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令和4年2月県議会定例会知事議案説明要旨

ページ番号:0136682 更新日:2022年2月28日更新

はじめに

本日は、令和4年度当初予算その他の諸案件につきまして、御審議をお願いするため、お集まりをいただき、厚くお礼を申し上げます。

 

今定例会は、知事選挙後、初の定例県議会となりますので、議案の説明に先立ち、私の今後の県政運営に関する所信を申し述べさせていただき、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと思います。

私は、この度の知事選挙におきまして、多くの県民の皆様から御支持をいただき、三期目の県政を担当させていただくこととなりました。大変光栄なことであり、心より感謝申し上げます。

本日、知事として、伝統ある山口県議会の議場に再び立ち、改めて、これから4年間の県政を担う、その責任の重さに身が引き締まる思いです。県民の皆様から寄せられた御期待にしっかりとお応えするため、これからの県政運営に全力で取り組んでまいります。

さて、我が国が本格的な人口減少社会に突入する中、全国より早いスピードで人口減少、少子高齢化が進む本県においては、地域活力の維持が大きな課題となっています。

このため、私は、平成26年の知事就任以降、活力に満ちた産業や活気ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らせる「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、全力で取り組んでまいりました。

これまでの取組により、企業誘致の促進とこれによる新規雇用の創出、本県への移住者数の増加、山口ゆめ花博の開催とその成果を活かした地域づくりの活発化など、様々な分野で着実な成果が挙がってきたところです。

しかしながら、この2年間は、新型コロナウイルスの感染が拡大し、社会経済活動が著しく低迷するなど、新たな課題も生じてきています。

このため、直面するコロナの危機から県民の命と健康を守り抜き、傷んだ社会経済を再生させる、私は、このことに最優先で、責任を持って取り組んでいく決意です。

感染拡大の防止に向けては、引き続き、医療提供体制の強化や、きめ細かな自宅療養支援などを通じた誰一人取り残さない療養体制の確保、PCR検査等の検査体制の充実に努めるとともに、3回目のワクチン接種の4月末完了に向け、万全の対応をとってまいります。

また、度重なる感染拡大によって、飲食店をはじめ、様々な業種の皆様が、長期にわたり大変なご苦労をされており、今後とも、事業継続や雇用の維持などに向け、地域の実情や県民、事業者のニーズ等をきめ細かく把握しながら、適時・適切な支援策を講じてまいります。

さらに、その先にある、本県の新たな未来を創る取組にも注力していく考えであり、そのためには、安心と成長のレベルをより高めていくことが重要となります。

その実現に向け、県立総合医療センターの機能強化をはじめとして、医療と福祉の更なる充実を図るとともに、企業誘致の促進や県内産業の成長支援、強い農林水産業の育成などにより、地域経済の活力を一層高めていきます。

さらに、全国に先駆けて取り組んでいる「やまぐちデジタル改革」の取組を加速させ、産業振興はもとより、医療や教育、子育てなど、県政のあらゆる分野で強力にデジタル化を推進していきます。

現在、国においても、地方からデジタルの実装を進め、地方と都市の差を縮め、都市の活力と地方のゆとりの両方を享受できる「デジタル田園都市国家構想」の具体化に向けた議論が進められています。今後も、こうした国の政策としっかりと連携を図りながら、県民一人ひとりが、これまで以上の豊かさと幸せを実感することのできる社会を築いていく考えです。

私は、直面するコロナの危機から山口県を守り抜き、将来にわたって安心で希望と活力に満ちあふれた県づくりを実現するため、私自らが先頭に立ち、県民の皆様方と力を合わせ、全身全霊で取り組んでまいる所存でありますので、議員各位並びに県民の皆様の、より一層の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。

 

次に、新型コロナウイルス感染症の状況についてです。

新型コロナウイルス感染症については、年明け以降、オミクロン株による感染者がこれまでに類をみないスピードで、全国的に増加しました。

本県においても、年末年始からの感染者の急増を受けて、本県としては初めてとなる、まん延防止等重点措置の適用を国に要請し、1月9日から岩国市と和木町を措置区域として、さらに2月1日からは対象を県内全域に拡大したところです。

この重点措置の適用に伴い、県では、何としても感染拡大を食い止めるため、飲食店等への営業時間短縮や県外往来の自粛の要請など、感染拡大防止集中対策を実施いたしました。

