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おいでませ知事室 新年度を迎えるにあたって
県庁の桜のつぼみがやっとほころびはじめ、ようやく今年も、桜の季節が巡ってきました。
郷土の詩人金子みすゞが、「さくら さくら 山ざくら 私は髪に挿しました 山ひめさまになりました」と郷土の春を綴ったように、ふるさとの桜は、私たちの心の原風景となっているのではないかと思います。また、漂泊の俳人、種田山頭火が「桜が咲いて旅人である」と詠んだように、桜は春の訪れを告げるとともに、新たな旅立ちを誘うものであります。
こうした桜とともに新たな年度を迎え、県民の皆様におかれても、入社、入学など、大いなる志を抱いて、新しい道を歩み始められた方も多いのではないかと思います。
私としても、県政を預かる立場としての最後の春を迎え、これまで県民の皆様とともに歩んできた県づくりの総仕上げを成し遂げていくことにより、未来につなぐ県政の礎を築きあげ、それをしっかりと引き継いでいきたいとの強い決意を持って、新年度のスタートを切りました。
県政を取り巻く環境は依然として厳しい中、県づくりの総仕上げに向けても、決して平坦な道程とは言えません。国政では、東日本大震災からの本格的な復旧・復興や外交・防衛問題など喫緊の課題が山積する中、地方や国民生活に大きな影響を与える政策や方針が定まらないという不透明な状況が続いております。
また、長引く景気の低迷に円高が追い打ちをかけ、県内でも大規模な工場閉鎖等が相次いで発表されるなど、今後の景気・雇用情勢は予断を許さない状況にあります。
さらには、昨年の東日本大震災を得難い教訓に、大規模な自然災害から県民の皆様のかけがえのない生命や財産をどう守っていくか、真剣に向き合わねばなりません。
一方、昨年の「おいでませ!山口国体・山口大会」では、夢と感動にあふれる大会として大成功を収めることができ、両大会から得られた多くの成果を活かし、今後の県政にしっかりとつないでいくことも重要であります。
また、県民総参加による両大会の開催を通じて、大いに発揮された県民の力や地域の力は更に大きく高まってまいり、これらを原動力として、これからの県づくり、地域づくりを力強く進めていかなければなりません。
県づくりの総仕上げのまさにラストスパートの時を迎え、私は県政の目標である「住みよさ日本一の元気県」の実現に向け、県民の皆様とともに全力で突き進んでいきたいと考えております。
皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。