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性感染症の予防について
性感染症とは、「性的接触によって感染する病気」のことで、梅毒や淋菌感染症、性器クラミジア感染症など多くの病気があり、普通の性器の接触による性交だけではなくオーラルセックスやアナルセックスなど性的な接触で感染するすべての感染症が含まれます。そのため、誰もが感染する可能性があり、一人ひとりが自分の健康に関する問題として関心を持ち、正しく知ることが大切です。
性感染症は、感染していてもはっきりとした症状がない場合も多く、自分でも気が付かないことがあったり、あるいは自覚症状があっても医療機関への受診をためらうことがあったりするため、知らないうちにパートナーへ感染させてしまうことがあります。
また、性感染症の中には、男性・女性ともに不妊の原因になったりするものや、妊婦が感染すると早産や死産の原因になるもの、あるいは生まれてくる赤ちゃんに感染してしまうものなどもあります。特に昨年から急増している梅毒に妊婦が感染すると、流産や死産の原因となったり、先天梅毒の赤ちゃんが産まれる心配があります。
梅毒などの性感染症は、感染するリスクや症状の特徴など正しい知識を持つとともに、一人ひとりが他人事と思わずに予防に努めること、そして症状がなくても心配や気になることがあれば、早めに医療機関を受診することが大切です。
山口県では各健康福祉センター(保健所)でHIV検査と同時に無料で梅毒検査を受けることができます。詳しくは、県健康増進課又は最寄りの保健所へお問合せください。
現在、新型コロナウイルス感染症への対応のため、保健所でのHIV検査が中止されている場合があります。検査を受けられる際には、お電話等で事前に実施状況をご確認くださいますようお願いいたします。
主な性感染症について
梅毒
感染から約3週間ほどで感染部位(性器や口腔内など)の皮膚あるいは粘膜に痛みのない潰瘍が形成され、2~3週間で自然に消失しますが、治療せずにいると病原体は体の中で増えていき、感染から約3か月後に全身の皮膚と粘膜にバラ疹と呼ばれる発疹が生じます。バラ疹は、痛みやかゆみはありませんが放置すると数年後には、血管や神経の障害等、全身に様々な症状を引き起こし、治療が困難となります。
妊婦が感染すると、早産や死産、胎児の重篤な異常につながる可能性があります。
また、以前に梅毒にかかった人には一定の免疫(抗体)がありますが、再感染を防止できるわけではなく、適切な予防対策をとっていない場合は何度でも感染します。
感染を疑う症状がある場合は、早期に医師の診断・治療をうけるとともに、性的な接触を行わないなどの予防対策が重要です。
梅毒(厚生労働省)(別ウィンドウ) <外部リンク>
淋菌感染症・性器クラミジア感染症
男性の場合は、感染の機会があってから5~14日の潜伏期間を経て、排尿時の痛みや尿道からの分泌物を自覚することがありますが、無症状な場合も多いため、自分では気づかないこともあります。女性の場合、おりものの変化や下腹部の痛みなどを自覚することもありますが、やはり無症状のことも少なくありません。また、淋菌感染症と性器クラミジア感染症は同時に感染している場合があります。
男性、女性ともに不妊の原因になることがあるため、感染が分かった場合は、きちんと治療することが大切です。
- 淋菌感染症(厚生労働省)(別ウィンドウ) <外部リンク>
- 性器クラミジア感染症(厚生労働省)(別ウィンドウ) <外部リンク>
性器ヘルペス感染症
男性、女性ともに性器に痛みを伴う水疱ができ、潰瘍になることもあります。一度かかると、治療しても繰り返し再発することがあります。山口県では、全国と比較して、男女ともに15~19歳の定点当たり報告数が多くなっています。
女性の場合、妊娠・出産時の感染が胎児に重篤な合併症を引き起こすことがあります。
性器ヘルペス感染症(厚生労働省)(別ウィンドウ) <外部リンク>
HIV・エイズについて
エイズの原因ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで、免疫機能が低下し、健康な人ではかからないような様々な病気を発病した状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と言います。
HIVに感染すると、初期にかぜのような症状が見られることがありますが、その後は自覚症状がないまま徐々に免疫力が低下していきます。
HIVに感染していても、早期に治療を開始し、適切な治療続けることで健康な人とほとんど変わらない生活を送ることが可能になってきています。
無症状の段階でHIV感染を知るには、エイズ検査(HIV抗体検査等)を受けることが必要です。
- 後天性免疫不全症候群(厚生労働省)(別ウィンドウ) <外部リンク>
- HIV/AIDSについて(山口県感染症情報センター)<外部リンク>
性感染症の予防について
性感染症は、正しくコンドームを使用し、性器および口腔粘膜と体液が直接接触することを防ぐことで感染のリスクを減らすことができます。しかし、コンドームだけでは100%は防げないことにも注意が必要です。
性感染症は、性行為の回数に関係なく、誰もが感染する可能性のあるものです。一人ひとりが注意深く行動し、予防を心がけるとともに、気になることがあれば早めに医療機関を受診しましょう。
関連情報
- 性感染症(厚生労働省)(別ウィンドウ) <外部リンク>
- 性感染症とは(公益財団法人性の健康医学財団)<外部リンク>
- API-NET(エイズ予防情報ネット)(別ウィンドウ) <外部リンク>
- HIV/AIDSについて(山口県感染症情報センター)<外部リンク>