待防止・障害者に対する虐待防止について
「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」いわゆる「障害者虐待防止法」が平成23年6月14日に成立し、10月1日に施行されました。
障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(PDF:238KB)
障害者虐待防止法の目的
この法律の目的は、障害者に対する虐待が障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって虐待を防止することが極めて重要であること等に鑑み、虐待の防止、早期発見、虐待を受けた障害者に対する保護や自立の支援、養護者に対する支援などを行うことにより障害者の権利利益の擁護に資すること、とされています。
この目的を実現するために、この法律では国や地方公共団体、障害者福祉施設従事者等、使用者などに障害者虐待の防止等のための責務を課するとともに、障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者に対する通報義務を課しています。
「見て見ぬふり」は、虐待を許しているのと同じことです。みんなで協力して、誰もが安心して暮らせる社会をつくりましょう。
対象となる障害者
障害者虐待防止法では、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)のある人や、その他心身の機能の障害者社会的障壁により、継続的に日常生活又は社会生活が困難で支援が必要な人を対象としています。
障害者手帳を取得していない場合も含まれます。
3種類の障害者虐待
養護者による障害者虐待
障害者の生活の世話や金銭の管理などをしている家族や親族、同居する人による虐待のことです。
障害者福祉施設従事者等による障害者虐待
障害者福祉施設や障害福祉サービスの事業所で働いている職員による虐待のことです。
使用者による障害者虐待
障害者を雇って働かせている事業主などによる虐待のことです。
障害者虐待の主な具体例
身体的虐待
暴力や体罰によって身体に傷やあざ、痛みを与える行為。身体を縛りつけたり、過剰な投薬によって身体の動きを抑制する行為。
具体的な例
- 平手打ちする ・殴る ・蹴る ・壁に叩きつける ・つねる ・やけど・打撲させる
- 身体拘束(柱や椅子やベッドに縛り付ける、医療的必要性に基づかない投薬によって動きを抑制する、部屋に閉じ込める)
性的虐待
性的な行為やその強要(表面上は同意しているように見えても、本心からの同意かどうかを見極める必要がある).
具体的な例
- 性交 ・性器への接触 ・性的行為を強要する ・裸にする ・キスする
- 本人の前でわいせつな言葉を発する、又は会話する ・わいせつな映像を見せる
心理的虐待
脅し、侮辱などの言葉や態度、無視、いやがらせなどによって精神的に苦痛を与えること。
具体的な例
- 「バカ」「あほ」など障害者を侮辱する言葉を浴びせる ・怒鳴る ・ののしる ・悪口を言う
- 仲間に入れない ・子ども扱いする ・話しかけているのに意図的に無視する
放棄・放任(ネグレクト)
食事や排泄、入浴、洗濯など身辺の世話や介助をしない、必要な福祉サービスや医療や教育を受けさせない、などによって障害者の生活環境や身体・精神的状態を悪化、又は不当に保持しないこと。
具体的な例
- 食事や水分を充分に与えない ・あまり入浴させない ・汚れた服を着させ続ける
- 髪や爪が伸び放題 ・室内の掃除をしない ・必要な福祉サービスを受けさせない・制限する
経済的虐待
本人の同意なしに(あるいはだますなどして)財産や年金、賃金を使ったり勝手に運用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること。
具体的な例
- 年金や賃金を渡さない ・本人の同意なしに財産や預貯金を処分・運用する
- 日常生活に必要な金銭を渡さない・使わせない