県民や事業者の皆様には、これまでの県の対策に多くの御理解と御協力をいただいたところであり、改めて、心より深く感謝を申し上げます。

こうした取組により、県内の新規感染者数が減少し、全国的に見て低い水準となり、確保病床使用率等の指標も改善したことなどから、本県においては今月20日、全域に適用されていた重点措置が解除されたところですが、全国の新規感染者数は高い水準にあり、本県への影響も懸念されます。

そのため、私としては、県民の皆様の命と健康を第一に、社会経済への影響を最小限に食い止めることができるよう、引き続き全力で取り組む考えであり、県民の皆様には、今一度、三密の回避やマスクの着用など、基本的な感染防止対策の徹底をお願いしたいと考えています。

 

令和4年度当初予算

それでは、令和4年度の当初予算編成について、御説明申し上げます。

まず、我が国経済は、感染対策に万全を期し、社会経済活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されています。ただし、感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があるとされています。

こうした情勢の下、国においては、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を通じて、雇用と事業を支えながら、感染拡大を防止するとともに、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を図り、防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保を進めるとしています。

このため、国の令和4年度一般会計予算案は、経済対策に基づく令和3年度補正予算と一体として、新型コロナ対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を図るための予算として編成されました。その総額は、前年度に比べ、0.9パーセント増の107兆5,964億円となっています。

 

次に、令和4年度の地方財政については、地方税が増収となる中、地方交付税総額は前年度を上回り、臨時財政対策債が大幅に抑制された結果、一般財源総額については、前年度を上回る額が確保されたところです。

また、「まち・ひと・しごと創生事業費」や「地域デジタル社会推進費」について、前年度と同額を確保するとともに、公共施設等適正管理推進事業費に「脱炭素化事業」を追加し、事業費を増額するなど、地方の重点課題に即した対策が講じられ、その結果、地方財政計画の規模は、前年度に比べ、0.9パーセント増の90兆5,918億円となっています。

 

こうした諸情勢を背景に、来年度予算の編成に当たったところですが、私は、この予算を、直面する新型コロナウイルス感染症の危機を乗り越え、山口県を安心で希望と活力に満ちあふれた県へと高めていく、新たな未来づくりへの挑戦を始めるための予算と位置付け、予算編成に取り組みました。

県政における現下の最重要課題は、県民の命と健康を守り抜き、暮らしの安定を確保すること、そして大きく傷んだ社会経済を力強く再生させ、本県の元気を取り戻すことです。

その上で、コロナ禍がもたらした人々の意識の変化や、デジタル化をはじめとする社会変革の動きをチャンスと捉え、より高いレベルの安心の確保と成長の実現を目指して、新たな未来に向けた県づくりを前に進めていかなければなりません。

こうした取組を通じて、私は、コロナの危機を克服し、安心で希望と活力に満ちあふれた山口県を、コロナ前よりもさらに高く飛躍させていきたいと考えています。

このため、来年度予算においては、「コロナの危機から県民の命と健康を守り抜く取組」、「長期化するコロナ禍や現下の感染状況による影響を踏まえた経済対策の実施」、そして、「新たな未来に向けた県づくりの推進」の3つの柱に沿って、予算を編成したところです。

 

最初に、1つ目の柱である「コロナの危機から県民の命と健康を守り抜く取組」についてです。

このうち、まず、「感染拡大防止対策の強化」については、感染力が極めて高く、今なお世界中で猛威を振るうオミクロン株の感染状況を踏まえ、これに匹敵する急激な感染拡大が発生した場合にも対応できる体制を確保することとしています。

具体的には、まず、「検査体制の確保」として、医療機関等で行うPCR検査等について、1日最大8千件の検査体制を維持するとともに、県内事業者が安心して事業を継続するために自主的に行う検査の経費等を支援します。

また、「医療提供体制の強化」として、緊急分を含めた入院患者の受入病床691床、軽症者の宿泊療養施設930人分など、全国トップクラスの現行体制を継続確保した上で、今後の感染急拡大に備えた自宅療養者への生活支援等の充実を図ります。

さらに、「ワクチン接種体制の確保」として、4月末までの3回目接種の完了に向けて、相談体制の整備や広域接種会場の開設、医療機関等への接種促進のための運営支援など、迅速かつ円滑な実施に必要な体制を整えます。

このほか、「学校、社会福祉施設等の感染防止対策」として、社会福祉施設や県民利用施設等での対策に要する経費の支援、特別支援学校の通学バスの増便等による感染リスクの低減にも引き続き適切に対応します。

次に、「県民生活の安定」については、社会全体で結婚を応援する気運を醸成するため、コロナ禍にあっても結婚式等をためらうことなく実施できるよう支援を行うほか、様々な困難を抱える女性への支援や若者の自殺防止対策など、お困りの方に寄り添う支援に、引き続きしっかりと取り組みます。

