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がん患者等の妊孕性(にんようせい)温存療法について
がん患者等の妊孕性(にんようせい)温存療法について
1.妊孕性(にんようせい)とは
妊孕性(にんようせい)とは「妊娠するための力」のことをいいます。
がんの手術や薬物療法、放射線などの治療により、将来の妊娠・出産への機能が低下することがありますが、近年そのような患者さんに対して、妊娠・出産の希望を残せるような医療を提供できるようになってきました。それが妊孕性温存です。
具体的には病気(がん)に対する治療前に、受精卵や卵子・精子、場合により卵巣の組織を採取し、凍結保存することで、将来それを用いて妊娠・出産するというものです。
妊孕性については、国立がん研究センター がん情報サービスで詳しく説明されています。
国立がん研究センター がん情報サービス<外部リンク>
2.妊孕性温存療法に係る治療費助成について(令和3年4月1日から開始しました)
山口県では、妊孕性温存治療のうち医療保険の対象にならない費用の一部を助成することにより、将来に希望をもって治療に取り組んでいただけるよう支援します。
山口県内にお住まいで、治療実施時(凍結保存時点)に43歳未満の方が県指定医療機関(山口県立総合医療センター、徳山中央病院)で治療を受けられた場合、助成を受けることができます。
助成内容
対象となる治療 |
1回当たりの助成上限額 |
---|---|
胚(受精卵)凍結 |
35万円 |
未受精卵子凍結 |
20万円 |
卵巣組織凍結 |
40万円 |
精子凍結 |
2万5000円 |
精巣内精子採取術による精子凍結 |
35万円 |
差額ベッド代など入院室料、食事療養費、文書料など、治療に直接関係ない費用、初回の凍結保存費用を除く凍結保存の維持費用は対象になりません。
また、他制度の助成を受けている場合は、助成を受けることができません。
助成回数
1人につき、通算2回まで助成します。
申請書類
助成金の申請に必要な書類(下記の(1)~(5)を御提出ください)
(1) 様式第1-1 事業参加申請書
(2) 様式第1-2 妊孕性温存療法実施医療機関証明書(妊孕性温存療法を行う医療機関で記入)
(3) 様式第1-3 妊孕性温存療法実施医療機関の連携機関証明書(連携医療機関で記入)
※助成対象の治療の一部を指定医療機関とは別の医療機関で実施し、当該医療機関に対して支払いを行った場合で、当該費用も含めて助成を求める場合に提出
(4) 様式第1-4 原疾患治療実施医療機関証明書(がん治療を行う医療機関で記入)
(5) 上記の(1)から(4)の様式のほか、
- 夫婦であることを証明できる書類(両人の戸籍謄本)
※事実婚の場合は、両人の戸籍謄本、両人の住民票及び様式第1‐5 事実婚関係に関する申立書 (PDF:43KB) - 住所が確認できるもの(運転免許証(写)、マイナンバー(写)、住民票(写し可)など)
- 妊孕性温存療法に係る領収書・明細書((2)(3)に関係するもの、写し可)
- がん治療を受療していること(予定含む)がわかるもの(診療明細書、治療計画書、お薬手帳など)を御提出ください。
3.温存後生殖補助医療に係る治療費助成について(令和4年4月1日から開始しました)
山口県では、上記の妊孕性温存療法により凍結した検体を用いた生殖補助医療等のうち医療保険の対象にならない費用の一部を助成しています。
山口県内にお住まいで、治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦(事実婚含む)が県指定医療機関(山口県立総合医療センター、徳山中央病院、済生会下関総合病院)で治療を受けられた場合、助成を受けることができます。
助成内容
対象となる治療 |
1回当たりの助成上限額 |
---|---|
妊孕性温存療法で凍結した胚(受精卵)を用いた生殖補助医療 |
10万円 |
妊孕性温存療法で凍結した未受精卵子を用いた生殖補助医療 |
25万円 ※1 |
妊孕性温存療法で凍結した卵巣組織再移植後の生殖補助医療 |
30万円 ※1~4 |
妊孕性温存療法で凍結した精子を用いた生殖補助医療 |
30万円 ※1~4 |
※1 以前に凍結した胚を解凍した胚移植を実施する場合は10万円
※2 人工授精を実施する場合は1万円
※3 採卵したが卵が得られない、または状態の良い卵が得られないため中止した場合は10万円
※4 人工授精を実施する場合は1万円※4 卵胞が発達しない、または排卵終了のため中止した場合及び排卵準備中、体調不良等により治療中止した場合は対象外
詳細については、温存後生殖補助医療毎の助成上限額の詳細 (PDF:1.8MB)を参照ください。
差額ベッド代など入院室料、食事療養費、文書料など、治療に直接関係ない費用は対象になりません。
また、他制度の助成を受けている場合は、助成を受けることができません。
