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知事発言集・平成31年度本庁部課長・出先機関の長合同会議 知事訓示

ページ番号:0011308 更新日:2019年4月4日更新

 皆さん、おはようございます。
 新年度のスタートにあたりまして、今、まさに新たな時代を迎える中、職員の皆さんとともに、県民の皆様の期待に応える、新たな県づくりを進めていくために、今年度の県政運営について、私の考え方を申し上げたいと思います。

新しい時代の新たな県づくりに向けて

 今年度は、天皇陛下が今月30日に御退位されて、翌5月1日には皇太子殿下が御即位されます。新たな元号「令和」も発表され、「平成」に代わる、新しい時代が間もなく始まります。
 この歴史の大きな節目に立ち、新たな元号、この「令和」という新しい時代の山口県を、安心と希望に満ちあふれたものに必ずつくり上げていく、そうした強い決意をもって、新しい県づくりを、しっかりと前に進めていかなければなりません。

 今、山口県は、人口減少と少子高齢化の急速な進行、頻発する自然災害など、取り巻く環境は更に厳しさを増しています。一方で、IotやAI等による第4次産業革命など、これまでの経験や常識を超える大きな変化の流れの中に、私たちは今いるわけです。
 これからの県政を担う私たちは、こうした目まぐるしい変化にもしっかりと目を見開いて、そして様々な困難な課題に真正面から向き合い、新しい時代の新たな県づくりに向けて、多くの挑戦をしていかなければなりません。
 挑戦することによってこそ、様々な可能性が開かれ、大きな困難を乗り越えていく、そうした道も切り拓かれていくはずです。
 これまでも常々申し上げてきたとおり、本県には、瀬戸内沿岸を中心とする産業の集積、豊かな農林水産物、素晴らしい観光資源など、様々な魅力、他県に決して負けない「強み」があります。大きな「潜在力」を秘めています。これをしっかりと活かして、新たな挑戦を重ねることで、県の発展の可能性を広げ、県の活力を高めていくことができます。

 本県の「強み」と「潜在力」を活かす、「3つの維新」、これこそが、まさに新たな挑戦です。
 皆さんには、新しい時代の中で、新たな発想とアイデアでこれまでにない取組に、ぜひ積極的に挑戦していただきたいと思います。そして、その取組により生み出された新たな可能性が、さらなる高みを目指す挑戦を行っていく、そうした挑戦の好循環をしっかりと創り出していただきたいと思います。

 職員の皆さんには、こうした考えを共有して、新しい時代の新たな県づくりに挑戦していただくことを、まずお願いをしまして、今年度の施策推進の方針について申し上げます。

今年度の施策推進方針について

 人口減少をはじめ、県政が直面する多くの課題を克服していくための取組を力強く進めるため、今年度は、「やまぐち維新プランの具現化に向けた取組の推進」と「持続可能な行財政基盤の確立に向けた取組の着実な推進」を2つの柱として予算編成を行ったところであり、これに基づき、全庁を挙げた取組を推進していきます。

やまぐち維新プランの具現化に向けた取組の推進

 まず、やまぐち維新プランの具現化に向けた取組の推進についてです。
 今年度は、新たな総合計画である「やまぐち維新プラン」に掲げる施策を本格化をしていく重要な年になります。
 維新プランの策定において、しっかりと捉えた「産業」、「交流」、「生活」の各分野で本県が有する「強み」と「潜在力」を活かした、「3つの維新」への挑戦により、確かな成果を上げていくため、6つの重点項目により、新たな県づくりに向けた施策を推進していきます。

重点項目(1)

 まず、「産業維新」では、本県の強みや潜在力を活かした産業力の強化、生産性向上を図るため、「新たなイノベーションの創出と中堅・中小企業の成長支援」を進めます。
 本県の強みである産業やものづくりの技術の集積を活かし、また、AI、Iot等の新たな技術を積極的に取り込んで、新たなイノベーションの創出を図っていきます。
 技術者・研究者による交流プラットフォームやR&Dラボの構築などによる、今までにない価値を生み出すオープンイノベーションの推進、県内医薬品産業の強化に向けた本県独自の手法による適合調査の迅速化、また、健康長寿社会の実現に向けた新たな産業を創出するための、企業や大学との連携による、認知症予防の実証研究と新たな製品・サービスの開発などを進めます。
 中堅・中小企業の成長支援では、消費税増税に係る国の動きを絶好のチャンスととらえ、全県的なキャッシュレス決済の導入促進を図るほか、人手不足が深刻化している中小企業の人材確保対策や、生産性向上を図るためのIotの導入支援などに取り組みます。

