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おいでませ知事室 おいでませ山口へ
先日、旅行雑誌社のご当地料理を紹介する企画で、防府の「天神鱧(はも)」料理をPRさせていただきました。意外と知られていませんが、山口県の「はも」の漁獲量は全国第2位です。「はも」は”梅雨の水を飲んでおいしくなる”と言われるように、夏が旬で、この時期は脂がのってとてもおいしく、今売り出し中の食材です。
その夏の期間、7月から9月までの3か月、山口県では、JRグループ6社と協働して「おいでませ山口デスティネーションキャンペーン(DC」を展開します。デスティネーションとは「目的地」という意味です。「今年の観光の目的地は山口県」と、大々的にPRし、本県の多彩な自然や歴史、文化、そして、ただ今ご紹介した「はも」をはじめとする様々な食の魅力をアピールすることによって、全国から多くのお客様をお迎えします。
キャンペーンのキャッチフレーズは「はじめてなのに、なつかしい。おいでませ山口へ」。蝉時雨の中を走る蒸気機関車や、入道雲広がる白砂青松の海、夏蜜柑が土壁にのぞく城下町…、こうした風景に、「なつかしさ」を感じていただき、「楽しかった、また来よう」と思っていただけるよう、様々な企画を用意しています。
例えば、人気のSLやまぐち号や日本海の美しい風景を眺めることのできる山陰観光列車「みすゞ潮彩」などのなつかしい列車の旅をはじめ、県民参加型の取組として、郷土の昔話や伝説を昔懐かしい紙芝居で紹介する「山口どこでも紙芝居」を県内18か所で上演することとしています。このほか、秋吉台でのエコツアーなど、県内各地域で多彩なイベントが予定されています。
こうした中、先日、このキャンペーンをPRする5連のポスターが、(社)日本観光協会が主催する伝統ある「日本観光ポスターコンクール」で、応募262点中、最高賞の金賞・国土交通大臣賞(全国1点のみ)に輝きました。皆さんもご覧になったことがあると思いますが、下関や長門、岩国などの街並みを、「なつかしさ」をコンセプトに描いたもので、キャンペーンのスタートに向けて大きな弾みがついたものとうれしく思っています。
私は、山口県は、「住み良さ」とともに、観光の面でも全国に誇れる魅力や資源を数多く有する県であると思っています。
故司馬遼太郎氏は、著書「街道をゆく」の中で、本県の自然を「まろやか」という言葉で表現されています。言い得て妙であり、自然はもとより、街々の佇まいも、住む人の温もりも、文化も食もまろやかであり、そして豊かです。
今年も暑い夏になると思いますが、訪れた方々に山口県の良さを存分に味わっていただき、「来て良かった」「また訪れたい」と思っていただけるよう、市町や県民の皆様の力、つまり私が常に申し上げている「県民力」「地域力」の発揮によって、心のこもった「おもてなし」に努め、山口県の存在感を力強くアピールしていきたいと考えています。
さあ、この夏は「はじめてなのに、なつかしい。おいでませ山口へ」。