 

次に、2つ目の柱である「長期化するコロナ禍や現下の感染状況による影響を踏まえた経済対策の実施」についてです。

このうち、「県内経済の下支え」については、まず、長期化するコロナ禍の影響により、企業の資金繰りに支障が生じないよう、中小企業制度融資の融資枠を確保するとともに、業態転換や経営の多角化など事業再構築に取り組む事業者を対象とした新資金の創設等により、県内企業を資金面で後押しします。

また、飲食店における感染防止対策の徹底に向けて、全店舗の見回りにより更なる認証取得を促進するなど、安心して飲食店を利用できる環境づくりを進めます。

さらに、今後も利用拡大が見込まれる電子商取引市場において、県内事業者の販路拡大を図るため、大手ECサイト等を利用したフェアの開催や送料支援等に取り組みます。

次に、「消費需要の喚起」については、まず、観光事業者を支援するため、国の事業を活用した全国規模の需要喚起策である「Go To やまぐち事業」を実施することとし、令和3年度補正予算で措置した「やまぐち観光振興支援パッケージ」とあわせて切れ目なく取り組むことにより、県内事業者の反転攻勢を後押しし、観光のV字回復に向けた好循環を創出します。

また、県内飲食店やその食材を提供する農林漁業者を支援するため、国の「Go To Eatキャンペーン事業」の実施スキームを活用して、本県独自に「やまぐちプレミアム食事券」を発行し、飲食需要を喚起します。

さらに、県産米や花き等の農林水産物の需要回復を図るキャンペーンを実施するとともに、県内店舗の資金支援と消費需要の喚起のため、大規模な購入型クラウドファンディングを実施します。

このほか、コロナ後を見据えた観光産業の収益力の向上や、海外との往来再開後に回復が見込まれるインバウンド需要の取り込みに向けた戦略的なプロモーション等にも取り組みます。

 

次に、3つ目の柱である「新たな未来に向けた県づくりの推進」についてです。

まず、コロナ禍において、その必要性が再認識された医療や福祉の充実強化を図り、いざという時に大切な命と健康が守られる、より高いレベルの安心の確保を目指していきます。

具体的には、まず、「医療・介護の充実」として、感染症対応に加え、救急・周産期医療など高度専門医療の拠点である県立総合医療センターについて、将来にわたって中核的な役割を担うことができるよう、より高いレベルの安心を目指した機能強化を検討し、基本構想を策定します。

また、地域医療の未来を見据えて、デジタル技術を活用し、場所を問わず必要な医療を提供できる遠隔医療体制の構築に向けた環境整備を進めるとともに、今後の更なる新興感染症への対応においても指導的な役割を担う感染管理認定看護師を養成するための研修等を実施します。

さらに、コロナ禍で負担が増加している介護事業所や障害福祉サービス事業所について、業務の効率化やサービスの質の向上を図るため、ICTやロボットの導入を支援します。

次に、「子育て支援」としては、まず、安心して妊娠、出産、子育てができる環境を整備するため、SNSによる相談体制に加えて、県民からの相談に24時間365日対応できるよう、AIを活用したシステムを令和4年4月から本格運用することとしており、これらの回答精度の向上や利用促進を図っていきます。

また、医療的ケアを必要とする児童やその家族への支援を充実するため、支援拠点となる専門相談窓口の設置等を行うとともに、保育所等における受入体制の整備に向けた看護師の配置やガイドラインの作成など、市町が行う取組を支援します。

さらに、家事や家族の世話等を行うために子どもらしい生活を送ることができないヤングケアラーについて、実態調査や市町における支援体制の構築等を図るほか、円滑な里親委託に向けて、ICTを活用した支援システムの整備等に取り組みます。

次に、デジタル化による環境変化をチャンスと捉え、県全体のデジタル化を強力に進めながら、これを最大限に活用し、社会全体における、より高いレベルの成長の実現を目指していきます。

具体的には、まず、「デジタル社会の実現」として、昨年開設したDX推進拠点等を核に、官民一体となった地域課題の解決や新たな価値の創造に向けた取組をさらに進めるとともに、次代を支えるデジタル人材を育成するため、多彩な研修や人材の発掘を行います。

また、誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向けて、高齢者等がより豊かで便利な生活を実感できるよう、デジタルデバイドを解消するための事例の創出を行うとともに、行政サービスの更なる向上や業務の効率化に向けた取組等の充実を図ります。