重点項目(2)

 また、「強い農林水産業の育成」に向けた取組も進めていきます。
 担い手不足、高齢化が進行する中で、新たな担い手の確保に向けて、首都圏から山口への移住就業者の大幅アップを目指すほか、農林漁業でのイノベーションの推進に向けたスマート農林漁業の推進、本県の農林業の未来を切り拓く基盤となる「農林業の知と技の拠点」の整備を進めていきます。
 さらに、統一ブランドを核とした県産和牛の振興、県産の地酒の酒粕を活用した本県独自の養殖方法の研究開発、新たな森林経営管理制度の対応などにより、本県の農林水産業の成長産業化を推進します。

重点項目(3)

 「大交流維新」では、「人とモノの流れの拡大」を図ります。
 5年にわたって取り組んだ「やまぐち幕末Ishin祭」の成果も踏まえ、新たなキャッチフレーズ「YAMAGUCHI Magic!」の下、絶景・温泉等の5大要素を活かした「新しい山口」の魅力発信を強力に進めます。
 また、交流基盤整備に向けて、山口宇部空港の国際交流拠点化を図るための取組の推進や、外国人の受入環境を整備するための「やまぐち外国人総合相談センター」の設置などを行います。
 さらに、国内外で新たな市場を開拓するため、市町と一体となった「オールやまぐち」での戦略的な取組の展開や、成長するアジア市場等、世界に向けて県産品の輸出拡大を図るための「山口県版エクスポーター」の育成等を進めます。
 このほか、本県への人の還流・移住を促進するため、国の支援策を活用し、首都圏からの移住就業・創業に対する支援等を行います。

重点項目(4)

 次に、「生活維新」における「暮らしに満足できる生活環境づくり」についてです。
 子育て支援策の強化を図るため、県内初となる新生児用ドクターカーの整備への支援、病児保育の利用予約のICT化に向けた実証実験、放課後児童クラブの長期休暇中のニーズに対応するため、保育士養成学校等の学生と連携した体制確保などに取り組みます。
 また、「福祉総合相談支援センター」の新設による相談支援体制の強化、困難を有する子どもへの支援の充実を図るための子ども食堂の開設・運営支援等による子どもの貧困問題への対応、児童虐待防止に向けた体制等の強化、食品ロスの削減や子ども食堂等への食材提供に繋がるフードバンク活動の拡大なども進めていきます。

重点項目(5)

 次に、「新時代に繋げる人材の育成と活躍支援」についてです。
 新たな時代を見据え、新時代を創造する人づくりを進めていきます。
 明治150年の取組も活かして、山口県だからこその人づくり施策とその推進体制の構築を図るとともに、薩長土肥4県の連携によるふるさとを愛する若者の育成をするための交流事業などを展開します。
 また、全国トップのコミュニティスクールの設置を活かして、「やまぐち型地域連携教育」の一層の推進も図っていきます。
 さらに、児童・生徒の豊かな心や健やかな体の育成に向け、いじめ・不登校の未然防止や早期発見・早期対応の取組を強化するほか、心の専門家であるスクールカウンセラーによる、心の教育の充実を図ります。

重点項目(6)

 次に、「県民が安心・安全に暮らせる活力ある地域づくり」についてです。
 昨年の7月豪雨災害を教訓として、災害時における「逃げ遅れゼロ」の実現に向けた避難促進体制の構築や防災意識の底上げ、国の緊急対策を活用した防災・減災緊急対策などに取り組みます。
 また、医療・介護の充実を図るため、若手医師確保対策の拡充や、がん治療に伴うアピアランスケアを推進するためのウィッグ等の購入支援、がん検診の受診率向上のための、家族や友人が誘い合って受診するキャンペーンの実施、救急相談に応える電話相談窓口「♯7119」の開設等に取り組みます。
 さらに、「やまぐち健幸アプリ」を活用し、健康寿命の延伸に向けた取組を積極的に展開していきます。

