本文
令和6年9月県議会定例会知事議案説明要旨
はじめに
本日は、令和6年度一般会計補正予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。
最初に、既に皆様方も御承知のとおり、この度のパリオリンピック・パラリンピックにおいて、多くの本県ゆかりの選手が素晴らしい活躍をされ、メダリストも誕生いたしました。
世界最高の大舞台で持てる力を存分に発揮し、見事な活躍をされた選手の方々に、敬意を表するとともに、県民のみならず、日本全体に大きな夢と感動、勇気と誇りを与えていただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
私としては、県をあげて選手の栄誉を讃えるため、2大会連続で金メダルを獲得されたフェンシングの加納虹輝選手に「県民栄誉賞特別賞」を、柔道で金メダルを獲得された廣瀬順子選手に「県民栄誉賞」を、また全てのメダリストの方々に「山口県スポーツ特別褒賞」を授与することといたしました。
引き続き、本県ゆかりの選手のさらなる飛躍を祈念するとともに、今大会での選手の活躍などをきっかけに、幅広い種目への関心の高まりや次世代の競技力向上など、本県のスポーツ振興につながることを期待しています。
次に、議案の説明に先立ち、御報告申し上げます。
まず、防災・減災対策の推進についてです。
今年元日に発生した能登半島地震の復興も未だ道半ばの中、先月8日には日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、同日、気象庁から初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。
この度は、1週間後の8月15日をもって大規模地震への「特別な注意の呼びかけ」は終了しましたが、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではなく、改めて地震への備えを県全体で充実させていく必要があります。
そのため、県が現在取り組んでいる能登半島地震を踏まえた防災・減災対策の検討や、南海トラフ地震等に係る地震・津波被害想定の見直しを着実に進めることにより、地震・津波防災対策を一層推進していく考えです。
また、災害発生時に救助・救援活動を支える緊急輸送道路の橋梁の耐震補強や法面対策、交通・物流等の多重性・代替性の確保に資する幹線道路網の整備を進めるなど、ソフト・ハード両面から防災・減災対策の推進に取り組んでまいります。
次に、最近の経済情勢についてです。
まず、我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しているとされています。
一方、先行きについては、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとされています。
また、県内経済については、緩やかに回復しているものの、海外情勢や企業の賃金・価格設定等が与える影響について注視していく必要があり、私としては、引き続き、物価や経済情勢、国の動向等を十分に踏まえながら、適切に対処してまいります。
それでは、提出議案の概要について、御説明申し上げます。
令和6年度補正予算等
議案第1号は、令和6年度一般会計補正予算です。
今回の補正予算は、梅雨前線豪雨災害対策関連事業など、当面緊急を要する経費について、所要の補正を行うものであり、補正総額は、37億2,100万円、補正後の予算規模は、7,477億4,200万円となっています。
その主な内容としては、まず、豪雨災害対策について、被害状況に基づき、公共土木施設等の早期復旧を図るため、災害復旧事業21億3,800万円を追加するとともに、災害関連事業として、砂防事業や河川改修事業等を実施することとし、11億1,400万円を追加計上しています。
次に、被災者支援については、被災世帯に対して生活福祉資金等の無利子貸付を行うこととし、債務負担行為を設定しています。
このほか、道路、河川に流出した土砂や倒木の除去等を実施することとし、それぞれ所要の経費を計上しています。
これにより、今回計上した災害関連経費の総額は、36億5,900万円となっています。
その他の経費としては、まず、来年度開催される大阪・関西万博において本県の魅力を国内外に広く発信するブース出展を行うため、運営準備等に係る所要の経費を計上しています。
また、県内でツキノワグマが過去最多のペースで出没している状況を踏まえ、人身被害等を防ぐための体制を強化します。
さらに、重油価格の上昇が続き、燃料費の負担が増大しているフェリー事業者に対して、燃料費高騰分への補助の拡充を行います。
このほか、建設事業に係る繰越明許費について、入札の不調等により、8億8,800万円を設定するとともに、債務負担行為として、年度を越える業務の一括契約を行うこととしています。
一方、歳入予算については、歳出との関連において、国庫支出金13億2,900万円、県債18億1,200万円等を追加するほか、所要の一般財源については、繰越金5億7,700万円をもって措置しています。
以上が、議案第1号に係る令和6年度一般会計補正予算の概要です。
議案第2号は、国民健康保険特別会計について、前期高齢者納付金を納付するため、所要の補正を行うものです。
議案第3号は、令和6年度の県が行う建設事業に要する経費に関し、市町が負担すべき金額を定めることについて、地方財政法等の規定により、県議会の議決をお願いするものです。
条例、事件議決
議案第4号は、盛土規制法の施行に伴う宅地造成等に関する工事の許可申請に係る手数料の設定等を行うため、山口県使用料手数料条例の一部を改正するものです。
議案第5号から議案第11号までは、事件議決に関するものです。
議案第5号は、工事の請負契約の締結について、
議案第6号及び議案第7号は、令和5年度の企業会計の利益の処分について、
それぞれ県議会の議決をお願いするものです。
議案第8号は、令和5年度山口県歳入歳出諸決算について、県議会の認定をお願いするものです。
なお、当該決算に係る主要な施策の成果並びに基金の運用状況についても、併せて説明書を提出しています。
議案第9号から議案第11号までは、令和5年度の企業会計の決算について、地方公営企業法の規定に基づき、それぞれ県議会の認定をお願いするものです。
議案第12号及び議案第13号は、人事案件に関するものであり、
議案第12号は、教育委員会の委員の任命について、
議案第13号は、公安委員会の委員の任命について、
それぞれ県議会の同意をお願いするものです。
まず、教育委員会委員 小崎由紀氏、和泉研二氏の両氏は、来る10月21日をもちまして、その任期が満了いたします。
また、公安委員会委員 大田明登氏から、任期途中ではありますが、来る9月30日をもちまして、辞任したい旨の申し出がありました。
つきましては、後任の委員の任命を要するのですが、私としては、教育委員会委員には和泉研二氏の再任をお願いするとともに、新たに教育委員会委員には廣兼愛子氏、公安委員会委員には野村雅之氏を、それぞれ最適任と考え、ここにお諮りいたします。
なお、各氏の御経歴は、配布しました履歴書のとおりです。
その他
この際、御報告申し上げます。
訴えの提起をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。
また、債権管理条例に基づく債権放棄の報告、令和5年度の決算に係る健全化判断比率及び公営企業の資金不足比率の報告、中山間地域振興条例ほか6条例に基づくそれぞれの年次報告、地方独立行政法人法に基づく業務の実績に関する評価結果等の報告、内部統制評価報告書並びに県が出資等を行っている法人の経営状況を説明する書類につきましては、別添のとおり作成しましたので、提出をいたします。
以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。