次に、「中堅・中小企業のデジタル化」として、まず、県内中小企業のDXによる持続的成長を強力に後押しするため、専門家派遣等を通じて、企業の取組状況に応じたきめ細かな支援を行うとともに、オンラインを併用したハイブリッド形式の展示・商談会への対応など、県内中小企業が新しいスタイルの販路拡大に取り組めるよう支援します。

また、大都市圏を中心に採用活動のデジタル化が急速に進展している状況を踏まえ、採用活動の各段階に応じたセミナーやアドバイザーの派遣等を行い、県内企業における採用活動のデジタル化の取組を支援します。

このほか、観光地経営におけるDXを促進するため、データに基づいて課題解決方法を検討・検証するワークショップの開催等に取り組みます。

次に、「建設DXの推進」として、頻発・激甚化する自然災害や施設の老朽化等の課題に対応するため、引き続き、建設現場の生産性向上に向けた3次元モデルの活用を促進するとともに、デジタル技術を活用したインフラメンテナンスの高度化・効率化をさらに進めるため、対象施設の拡大に向けた調査・検討を行います。

次に、「スマート農林水産業」として、まず、高齢化に伴い減少する熟練者の技術を継承するため、それをデジタル技術により再現する取組を進め、令和5年度に供用開始する「農林業の知と技の拠点」を活用し、速やかな展開を目指します。

また、コロナ禍にあっても、県産農林水産物の輸出拡大を実現するため、移動制限により実施が困難になっているバイヤーの産地招へいについて、遠隔地からバーチャルで視察できるシステムを導入し、新たな販路開拓・拡大を図ります。

さらに、国産小麦の需要増加を踏まえ、衛星画像やAIを活用した県産麦の高品質・安定供給体制の確立に取り組むほか、水産資源の保護と持続可能な漁業の両立を目指し、漁場の3Dデータ化等による科学的な資源調査等を実施します。

次に、「イノベーションの創出」として、まず、県内企業の生産性の向上や新たな付加価値の創出を促進するため、先進デジタル技術の導入支援等により、ものづくり企業におけるDXの更なる加速を図ります。

また、艦艇装備研究所岩国海洋環境試験評価サテライトの誘致による本県の優位性を活かし、水中ロボット産業の育成を通じた県内産業の活性化を図るため、コンテストやセミナーの開催等により、水中ロボット産業への事業参入を目指す企業を支援します。

さらに、再生可能エネルギーの有効活用に向けて、公共施設を活用した実証事業を継続するとともに、再生可能エネルギーとEvを組み合わせて自動車移動の脱炭素化を図る取組であるゼロカーボンドライブの導入に向けた調査等を、県有施設において実施します。

次に、「新たな人の流れの創出・拡大」については、人々の意識の変化を的確に捉え、都市から本県への移住やスポーツ・文化の新しい取組を活かした誘客を促進するなど、関係人口の創出・拡大に向けた取組を加速していきます。

具体的には、まず、テレワークにより新たな人の流れを呼び込むため、昨年県庁に開設したモデルオフィスの運営等を通じて、都市部の働き手の本県への移住を支援するとともに、ワーケーションにより関係人口の拡大を図るため、山口宇部空港内に開設した総合案内施設を核として、誘致活動に取り組みます。

また、豊かな自然を活かし、キャンプとアクティビティを結びつけた新しいスポーツツーリズムを引き続き推進するほか、後継者不足やコロナ禍で活動制限等に苦慮する地域伝統芸能を次代に継承していくため、AIを活用した体験コンテンツの制作を通じて、関心の薄い若年層等にも普及を図っていきます。

次に、「新たな日常を支える人材育成」については、本県の未来を担う子どもたちに対する教育活動を一層充実するほか、若者たちが困難な課題に挑戦し、乗り越えていく力を備えることができるよう、様々な主体との連携の下、新たな時代に対応できる人づくりを推進します。

具体的には、まず、全国に先駆けて整備した県立学校におけるICT環境等を活用し、「やまぐちスマートスクール構想」の一層の推進を図るため、一人一台タブレット端末等を活用した海外とのオンライン交流やハイレベル課外授業の実施等に取り組みます。

また、障害に応じた個別最適な学びの実現や、児童生徒の自立と社会参加の促進に向けて、特別支援学校における校外学習や職場体験等の社会体験活動の充実を図るため、デジタル技術を活用した本県独自のVR動画を作成します。

さらに、「新たな時代の人づくり推進方針」に沿った取組を全県的に推進するため、新たに民間団体が主体となって学校や企業と連携・協働し、子どもたちに身近な場所で多様な学びを提供する取組に対して、その立ち上がり支援を実施します。

