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野生鳥獣を捕獲するには
1 鳥獣保護管理法による保護について
野生鳥獣は、鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)により、次のように保護が図られています。
(1)捕獲の禁止
野生鳥獣は、原則として捕獲(殺傷を含む。)が禁止されています。また、鳥類の卵の採取(損傷を含む。)も禁止されています。たとえ、傷ついた鳥獣の保護が目的であっても例外ではありません。
なお、許可を受けた場合や狩猟を行う場合など、捕獲ができます。
(2)鳥獣保護区の指定による鳥獣の保護
鳥獣の保護を図るため特に必要があるときは、必要な地域に鳥獣保護区を指定し、すべての鳥獣の捕獲を禁止(許可を受けて捕獲する場合を除く。)しています。
さらに、鳥獣保護区の区域内で特に重要な地域は特別保護地区として指定し、一定数量以上の立木の伐採や工作物の設置、水面の埋立て等について、都道府県知事の許可を受けることとし、生息地の保全を図っています。
(3)狩猟の適正化による鳥獣の保護等
狩猟期間の制限、捕獲禁止場所の指定(鳥獣保護区、休猟区、鳥獣捕獲禁止区域、特定猟具使用禁止区域等)、1日ごとの捕獲数の制限など、狩猟の適正化を通じて、狩猟鳥獣の保護を図っています。
また、狩猟ができる鳥獣は、48種に限定されており、狩猟を行う場合には、原則として都道府県知事が実施する狩猟免許試験に合格し、狩猟免許を取得した上で、狩猟者登録をすることが必要です。
2 狩猟鳥獣の捕獲について
狩猟鳥獣は、狩猟により捕獲ができますが、以下のとおり禁止事項も定められていますので、注意が必要です。
(1)狩猟による捕獲とは
猟法に応じた狩猟免許と狩猟者登録を有している狩猟者が、法定猟具を使用して、狩猟ができる期間と場所において、狩猟鳥獣を捕獲することです。
- 狩猟期間:11月15日~2月15日(イノシシ、ニホンジカ:11月1日~3月31日)
- 狩猟場所:禁止場所(鳥獣保護区、休猟区、公道、都市公園、墓地、市街地等)以外の山野
(2)狩猟免許の種類と法定猟具
- 網猟免許:むそう網、はり網、つき網、なげ網(18歳以上)
- わな猟免許:くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわな(18歳以上)
- 第一種銃猟免許:装薬銃、空気銃(20歳以上)
- 第二種銃猟免許:空気銃(20歳以上)
※狩猟免許取得年齢が引き下げられています。
(3)主な禁止事項
- かすみ網(所持や販売も禁止)による捕獲
- 毒物、劇物、爆発物、釣り針、とりもち、弓矢、落とし穴、おし、トラバサミ等による捕獲
- わなによる鳥類、ヒグマ及びツキノワグマの捕獲 等
鳥類26種 |
カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く。)、キジ、コジュケイ、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス |
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獣類20種 |
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く。)、イタチ(オスに限る)、シベリアイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌ-トリア、ユキウサギ、ノウサギ |
※狩猟鳥のひなや卵については、狩猟の対象とされていません。
※ヤマドリのメス、キジのメス、ツキノワグマは捕獲等が禁止されています。
※ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは鳥獣保護管理法の対象でないため、自由に捕獲できます。
3 許可による野生鳥獣の捕獲について
以下の場合には、鳥獣の種類により、市町、県または環境省の許可を受けて鳥獣の捕獲をすることができます。
- 農林水産物や生活環境などに被害を及ぼす有害鳥獣捕獲を目的とする場合 (市町)
- 第二種特定鳥獣管理計画に基づく数の調整を目的とする場合 (県自然保護課)
- 学術研究を目的とする場合 (県自然保護課)
- その他の場合(公益上の必要、傷病鳥獣の保護、公共施設等での展示など) (県自然保護課)
※( )内が主な許可機関