行財政構造改革の推進

 2つ目の柱は、行財政構造改革の推進についてです。
 これまでの行財政構造改革の取組により、歳入と歳出のギャップが縮小し、基金残高も増額するなど、改革の効果が徐々に現れてきています。現時点で、2022年度時点での臨時的な財源確保対策に依存しない財政運営の実現に、一定の目処を立てているところです。
 しかしながら、これはあくまでも見込みであり、これを現実のものとするためには、今後も改革の取組を着実に実行していかなければなりません。
 このため、引き続き、行財政改革統括本部において適切に進行管理を行い、全ての取組について検証と見直しを行いながら、全庁挙げて徹底した改革の取組を進めていきます。
 職員の皆さんには、新たな県づくりを支える揺るぎない行財政基盤の確立に向けて、行財政構造改革の実現にしっかりと取り組んでいただくようお願いします。

職員としての心構え

 以上、今年度の施策推進方針を申し上げましたが、次に、皆さんが仕事を進めていく上で、特に意識をしていただきたいこと、心構えについて、3点お願いします。

施策の実施効果を高める

 まず、1点目は、施策の実施効果を高めることについてです。
 それぞれの施策を実施する際に、施策の効果を最大限に高めるように、実施方法等について、ぜひ知恵を絞って取り組んでいただきたいと思います。
 例えば、施策の効果、実効性を高めるためには、的確に情報を提供していくこと、効果的な情報発信を行っていくことも大変重要です。
 そのために意識をしていただきたいのは、まずは、県の事業等のターゲットとする人、それを必要とする人に、確実に情報を届かせることです。
 皆さんそれぞれが、様々な機会を捉えて、関係者にしっかりと伝わるように、丁寧に説明を行うように心がけていただきたいと思いますし、県民の皆様に幅広く参加を求めたり、行動を促すような事業等については、どのような手法や仕掛けを組み込んで展開をしていくことが効果的であるのか、ぜひ知恵を絞って、工夫をして進めていただきたいと思います。
 また、観光情報など、全国に向けてアピールする必要があるものについては、より戦略的に情報発信を行わなければなりません。
 マスメディアは勿論、SNSなど新たなツールも積極的に活用しながら、成果に結び付く発信を行うように、しっかりと取り組んでいただくようにお願いします。

幅広い主体との連携・協働

 2点目は、幅広い主体との連携・協働についてです。
 県が抱える課題は大変複雑化、多様化しています。県だけの力で、それを解決していくことは難しくなっています。多様な主体との連携が益々重要になっています。
 市町はもとより、企業、大学、金融機関、民間団体、そして県民の皆様との連携・協働を一層強化をし、それぞれが有する強みや資源、ノウハウ、またネットワークなどを最大限活かしながら、より大きな成果があげられるように取り組んでいただくよう、ぜひお願いします。
 また、国の新たな政策との連携を図ることも非常に重要です。
 国において進められている「人づくり革命」や「生産性革命」、東京一極集中の是正に向けた「地方創生の強化」、或いは、「防災・減災、国土強靱化対策」など、国の動向等をいち早く把握をし、その積極的な活用や取り込みを図り、これを県の新たな施策の構築等に繋げていただきたいと思います。

危機管理の徹底

 最後に、危機管理の徹底についてです。
 昨年7月の豪雨災害や大島大橋への貨物船の衝突事故、また、全国的にも地震や豪雨災害などが頻発しています。いつ災害が起こるのか予想がつくものではありません。
 職員一人ひとりが、常に緊張感を持って、十分な心構えと備えをしていくことが必要ですし、仮にそうした事態が発生した場合には、初動対応を的確に行わなければなりません。
 初動、最初にしっかりとした対応ができるかどうかにより、被害を防ぎ、また、その軽減が図られるかどうか、結果が大きく変わります。
 職員の皆さんには、県民の皆様の安心・安全を第一に、それぞれの職場において、常日頃から、様々な情報の収集や管理に努め、不測の事態に迅速かつ的確に対応するための準備を怠ることのないよう、しっかりとよろしくお願いいたします。

終わりに

 以上、県政運営に関する私の考え方を申し上げました。
 今年度は、新しい時代を迎えていく中で、維新プランの取組を本格化させ、新たな県づくりを進めていく年になります。
 冒頭申し上げたように、職員の皆さんには、新しい時代の中で、積極的に新たな挑戦を行っていくことを、強くお願いします。
 それぞれの職場で目指すべき目標を共有しながら、職員それぞれが挑戦を重ねて、新たな県づくりにつながる確かな成果を上げていくことができるよう、各部局が総力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 私自身も、先頭に立って積極果敢に挑戦してまいります。
 「令和」という新しい時代の中で力強く輝く、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて今年一年、力を合わせてしっかりと頑張っていきましょう。よろしくお願いします。