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おいでませ知事室 住み良さ日本一の元気県に向けて「出発進行!」
春分の日の3月21日、高らかな汽笛とともに、「SLやまぐち号<外部リンク>」が多くの観光客を乗せて、新山口駅を島根県津和野町<外部リンク>に向けて出発しました。
このC571が製造されてから、すでに70年になりますが、優雅で凛とした姿は、「貴婦人」の愛称で、SLファンのみならず、地元の皆さんや、観光客の皆さんに愛され続けています。
黒い煙と白い蒸気を吐きながら、菜の花畑や桜の杜をひたむきに走る姿は、子どもはもちろんのこと、私たち大人にとっても頼もしく、新しい年度の始まりに向けて新たな活力を与えてくれる気がします。
さて、平成20年7月から9月までの間、JRグループでは、山口県全域を対象に全国からの観光客誘致を行うデスティネーションキャンペーンを大々的に展開することとしています。
山口県としても、この機会に、JRや旅行会社などと協働して、本県の観光と魅力を発信し、全国からの観光客誘致を図りたいと考えており、本年度から、市町や関係団体等の皆様と連携し、誘客や、PR、おもてなし対策などの様々な取組を積極的に行っていくこととしています。
「SLやまぐち号<外部リンク>」は、これからも貴重な観光資源として、文字どおり観光振興の牽引車になってくれるものと思いますが、私たちのふるさとには、このほかにも、全国に誇れるたくさんの魅力、宝物があります。これらを一つひとつ再発見し輝かせていくことで、郷土を愛する心がさらに育まれ、私が常々申し上げている、県民の皆様の知恵と力を結集した「県民力」、また地域の特性や資源が生み出す「地域力」を高めていくことにもつながるものと思います。
郷土の俳人・種田山頭火が九州への行乞中に詠んだ、「あの汽車も ふる郷の方へ 音たかく」という句があります。ふるさとは、そこに暮らす人にも、また離れて暮らす人にとっても、愛着やみがたいものであると思いますし、そうした愛着をもたらす地域の魅力=「住み良さ」を県民の皆様とともに、さらに高めていきたいと考えています。
私は今年度も、SLに例えるならば、この「やまぐち号」を、「県民が主役となる県政」、「市町とともに歩む県政」を両輪に、「県民力」や「地域力」を原動力として、市町、県民の皆様と力を合わせ、「住み良さ日本一の元気県」という目的地に向けて、汽笛も高らかに、全力で走らせていきたいと考えています。
デスティネーション(Destination)とは目的地とか行き先と和訳されます。
JRグループ6社(JR北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州)と、地方行政、地元の観光事業者の3者が一体となって行う、広域的かつ継続的な観光宣伝事業のことです。
僧侶が乞食(こつじき)をして歩くことです。托鉢(たくはつ)のこと。
昭和5年、山頭火48歳の時、九州各地を行乞放浪した際に著した「行乞記」に掲載されています。関門付近で東に向かう汽車を見て詠んだものと思われます。