助成回数
初めて温存後生殖補助医療の助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満である場合、通算6回まで、40歳以上であるときは通算3回まで助成します。
申請書類
助成金の申請に必要な書類(下記の(1)~(4)を御提出ください)
(1) 様式第3-1 事業参加申請書
(2) 様式第3-2 温存後生殖補助医療証明書(温存後生殖補助医療を行う医療機関で記入)
(3) 様式第3-3 温存後生殖補助医療実施医療機関の連携機関証明書(連携医療機関で記入)
※助成対象の治療の一部を指定医療機関とは別の医療機関で実施し、当該医療機関に対して支払いを行った場合で、当該費用も含めて助成を求める場合に提出
(4) 上記の(1)から(3)の様式のほか、
- 夫婦であることを証明できる書類(両人の戸籍謄本)
※事実婚の場合は、両人の戸籍謄本、両人の住民票及び様式第3-4 事実婚関係に関する申立書 (PDF:37KB) - 住所が確認できるもの(運転免許証(写)、マイナンバー(写)、住民票(写し可)など)
- 温存後生殖補助医療に係る領収書・明細書((2)に関係するもの、写し可)を御提出ください。
4.指定医療機関
山口県では、妊孕性温存療法及び温存後生殖補助医療指定医療機関として、次の医療機関を指定しています。(令和6年9月時点)
妊孕性温存療法指定医療機関
- 山口県立総合医療センター(防府市大崎10077番地)
- 徳山中央病院(周南市孝田町1番1号)
温存後生殖補助医療指定医療機関
- 山口県立総合医療センター(防府市大崎10077番地)
- 徳山中央病院(周南市孝田町1番1号)
- 済生会下関総合病院(下関市安岡町8丁目5番1号)
5.関連リンク等
厚生労働省「小児・Aya世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業 実施要綱」
実施要綱(令和6年3月25日一部改正) (PDF:817KB)
厚生労働省作成のリーフレット
リーフレット(PDF:1.03MB)
≪小児・Aya世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業等に関するYouTube解説動画≫
(日本がん・生殖医療学会作成)
(1)がん治療を始める前に、妊孕性温存について知っておいていただきたいこと
~男性編~ https://youtu.be/0Ahp_J5Upka<外部リンク>
(2)がん治療を始める前に、妊孕性温存について知っておいていただきたいこと
~女性編~ https://youtu.be/Tp2Ijffwbt4<外部リンク>
(3)日本がん・生殖医療登録システムJofrの登録アプリ「Fsリンク」の使用法
https://youtu.be/4C9Cyzcszpc<外部リンク>
※解説動画は、以下のリンクからもご覧いただけます。
・http://j-sfp.org/support/videos.html<外部リンク>
(日本がん・生殖医療学会ホームページ内「関連動画ページ」)
・http://www.j-sfp.org/ninnyousei-outcome/index.html<外部リンク>
(厚生労働行政推進調査事業研究班ホームページ)
〇地域がん・生殖医療ネットワークwebサイト(https://j-sfp.org/cooperation/<外部リンク>)
申請及び問い合わせ先
〒753-8501 山口市滝町1-1
山口県健康福祉部医療政策課 医療対策班
Tel:083-933-2961
Fax:083-933-2829
E-mail:a11700@pref.yamaguchi.lg.jp
※ 治療に関しては、県指定医療機関にお問い合わせください。
〇山口県立総合医療センター
患者支援連携センター(地域医療連携室・医療相談室・がん相談支援センター)
Tel:0835-22-5355(直通)
〇徳山中央病院
地域連携・医療相談室
Tel:0834-28-4411(代表)
山口県がん・生殖医療ネットワークについて
県内の若年がん患者さんに対して、治療前に、妊孕性低下に関する十分な情報提供、カウンセリング、妊孕性温存療法の適応やその方法を円滑かつ迅速に提供することを目的として、「山口県がん・生殖医療ネットワーク」が設立されています。
ネットワークの事務局は山口県立総合医療センターにあり、ホームページで紹介しています。
(1)トップページ → (2)「最新医療の取り組み」から → (3)「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存」にお入りください。
山口県総合医療センター<外部リンク>
~小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存をめざして~