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令和6年11月県議会定例会知事議案説明要旨
はじめに
本日は、令和6年度一般会計補正予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。
議案の説明に先立ち、御報告申し上げます。
まず、来年度当初予算編成についてです。
本県の最重要課題である人口減少は、加速度的に厳しさを増しています。
本県の出生数は減少が続き、若者・女性を中心とした県外への転出もさらに拡大しており、私は、これまで以上に強い危機感を持って、人口減少の克服に取り組まなければならないと考えています。
こうした考えの下、今年度においては、少子化対策を抜本的に強化し、新たな支援制度の創設や働き方改革、「こどもや子育てにやさしい休み方改革」などの取組を、総力を挙げて推進しているところですが、人口減少は、一朝一夕に克服できるものではなく、不断の見直しや取組の強化を行いながら、粘り強く進めていくことが必要です。
そのため、来年度の当初予算編成に当たっては、これまで進めてきた取組の成果の上に立って、当事者である若い世代や女性の声に的確に応えるとともに、市町との連携も強化しながら、県内各地域の実情を踏まえ、人口減少対策の一層の充実・強化を図っていく考えです。
また、地域経済は、人手不足への対応や賃上げの実現など、持続的な成長に向けて様々な課題を抱えており、年々厳しさを増す自然災害への備えなど、県民の安心・安全の確保についても、取組の強化が必要です。
人口減少下にあっても持続可能で活力ある山口県を創っていくため、「やまぐち未来維新プラン」に掲げる新たな県づくりに向けた取組についても、デジタル化・脱炭素化などの社会変革を新たな推進力にしながら、さらに進化させてまいります。
そして、こうした人口減少や社会変革への対応、多様化・複雑化する行政課題の克服に向け、県が積極果敢に挑戦していくためには、その取組を支える行財政基盤の強化が不可欠です。
そのため、財政の健全性の維持・向上を図りながら、様々な行政課題に的確かつ機動的に対応できるよう、県が有する限りある行政資源を質的に充実させる新たな行財政改革の取組を着実に推進してまいります。
私は、一層深刻化する人口減少を克服し、「安心で希望と活力に満ちた山口県」が実現できるよう、来年度当初予算の編成に取り組んでまいります。
次に、最近の経済情勢についてです。
まず、我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しているとされています。
一方、先行きについては、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとされています。
こうした情勢を踏まえ、政府においては、「日本経済・地方経済の成長」、「物価高の克服」、「国民の安心・安全の確保」の3つを柱とした総合経済対策を策定し、今後速やかに補正予算を編成する見通しとなっています。
また、県内経済については、緩やかに回復しているものの、海外情勢や企業の賃金・価格設定等が与える影響について注視していく必要があるとされています。
私としては、引き続き、物価や経済情勢、国の動向等を注視し、国の経済対策にもしっかりと呼応しながら、適切に対応してまいります。
それでは、提出議案の概要について、御説明申し上げます。
令和6年度補正予算
議案第1号は、令和6年度一般会計補正予算です。
山口しごとセンター等に係る指定管理者の指定や、公共工事における端境期対策等のため、債務負担行為を設定するとともに、建設事業等に係る繰越明許費について、用地交渉の遅延等により、9月補正予算での設定分の変更と合わせ、114億600万円を予定しています。
案第2号から議案第4号までは、特別会計及び企業会計に係る補正予算であり、年度を越える業務等の一括契約を行うため、債務負担行為を設定するものです。
条例、事件議決
議案第5号から議案第9号までは、いずれも条例の一部を改正するものであり、県営住宅の供用を開始するなどのため、それぞれ関係条例の一部を改正するものです。
議案第10号から議案第19号までは、事件議決に関するものです。
議案第10号は、工事の請負契約の締結について、
議案第11号は、財産を出資の目的とすることについて、
議案第12号は、土地の売払いについて、
議案第13号から議案第17号までは、山口しごとセンター等の施設に係る指定管理者の指定について、
議案第18号は、当せん金付証票の発売金額について、
議案第19号は、公立大学法人山口県立大学の定款を変更することについて、
それぞれ県議会の議決をお願いするものです。
議案第20号は、人事案件に関するものであり、公害審査会の委員の任命について、県議会の同意をお願いするものです。
公害審査会の委員各位におかれましては、来る12月24日をもちまして、その任期が満了いたします。
つきましては、新しい委員の任命を要するのですが、私としては、配布しました委員候補の各氏を最適任と考え、ここにお諮りいたします。
なお、各氏の御略歴は、履歴書のとおりです。
その他
この際、御報告申し上げます。
この度の衆議院議員総選挙等の執行に係る経費を措置するために一般会計予算を補正すること、工事の請負契約の一部を変更すること、訴え提起前の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。
また、山口県信用保証協会が行う求償権の不等価譲渡の承認の報告及び県が出資等を行っている法人の経営状況を説明する書類につきましては、別添のとおり作成しましたので、提出をいたします。
以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。