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おいでませ知事室 知事からのメッセージ(平成18年(2006年)4月1日)
今年も、2月19日に、「秋吉台の山焼き」が行われました。この日本一規模の大きい山焼きは、牧草の芽吹きを促す農作業として、約650年前に始まったとされ、今では観光行事として定着、春の風物詩となっています。一斉に放たれた火は5メートルにも達し、濃赤の炎の帯は、丘を登り谷を越え草原を焼き尽くします。焼け跡からは、徐々に新しい息吹が誕生し、目に鮮やかな新緑の草原へと生まれ変わるのです。
4月は、進学、就職など、ものごとが新たにスタートするフレッシュな時期です。県庁も、4月1日付けで、67人の新しい息吹、新人職員を迎え入れることになりました。毎年、新人職員の希望と緊張感に満ちた表情に接すると、私も、新たな気持ちになり、身が引き締まる思いがします。昨年亡くなった、ビジネス界に最も影響を持つ経営学者、ピーター・ドラッガーは、「労働力はコストではなく、資源である」との名言を残していますが、地域間競争が激しさを増し、地方の政策立案・遂行能力が問われる中、彼らには、山口県の将来を切り拓く貴重な「資源」として、「今、何をなすべきか」を常に考え、行動し、県民の皆様の期待に応えていってもらいたいと思います。
彼らが生まれた頃の県人口は、およそ160万人でしたが、その後減り続け、ついに、昨年度、58年ぶりに150万人を下回りました。少子高齢化や人口減少は、全国を上回るスピードで進んでいます。さらには、地方分権や市町村合併が進み、山口県のかたちやあり方そのものが変わりつつあり、彼らを迎えた山口県は、今、大きな転換期を迎えています。
このような中、現在、県では、「行政改革」「財政改革」「公社改革」の3つを柱に、県政全般を見直し、懸案事項の解決に道筋をつけるため、県政の集中的な改革を進めています。また、県政運営の指針である「やまぐち未来デザイン21」の実行計画を改定したところであり、「選択」と「集中」の視点に立って、今後4年間に特に重点的に取り組むプロジェクトを掲げ、推進していくことにしています。
集中的な改革によりしっかりとした山口県の行財政基盤をつくり、環境の変化と直面する課題に対応した施策を重点的に推進していくことで、分権と交流の時代を勝ち抜いていきたいと思います。そして、山口県が持つ「住み良さ」にさらに磨きをかけ、一人ひとりの生き生きとした暮らしがある「住み良さ日本一の元気県」山口に向けて、今年度も全力で取り組んでまいります。