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おもしろ統計・156給与から見た山口県の経済規模
156 給与から見た山口県の経済規模(令和6年8月15日掲載)
経済規模を示す指標としては、GDP(国内総生産)が知られていますが、今回は、賃金、労働時間および雇用の変動を調べる「毎月勤労統計調査」の結果を基に、経済規模の変動を見てみましょう。
具体的には、山口県内および国内の事業所が支払った各年の給与総額を、事業所(5人以上)で働く常用労働者数と、1人当たりの年間現金給与総額を乗じて「全常用労働者現金給与総額」を推計しました。
その結果、2023年の年間総額は、山口県で約1.7兆円、全国では約198.6兆円でした。また、山口県と全国の10年から23年までの総額の推移を、10年を100とする指数で表すとグラフの通りとなります。
この14年間で全国の総額は15%増加しましたが、山口県は7%と半分の伸びとなっています。
その主な要因は、常用労働者数が全国では11%増加しているのに対し、山口県では3%の増加にとどまっていることが挙げられます。一方、1人当たりの現金給与総額の伸びは、山口県も全国も約4%でほぼ同等です。
山口県の常用労働者数の伸びが低い背景には、労働力の供給面では、人口減少の度合いが全国平均よりも進んでいること、労働力の需要面では、全国に比べサービス産業の成長・多様化が小さいことが考えられます。
今回の推計の基となるデータは、山口県オープンデータカタログサイトおよび政府統計の総合窓口のサイトでも公開されています。このように公表された数値を組み合わせることで、社会状況の変化などについて新たな発見があるかもしれません。ぜひご活用ください。