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知事発言集・令和3年公務始め・知事訓示

ページ番号:0011322 更新日:2021年1月4日更新

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 公務の始めに当たりまして、今後の県政運営に対する私の考えを申し上げたいと思います。

 昨年中、そして、この年末年始も新型コロナウイルスの感染拡大への対応を職員の皆さんとともに様々行ってきました。
 しかし、この新型コロナウイルス感染症、未だ収束が見通せない状況にあります。そうした中で、何よりも取り組むべきことは、更なる感染の拡大を防いでいくこと、県民の皆様の命と健康を守ること、そして、暮らしの安定を確保し、地域経済を回復基調に乗せていくこと、これが目下の最重要課題であります。
 今年も、このことにしっかりと取り組んでいかなければなりません。

 一方で、直面する感染症の危機を乗り越えるとともに、コロナ禍から生まれた変化を県政の推進に確実に取り込んでいく、コロナの時代にあっても「活力みなぎる山口県」、その実現に向けた取組をスピード感を持って前へ進めていかなければなりません。
 コロナ禍を契機に、社会全体のデジタル化の必要性が改めて強く認識されています。それとともに、テレワークの急速な普及に伴い、時間や場所にとらわれない「働き方の新しいスタイル」、これが広がりつつあるなど、国民の意識や行動に大きな変化が生まれてきています。

 私は、こうした社会の変革の動き、これをしっかりと捉えて、国の政策にも的確に対応しながら、危機から生まれた変化をこれからの成長へつなげる取組を加速させていきたいと考えています。
 皆さんには、こうしたことを念頭に置いて、本県が直面する様々な課題の克服に取り組んでいただくようによろしくお願いいたします。

 ここで、今後の県政の推進に当たりまして、対応していくべき3点について申し上げます。

 まず1点目は、これからの社会変革の原動力となるデジタル化の推進についてです。
 国においては、昨年末に「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」、これが閣議決定されました。今年9月の予定であるデジタル庁の創設をはじめ、様々な改革の取組が、現在急ピッチで進められています。
 本県としても、この動きに即応し、官民を挙げて社会全般にわたるデジタル化を強力に進めていく、そして、デジタル技術による変革、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)、この取組を加速させていかなければなりません。
 そのため、まずは、県自らが、行政手続のオンライン化、また、ワンストップ化、そうしたことに取り組み、県民や事業者にとって利便性の高いデジタル・ガバメントの構築、これを急ぐとともに、県政の様々な分野において、デジタル技術を活かした、より一層効果的できめ細かな行政サービスを提供していきたいと考えています。
 さらに、今後、全県的なDX推進のための新たな拠点を設置し、市町や企業等からの相談対応やオープンイノベーションの実施、官民共有のオープンデータ基盤の構築、デジタル人材の育成などに取り組み、県内におけるDXの展開をしっかりとサポートしていくこととしています。
 皆さんには、こうしたデジタル技術の活用によって、県民の生活がどのように向上し、また、県内産業の活力がどう高まるのかなど、それぞれの取組について具体的な将来像をしっかりとイメージしながら、施策の構築と取組の加速化を図っていただくようお願いいたします。

 2点目は、「働き方の新しいスタイル」への対応についてです。
 県としては、昨年のコロナ禍を契機に、テレワークやオンライン会議など、「働き方の新しいスタイル」を導入し、その拡大を進めています。
 こうした働き方は、非常時におけるBCP対策としてだけでなく、業務改善にも寄与するものです。県自らが率先して取組を進めることで、企業等の意識の向上、また、機運の醸成にもつながってまいります。時計の針を元に戻すことなく、取組の定着を図っていかなければなりません。
 また、今後も、行政手続のオンライン化など、デジタル・ガバメントの構築に取り組んでいく中で、仕事のやり方や進め方にも大きな変化が求められます。皆さんには、この機会に、どうすればより効率的で、県民や事業者にとって利便性の高い行政サービスが可能になるかをよく考えていただき、デジタル時代にふさわしい仕事のあり方を確立していただくようお願いいたします。

 3点目は、県民の安心・安全の確保に向けた危機管理の徹底についてです。
 近年、全国各地で自然災害が頻発しています。また、昨年、本県では上関大橋の損傷が生じました。感染症対策についても、業務継続の観点も含め、万全の備えをしておかなければなりません。
 職員の皆さんには、どのような事態にも迅速に、そして、的確に対応ができるように、日頃から情報の収集、また管理に努めるとともに、危機管理を徹底していただくように改めてお願いいたします。

 コロナとの共存を前提とした「新しい日常」の中で、デジタル化等による変革の恩恵、これをすべての県民が享受し、これまでよりも豊かで、また、安心・安全に暮らすことができる。私は、こうした社会こそが、コロナの時代にあって本県が目指していくべき未来の姿であると考えています。
 その実現に向けまして、市町をはじめ、企業、大学、関係団体等と総力を結集して取り組んでいくとともに、職員の皆さんには、常に課題意識を持って、これを乗り越えるための取組に積極果敢に挑戦していただくことを重ねてお願いをいたしまして、私の年頭の訓示といたします。

 皆さん、今年も一緒に頑張っていきましょう。