以上、主な歳出について御説明申し上げましたが、これらの結果、一般会計の総額は、前年度当初予算に比べ、4.4パーセント増の7,862億4,400万円となったところです。

 

一方、歳入予算については、まず、県税収入について、海外経済の改善や国内経済の好調を背景とした企業収益の改善により法人二税の増収等が見込まれることから、前年度当初予算に比べ、20パーセント増の1,933億1,700万円を計上しています。

また、地方交付税については、地方財政対策に伴い、前年度当初予算とほぼ同額の1,798億5,400万円を見込むとともに、県債については、特別分である臨時財政対策債の減少等により、前年度当初予算に比べ、34.5パーセント減の536億8,500万円を計上しています。

このように、来年度の予算編成に取り組んだところですが、検査体制の強化をはじめ、オミクロン株の感染急拡大の状況を踏まえた対策の実施等により、歳出予算は前年度を上回る規模となっています。

一方、当初予算編成方針の時点で66億円を見込んでいた財源不足額については、地方創生臨時交付金の更なる活用や編成過程における歳出削減、歳入確保等の取組により、最終的に53億円まで改善したところであり、財源調整用基金の取崩しにより対応した結果、来年度末の基金残高見込みは約90億円となりました。

感染症の影響等により我が国経済の先行きが不透明な中、依然として厳しい財政状況が続きますが、私は、安心は何にも代えがたいという信念の下、県民の命と健康を守り抜き、社会経済を発展的に再生させることに、責任を持って取り組んでまいります。

 

以上が、議案第1号に係る令和4年度一般会計予算の概要です。

 

次に、議案第2号から議案第17号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、その予算規模は、母子父子寡婦福祉資金特別会計ほか15会計を合わせて、総額2,911億1,500万円となっています。

 

条例、事件議決

議案第18号から議案第36号までは、いずれも条例の一部を改正するものであり、農業大学校に新たに土地利用学科を設置するなどのため、それぞれ関係条例の一部を改正するものです。

議案第37号から議案第40号までは、外部監査制度に係る包括外部監査人との契約の締結等に係る事件議決に関するものであり、それぞれ県議会の議決をお願いするものです。

 

令和3年度補正予算等

議案第41号から議案第56号までは、令和3年度の各会計に係る補正予算に関するものです。

 

議案第41号は、一般会計補正予算です。

今回の補正予算は、国の経済対策に対応した事業の追加等を行うほか、県税収入等の歳入財源の確定見込み及び各事業の最終見込みにより、所要の補正を行うものです。

まず、歳入予算についてですが、県税収入について、企業収益の改善により法人二税等の増収が見込まれること等から、300億2,600万円の増額補正を行っています。

また、地方交付税については、国の補正予算に伴う再算定等の結果、170億6,300万円を増額するとともに、国庫支出金及び県債等については、歳出予算との関連など、確定見込みにより、それぞれ所要の補正を行っています。

次に、歳出予算については、国の総合経済対策に対応し、防災情報ネットワークシステムの改修や県立学校等における感染対策等に要する経費の計上を行うとともに、社会福祉施設の機能強化、畜産経営体の収益力強化に資する施設整備を行うなど、合わせて14億4,400万円を計上しています。

このほか、災害復旧費における最終整理、その他事業の最終見込みによる所要の補正を行うとともに、地方財政法の規定に基づく令和2年度決算剰余金の積立など、年度間の財源調整を図るため、財政調整基金に181億600万円を積み立てることとしています。

以上の結果、議案第41号に係る一般会計補正予算の総額は、157億2,500万円の減額となり、補正後の予算額は、8,157億2,100万円となっています。

なお、建設事業等に係る繰越明許費については、国の補正予算への対応や用地補償交渉の遅延等により、11月補正予算での設定分の変更と合わせ、664億9,200万円を予定しています。

 

議案第42号から議案第56号までは、特別会計及び企業会計に関するものであり、中小企業近代化資金特別会計ほか14会計について、いずれも最終整理による所要の補正を行うものです。

議案第57号は、令和3年度に県が行う建設事業に要する経費の最終確定に伴い、市町が負担すべき金額を変更することについて、県議会の議決をお願いするものです。

 

その他

この際、御報告申し上げます。

訴訟上の和解をすること及び交通事故等による損害賠償の額を定めることについては、専決処分により、処理をいたしました。

また、地方独立行政法人山口県産業技術センターの常勤職員の数について、地方独立行政法人法の規定により、別添のとおり報告します。

 

以上、提出議案等について、その概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。